ライナックの沿革

1964

昭和39

米国 High Voltage Engineering 社製ARCO L-1512G 

電子線型加速器(ライナック)を導入。

1965

昭和40

同上 ライナックの据付(当初は加速管1本、23MeV

1966

昭和41

所内で実験開始 

「パルス状中性子源による炉物理研究専門委員会」発足、 

LINAC利用に関する討論、研究発表、情報交換の場となる

1968

昭和43

共同利用開始 

遠距離中性子飛行時間分析実験装置付設(特別設備費) 

京都大学大学院工学研究科「原子炉特別実験」の利用開始 

  (平成4年より「中性子応用実験」と変更)

1971

昭和46

高速時間分析装置(HISTA)付設(科学研究費) 

加速管が油(拡散ポンプ)で汚染したために洗浄

1971 

1972

昭和46 

 〜47年 

加速管及びクライストロンを増設し、 

エネルギー増強作業(23MeV46MeV)(特別設備費)

1972

昭和47

多次元波高及び飛行時間分析装置付設(特別設備費)

1973

昭和48

電子銃の交換により電流増強 

(短パルスにて1.5A 2.5A) (特別設備費)

1974

昭和49

直流高圧電源部の更新(No.1クライストロン用パルサー)

1977 

1978

昭和52 

 〜53

RFドライバー(マイクロ波増幅器)の改修

1978

昭和53

主冷却系ポンプの更新

1978 

1979

昭和53 

 〜54年 

RFドライバー(マイクロ波発生器)の更新

1980

昭和55

インジェクター電源の改修により電流増強 (短パルスにて2.5A 6A 

飛行時間分析データ処理装置(PDP-1134)付設(科学研究費) 

マイクロ波出力確認、無反射終端の異常発見 

熱交換器洗浄

1981

昭和56

電子エネルギー測定用電源の改修 

KURRI-LINAC15年以上経た装置として、維持費半減となり、管理、運営上危機に頻す。 

11月、維持費復活決まる。 

クライストロン機種変更のための設計作業開始 

多次元波高分析及び飛行時間分析データ収集処理装 

(CANBERRA Series-88MP)付設(科学研究費)

1982

昭和57

No.1 モデュレータ主サイラトロンの機種変更 

No.2 クライストロンの機種変更(米国リットン社製 L-3661 →仏国トムソンCSF社製TV2022B 

 及び これに伴う周辺回路 の改造1次冷却水浄化系(2系統)の更新 

天井防水処理の全面補修、放射線遮蔽用盛り土の補強、床 塗装 

クライストロン室空調設備の改修

1983

昭和58

放射線モニターの更新 

トリガジェネレータのディジタルIC

1984

昭和59

No.2 モデュレータの PFNコンデンサの更新、新回路の導入 

平成元年までの間:クライストロン・モデュレータ高繰返し化作業

1985

昭和60

インジェクター電源内プラスチック光ファイバーの改修

1986

昭和61

No.1 クライストロンの機種変更及びこれに伴うモデュレータの改造(特別設備費)

真空系の更新(特別設備費)

1987

昭和62

光中性子発生用ターゲット冷却系の改修

1988

昭和63

ハイブリッド・レコ−ダ導入により各部モニターの自動記録化 

冷却塔ファンの改修 

トリガ・インターロック整備 

新しい水冷 Taターゲット(光中性子源用)の製作熱交換器の洗浄、冷却塔修理 

導波管用ガスケットの更新

1989

平成元年

No.2 加速管用ウインドウの更新 

モニターテレビによる監視装置の設置 

電源キュービクルの整備 

ビ−ムトランスポ−ト系マグネット電源の更新

1990

平成2

真空系・ゲートバルブの更新、ビーム窓の薄膜化(20-30μm 

分析管及びビームダクト系の更新 

鉛減速スペクトロメータ設置のためターゲット室改造 

鉛減速スペクトロメータの設置(東京大学より移管) 

冷却水温度制御系の更新

1991

平成3

鉛減速スペクトロメ−タ用ガス冷却 Taターゲットの製作 

イオンポンプ増設、エレメントの交換 

20m TOF 測定小屋空調装置の更新 

時間分析・データ処理システムの購入(科学研究費) 

維持費が半減され、ライナックの維持・管理、運転を継続していく上で、極めて厳しい状況に至る。

1992

平成4

維持費はさらに10%削減される。 

熱交換器の洗浄マイクロ波標準信号発生器の更新

1993

平成5

10m TOF 測定小屋空調装置の更新 

ターゲット室と加速器本体間に遮蔽壁を設置 

記録計(放射線監視用、加速器監視用)のオーバーホール 

ストリーク・カメラによるバンチ形状の測定KUINS布設

1994

平成6

維持費は昨年度実績の約7割に削減 

実験室関係の整備、塗装 実験データ収集処理用PC購入(科学研究費) 

2次冷却系の配管及びポンプの更新 

2次冷却系熱交換器の洗浄 

兵庫県南部地震による電子銃の故障、真空系不調 

制御室前に前室(共同利用者控室)を増設

1995

平成7

No.1加速管水負荷故障(絶縁ガス漏れ)予備品と交換 

No.2モデュレータトリガアンプ故障修理 

パーソナルドア修理 

ターゲット系、マグネット系熱交換器の更新 

トラックサイズドア側遮蔽にカドミ板取付 

ターゲット室照明器具更新

1996

平成8

マグネット系冷却配管の更新 

ターゲット系、マグネット系冷却水にイオン交換器追加 

トラックサイズ・シャッター電動化工事 

通路側飛行管の撤去

1997

平成9

特別設備費(維持費)なくなり、所内の配当のみになる

RFドライバー安定化トランスの交換

実験室整備(空調設置、壁塗装、アコーディオンカーテン)

