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京都大学臨界集合体実験装置 Kyoto University Critical Assembly : KUCA

KUCA ご案内information

京都大学臨界集合体実験装置 概要

 京都大学臨界集合体実験装置(Kyoto University Critical Assembly : KUCA)は、京都大学研究用原子炉(Kyoto University Reactor : KUR)における10年の経験を基に建設された、世界的にも数少ない複数架台方式の装置であり、A架台、B架台、C架台(A, B架台は固体減速架台、C架台は軽水減速架台)と1基の付設加速器で構成されています。KUCAは、原子炉の核特性に関する基礎研究、開発研究および教育訓練を行うことを目的とした、全国大学の共同利用研究施設であります。当初、その具体的な使用目的としては、

(1) 高中性子炉の基礎研究
(2) 中速中性子炉の基礎研究
(3) トリウム増殖炉の基礎研究
(4) 未臨界実験の延長としての研究
(5) 原子力専攻学生の教育訓練

等が挙げられます。

 1974年にC架台、B架台、A架台と相次いで初臨界を達成した後、1975年から共同利用研究が開始されました。KUCAでは、1986年まで新しい臨界実験の計画、実施の状況、結果の検討等は、臨界集合体専門研究委員会(CA専門研究会)、なかでも日本原子力研究所(JAERI)や各大学の経験者や京都大学原子炉実験所(KURRI)の担当者で構成される幹事会において、綿密な検討を経ることとされてきました。したがって、現在のKUCAを用いた炉物理研究のスタイルはCA専門研究会の指導を受けて確立されたと言うことができます。ちなみに幹事会では一貫して次のような基本方針の下に活動が行われてきました。

(a) 臨界実験としてはよく定義された(Well-defined)、目的の明確な実験を行うこと
(b)具体的な実験計画の立案に当たっては、実験の方法・手段を含めて検討および準備し、必要な予備計算(計算機   実験)を実施すること
(c) 実験解析および集合体維持・管理に必要なデータベースおよび計算コードのシステムを整備し、臨界実験とそ   の解析を通じてシステムの能力 向上につとめること
(d) 実施した臨界実験のデータおよび資料をデータベース化すること
(e) 上記の(c)および(d)のソフトウェア全体を、臨界実験装置(ハードウェア)と同様に、共同利用に供すること

 これらの基本方針は、KUCAにおける炉物理研究の指針として現在に引き継がれています。

初臨界 記念写真 -1976/Nov/15-