チェルノブイリ新聞切り抜き帖(1986.4〜)

 

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2000 2001



 <2001年>
01/02/24 毎日
ロシア南部のロストフ原発1号炉が23日運転を開始した。チェルノブイリ事故以来、ロシアの新たな原発の運転開始ははじめて。

01/03/15 原産
ドイツの原子力サービス企業であるニューケム・ニュークリア社は6日、チェルノブイリ原発の放射性固体廃棄物管理施設を3330万ユーロ(約37億円)で建設する契約を獲得したと発表した。「放射性固体廃棄物管理コンビナート計画」と名付けられた同プロジェクトではECの竿生支援により、1?3号機が操業当時に排出した放射性廃棄物および今後の廃止措置にともなうすべての廃棄物を処分に適した状態に処理することになっている。

01/04/25 毎日
チェルノブイリ原発事故から26日で15周年になる。ロシア保健省のオニシャエンコ第1次官によると、ロシア国内では現在も約170万人が汚染地域に住んでおり、住民の病気にかかる率は、全国平均より、大人で20?30%、子供で50%大きい。

01/04/26 RFERL
ベラルーシのルカシェンコ大統領は26日、チェルノブイリ事故15周年の式に参加するためゴメリ州の汚染地を訪問した。ウクライナのクチマ大統領、Yushchenko首相、Plyushch議長は、事故処理で働いた軍人羅のモニュメントと墓に花束を捧げた。ベラルーシ反対派も同日、追悼式典を予定している。

01/04/27 RFERL
ミンスクで26日、反対派が組織したチェルノブイリ15周年のデモに5000から7000が参加した。Nikitchankaアカデミー会員は、184万人がベラルーシの汚染地域に住んでいる、政府がチェルノブイリ対策のために支出している額は、「チェルノブイリ税」として集められている額より13%少ない、と述べた。

01/05/07 RFERL
ウクライナ・ドネツク州のKirov炭坑で5日、メタン爆発事故により8人が死亡し2人が行方不明。ウクライナの炭坑では昨年事故により306人が死亡しており、世界で最も危険な炭坑である。

01/05/18 RFERL
ウクライナは17日、核兵器搭載可能な長距離戦略爆撃機TU-95MSの最後の1機を解体した。ウクライナは旧ソ連から受け継いだ38機の戦略爆撃機すべてを解体したことになる。米国・ウクライナ協定に従って。米国は解体費用7700万ドルを提供した。

01/06/01 毎日
モスクワの国際会議で5月31日、長崎大学医学部の柴田教授が、チェルノブイリ原発周辺の子供の甲状腺ガンについて、ガン患者はほぼ全員が事故前の生まれで、事故の翌年以降に生まれた子供には甲状腺ガンは出ていないと報告した。

01/06/07 毎日
ロシア下院は6月6日、外国からの使用済み燃料の輸入と貯蔵など「核ビジネス」を認める一連の法案を賛成多数で可決した。法案は上院の審議を経て、大統領が署名して成立する。原子力省によると、今後10年間で外国から約2万トンの使用済み燃料を受け入れ、約200億ドルの収入を見込んでいる。

01/06/19 RFERL
ベラルーシ最高裁の軍事パネルは18日、前ゴメリ医科大学学長Bandazheuskiと副学長Raukouに対し、大学への入学と引き替えに賄賂を受け取った罪で、禁固8年の刑を下した。Bahdazheuskiは、放射線に関する高名な専門家で、チェルノブイリ事故に対する政府の政策を批判してきた。

01/06/28 原産
ロシア政府はこのほど、「チェルノブイリ事故:86年から2001年までのロシアにおける影響排除に関する結果および問題点」と題する46ページの報告書をまとめ、マスメディアの報道が同事故の悪影響をことさら誇張していると結論している、

01/06/28 RFERL
ヨーロッパ議会評議会(PACE)に参加しているウクライナ代表団は27日、EBRD(ヨーロッパ復興開発銀行)がウクライナ2原発の完成資金を提供する約束を守っていないと述べた。代表団によると、EBRDはチェルノブイリの閉鎖とロブノとフメリニツキ原発完成のため15億ドルを提供することになっているが、まだほんの一部しか払われていない。Lemierre EBRD総裁によると、EBRDは、IMFとウクライナの協力関係が復活するのを待っている。一方、Khristenkoロシア副首相は、核燃料の購入と原発完成のためロシアは2億ドルをウクライナに提供する用意があると述べた。

01/07/05 原産
ウクライナの電力会社であるエネルゴアトム社とフラマトムANP社の率いる企業連合は6月22日、ロブノ4号機とフメリニツキ2号機の完成計画(R4/K2)で第2段階の設備近代化協力協定を結んだ。1億2500万ユーロ(約135億円)のこのオプション協定は両炉の操業時の性能向上を目的としたもので、両炉が運転開始してから最初の3回の停止期間中に作業が実施される。

01/07/12 毎日
ロシアのプーチン大統領は11日、外国からの使用済み核燃料の輸入を解禁し、再処理と貯蔵を行うことで外貨獲得をめざす関連法案に署名、同法は成立した。

01/08/20 RFERL
ウクライナ・ドネツク州Zashydkoの炭坑で19日、メタン爆発が発生し少なくとも36人が死亡した。少なくとも10人が行方不明で、39人が重傷。生存者の救出活動は、地下1300mでの火災のため中断された。Zasyadko炭坑では1999年にもメタン爆発で50人が死亡している。

01/09/11 毎日
9日の選挙で再選されたベラルーシのルカシェンコ大統領は10日、「ベラルーシ国民は外部からの圧力に屈しなかった」と今後の政権維持に強い自信を示した。一方、全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団も10日、「選挙は非民主的」と指摘し、公平さに疑問を投げかけた。

01/09/25 RFERL
ジトーミル市の近郊で24日、放置された核廃棄物置き場が発見された。コンクリート製ピットの中に木製の箱が投げ込まれており、箱の中には、放射能マークの入った鉄製ブロックが収納されていた。ブロックの放射線量は毎時0.017から1.2ミリレントゲンであった。ソビエト時代に核弾頭を装備した部隊が展開していた場所で、ウクライナ安全当局は地方当局に対し、早急に放射線源を隔離しておくよう指示した。

01/10/11 原産
欧州復興開発銀行(EBRD)は今月からフメリニツキ2号・ロブノ4号の完成計画(K2/R4)に2億1500万ドル(268億8000万円)の融資を開始する。これは一週間前、IMFの拡大信用供与によるウクライナへの融資更新手続きが完了したことを受けて発表されたもの。計画全体で必要と見積もられている経費は14億8000万ドル。

01/10/16 RFERL
チェルノブイリ問題に関する国連使節団の団長Mizseiはキエフで15日、国際社会がチェルノブイリ周辺の経済活動に投資するよう勧告すると述べた。使節団は7?8月に30km圏を視察し、10月末に国連総会に勧告を行う。

01/10/19 RFERL
ベラルーシのルカシェンコ大統領は18日、科学アカデミーの総裁とアカデミー幹事会メンバーを共和国大統領が指名するという命令を公布した。これまで、科学アカデミー総裁はアカデミー会員の総会で選出されていた。19日、ルカシェンコ大統領は、前大統領府長官Myasnikovichを科学アカデミー総裁に指名した。

01/10/26 RFERL
ロシアの5つの環境団体が25日、ブルガリア・コズロドゥイ原発からロシアへの使用済み核燃料のウクライナ通過を中止するよう、ウクライナ議会とクチマ大統領に訴えた。環境団体によると、核燃料事故の半数は輸送中に生じており、核燃料の輸送にはテロの可能性がある。

