ライナック起動の手順

  1. 中性子発生装置使用簿の記入:使用簿左ページの放射線管理日誌に、運転開始日時、使用記録実験番号、実験者名、所内連絡者名、運転者名を記入。右ページの運転日誌に、制御パネル内に表示されている積算時間、真空度を記入。
  2. パソコン記録計:実験番号が新しくなる場合、「Logger」ウィンドウの「STOP」アイコンをクリックし、モニター中止をOKする。そして「MONITOR」アイコンをクリックし、続いて「RECORD」アイコンもクリックする。先日と実験番号が同じなら「STOP」アイコンはクリックせず、「RECORD」のクリックだけを行う。(モニターの一旦停止は、積算時間計のリセットで、「RECORD」は運転状態をパソコンに保存するための操作。) 常時記録になりました。「STOP」アイコンのみ操作可能なことを確認してください。
  3. 運転モード(過渡モード・定常モード)の選択:マイクロ波発生室でモデュレータパルス幅(Long or Short)の設定を確認する。
  4. 絶縁ガス圧の確認:加速管室に入り、導波管No.1,No.2,インジェクタの3ヶ所のSF6ガス圧を確認し、設定値より低ければガスを充填。
  5. 「赤1」をON:制御卓の右下にある「CONTROL AC 100V」コントロール・パワー鍵を入れ右へ回す。制御卓左下の警報ランプが点灯しアラームが鳴るので、「ALARM ACK」ボタンを押しアラームを消す。
  6. 「赤2」をON:制御パネル「CONTROL POWER」ボタンを押す。 隣のボタン「PUMP RUN」の「READY」点灯確認。(点灯しない場合、上部の警報パネル No.1 or 2 WATER LEVELランプを確認し、消灯していれば水を補充するかライナック担当者に連絡。)
  7. 「赤3」をON:制御パネル「PUMP RUN」ボタンを押す。隣のボタン「3φ208V」の「READY」点灯確認。
  8. 「赤4」をON:制御パネル「3φ208V」ボタンを押す。隣のボタン「MAGNET SYSTEM」の「READY」点灯確認。
  9. 「赤5」をON:制御パネル「MAGNET SYSTEM」を押す。
  10. 「赤6」をON:制御卓右側下「GUN FILAMENT」の「ON」を押す。
  11. ターゲット冷却水及びビーム窓冷却の設定:ターゲットを水冷する場合は、加速管室ターゲット冷却系PUMPの「RUN」ボタンを押し、ターゲットを水冷しない場合は「BY PASS」ボタンを押す。同様にビーム窓を空冷する場合には「RUN」ボタンを押し、空冷しない場合は「BY PASS」ボタンを押す。
  12. 加速管室とターゲット室に人が残っていないか確認し、ターゲット室入口扉を閉め、安全キーをすべて戻してから遮蔽パーソナルドアを閉める。制御室に戻り、制御卓の警報パネル「Linac Control Interlock Panel」の全てのランプ(MOD. HV. READYランプ以外)が点灯していることを確認する。
  13. ビームパルス幅の設定:運転モードに合わせて、「INJECTOR」のパルス幅、パルス電圧の設定を確認する。
  14. パルス繰り返し数及び運転モードの初期設定:TRIGGER GENERATOR & DELAY」タッチパネルで繰り返し周波数(pps)1Hzに、制御卓右側のトグルスイッチで運転モードを設定する(運転モードは前回と同じでも一度切り替える)。制御卓の警報パネル内Mod. HV. Readyランプが点灯するまで約25分間待機し、点灯後にライナック担当者に連絡する。
  15. トリガーインターロックのリセット:制御パネル左下の「OK RESET」緑ボタンを押し、ボタンを点灯させる。
  16. 「赤7、8、9」をON:制御パネル内の「RF」「INJ.400〜」「INJ. 1000〜」各ボタンを順番にONする。
  17. 電圧調整器の初期設定:制御台右手にあるNo.1No.2の電圧調整器のControlをOFFし、設定電圧を約11kVにする。
  18. 「赤10」をON:制御パネル「Mod. HV」スナップ・スイッチを下、上に倒し、モデュレータ高圧をONにする。
  19. 「赤11」をON:トリガーON。この際、電圧が大幅に低下した場合はすぐにトリガーをOFFし担当者に連絡する。
  20. Mod. H.Vの電圧及びパルス繰り返し数の調整:常に真空が目安の赤矢印を越えないように注意して作業を行う。No.2の電圧を「赤12」スナップスイッチで約11kVに調整(真空状態によっては11kV以下でも可)。繰り返し周波数を10Hzまで徐々に上げていく。その後、電圧調整器のControlONにし、No.2No.1の順に設定電圧を徐々に上げていく(但し13V以上は速やかに上げる)。終われば繰り返し周波数を設定値まで上げる。
  21. ビーム出射:タッチパネル「BEAM ON」を押して、ビームを出す。
  22. 起動後の監視:ビームが定常になり、ライナック担当者から引き継いだ実験者は、停止までの運転・監視を行うとともに、放射線管理日誌(中性子発生装置使用簿の左ページ)に必要事項を記入する。放射線モニターの数値は、記録計パソコンの「Logger」ウィンドウの「DIGTAL」アイコンをクリックし、「DIGTAL」ウィンドウの中の「日誌用」タブをクリックすると数値が表示されるので、これを読み取って記入する。
  23. 起動後にターゲット室に入るなど、ライナックを一旦停止する場合は、「青1」を押し「青2」を下に押してから「青3」を押して、高圧を落とす。なお、タッチパネル「BEAM OFF」ボタンを押すと、インジェクタ高圧もマイクロ波も入った状態でビームだけ出さないようにできる。

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