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BNCTKUR

BNCT






悪性神経膠腫に対する非開頭硼素中性子捕捉療法





 硼素中性子捕捉反応
 による細胞の破壊
  硼素中性子捕捉反応による細胞の破壊  硼素中性子捕捉反応による細胞の破壊
                      癌細胞

理論的背景
中性子捕捉療法は以下の原理に基づく放射線治療の一種です。腫瘍細胞内に・ュf(Boron-10)を取り込ませ、外部よりエネルギーの低い中性子を照射すると、硼素(Boron-10)原子核は中性子を捕獲し核分裂を起こします。この10B(n,α)7Li核反応によりα粒子(ヘリウム原子核)とLi反跳核(リチウム原子核)が放出されます。これらの荷電粒子は、組織内でそれぞれ約9μm及び約5μmの飛程を有しており、この飛程は腫瘍細胞の1個分の大きさに相当します。これらの特徴により理論的には、正常な脳神経細胞等をほとんど傷つけることなく、腫瘍細胞のみを細胞レベルで選択的に破壊することが可能となります。

図 

これまでの治療成績と改良点
これは1990年以降、KURにおいてBNCTを行った脳腫瘍61例の治療成績です。二本の実線で示す悪性星細胞腫の成績を比較すると、脳腫瘍統計の一般的な治療成績より格段に向上していますが、破線で示す膠芽腫では成績の改善が僅かでした。そこで次の点を改良しました。
まず、エネルギーの高い熱外中性子を用いることで、深部の腫瘍にも開頭なしに照射可能となりました。ついで、性質の異なる2種類の硼素化合物を使用することで、腫瘍のみに大量の硼素を取り込ませることが可能となり、さらにコンピューターによる中性子線量シミュレーション(SERA)を導入しました。

脳神経外科治療の最近のトレンドは、一言でいいますと低侵襲治療に尽きます。 血管内治療や定位的放射線治療など、比較的侵襲の少ない代替治療方法が急速に開発されておりますので、侵襲性の高い治療を行い病気は治ったが患者はその副作用で亡くなったということはもはや許されなくなっております。そこで我々は、BNCTにおいてもできるだけ侵襲が少ない非開頭での治療を目指すことにしました。

治療の実際

非開頭によるBNCT  治療の実際
  非開頭によるBNCT                 治療計画システム

   治療計画システム

図症例

 右に実際の照射例の経過を提示します。
 治療効果は48時間後の時点ですでに現れており5週間後においてもさらに腫瘍は縮小傾向にあります。
 その後、縮小傾向は停滞しましたが臨床症状は安定し、家庭復帰されました。




適応症例 ・ 治療方法

対   象 : 悪性神経膠腫(AA、GB) (照射歴のない方が望ましい)
進 展 度 : 一側半球に限局、頭皮より6cm以内
照射前手術 : 〜一週間前に腫瘍摘出術(可及的除去)を施行する。組織型の確定後にBNCTを実施する。

PETによる硼素の取り込み量の測定 : 術前にPET(positron emission tomography)を行うことにより、硼素化合物の取り込みをシミュレーションする。

BNCT後のX線治療 : 腫瘍深部の不足線量は、BNCT後1週間以内に通常のX線照射を追加する。

保健適応、費用 : 研究的治療であり、健康保険の適応は受けない。ただし本治療に掛かる費用は研究費から支給され、患者に自己負担は求めない。

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京都大学原子炉実験所
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