チェルノブイリ新聞切り抜き帖(2005年)


 

05/01/01 原子力学会誌1月号
建設中のロシア・カリーニン3号機(VVER1000、100万kW)が11月26日に初臨界に達した。

05/02/01 原子力学会誌2月号
建設中のロシア・クルスク5号機(RBMK1000、92.5万kW)が、資金難のため完成の予定がたたない状態になっている。クルスク5号は1985年12月に着工されたが、チェルノブイリ型原発の研究開発は打ち切られている。

05/02/01 原子力学会誌2月号
リトアニアのイグナリーナ原発1号炉(RBMK1500、130万kW)が2004年12月31日に閉鎖された。EU加盟の条件として、1号炉を2005年までに、2号炉を2009年までに閉鎖する約束である。

05/02/17 原産新聞
ロシア連邦原子力機関のルミャンツェフ長官は2月8日、原発3基の建設命令に署名した。ボルゴドンスク2号機(2008年運開予定)、バラコボ5号機(2010年)、カリーニン4号機(2010)の3つ。

05/04/01 原子力学会誌4月号
ルーマニアでの2004年の原子力発電(CANDU1基、65.5万kw)は、51億kwhを発電し、電力の約12%だった。チェコでは(VVER6基、350.4万kw)、263億kwhで31.3%だった。アルメニアでは(VVER1基、37.6万kw)、22億kwhで40.5%だった。ウクライナでは(VVER15基、1373.5万kw)、870億kwhで48%だった。ロシアでは(VVER15基、RBMK11基など31基、2174万kw)では、1430億kwhで15.4%だった。

05/05/12 原産新聞
ロシア国営企業で核燃料サイクル製品を輸出するテネックス社が4月22日、日本法人「テネックッス・ジャパン」を開設した。スミルノフ社長は「ウラン製品の日本でのシェアを現在の約10%から、将来的に約30%にしたい」と抱負を述べた。

05/05/19 原産新聞 松木良夫ウクライナ便り
ウクライナで、チェルノブイリの新シェルター建設資金が、不当に横流しされている、という疑惑が持ち上がっている。地元紙によると、1400万ドルで工事を請け負った民間企業が横領、また、事故被災者のわたるはずだった資金を含め1億7000万ドルの横流し疑惑がある。

05/06/23 原産新聞 松木良夫ウクライナ便り
ウクライナのティモシェンコ首相は5月8日、2030年までにさらに11基の原発を新規に建設する方針を明らかにした。ウクライナでは現在15基の原発が運転され、電力の約40%を発電している。

05/06/30 原産新聞
ブルガリア政府は4月、1991年以来建設が中断しているベレネ原発2基、200万kWの建設を決定し、入札手続きに入った。

05/07/01 原子力学会誌7月号
カザフスタン政府は5月9日、同国のウラン生産が2010までに1万5000トンに達し世界最大になる、との見通しを発表した。2004年の生産量は3719トンで、世界3位だった。

05/07/01 原子力学会誌7月号
ロシア原子力庁は5月、世界最初の海上浮遊型原発を5年以内に建設する計画を明らかにした。砕氷船用の船舶炉KLT-40-Cを2基搭載して合計電気出力は7万kW。

05/07/28 原産新聞
ハンガリーの放射性廃棄物管理機関(PURAM)が同国バタアパチ村で計画している中・低レベル放射性廃棄物処分場について、7月10日に村の住民投票が行われ、建設賛成が90.7%だった。投票率は75%。今回の住民投票をうけ、ハンガリー国会は夏にも建設決定を行う。

05/08/04 原産新聞
ウクライナのユーシェンコ大統領が、7月20日から23日まで来日し、愛知万博の視察、広島訪問などを行った。日本側は、チェルノブイリ・シェルター基金に1000万ドルの追加拠出を約束した。

05/09/06 毎日
IAEAやWHOの専門家グループは5日、チェルノブイリ原発事故による放射線被曝で死亡する人の数は4000人である、という調査結果を発表した。これまでの数字を大幅に下回った。

05/09/11 毎日
IAEAなどが発表した、チェルノブイリ事故による死者数4000人について、グリーンピースなど環境NGOグループは「まやかし」だと反発している。

05/09/15 原産新聞
9月6、7日の両日、国連8機関とウクライナ、ベラルーシ、ロシアの代表で構成される「チェルノブイリ・フォーラム」の国際会議がウィーンで開かれた。報告書によると、チェルノブイリ事故による死者数は4000人で、ガン死亡率を3%増加させるに過ぎない。

05/11/01 原子力学会誌11月号
リトアニア議会の会計検査委員会委員長スカルジウスは、資金不足のため2009年のイグナリーナ原発2号機閉鎖は不可能、との見通しを語った。設計上は2032年までの運転が可能としている。

05/11/01 原子力学会誌11月号
ロシア原子力庁は9月、海上浮遊型原発の建設を決定した。白海沿岸のセヴェロドヴィンスクの造船所で建設される。中国、インドネシア、マレーシアなども関心を示している。

05/11/24 原産新聞
日本とカザフスタンは11月21日、カザフスタンでのウラン鉱山開発に関するハイレベル協議を行い、具体的協力案件の実現をめざすことで合意した。

05/11/24 原産新聞
ロシアのフラトコフ首相は15日、原子力庁の長官にキリエンコ氏を任命した。キリエンコ氏はエリツィン大統領の下で1998年に首相を務めた。

05/12/01 原子力学会誌12月号
ロシア下院は10月、高速増殖炉ベロヤルスク4号機(BN-800)の建設資金を予算に計上した。チェルノブイリ型のクルスク5号炉の運転開始は2007年から2014年に延期された。

05/12/01 原子力学会誌12月号
リトアニアのアダムクス大統領は10月、リトアニアは今後も原子力利用を継続し、イグナリーナ1,2号機につぐ3基目の原発を新規建設すべきと語った。

05/12/01 原産新聞
ハンガリー国会は11月21日、バタアパチ村で予定されている中・低レベル放射性廃棄物処分場の建設作業着手を、339対4票で承認した。また、パクシュ原発(VVER、47万kW)の運転期間延長についても承認した。

05/12/15 原産新聞 松木良夫ウクライナ便り
ウクライナのユーシェンコ大統領が12月8日、チェルノブイリ3号炉からの燃料搬出作業を視察した。大統領は、外国からの使用済み燃料を受け入れ長期保管する事業の可能性について述べた模様。

05/12/17 毎日
1986年におきたチェルノブイリ事故の国民への影響を隠していた、と指摘するフランス政府の報告書が明らかになった。報告書によると、放射性汚染物質を含む大気がフランス南部やコルシカ島で検出されたが、正確な情報を提供しなかった。