01/10/31 RFERL
ニコラエフ州ペルボマイスク地区で30日、SS-24大陸間弾道ミサイルの最後のサイロ46基が破壊された。同日、米国との間で、SS-19とSS-24ミサイル製造インフラ施設解体のため3000万ドル援助の調印が行われた。

01/11/06 RFERL
EUのTACIS事務局は5日、チェルノブイリ事故の影響について、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの人々を啓蒙するための計画に、これまでに120万ドルを使ったと述べた。TACIS計画では、事故影響に関する科学的知見をあつめ、汚染地域で生活するための勧告を、本、パンフレット、ビデオ、CDにまとめて配布した。「CDによって汚染食品をクリーンにすることはできないが、ウクライナの食品の90%がクリーンであることを学ぶことができる」と計画関係者は述べている。

01/11/08 原産
ウクライナの原子力発電公社はこのほど、国内の原発の運転寿命を延長する計画を公表した。ウクライナでは4つのサイトで13基の原子炉が稼働中で、電力の約45%を供給しているが。設計上の運転寿命が30年であるため、現時点での余寿命は12?20年になっており、これらの延長には関連法規の改正が必要になる。

01/11/14 毎日
大津市で開かれている第9回世界湖沼会議で14日、ウクライナ水圏生物学研究所のグドコフ研究員が、チェルノブイリ原発周辺で湖水の流出防止措置がとられている湖沼において、富栄養化のため植物の生態に影響が出ているとの調査結果を報告した。もっとも放射能汚染のひどかった湖沼周辺は、キエフ市民の飲料水の水源であるドニエプル川の上流にあるため、放射性物質が拡散しないよう周辺にダムが建設された。

01/11/19 RFERL
ウクライナ西部のロブノ原発で17日、原子炉の変圧器からの油漏れがStyr川を汚染した。20kg以上の油が、下水からStyr川へ流れ込んだ。

01/11/22 原産
欧州復興開発銀行(EBRD)のルミエール総裁は7日、ウクライナのK2R4計画への融資条件が満たされたとして、2億1500万ドルを融資するよう同行の理事会に勧告した。EBRDは来月の理事会で貸付を承認する協定に署名するかどうかを決定する。

01/11/30 RFERL
ロブノ原発とフメリニツキ原発の2つの原発に対する完成資金15億ドルの西側援助プログラムは29日、破綻に至った。ウクライナ政府は、EBRD(欧州復興開発銀行)とEURATOMに対し、予定されている12月7日までには調印しないし、融資条件についてEBRDとEURATOMと再交渉すると伝えた。

01/12/04 RFERL
クチマ大統領は3日、ロブノ・フメリニツキ原発完成資金のEBRD(ヨーロッパ復興開発銀行)からの援助を完全に拒否したわけではない、と語った。大統領によると、西側専門家が見積もったコストは大きすぎるし、電力代金を引き上げろという条件を受け入れるわけには行かない。

01/12/13 RFERL
クチマ大統領は12日、チェルノブイリ原発とその職員たちが住むスラブチッチ市を訪問した。昨年12月の発電所閉鎖以来、チェルノブイリ原発の従業員は1万人から4200人に減少した。クチマ大統領は、原発閉鎖資金の濫用を理由に、Tolstonohov所長を解任し、Nerestinを新所長に任命した。

01/12/17 RFERL
クチマ大統領とプーチン大統領はハリコフ市で14日、フメリニツキとロブノの2原発完成に関する協定に調印した。クチマ大統領は15日、ウクライナは依然としてEBRDの援助にも期待しているが、「原発はロシアの設計であり、ロシアを排除することはできない」と述べた。

01/12/19 RFERL
クチマ大統領は、いずれ電気代を上げる必要があるが、この冬には行わないと述べた。また、2基の原発完成についてロシアと調印した協定では、2002年にロシア側から1億5000万ドルのクレジットが提供される。

01/12/20 原産
ウクライナのK2/R4完成計画にロシアが財政支援を提供することで両国が政府間協定を締結したことが17日付けで明らかになった。協定の調印にはプーチン・ロシア大統領とクチマ・ウクライナ大統領も出席した。K2/R4にはEBRDから2億1500万ドルの融資を受けることになっていたが、ウクライナのキーナフ首相は融資を拒否する意向を11月末に示していた。ロシアからの融資総額は正式には公表されていないが、5億ドル(625億円)程度になると予想されている。
 


 <2000年>

2000/02/24 RFERL
チェルノブイリ原発3号炉は2月23日、この1ヶ月で3回目の原子炉停止が発生した。発電所当局によると、原子炉停止は配管系の故障を修繕するためで、3月4日までの予定。

2000/02/29 RFERL
チェルノブイリ原発3号炉は2月28日、安全バルブ故障のため4日間の修理を行なった後、運転を再開した。

2000/3/23 原産
米エネルギー省のリチャードソン長官が2月にキエフを訪問した際に、ウクライナのクチマ大統領は、「西側の支援が約束されれば年内にもチェルノブイリ原発を閉鎖する」と約束していたが、政府内のさまざまな見解により、最終的な閉鎖日程は2004年までずれ込む可能性が出てきた。

2000/03/30 RFERL
ウクライナ内閣は燃料エネルギー大臣に対し、チェルノブイリ原発の今年中の閉鎖計画を3ヶ月以内に立案するよう要請した。労働者の社会的補償に関する計画は半年以内に作られる。しかし、Tymoshenko次官によると原発閉鎖の具体的な時期は、G7とキエフとの間での代替補償に関する合意後になる。

2000/4/12 毎日・大島記者:閉ざされた大地、5回連載
?「小さな核戦争」残がい2000台
 30km圏内今も居住禁止
?続く発電、ようやく全面閉鎖に
?消防士の悲劇、山火事のたびに被ばく
?情報隠しへの怒り、民主化 住民投票に開花
?長引く経済危機、うち切られる被災者援助

2000/04/13 RFERL
Cook英国外相は4月12日、 チェルノブイリ原発「石棺」補強のため英国は1050万ポンド(1680万ドル)を提供すると語った。またYushchenkoウクライナ首相との会談では、ウクライナの経済改革を支援する用意があると述べた。

2000/04/21 RFERL
ミンスク市当局は,4月26日に反対派が予定しているチェルノブイリ事故14周年のデモ行進を禁止し、郊外での集会のみを許可した。ミンスクでは1989年以来毎年数万人規模のデモが行われてきた。デモ実行委員会リーダーのNikichankaは、「当局は被災者援助を切り下げ、汚染穀物の供給をし、ベラルーシ国民が座して死ぬのを望んでいる」と述べ、デモは実施すると語った。

2000/04/25 FRERL
約1500人のチェルノブイリ被災者が4月23日、事故14周年にちなんでキエフでデモを行った。チェルノブイリ同盟のAndreevによると、ウクライナ政府の救済策はおそまつで屈辱的である。一方、保健当局によると、事故で被曝した人々の死亡率が増加している。

2000/04/26 RFERL
ベラルーシ当局は25日、反対派が予定している26日のチェルノブイリ集会禁止令を解除した。反対派が市内中心部をデモしないことで合意したもの。ルカシェンコ大統領は、反対派との交渉には決して応じないと語った。

2000/04/27 RFERL
チェルノブイリ14周年を記念し4月26日、ミンスク中央からバンガロー広場に向け1万人以上が行進したが、事件はなかった。一方、ヤクブコラス広場で開かれた小さなデモ集会は警官隊と衝突し1人が逮捕された

2000/04/27 RFERL
ルカシェンコ大統領はベラルーシ南部を訪れ、放射能汚染地の回復を望むとのべ、汚染地にくるCIS諸国民には1週間でベラルーシ市民権を出すと語った。
米エネルギー省のリチャードソン長官が2月にキエフを訪問した際に、ウクライナのクチマ大統領は、「西側の支援が約束されれば年内にもチェルノブイリ原発を閉鎖する」と約束していたが、政府内のさまざまな見解により、最終的な閉鎖日程は2004年までずれ込む可能性が出てきた。

