中速中性子の基礎研究




 中速中性子の基礎研究については、当初、トリウム増殖炉との関連で研究を行うことが計画されていましたが、1986年から大学連合による高転換軽水炉開発のための基礎研究が開始されたことに伴って、B架台(一部A架台も使用)において本格的な実験的研究が始まりました。高転換軽水炉とは、燃料格子を稠密化して中性子スペクトルを硬化させ、燃料増殖比の改善を目指すものであり、主としてプルトニウムの利用が考えられていました。KUCAではプルトニウム燃料を使用することができませんが、炉心核特性の中性子依存性については基礎的な研究は行えるとの認識に立って大学連合の研究が開始されたものです。
 この研究では、基本的には燃料体中の燃料セルを構成する高濃縮ウラン燃料板とポリエチレン板の比率を変え、減速材対燃料体積比を系統的に変化させることによって炉心の中性子スペクトルを変える方式が採用され、必要に応じて天然ウラン金属板を組み合わせて実効的なウラン濃縮度を変化させる方式が採用されました。本研究の成果に基づき、1993年にKUCA実験に参加する日本の大学連合とフランスの原子力庁(CEA)との間で3年期限の研究協力協定が締結され、協力研究が開始されるに至りました。この協定は、1996年に3年間延長され、さらに1999年には5年間延長されることとなりました。