トリウム増殖炉の基礎研究




 
トリウム増殖炉の基礎研究については、トリウム金属板を購入して、1977年以降、主にB架台において実験的研究が行われてきました。初期の頃、トリウム金属板を含むテストゾーンを炉心中央部に構成して、いわゆるゾーン型炉心を用いた臨界実験が盛んに行われていました。これには比較物質として天然ウラン金属板を用いた実験が行われました。しかし、ゾーン型炉心は多領域炉心であり、実験解析が複雑になるきらいがありました。1980年に固体減速架台用高濃縮ウラン板が増量されこともあり、1985年以降はゾーン型炉心ではなく、直接、燃料体中の燃料セルにトリウム金属板を導入し、減速材対燃料体積比を系統的に変えて中性子スペクトルを変化させながら臨界実験を行う方式が採用されています。また付設加速器の完成後、1983年頃から、核融合・核分裂ハイブリッド炉の一形態としてのトリウム燃料ハイブリッド炉の基礎的研究がA架台において継続して行われています。これらの研究を通じて、トリウム核データの評価を行う上で貴重な積分実験データが蓄積されており、1999年11月に国際原子力機関(IAEA)本部で技術専門家会合(TCM)でも注目を集め、KUCA実験に基づく国際ベンチマーク計算問題を作成しようという提案が出される状況になっています。