2000/04/27 RFERL
チェルノブイリ事故14周年の4月26日、ウクライナのクチマ大統領は、発電所を閉鎖する日を正確に述べるのはまだ困難であると語った。Yushchenko首相によると、閉鎖の日が決まるのは西側との交渉が済んでからである。事故による損害は、1400億ドルと見込まれているが、除染と健康問題にこれまでに投入された資金は50億ドルにすぎない。

2000/5/4 毎日
14年前のチェルノブイリ原発事故により放射能汚染されたベラルーシで、ナタネを栽培して汚染を除去するとともに、油を採って汚染対策の資金を得ようという一石二鳥のプロジェクトがこの秋IAEAの協力で本格実施されることになった。今年9月に完成予定のゴメリの実験工場で料理用油の生産を開始し、将来は最大20万ヘクタールの汚染地にナタネを植える方針。

2000/05/18 RFERL
ウクライナのクチマ大統領は5月17日、チェルノブイリ原発を閉鎖する期日は今月中に決められるだろうと述べた。大統領によると、Yushchenko首相のもとに、チェルノブイリ原発閉鎖に関わるさまざまな問題を分析する委員会を設置した。

2000/6/3 毎日
ウクライナのユシェンコ首相は1日、チェルノブイリ原発の完全閉鎖の期日が決まり、まもなくクチマ大統領から正式発表されると述べた。

2000/6/6 毎日
クリントン米大統領は5日キエフを訪問し、クチマ大統領と会談した。会談後クリントン大統領は、クチマ大統領がチェルノブイリ原発を今年12月15日に完全閉鎖することで合意したことを明らかにした。米国は原発閉鎖資金などとして8000万ドルを支援すると約束した。

2000/06/06 RFERL
クリントン米国大統領との会談でクチマ大統領は6月5日、チェルノブイリ原発を2000年12月15日をもって閉鎖すると発表した。クリントン大統領は、クチマ大統領の決定を賞賛し、石棺の強化費用に7800万ドル、ウクライナの原発安全性向上に200万ドル提供すると述べた。

2000/06/07 RFERL
クチマ大統領は6月6日、G7が約束した資金を提供しなくとも、12月15日にチェルノブイリ原発は予定通り閉鎖すると語った。Yushchenko首相によると、原発閉鎖にともなう電力損失を補うため通常燃料の購入資金が1億ドル必要となる。

2000/06/08 RFERL
Pifer駐ウクライナ米国大使は7日、チェルノブイリ原発閉鎖後も米国は財政支援を継続すると語った。原子炉から核燃料を取り出すのに3000万ドル、石棺の強化に3億6000万ドルが必要。原発閉鎖により原発で3000人の職がなくなり、関連する4000人も生活手段がなくなる。

2000/6/15 原産
ウクライナのクチマ大統領は5日、クリントン米大統領と会談したのち、「チェルノブイリ原発の残った1基を今年の12月15日で永久に閉鎖する」と発表した。

2000/06/19 RFERL
クチマ大統領は16日、訪問中のキューバのハバナで、チェルノブイリ被災児18000人の医療治療に対し感謝する演説を行った。

2000/06/19 RFERL
EBRDのFrank総裁は16日、チェルノブイリ原発の閉鎖にともなう1億8000万ドルの援助は、ウクライナのエネルギー部門の改革とセットであると述べた。

2000/06/23 RFERL
ドイツのFischer外相はキエフで23日、チェルノブイリ原発の閉鎖にともなってドイツ政府がウクライナにどのような援助を行うか最終的には決まっていないと語った。Fischerによると、チェルノブイリ石棺の補強にドイツがいくら支援するかは7月5日にベルリンで開かれるG7の後に決定される。

2000/6/29 原産
国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)は7日、「甲状腺ガンの増加を別とすれば、チェルノブイリ事故による放射線の長期的な健康影響を裏付ける科学的な証拠はない」と断言する報告書を公表した。同委員会は科学的な評価を実施した結果、被曝した子供たちのうち1800人が甲状腺ガンにかかっており、今後も増加する恐れがあることを認める一方、「それ以外の全般的なガンや死亡率の増加が事故による被曝と直接結びつくような科学的な根拠は何もなかった」と明言。

2000/07/07 RFERL
チェルノブイリ原発の閉鎖を議論するG7やEU諸国の会議が7月5?6日ベルリンで開かれ、オランダの代表は、原発閉鎖の費用として284万ドルを提供すると発表した。

2000/07/11 RFERL
猛烈な風雨のため7月10日、チェルノブイリ原発の3号炉が運転を停止した。風雨のため、ウクライナでは2人が死亡し10人が負傷した。洪水による被害は3億4000万フリブナ(6270万ドル)に達している。

2000/07/12 RFERL
クチマ大統領は7月11日ライプチヒでシュレーダー・ドイツ首相と会談し、チェルノブイリ原発閉鎖後の電力問題を含め2国間関係の議論を行なった。ドイツ側の態度は、工事中のロブノとフメルニツキ原発に対するEBRDからの15億ドルの融資の鍵となっている。

2000/07/25 RFERL
原子力エネルギー公社「Enerhoatom」によると、ウクライナの原発は31億8000万フリブナ(5億8500万ドル)の電力と熱を生産したが、代金を受け取ったのはその5%だけである。約75%は、原子力産業のバーターや負債の支払いに使われた。7月1日現在で、電力消費側の未払いは26億6000万フリブナである。

2000/09/18 RFERL
クチマ大統領はパリで15日、シラク仏大統領、Prodi EU議長などと会談し、12月15日にチェルノブイリ原発を閉鎖すると明言した。シラク大統領は、原発閉鎖に関連しEUから4億3000万ユーロ(3億6980万ドル)の支援を行なうことを再確認した。

2000/09/21 原産
欧州委員会(EC)は6日、東欧・旧ソ連諸国に立地する原発の安全性を向上させる戦略と、これら諸国への支援合理化を目指した新たな提案を採択した。ECは今後、リトアニアのイグナリナ原発の2基、スロバキアのボフニチェ原発4基のうち2基、ブルガリアのコズトドイ原発6基のうち2基を実際に閉鎖する作業や、それ以外の原子炉の安全性向上に焦点をあててゆく。

2000/09/28 原産
パリで首脳会談を行なっていたウクライナとEUは15日、チェルノブイリ原発を今年12月15日に永久閉鎖すると合意した。EUは、代替電源として、ロブノ4号炉とフメリニツキ2号炉(PWR、100万kW)の完成計画に、EUのユーラトム基金とEBRD(欧州復興開発銀行)を通じて融資をすると約束した。

2000/09/28 RFERL
クチマ大統領は27日、閉鎖されるチェルノブイリ原発を国際原子力研究センターにすることを示唆した。そのための委員会設置に関する大統領令を発効させた。一方、2日前にタービントラブルで停止していたロブノ原発は27日に運転を再開した。ウクライナの14基の原発のうち現在動いているのは10基である。

2000/10/17 毎日
チェルノブイリ事故で被害をうけたベラルーシに移り住み医療支援活動をしている菅谷昭・元信州大学医学部助教授の講演会が19日、天王寺の大阪国際交流センターで開かれる。甲状腺外科研究会が市民向けに企画した公開講座。

2000/10/30 RFERL
ロシアのツーラ州で行なわれていた、チェルノブイリ事故処理作業者25人のハンガーストライキは27日に終了した。ストライキ参加者は、チェルノブイリ被害者に対する援助切り下げの法案に反対していたもの。チェルノブイリ同盟のNaumovによると、ロシア議会は法律の改定を拒否し、また政府は現行法案とおり7億ルーブル(2500万ドル)の健康補償金を用意した。

