チェルノブイリ・CIS東欧
原子力ニュース切り抜き帖(2006年)


 06/02/01 原子力学会誌2月号
ウクライナ原子力公社(ENERGOATOM)が、米国ホルテック社と、ロブノ、フメリニツキ、南ウクライナ原発からの使用済み燃料中間貯蔵施設の設計・建設契約に調印した。契約額は1億2500万ユーロで、これにともないロシアへの使用済み燃料の返還は2009年に中止される。

06/02/01 原子力学会誌2月号
ロシアのキリエンコ原子力庁長官は、2005年12月にベロヤルスク原発(BN-600)を訪問し、「ロシアは世界のFBR技術開発をリードしており、ベロヤルスク4号炉(FBR、80万kW)の建設予算を2006年度に計上する」と述べた。

06/02/01 原子力学会誌2月号
アルメニアで唯一運転中のメザモール2号炉(VVER-440、37.6万kW)の2005年の発電電力量は24億9700万kwhとなり過去最高を記録した。原子力シェアは43.8%だった。

06/02/01 原子力学会誌2月号
リトアニアのダウクシス・エネルギー相は1月9日、リトアニア政府はイグナリーナ2号炉(RBMK、130万kW)の運転継続についてEUと交渉すべきだ、と語った。イグナリーナ1号炉は2004年12月に閉鎖され、2号炉は2009年までに閉鎖の予定。

06/02/01 原子力学会誌2月号
ロシアの2005年の原発発電量は昨年より3.2%増の1476億kWhだった。原子力シェアは15.5%。運転中は31基。

06/02/01 原子力学会誌2月号
中国の2005年の原子力発電量は523億kWhでシェアは2.1%だった。9基合計695.8万kWが運転中。電源別では石炭が81.5%で水力が16%。

06/03/23 毎日
「チェルノブイリ原発事故 来月20年」「悪夢は終わらない」「汚染防護壁 老朽、崩壊も」杉尾記者による現地訪問記事。閉鎖された発電所に約3600人が勤務。

06/04/01 原子力学会誌4月号
ロシア原子力庁のキリエンコ長官は2月、2030年までに原発の電力シェアを25%まで高めるため、40基の原発新設が必要だと述べ、エンジニアリング部門を強化する意向を示した。

06/04/01 原子力学会誌4月号
バルト3国は2月27日、リトアニアに共同で原発を建設することなどを盛り込んだ共同声明を発表した。また、2009年までにバルト3国の電力市場を統一し、北欧電力市場へ参入する方針を示した。

06/04/01 原子力学会誌4月号
ウクライナの2005年の原子力発電量は、前年の2%増で887億2000万kWhだった。原子力シェアは47.9%。2006年1月に運転を開始したロブノ4号炉を加えると、ウクライナでは15基(1382万kW)の原発が運転中。

06/04/01 原子力学会誌4月号
ウクライナのエハヌロフ首相は2月10日、核燃料サイクルの確立をめざして、今後12年以内に燃料製造に着手する意向を表明した。

06/04/01 原子力学会誌4月号
ルーマニアで唯一運転中のチェルナボーダ1号炉(CANDU、70.6万kW)は2005年に55億5500万kWhを発電し、ルーマニアの電力の9.3%を供給した。2007年4月の運転開始をめざして、2号炉の建設が再開されている。

06/04/06 原産新聞
プーチン・ロシア大統領が、原子力を主題とする政府会議を開催した。大統領は、原発による電力は、現在送電力の16%を発電しているが、欧米並みに20%以上にする必要があると述べた。
06/04/15 毎日
WHOは13日、チェルノブイリ事故によるガンや白血病の死者数が9000人に達する可能性があるとの報告書を発表した。WHOとIAEAなどの専門家グループは2005年9月、死者数は4000人との報告を発表していた。

06/04/15 毎日
チェルノブイリ原発事故20年を前に、ウクライナ最高会議顧問のシチェルバクが14日、京都大学原子炉実験所で講演した。ウクライナでは働き手を失い援助を受けている家族が1万7000世帯にのぼり、事故関連費として国家予算の5%を支出している現実を語った。

06/04/17 毎日
「チェルノブイリ原発事故20年」と題する市民集会が16日、東京都内で開かれ約450人が参加した。ウクライナのシチェルバクが講演し「史上最悪の事故は終わっていない」と呼びかけた。

06/04/19 毎日
国際環境保護団体グリーンピースは18日、モスクワで会見し、チェルノブイリ事故によるガン患者は今後を含め約27万人、うち死者は9万3000人に達すると発表した。