飛行管室空調更新

1998

平成10

No.2 モデュレータのオーバーロード多発のトラブルが解決

全積算時間計の更新、及び故障していた電子銃表示器の交換

インジェクター・トップデッキの全真空管の交換

主熱交換器2台の更新、物置更新

ビーム・パワー低下、クライストロンの性能劣化と予測

1999

平成11

ビーム・パワー低下の原因がNo.1クライストロンの収束コイルの故障(層間短絡)と判明、発注許可を得て手配。(正常な収束コイルとマイクロ波出力の高い方のクライストロンをNo.1に移し利用継続)9/1に入手、交換するが、クライストロンのパワーも低いことが判明。

No.1クライストロンの収束コイル電源が故障、交換

インジェクタ・トップデッキのアバランシェ・トランジスタの故障、修理

冷却水温度コントローラの故障、交換

パーソナルドアの故障

2000年問題に対応し、記録計を横河電機製DC100に更新、パソコンを導入し、他のパソコンからもライナックの状態を監視できるようになった。

2000

平成12

No.1加速管側のNo.2加速管のフランジで真空漏れ発生、夏季にイオン・ポンプ・エレメント交換時にガスケットを交換作業(交換後、ポンプのベーキングと電子銃活性化作業を行う)

モデュレータPFNの波形調整

主サイラトロンのリザーバー電源にスイッチング電源を使い、DC点灯に変更

No.1の主サイラトロンKU275CF241に交換(16486.9時間動作)

ターゲット冷却ポンプ故障、入手と交換でマシンは1週間停止(何年ぶり?)

クライストロンを新品と再生品で余り使っていなかったものに交換

2001

平成13

主サイラトロンの冷却方式を、アクリル・パイプを使った煙突方式に変更、極めて順調になる

中性子発生装置棟の全照明器具の更新

No.2モデュレータにドア・インターロックを設置

コントロール・パネルの改造、バンチャ−等RF系の位置信号をパソコンに取込可

温度コントロール用3方弁の分解点検

2002

平成14

RI施設変更申請に伴う整備(ターゲット室の簡易非密封RI取扱室に、排風機・除染室・ターゲット室放射性ガスモニタの設置、壁コンクリート追加して制御室をRI非管理区域に)

2003

平成15

6W長時間運転後の停止時に真空漏れでマシン停止事故発生

No.1モデュレータ高圧電源安定化とDeQing回路の設置

インターロック・シーケンスの一部手直し

2004

平成16

No.2モデュレータ直流高圧電源安定化とDeQing回路の設置

No.2クライストロン(S/N23185)使用から約2ヵ月後にクライストロンボディから漏水があり、フランスに返送・修理後、現在再利用している。

No.2モデュレータ共振充電用チョークコイルの層間短絡発生(当初、他の箇所の故障を疑い修理に1ヶ月を要する。)

インターロックの手直し

2005

平成17

電子銃・入射器システム第1期更新

No.1加速管上流ステアリングの調整

No.2モデュレータPFNの波形調整

インターロックの手直し

過去最高の運転時間を記録

2006

平成18

位相調整器の更新

No.2マイクロ波水負荷の更新

Waveguide Magnet(加速管のヘルムホルツコイル)電源安定化(KEK大学連携支援事業の援助)

電子銃加速電圧測定碍子の故障

過去最高の運転時間を引き続き記録(年間2500時間以上)

2007

平成19

電子銃・入射器システム第2期更新(シングルバンチビーム取り出し可能に)

冷却塔部分補修

ビームモニタ追加(KEK大学連携支援事業の援助)

No.2サイラトロン交換(オーバーロード多発のため、DCクリーニング実施の物に:運転時間5732.2時間)

2008

平成20

電子銃ハウジング交換(真空漏れトラブル)

電子銃ヒーター電極更新(接触抵抗増大トラブル)

イオンポンプ電源一部小型化

No.1サイラトロン交換(No.2で使用していたものと交換:運転時間14771.0時間)

サイラトロンドライバー半導体化

低エネルギービーム利用可能になる

2009

平成21

クライストロンヒーター直流化

電子銃ロングパルサー更新

2010

平成22

イオンポンプ電源完全小型化

No.2加速管出口RF窓交換(冷却水水漏れによる真空悪化のため)

RFドライバー更新

トリガジェネレータ更新(タッチパネル化)

ビームモニタ用絶縁配管交換(真空漏れトラブル)

No.2サイラトロン交換(F241ITT)→L-4888BL3)、運転時間8616.6時間)

2011

平成23

No.1サイラトロン交換(F241ITT)→L-4888BL3)、積算運転時間12381.7時間)

No.1クライストロン交換(新品に、積算運転時間 20071.0時間)

No.2クライストロン交換(新品に、積算運転時間 14445.0時間)

Qマグネット導入

2012

平成24

マイクロ波暗電流による微弱ビームの取り出し開始

ボタン電極配管導入

電子銃ミドルパルサー故障

2013

平成25

No.2.Mod.PFNコンデンサ故障

分析管入口イオンポンプ増強(140Lから270L)

電子銃ロングパルサー故障

2014

平成26

放射化物保管室設置(搬入室の奥に)

サイラトロンショット数カウンター設置

2015

平成27

加速管ヘルムホルツコイル電源増強

サイラトロンリザーバー電源遠隔制御化

2016

平成28

温調系冷却水流量計オーバーホール

12m測定室改修

2017

平成29

分電盤ブレーカー断対策完了

No.2クライストロン漏水→中古のクライストロンと交換(積算運転時間 14979.8時間)

2018

平成30

No.2モデュレータ高圧ディスチャージ真空スイッチ故障

多重伝送ユニット故障

2019

令和元年

2次冷却水流量計追加(遠隔監視可能)