2000/11/02 RFERL
ウクライナ国家安全保障会議は11月1日、チェルノブイリ原発を数ヶ月間運転するのに必要な技術的問題と燃料供給について検討するよう、担当大臣と当局に指示した。Yushchenko首相によると、この指示は議論上の問題にとどまる。一方、労働組合リーダーのHiggsによると、チェルノブイリ原発閉鎖にともなう失業補償として1億3500万ドルの援助が必要である

2000/11/06 RFERL
Plyushch国会議長は11月4日、EBRD(ヨーロッパ復興開発銀行)がロブノとフメリニツキ原発の建設完成資金を提供しなければ、12月15日以降もチェルノブイリ原発の運転を継続するという法案を提案した。

2000/11/09 原産
ウクライナは、チェルノブイリ原発が閉鎖される12月15日に先立ち、同月5日にG7のほかロシア、ベラルーシ、オーストリアなど近隣諸国の議員、欧州議会の議員を招いて閉鎖にともなう経済問題など議論することを計画している。ウクライナ議会の原子力政策・チェルノブイリ事故影響対策委員会のサモイレンコ委員長は。「国際社会や国際金融機関の注目を集めることができる」と指摘している。

2000/11/10 RFERL
EC総裁Prodiはキエフで6日クチマ大統領と会談し、チェルノブイリ原発閉鎖にともなう代償として火力発電用燃料費2500万ユーロ(2160万ドル)を速やかに供与すると約束した。一方、クチマ大統領は12月15日の原発閉鎖を再度言明した。

2000/11/13 RFERL
最高会議副議長のHavryshは11日、チェルノブイリ原発閉鎖にともなって国際社会がウクライナに適切な援助をしなければ、議会は「しかるべき決議」を行うと述べた。来月早々、議会ではチェルノブイリ原発閉鎖に関するヒアリングが開かれる。

2000/11/15 RFERL
議会前で14日、6000人の教師と1500人のチェルノブイリ被災者が、給与や社会保障の引き上げ、未払い給料の支払いを求めて、別々の集会を行った。社会保障を受けているチェルノブイリ被災者の数は220万人であるが、2001年の予算で政府は、手当の大幅な削減を盛り込んでいる。

2000/11/16 原産
ウクライナのエネルゴアトム公社は10月27日、フメリニツキ2号炉とロブノ4号炉を完成させる計画(K2R4計画)の予備契約をフラマトム社が率いる企業連合と結んだ。この企業連合は、フラマトム社のほか、シーメンスSNP社およびロシアのアトムストロエキスポート社で構成されており、5億ドルの総合契約に関する技術と実務上の条件で合意に達したもの。正式調印は来年1月になる。ただし、同プロジェクトの正否は、総見積もり費用である14億5000万ドルのうち2億ドルをEBRDが融資するか否かにかかっていると言われている。

2000/11/17 RFERL
ヨーロッパ復興開発銀行(EBRD)総裁Lemierreは16日、チェルノブイリ原発閉鎖にともなって、ウクライナの2原発の建設完成のため2億1500万ドルを供与するよう評議会に要請すると述べた。ただし、ウクライナ原発の安全性向上、安全評価のための独立した組織創設、エネルギー産業の改革がローンの条件である。

2000/11/27 RFERL
チェルノブイリ原発が27日送電線の故障のため運転停止した、とウクライナ・エネルギー省が発表した。

2000/11/27 毎日・田中記者ルポ
チェルノブイリ原発が来月15日、事故から15年で完全閉鎖される。チェルノブイリ型原発は国際社会から「最も危険な原発」と指摘され、早くから閉鎖要請をうけていたが、当初の予定より大幅に遅れてようやく閉鎖にこぎつけた。しかし、地元では、汚染問題、代替エネルギー問題、失業問題など歓迎ムード一色でないのが実状だ。

2000/11/28 RFERL
悪天候により27日、ウクライナの3000の町や村で停電が発生した。緊急事態省によると、停電の90%は電力ラインの自動停止のためであった。チェルノブイリ原発が同日停止し、他の3つの原発が28日に運転停止した。

2000/11/28 毎日
チェルノブイリ原発で現在ただひとつ稼働している3号炉が27日午前6時、送電線のトラブルのため緊急停止した。稼働再開は来月2日の見込みだが、同原発は来月15日に全面閉鎖される。

2000/11/30 原産
EBRD(欧州復興開発銀行)のルミエール総裁は16日、同銀行の理事会メンバーにあてた書簡で、ウクライナのK2R4計画に2億1500万ドルを融資するよう勧告した。勧告は条件付きで、?チェルノブイリ原発閉鎖の確認とその後の安全確保、?G7やECによる技術支援保証、?IMFによるウクライナへの融資再開、?ほかの国際金融機関の同計画への参加、?他の原子炉13基の安全性改善、?民営化、料金値上げなどの改革、となっている。

2000/12/04 RFERL
キエフ市内を12月3日、約1万人のチェルノブイリ事故被災者が、政府に社会保障と手当の増加を要求してデモ行進した。一方、先週停電で停止していたチェルノブイリ原発は12月1日運転を再開した。

2000/12/06 RFERL
ウクライナ議会で5日、チェルノブイリ原発閉鎖に関するヒアリングが開かれ、外国議会の代表、外交官、国際機関員なども参加した。クチマ大統領は、閉鎖にともなうエネルギー源の補償、失業問題に対し、西側が消極的であると述べた。先に、閉鎖の延期もありうると述べたPlyshch議長は、「チェルノブイリ原発の将来的利用は不可能であり」延期はあり得ない、と述べた。

2000/12/06 RFERL
EBRD(ヨーロッパ復興開発銀行)評議会は、チェルノブイリ原発閉鎖にともなう代償として、2基の原発の完成資金としてウクライナに2億2000万ドルを貸与するかどうかを今週に決定する。EBRDはすでに、非核燃料の購入費用としてウクライナに1億ドルの供与を決めていた。チェルノブイリの閉鎖費用は14億ドルと見込まれているが、そのうち、EBRDが2億2000万ドル、EUが5億8500万ドル、米国、フランス、スウェーデン、スペインが3億5000万ドル、ロシアが1億500万ドル、ウクライナ原子力公社が1億6000万ドル負担の予定である。

2000/12/08 RFERL
EBRDは12月8日、フメリニツキ原発とロブノ原発で建設中の2基の原子炉の完成資金として2億1500万ドルのローンをウクライナに与える決定を行なった。完成資金の総額は14億8000万ドルで、ユーロアトムからは、5億8500万ドルのローンが来週決定される。

2000/12/14 RFERL
EUは13日、ウクライナに対し原発完成資金として5億8500万ドルのローンを提供すると決定した。返済期間は20年で利率は5%。一方、15日の閉鎖式典に向けての準備が進められている。チェルノブイリ原発は6日の蒸気漏れで原発は停止しているが、最小出力で運転が再開され、明日、クチマ大統領の命令で停止される。

2000/12/15 RFERL
15日正午、クチマ大統領はキエフとチェルノブイリ原発を結ぶテレビ中継を通じ、3号炉停止ボタンを押す命令を出した。「世界に平和が訪れ、人々は平穏に眠れるだろう」と大統領は演説した。一方議会は、共産党主導で、原発閉鎖を少なくとも4月まで延期するよう政府に求める、無拘束決議を採択したが、クチマ大統領は「政治的遊技」であると無視した。

2000/12/15 毎日
チェルノブイリ原発が15日に完全閉鎖される。クチマ大統領は前日に原発と原発労働者が住むスラブチチ市を訪問。3号炉は今月6日、蒸気漏れで運転を停止、14日夜にいったん最小出力で再稼働した後、15日正午に完全停止される。