06/04/20 原産新聞
バルト3国の電力会社首脳が3月30日、ラトビアのリガで会談し、リトアニアに共同で原発を建設する協議を行った。

06/04/21 毎日
WHO下部組織の国際ガン研究所(IARC)は19日、チェルノブイリ事故によるガン死者数は、旧ソ連被災国と欧州全域の40カ国で、2065年までに1万6000人に達するとの報告を発表した。

06/04/25 毎日
キエフで24日、NGOの国際会議「チェルノブイリ+20」が開かれ、「事故によるガン死者は3万から6万人」とする報告書が公表された。英国のフェアリー博士らが報告したもの。

06/04/26 毎日
チェルノブイリ原発事故20年の26日、広島県原水禁などが原爆慰霊碑前で座り込みを行った。JR大阪駅前では「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」の街頭活動に、ベラルーシから来日中の小児科医ら2人が参加した。

06/04/26 毎日
チェルノブイリ事故が起きた4月26日未明、キエフ市内の教会で追悼ミサが営まれ、ユーシェンコ大統領やウクライナ閣僚も参加した。追悼ミサは、ドネツク、ハリコフ、ルガンスクなどでも開かれた。

06/04/27 毎日
2005年9月にIAEAなど「チェルノブイリフォーラム」が発表した「事故による死者4000人」という数字は、当初の報告書案にはなかったことが判明した。当初の報告書案は「ガン死者8930人」だった。

06/04/27 毎日
ベラルーシの野党勢力は26日、ミンスクで反政府集会を開き約4万人が参加したが、当局との衝突はなかった。

06/04/27 毎日
「はだしのゲン」のウクライナ語板の作成がウクライナで進んでいる。日本ウクライナ文化交流協会(大阪府八尾市)の小野会長が呼びかけたもの。

06/04/28 毎日
チェルノブイリ事故から20年たった現在も、キューバはチェルノブイリの子供たちの無償治療を続けている。これまで、子ども1万8500人を含む2万2000人が治療を受けた。

06/05/01 毎日
兵庫県川西市在住の指揮者、守山俊吾さんが、チェルノブイリ20年をうけて、ウクライナの国立フィルハーモニーの演奏で「第九」を歌うツアーを秋に計画している。10月26日に国立フィルハーモニーの定期公演に出演予定。

06/05/18 原産新聞
4月24日から26日の3日間、政府主催の国際会議「チェルノブイリ事故後20年、将来の展望」が開かれ、約400人が参加した。

06/05/27 毎日
「チェルノブイリ20年救援コンサート」が7日、大阪市内で開かれる。主催は近畿32団体や個人の実行委員会で、オクサーナ・ステパニュックさんが出演する。

06/06/01 原産新聞
ロシア原子力庁のキリエンコ長官が、レニングラード原発をリプレースするため、2007年から2基の原発建設を示唆した。いずれも加圧水型炉。現在運転中のRBMK炉4基は2019〜2026年に閉鎖の予定。

06/06/29 原産新聞
ロシアのロスエネルゴアトム社が、海上浮遊型原発(FNPP)の建設契約を、セブマッシュ・プリドプリチャ造船所と契約した。FNPPは原子力船用舶用炉KLT40Sを2基搭載し、電気出力7万kW。2010年の運転開始予定。

06/07/01 原子力学会誌7月号
ルーマニア経済省は、資金難で建設中断していたチェルナボーダ3、4号炉を完成させる方針を明らかにした。2013年の完成をめざす。

06/07/06 原産新聞
カザフスタンでは、原発建設を検討しているタスクフォースが年内に報告書を政府に提出する予定。現在あげられている候補地は、カスピ海沿岸、バルハシ湖畔、旧秘密都市クルチャトフの3カ所。

06/06/24 原産新聞
チェルノブイリ原発解体研究契約の入札がウクライナで開始された。入札候補は、ウクライナのエンジニアリング企業、ウクライナ科学アカデミー原子力安全部など3つ。

06/08/01 原子力学会誌8月号
カザフスタンの国営原子力公社(カザトムプロム)は、2008年までに新たに12のウラン鉱山を操業開始する計画を発表した。カザフスタンには129のウラン鉱床が確認されており、埋蔵量は169万トン。

06/08/01 原子力学会誌8月号
チェコ電力は5月、テメリン原発(VVER-1000、98.1万kW2基)向けの燃料供給でロシアTVEL社と契約した。米国WHも応札したがTVEL社が落札した。

