高中性子束炉の基礎研究



 
高中性子束を持つ原子炉の基礎研究については、初期の頃、C架台において京都大学高中性子束炉(Kyoto Univerisity High Flux Reactor : KUHFR)の建設を目指して精力的に臨界実験が行われました。KUHFRは、重水反射体軽水減速型2分割円筒炉心という特徴的な構造の研究用原子炉であり、この核特性を把握するために

(a) 軽水減速・反射型単一炉心の臨界実験から始め、順次
(b) 中央部に軽水領域を有する軽水減速・反射型単一炉心の臨界実験
(c) 軽水減速・反射型2分割炉心の臨界実験
(d) 重水反射体付き軽水減速型直方体炉心の臨界実験
(e) 重水反射体付き軽水減速型単一円筒炉心の臨界実験
(f) 重水反射体付き軽水減速型2分割円筒炉心の臨界実験

へと進められました。なお、KUHFRは、1978年に原子炉設置変更承認を受けましたが、諸般の事情により1990年に撤回の原子炉設置変更承認申請を行うに至りました。しかし、この間、国際的な試験・研究炉用ウラン燃料の濃縮度低減化政策が採用されることとなったため、高濃縮ウラン燃料の使用を予定していたKUHFRの燃料濃縮度低減化研究がアメリカ・アルゴンヌ国立研究所(ANL)との共同研究として行われ、世界で初めて中濃縮ウラン燃料炉心の臨界実験に成功するなど、濃縮度低減化関連研究では国際的にも一定の役割を果たしました。また、核特性研究は、2分割炉心を中心とした結合炉の物理、研究用原子炉の温度反応度係数やボイド反応度係数等に関する実験的研究へと発展し、成果を挙げています。