2000/12/15 毎日
キエフで14日、チェルノブイリ事故犠牲者の追悼集会が開かれ、犠牲者の名前を刻んだ碑の前で遺族らが当時を振り返り祈りをささげる姿が見られた。

2000/12/16 毎日
チェルノブイリ原発は15日、唯一稼働していた3号炉が停止し、事故から15年目で全面閉鎖された。爆発した4号炉の後始末、汚染地住民の健康被害、原発労働者の失業問題など未解決の問題が山積している。

2000/12/21 原産
12月15日、クチマ大統領はキエフの中央式典ホールからビデオ回線を通じ、チェルノブイリ原発3号炉を停止させる指示を運転員に与えた。同原発では、86年4月に事故を起こした4号炉のほか、1号炉が98年に閉鎖、2号炉は91年のタービン建屋火災の後に事実上閉鎖状態だった。

2000/12/21 原産
国際チェルノブイリセンターが7日付けで伝えたところによると、クチマ大統領はこのほど、政府とは独立の立場で活動する新たな原子力規制機関の創立を指示した。同国の原子力当局は現在、環境相の管轄下にある。新機関は、既存の2機関、環境資源省、国家原子力安全検査局からすべての権限を委譲される予定。

2000/12/21 原産
EBRD理事会は7日、いくつかの条件がみたされればK2R4計画に2億1500万ドルの融資を認めると発表した。今回の融資承認にあたってEBRDは、出資国である59カ国およびECらによる票決を実施した。賛成63.7%、反対7.8%、棄権28.5%だった。同計画で必要とされる14億5000万ドルは、EBRD融資の他、ユーラトム(欧州原子力共同体)の5億8500万ドル、輸出信用機関の3億4830万ドル、ロシアからの1億2370万ドルなどで賄われる。

2000/12/29 RFERL
ウクライナ当局は、今週はじめに停止したYuzhna原発が27日に運転を再開したと発表した。原子エネルギー公社によると、4カ所の原発の13基の原子炉のうち11基が運転中である。

2000/12/29 RFERL
1997年にチェルノブイリ市の暫定イコン貯蔵庫からイコンを盗んだ2人組が逮捕された。当局によると、イコンの放射能汚染は認められなかった。
 
 



 

 <1999年>

99/1/21 原産新聞

昨年12月15日より定期検査中のチェルノブイリ3号炉で再びクラックが発見され、運転再開が当初の見込みより2週間以上遅れる見通し。クラックがみつかったのは、炉心冷却配管の溶接部。今回定検に入ってから検査した200カ所の溶接部のうち46カ所でクラックが発見された。

99/2/4 原産新聞

ベラルーシでの原発建設に関するフィージビリティを調査していた政府委員会はこのほど、「今後10年間は原発計画に着手するのは不適当だが、将来のオプションとしては温存すべき」とする報告書をまとめた。

99/2/9 RFE/RL
ウクライナの原子力関係者28人が8日、原子力産業の窮状と政府の財政支援を訴える手紙を発表した。手紙にサインしたのは、原発所長、科学者、エネルギー関係者で、電気代の不払いにより職員の給料支払いや設備の更新ができず、原発が危険な状況で運転されていると述べている。

99/2/25 原産新聞

国際チェルノブイリセンターによると、国際シェルター修復計画(SIP)の責任者はこのほど、「石棺」修復作業で、今年はさらに数千万ドルの資金が必要と、ウクライナ政府に訴えた。SIPでは総計7億5800万ドルが必要と見積もられており、諸外国からはこれまでに4億ドルの資金援助が約束されている。しかし、原子力発電での発電量に対し10%しか料金が払われていない現状から、すべての安全対策が実行されているとは言い難い状況にある。  ウクライナの原発は、昨年752億4000万kWHを発電し、送電力の43.5%を賄った。設備利用率は67%。

99/3/3  RFERL
ウクライナ原子力公社のパルホメンコ長官によると、ウクライナの原発は旧式であるため、幸いにして西側のようなコンピュータの2000年問題はない。一方、原発労働者は、原発周辺 にテントを作り賃金未払いに対する抗議行動をエスカレートさせている。

 99/3/9  RFERL
ウクライナの原発労働者組合は5日、賃金の支払いを求めて3月22日より5カ所の原発でストライキを行なうと発表した。6日には1万2000人の労働者が集会に参加し、原発周辺では約2000人がテントピケを続けている。

99/3/11 原産新聞

ウクライナの原発で、賃金未払いに対する労働者の抗議行動が広がっている。2月24日、5つの原発立地都市で、2万4000人が集会とデモを実施。その後、数百名がキエフの政府ビルでピケを張ったり、原発を囲む抗議キャンプを行なった。ウクライナの原発は原子力発電公社(ENERGOATOM)が運転しているが、電気料金未払いなどのため、労働者への未払い給与は約5カ月分、4300万ドルに達したと言われている。

99/4/15 原産新聞
ウクライナ原子力学会の理事会はこのほど、原子力部門の財政上の危機的状況が原発の安全性を脅かしているとして、政府や原子力産業界の責任者を批判する声明を発表した。シュタインバーグ理事によると「ウクライナはチェルノブイリ事故の教訓から何ひとつ学んでいない。」

99/4/16 毎日
15日のロシア紙「新イズベスチア」は、1986年のチェルノブイリ原発事故について、ロシアの地震専門家が新たな証拠に基づき、直前に起きた数回の局地地震が原因だったとの調査結果をまとめたと報じた。

99/4/26 RFERL
 チェルノブイリ事故13周年にちなんで4月25日、約7000人の政府反対派がデモ行進し、 ルカシェンコ大統領の政策に抗議した。デモ参加者は、ロシア、ユーゴとの連邦に反対するとともに、反対派大統領選挙候補者であるチーヒル氏を釈放するよう要求した。

99/4/27 RFERL
クチマ大統領は4月26日、放射線医学センターの新ビルの開所式で、「あらゆる困難にかかわらず、国家はチェルノブイリ事故被災者の救済に全力を尽くすであろう」と述べた。キエフの追悼式では、約1000人が事故処理の犠牲者に花輪をささげた。保健省によると、1986年以来4365人の事故処理作業者が死亡した。事故による直接、間接の影響で16万7653人のウクライナ人がこれまでに死亡した。

99/5/24 毎日
チェルノブイリ原発事故の影響で、甲状腺ガンが大人も増加していることが、ベラルーシ科学アカデミーのマリコ博士の調査で明らかにされた。増加率は予想された自然増よりも2?3倍大きかった。ベラルーシ共和国の事故による甲状腺ガン発生数は、従来の推定より

99/6/17 RFERL
Martynenko大統領報道官によると、クチマ大統領はG-8がウクライナのロブノとフメルニツキ原発の完成資金を供出することを期待している。チェルノブイリ原発閉鎖の代替に援助することを1995年にG-7は約束している。先週のケルンサミットに反応したもの。ドイツ議会の環境委員会は6月15日に、原発建設への資金援助に反対する決定をしている。一方ロブノ原発では、グリーンピースの活動家が"No Western Money for New Chernobyls"という横断幕で抗議行動。

99/6/21 RFERL
ケルンのG-8サミットは6月18日、チェルノブイリ原発閉鎖の代償として2原発を完成させるためのウクライナに対する12億ドルの供与を決定することに失敗した。シュレッダー・ドイツ首相が、連立している緑の党からの強い反対を受けたもの。他のG-8リーダーは賛成した。
 