06/08/09 毎日
長崎市の平和記念式典に、チェルノブイリ事故で被曝したベラルーシのゴメリ医科大学に通う学生4人が参加した。4人は9〜13歳で甲状腺ガンを患い手術を受けた。

06/08/14 毎日
ベラルーシから日本訪問中のアブランパリスキさんが8月6日に広島を訪問し、平和公園の被爆アオギリのタネを持ち帰る。すべての核がなくなるという希望を込めて、アオギリをベラルーシに芽吹かせたい、とアブランパリスキさんは語った。

06/08/31 原産新聞
カザフスタン訪問中の小泉首相がナザルバーエフ大統領と会談し、原子力平和利用協力の覚え書きに調印。ウラン鉱山開発では、今年1月、住友商事、関西電力が参画するプロジェクト契約が締結されている。

06/09/07 原産新聞
小泉首相がウズベキスタンを訪問。ウラン鉱山の共同開発が共同声明に盛り込まれた。

06/09/21 原産新聞
リトアニアのキルキラス首相は7日、バルト3国による共同原発建設プロジェクトは「間違いなく実施される」と述べた。

06/09/21 原産新聞
ブルガリア電力公社は、ベレネ原発1・2号炉の建設再開の入札結果を年内にも発表する予定。1号炉が2011年、2号炉が2013年の運転開始予定。

06/10/05 原産新聞
チェルノブイリ原発のフラモコキン所長は9月14日、新シェルター建設工事の入札を無効にすると発表した。ウクライナ非常事態省は直ちに同所長の決定を留保し、事態の調査を開始した。新シェルター建設にはG'7を中心に23カ国が11億ドルを拠出し、日本も5500万ドルを出している。2006年3月には入札結果が発表される予定だった。

06/10/12 原産新聞
ロシア政府が「原子力産業複合体制創設プログラム」を閣議決定した。2015年までに新たに10基(980万kW)が運開し、10基が建設中となる計画。

06/10/12 原産新聞
ルーマニアの国営電力会社は、チェルナボーナ3、4号炉(CANDU、各70.6万kW)の建設再開に向けて、来年初頭にも準備作業を開始すると発表した。

06/10/19 原産新聞
チェコ電力は16日、ドバニコ原発(VVER440、4基)のサイト内の使用済み燃料中間貯蔵施設の試験操業を開始した。貯蔵能力は1340トンで2045年までに発生する使用済み燃料を貯蔵可能。

06/11/02 原産新聞
ブルガリア電力公社は、ベレネ原発1、2号炉(PWR各100万kW)の主契約を、ロシアのアトムストロイカエクスポルト社に決定した。

06/11/05 毎日
チェルノブイリ事故でまき散らされた放射能を菜の花に吸収させて除去する抗争を、名古屋のNPO「チェルノブイリ救援・中部」が進めている。菜種をディーゼル油や食用油に加工し、油かすや茎を発酵させてバイオガスを製造するなど有用活用する計画。

06/11/09 原産新聞
ロシアで、原子力産業を統合する「アトムプロム社」設立法案が議会を通過する予定であることが明らかになった。アトムプロムは100%国営で、ロスアトムエネルゴ、TBEL、TENEX社なども傘下に入る。

06/11/16 原産新聞
ロシア原子力庁は7日、ウクライナへの原発燃料の価格を2007年から引き上げる方針を明らかにした。ロシアのTBEL社は、ウクライナの全15基の原発に燃料を供給している。一方、ウクライナでは、米国WH社製の燃料を試験的に使っている。

06/11/30 原産新聞
ブルガリアのコズロドイ3、4号機が、EUとの協定に従って、年内に閉鎖される。閉鎖にともなって、モンテネグロ、セルビアなど欧州東南部での電力不足の深刻化が予測されている。

06/12/07 原産新聞
ロシアの海上浮遊型原発(FNPP)の詳細設計が進んでいる。2010年の運開をめざし、すでにチリ、ベトナム、オーストラリア、中国、韓国などからも引き合いがある。

06/12/14 原産新聞
リトアニアのキルキラス首相は8日、バルト3国の共同原発建設計画にポーランドも参加する見通しを明らかにした。同首相は、2015年までに運開すると述べた。

06/12/14 原産新聞
ベラルーシのルカシェンコ大統領が原発の導入を検討している。建設候補はモギリョフ州で100万kW級。建設費は13〜17億ドルで2013年の運開をめざす。