軽水減速架台(C架台)






 軽水減速架台(C架台



 C
架台は、軽水を減速材として使用しているので、軽水減速架台と呼ばれ、直径、深さともに約2mのアルミ製タンクの中に臨界集合体が構成されています。
 この架台で使用される燃料板には3種類あり、

 (1) 0.5mm厚の93%濃縮ウラン・アルミ合金を燃料ミートとする、幅6.2cm、長さ60cm、厚さ1.5mmのアルミニウム被覆の高濃縮ウラン
   ETR型平板燃料
 (2) 同じく0.5mm厚の93%濃縮ウラン・アルミ合金をミートとする、幅51.71〜108.01mm、長さ65cm、厚さ1.4mmのアルミニウム被覆の
   32種類の曲率を持った高濃縮ウラン湾曲型燃料板
 (3) 0.5mm厚の45%濃縮ウラン・アルミ合金を燃料ミートとする、幅48.70〜104.41mm、長さ65cm、厚さ1.4mmのアルミニウム被覆の
   32種類の曲率を持った中濃縮ウラン湾曲型燃料板

等があります。


 燃料体は、上記の各種燃料板を溝を彫った2枚のアルミニウム側板を持つ燃料フレームに挿入することによって構成され、それを炉心タンク中に設けられた格子板状に装荷して、炉心部のH/235U比が400以下となるように、臨界集合体が形成されます。ETR型平板燃料用には、燃料ピッチがそれぞれ3.0mm、3.5mm、4.5mmとなるような3種類の燃料フレームが用意されています。一方、湾曲型燃料板用には、燃料ピッチが3.80mmあるいは3.84mmとなるような燃料フレームが用意されています。また、中濃縮ウラン湾曲型燃料板用には、側板に天然ボロンを含む燃料フレームが特別に用意されています。
 また、ステンレス製の炉心格子板は、固定部と可動部からなっており、炉心分割機構によって、最大20cmまで連続的に、炉心水平に2分割することができるような構造になっています。これによって軽水型2分割炉心の特性を測定することができます。


 この架台における反応度の制御には、カドミウムを中性子吸収材として用いた6本の制御・安全棒の他に、運転時に炉心タンクに給水される軽水も使用できます。すなわち、水位制御が可能になっています(しかし、現実には板状燃料間の水の表面張力の影響が大きく、水位制御を実験で用いることはありません。運転停止時には、炉心タンク中の軽水はダンプ弁を開くことによって炉心タンク下部のダンプタンクに移行し、未臨界状態を保証する構造となっています。このダンプ排水機構は、3秒以内に炉心タンクの水位が約9cm下降する緊急水位下降装置と共に、制御・安全棒の一斉挿入とは独立した反応度制御機能を果たします。炉心タンクへの給水速度は、高速給水、低速給水、間欠給水の3段階があり、臨界近傍での高速給水はできないようなインターロックが設けられています。
 また、この架台では、アルミニウム製の重水容器に密閉した重水を反射体として使用することができ、

 (1) 直方体形状
 (2) 円環柱形状(1つ目玉型)
 (3) 楕円環柱形状(目玉型)

等、数種類の重水反射体容器が用意されています。
 なお、軽水減速架台における燃料の最大装荷量は、235U量にして10kgとなっています。


 C架台は、京都大学を含む全国10大学の原子力工学専攻学生あるいは院生に教育の場を提供するとともに、これまで、

 (1) 2分割炉心を含む、軽水減速型軽水反射体付きあるいは重水反射体付きの高速中性子束研究炉に関する基礎研究
 (2) ウラン燃料の濃縮度の低減化に関する研究

に使用され、いくつかの成果を挙げてきました。これは建設当時、一部にあった「軽水減速型の炉心については、もはや行うべき基礎研究課題がないのでは?」という心配を払拭するものであります。電子計算機の進歩に伴って、実験解析コード類が開発・整備されつつある今日、それらの計算コードを検証するためのベンチマーク実験を行う場として、C架台の役割は、基礎研究を遂行する上で重要なものとなっています。