99/7/1 原産新聞
ドイツのケルンで開かれていたG7の最終声明で、チェルノブイリ原発閉鎖にともなう代替電源として、ウクライナで建設中の原発を完成させる計画への支援継続が盛り込まれる一方、原子力以外の電源で代替する道についても検討の余地が残されることになった。原発建設支援に反対を表明しているのはドイツのシュレーダー首相で、代替電源としてガス火力の建設を主張。これに対しフランスのシラク大統領は非現実的と応酬した。

99/7/8 原産新聞
ウエスチングハウス社はこのほど、ウクライナの南ウクライナ3号炉(100万kW、VVER)の取り替え用燃料の受注に成功した。WH社はこれまで、チェコのテメリン原発1号炉(100万kW、VVER)の初装荷燃料を供給した実績はあるが、VVERの取り替え用燃料の受注ははじめて。

99/7/20 RFERL
チェルノブイリ原発で7月17日、原子炉の安全点検中に2人の作業員が被曝した。ガンマ線源の容器から中身の一部が落ちたために被曝し、被曝量は9.8レムと8.3レムであった。

99/7/21 RFERL
ヨーロッパ復興開発銀行はウクライナの原発運転公社エネルゴアトムと、チェルノブイリ「石棺」の改修のため1億1500万ドルを供与する契約を締結した。石棺の安全性モニター機器の購入など、2005年までの安全プログラムで費やされる。

99/7/22 原産新聞
フラマトムなどフランス系企業連合は7日、国際入札の結果、チェルノブイリ原発の廃炉・廃棄物管理統合計画における主要設備の設計・建設事業を正式に受注した。契約額は約77億円で、欧州復興開発銀行の原子力安全基金から拠出される。企業連合は、2万5000本の使用済み燃料をパッケージする設備や256基の貯蔵キャニスターを乾式収納する施設を建設する。

99/8/5 原産新聞
ウクライナのクチマ大統領は7月9日にキエフでドイツのシュレーダー首相と会談後、「チェルノブイリ原発を火力で代替するというドイツの提案は経済的でないため断った」と発表していたことが明らかになった。シュレーダー首相は、160万kWの石炭火力と40万kWの天然ガス火力で代替するよう働きかけていたもの。

99/9/30 原産新聞
ベルギーのベルガトム社などの企業連合がこのほど、チェルノブイリ原発の放射性廃液処理・貯蔵施設の設計・建設をウクライナ原子力公社から受注した。契約額は約20億円で、2002年までに、2500立方m/年の廃液処理・貯蔵が可能な施設を建設する。

99/10/28 原産新聞
ウクライナ政府のチェルノブイリ原発担当委員会は、同原発でただひとつ運転中の3号炉の運転を来年夏まで継続させることで政府に勧告する方針を決めた。この起源は、燃料チャンネルの寿命に因っている。

99/12/9 原産新聞
7月から修理のため運転を停止していたチェルノブイリ原発3号炉が11月26日運転を再開した。国家原子力規制局(SNRA)は、「同炉は来年後半にも最終閉鎖せざるを得ない状況」との見方を示している。

99/12/30
ウクライナ原子力公社は29日、国内5カ所14基の原発でY2K問題は生じない、と発表した。運転中の10基は止めずに新年を迎える。また、チェルノブイリ原発でただひとつ稼働中の原子炉は、保守・修理の費用がかさむため、2000年中に停止される見通し。
 
 
 


 <1998年>

1998/3/12 原産
ウクライナの原発会社であるエネルゴアトムは5日、作業が中断しているロブノ4号炉とフメルニツキ2号炉の完成工事に向けて、今月にも入札希望会社の事前資格認定を実施する予定であることを明らかにした。

1998/4/27 RFE/RL
チェルノブイリ事故12年にちなんだデモが4月25日ミンスクで行われ7000人が参加した。デモの参加者はルカシェンコ体制に抗議し、約30人が逮捕された。

1998/4/27 RFE/RL
チェルノブイリ事故12周年の4月26日、ウクライナのクチマ大統領は、チェルノブイリ原発閉鎖の代償としてG7が約束した31億ドルの支援が遅れていると非難した。西側は、支援が建設中の2基の原発資金となることを懸念している。その一方でウクライナ側は、原発完成に向けてロシアとの協議を始めている。

1998/4/29 毎日
原子力安全委員会の原発周辺等防災対策専門部会は28日、飲料水や野菜などが放射能で汚染されたときに飲食の制限をはじめるための新しい基準案を作成した。今まで指標のなかった放射性セシウムとプルトニウムなどの核種の指標を加え、従来あった放射性ヨウ素の基準を見直した。

1998/4/30 原産
チェルノブイリ原発のパラシン所長は今月初頭、3号炉の運転を5月5日から再会する予定と発表した。同炉は昨年7月に数週間の予定で運転停止、配管溶接部に260カ所以上の傷が発見されたことから運転再開が延期され、さらに180カ所の傷が認められたため再延期されていたもの。

1998/5/28 原産
ウクライナ政府とEBRDは11日、チェルノブイリ「国際シェルター実施計画」(SIP)に関する協定2件に調印した。1件目は、EBRDとウクライナ原子力発電公社の間の協定で、SIPのうちの4分野17件の実施費用として、1億350万ECUが割り当てられた。2件目は、EBRDとウクライナ環境・原子力安全省との間で締結されたもので、SIP事業の許認可業務に関するコンサルティングに関するもの(924万ECU)。

1998/8/6 原産
7月15日の報道によると、BNFLエンジニアリング社とモリソン・ヌードセン社、及びウクライナの3つの協力組織からなる企業連合が、チェルノブイリ石棺改修プロジェクト(SIP)関連のコンサルティング業務でウクライナ原子力発電公社からの契約を獲得した。石棺に関する構造調査、監視、地震特性、改修の概念設計などが作業項目で、2年間で数百万ドル相当。

1998/9/2 毎日
外務省は1日、チェルノブイリ原発事故のひばく者への医療支援をしている市民団体「チェルノブイリ支援・広島医療協議会」に、ODA予算のNGO事業補助金約500万円を支給する方針を決めた。

1998/9/3 原産
ウクライナの原子力発電公社(エネルゴアトム)は18日、建設途中のフメルニツキ2号炉とロブノ4号炉の完成プロジェクトについて、120日間の公開協議を始めた。これらの100万kW級VVERは80〜85%完成したものの、91年以降作業がストップしていた。完成までにさらに12億ドルが必要と見積もられている。

1998/10/1 原産
フランスのSGNは9月18日、同社と英国のAEAテクノロジー社、日本の日揮などからなる企業連合が、チェルノブイリ4号炉の石棺の安全性改善対策に関わる主要な契約を獲得したと発表した。この契約の総額は少なくとも500万ECU(7億8000万円)でG7や欧州復興開発銀行などが管理する「石棺基金」から賄われる。

1998/11/12 原産
ウクライナのエネルギー省とエネルゴアトムは3日、10月に機器の欠陥が発見されていたチェルノブイリ原発3号機の修理期日を来年春まで延期したいと原子力規制当局(NRA)に要請した。3号機の安全性についてはウクライナの検査当局が調査したところ、耐用年数をすぎた機器がいくつか見受けられ、12月にも修理のために運転を停止する必要があると指摘していたもの。


<1997年>

1997/2/27 原産新聞
チェルノブイリ原発の2000年閉鎖にともなう代替電源確保のため、欧州復興開発銀行(EBRD)のウクライナへの融資について調査していた専門家委員会はこのほど、「建設途中の原発2基を完成させることは、閉鎖によるロスを補うもっとも経済的なオプションとはならない」とする報告書を提出した。同委員会は「ピーク時の電力需要が2700万kW程度にすぎないにもかかわらず、ウクライナには3500万kWの石炭火力、1400万kWの原発を含め計5500万kWの設備が存在する。問題は、既存発電所用の燃料や部品の購入費、改修・更新費の不足」と指摘している。

 

1997/3/20 原産新聞
ベラルーシのゲラシモフ燃料電力相はこのほど、同国初の原発建設作業を今世紀末までに開始することを念頭に置き、同国議会が5月からヒアリングの実施を検討していることを明らかにした。ベラルーシ政府は現時点では原発導入の決定はしていないが、昨年5月に関係3省庁と科学アカデミーに対し、導入可能性調査の実施を政令で指示、すでに3地点を立地に最適な地点として選定したほか、8カ所を予備地点としてリストアップ。

 

1997/4/3 原産
ウクライナ議会は3月18日、チェルノブイリ原発の閉鎖にともないEBRDが1億1800万ECU(168億円)の資金をウクライナに援助するとした協定を正式に批准した。

 

1997/4/20 毎日
市民団体「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」などは、チェルノブイリ原発事故で「子どもの甲状腺がん以外は顕著な被害がみられない」とのIAEAなどの見解は過小評価として、世界の反核・平和団体に、見解の撤回を求める抗議文への署名呼びかけをはじめた。

 

1997/4/28 RFE/RL
チェルノブイリ事故11周年の4月26日、ウクライナではキエフとチェルノブイリ原発で追悼式典があった。ミンスクでは、ルカシェンコ大統領に抗議するデモがあり2万人が参加した一方、公式追悼式の参加者は500人だった。

 

1997/5/15 原産
ウクライナ政府とG7はこのほど、チェルノブイリ4号炉「石棺」の改修計画の大筋で合意した。石棺の短期的な崩壊防止、石棺内部の炉心溶融物の除去およびその安全管理を主要な目的としている。総費用は約8億ドル。G7側は当初、新たな石棺の建設を提案していたが、ウクライナ側の強い要望により内部の炉心溶融物の取り出しを最優先することになった。

 

1997/5/15 原産
ウクライナで稼働する15基の原発は、昨年1年間に796億kWHを発電、シェアは44%。事故故障件数は、95年の85件から、96年は82件に減少、うちレベル2が1件。

 

1997/5/23 RFE/RL
チェルノブイリ原発の広報官によると、ただ1つ稼働中の3号炉は、原因不明の変圧器故障で4日前から停止していたが、5月22日運転復帰中である。

 

1997/5/24 毎日:モスクワ・高橋記者
ロシアのエリツィン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領は23日、連邦条約規約に署名した。

 

1997/6/5 原産
ウクライナの緊急事態省はこのほど、チェルノブイリ事故による汚染立入禁止区域の廃棄物の除染、輸送、処理および貯蔵を行う複合産業施設「ベクトル」を建設するための第1期入札を開始した。「ベクトル」は30km圏内に暫定的に埋設貯蔵された放射性廃棄物を回収し、より安全な状態に処理処分するもので、計画全体の予算は350億円。

 

1997/10/15 RFE/RL
キエフのテレビによると、ウクライナ政府当局は、チェルノブイリ原発周辺汚染ゾーンに放置されている数1000トンの金属材料の売却に関心を持っている。除染の方法や費用の出処については述べられていない。

 

1997/11/6 原産
ウクライナのエネルギー省によると、チェルノブイリ原発3号炉の運転再開は、冷却パイプ溶接不良部の修理のため、今年末頃に延期されることになった。同3号炉は、7月21日に定期検査のため運転を停止。冷却パイプの450カ所を検査したところ50カ所で溶接不良が認められた。

 

1997/11/10 RFE/RL
ウクライナのクチマ大統領は11月7日、チェルノブイリ原発閉鎖にともなう代替電源への支援が得られなければ、チェルノブイリ原発は閉鎖しないであろう、と述べた。

 

1997/12/18 原産
ウクライナ政府は11月末の閣議で、建設中原発の完工資金を調達するため電気料金を値上げすることを決定した。来年1月1日より。ロブノ4号炉とフメルニツキ2号炉完工のための費用は15億ドルと巨額で、EBRDの融資を渋られている状況。4〜4.5%の料金値上げで見込まれる約2億ドルを完工プロジェクトにあて、EBRDからの信用融資を引き出そうとしているもの。


<1996年>

1996/1/6 毎日:モスクワ共同
ウクライナ国家原子力委員会は5日、南ウクライナ原発で3日に放射能漏れが発生したと発表。同原発3号炉の配管に小さな穴がみつかり運転を停止した。

 

1996/2/2 毎日:モスクワ共同
ロシア中部ウリヤノフスク州のディミトロフグラド原発で1月31日に放射能漏れ事故が発生、運転を停止した。原子炉のタービンが止まったため圧力が上昇し安全弁が作動、放射性ガスと蒸気の混合気が幅3m長さ60mにわたって吹き出した。

 

1996/3/11 REF/RL
ウクライナ環境大臣は、1995年11月17日に発生したチェルノブイリ1号炉事故の詳細について発表した。燃料交換中に燃料棒が破損し、原子炉中央ホールが汚染された。事故の規模はレベル3。

 

1996/4/1 毎日:ロンドン共同
31日の日曜紙インディペンダント・オン・サンデーは、スコットランドの島で過去1年半の間にガンが他の一般地域の3倍を上回る率で発生、1986年4月のチェルノブイリ事故と関連がありそうだ、と報じた。

 

1996/4/3 毎日:ウィーン共同
チェルノブイリ原発4号炉を覆っている「石棺」は13年に1回という高い確率で倒壊する恐れのあることが2日、欧州委員会が実施した危険度評価で分かった。倒壊に結びつくもっとも大きな外部要因は地震で、チェルノブイリ地区では177ガルに達する地震が25年に1度の割合で起きると予想されるが、石棺と共用建物は約88ガルで倒壊することが判明。

 

1996/4/8 毎日:モスクワ時事
ウクライナ放射線医学研究所のポヤルコフ所長は5日、チェルノブイリ事故の影響でウクライナでこれまでに2500人が死亡したと述べた。

 

1996/4/10 毎日:ウィーン・町田記者
チェルノブイリ事故の放射能による健康・環境影響について検証する国際会議「チェルノブイリから10年」が9日、ウィーンで開幕した。IAEA、WHO、EUの共催で、各国の専門家約700人が参加。

 

1996/4/14 毎日
大阪で13日、消費者団体などの主催で「もんじゅも原発も今すぐ止めよう!チェルノブイリを忘れない!」集会が開かれ約150人が参加。フォーク歌手の小室等さんがオリジナル曲を披露。

 

1996/4/19 毎日:モスクワ・大木記者
ノルウェーの環境保護団体「ベローナ」は18日、ロシア北方艦隊の原潜から生じた大量の放射性廃棄物が危険な状態で保管されていると警告する報告書をモスクワで発表した。19日からモスクワで開かれる原子力サミットをにらみ、ロシアの核管理の杜撰さを警告するのがねらい。

 

1996/4/21 毎日:モスクワ・西、大木記者
G7とロシア首脳による原子力サミットは20日、公式協議を行い、サミット宣言、CTBTに関する声明、ウクライナに関する声明の主要3文書を採択した。1995年12月のG7対ウクライナの覚書にしたがい、チェルノブイリ原発は2000年までに閉鎖する方針が確認された。

 

1996/4/10 RFE/RL
ベラルーシのルカシェンコ大統領がウィーンの国際会議で演説、ベラルーシはチェルノブイリ事故対策に毎年国家予算の20-25%を要しており、1250億ドルの国際支援を訴えた。

 

1996/4/21 毎日:シカゴ時事
ザ・ブレチン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ誌最新号は、チェルノブイリ事故10周年に合わせて特集を組み「事故から人類は何も学んでいない」とIAEAなどを批判した。カナダのマープルズ教授は、事故の直接の死者は少なくとも6000人にのぼると報告している。

 

1996/4/21 毎日:モスクワ・三瓶記者
原子力サミットで発表され声明は、1995年12月の覚書確認にとどまった。95年覚書では、2000年までにチェルノブイリ原発を閉鎖するのに対し、西側は23億ドルの支援を行うというもので、その後30億ドルに増額された。

 

1996/4/22 毎日
チェルノブイリ事故からもうじき10年を迎えるが、旧ソ連政府の事故対策グループが、事故直後に子供60人以上を含む市民900人以上が急性放射線障害になった事実を機密議事録に残していたことが明らかになった。

 

1996/4/22 毎日:モスクワ共同
タス通信は20日、ウクライナのクチマ大統領が、チェルノブイリで稼働中の原子炉2基のうち1基を今年中に閉鎖すると確認したと報じた。

 

1996/4/26 毎日:モスクワ・高橋記者
ベラルーシのルカシェンコ大統領は25日、テレビ演説し、チェルノブイリ事故の経済的損失は少なくとも2350億ドル、国家予算の32年分に相当するとの試算を公表した。

 

1996/4/26 毎日:モスクワ・大木記者
26日のチェルノブイリ事故10周年を迎え、各地でさまざまな行事が行われる。ウクライナでは、環境団体のメンバーら約300人が原発の運転停止を求めてチェルノブイリへデモ行進中で26日朝に現地入りする。キエフでは、犠牲者追悼の集会が開かれクチマ大統領も参加する。ベラルーシのミンスクでは、政府が犠牲者の追悼集会を行う一方で、反政府団体「ベラルーシ人民戦線」が当局の禁止を振り切ってデモを強行する予定。

1996/4/27 毎日:モスクワ・大木記者
チェルノブイリ10周年の26日、モスクワのミチンスコエ墓地で犠牲者の追悼集会が開かれ、遺族や元同僚、政府高官など約700人が参加した。一方、エリツィン大統領はラジオ放送を通じて「今日はロシアだけでなく、全人類の歴史にとっても悲しい日である」と述べた。

 

1996/7/26 毎日:モスクワ・大木記者
ウクライナ国家原子力委員会は25日、フメリニツク原発で24日、蒸気管が破裂する事故が起き、職員1人が死亡、施設の一部に放射能が漏れたと発表。事故の規模はレベル1。

 

1996/9/26 毎日:モスクワ・高橋記者
ウクライナのコスチェンコ環境相は25日、チェルノブイリ4号機が爆発する可能性があると語った。今月16日、「石棺」の中におかれた測定器の値が上昇、中性子が一時的に10倍になったことをうけたもの。

 

1996/10/12 毎日:モスクワ時事
ロシア政府の安全保障会議がまとめた、原潜など旧ソ連で発生した原子力艦船事故の状況が明らかにされた。1960年10月〜89年6月の約30年間に23件の事故があり、少なくとも40人の死者が出た。

 

1996/10/20 毎日:ニューヨーク時事
18日発売のビジネスウィークによると、スターリンは自国の技術を信用せず、米国製原爆をまねるよう強制したことが当時の科学者らの証言で明らかになった。今年5月、当時の科学者ら約300人がドゥブナで会合を開き公表。会合の記録は近く「今日の物理学」に掲載される。

 

1996/11/15 RFE/RL
ウクライナ当局は、1991年の火事以来運転を停止している、チェルノブイリ原発2号炉の運転再開を検討中。いずれにせよ、G7との協定によると、31億ドルの援助と引き替えに、チェルノブイリ原発は2000年までに閉鎖される予定。

 

1996/11/19 毎日
阪大医学部の杉山教授や野村教授のグループは、チェルノブイリ周辺汚染地域に住み、血液検査で「異常なし」とされていた住民の血液から、白血病の目印遺伝子WT-1の増殖を確認し、通常の検査で異常がない住民も白血病に対する高いリスクを負っていることを、遺伝子レベルで裏付けた。

 

1996/12/1 毎日:キエフAP/DJ共同
チェルノブイリ原発で30日、1号炉の閉鎖作業が始まった。同原発で稼働中の原子炉は3号機のみとなる。


<1995年>

1995/2/23 毎日:モスクワ・飯島記者

ロシア国家安全保障会議のメニシチコフ環境保全省庁間委員は22日、チェルノブイリ事故で放出された放射能の約80倍の核廃棄物が国内に貯蔵されていることを明らかにし、管理不十分で事故の危険があると警告した。

 

1995/3/28 毎日:ロンドン共同

26日付けのオブザーバー紙は、チェルノブイリ原発を現地調査したチームが最近作成した報告書の中で、同原発が再び大事故を起こす恐れがあると警告したと報じた。4号炉の建物の支柱が倒壊寸前で、最悪の場合、稼働中の3号炉のメルトダウンなどの大惨事につながる可能性がある。

 

1995/4/13 毎日:モスクワ共同

1991年8月に閉鎖されたセミパラチンスク核実験場で、実験のため地下に設置されたまま4年近くにわたり旧ソ連の核弾頭1発が放置されていることが明らかになった。ロシア原子力省高官によると、地下の高い湿度で起爆部内の成分が変化、軽い接触でも起爆部が爆発する恐れがある。しかし、核爆発の可能性はないと強調。

 

1995/4/14 毎日:モスクワ・大木記者

ウクライナのクチマ大統領は13日、EU議長国フランスのバルニエ環境相らと会談、西側援助を条件にチェルノブイリ原発を2000年までに閉鎖することで合意した。

 

1995/4/22 毎日:キエフ・ロイターES時事

ウクライナのマルチュク副首相は21日、チェルノブイリ原発の閉鎖には40億ドルが必要であると述べ、国際支援を訴えた。

 

1995/6/6 毎日:モスクワDPA時事

タス通信によると、ロシア科学アカデミー会員の物理学者バルコフスキー氏は5日、1986年4月のチェルノブイリ事故は地震が引き金だったとの新説を発表した。

 

1995/7/4 毎日

チェルノブイリ事故による放射能汚染地域で、新生児の先天性異常の発生が88年をピークに事故以前と比較して最高2.2倍に達していた。広大原医研の佐藤所長とベラルーシの遺伝疾患研究所の共同調査で明らかとなったもの。

 

1995/7/27 毎日

チェルノブイリ事故による旧ソ連ヨーロッパ部の汚染面積は、1平方km当り0.2キュリー以上の地域で101万1000平方kmに及び、日本の面積の2.7倍に達していることが明らかになった。

 

1995/7/29 毎日

広島大学原医研は28日、「被爆50周年記念国際シンポジウム」を開催し、ローゼンソン客員教授は、セミパラチンスク核実験場の周辺住民は、広島・長崎の原爆投下後24年間の平均と同じレベルと報告した。

 

1995/8/2 毎日

セミパラチンスクで行われた核実験で広がった放射能や死の灰の被曝状況を記録した気密地図を旧ソ連軍が作成していた。広島大学原医研のローゼンソン客員教授が明らかにしたもの。

 

1995/8/12 毎日:ウラジオストク共同

ソ連時代の1985年8月10日、ウラジオストク近郊の原潜修理工場で、原子炉燃料交換中に爆発事故があり、艦隊関係者約350人が被爆し、即死したもの10人を含めて40人以上が死亡したことなどが明らかになった。事故を起こしたK431原潜はコンクリートで密閉され現在もウラジオストク近郊のパブロフスク湾に放置されている。

 

1995/9/20 毎日:モスクワ・大木記者

チェルノブイリ原発で28日、電気系統のショートでぼやが発生、すぐに消火されたため大事には至らなかった。

 

1995/9/22 毎日:ジュネーブ・福原記者

国連人道援護局がまとめた報告では、チェルノブイリ事故の処理にあたった人々80万人がガンの危険にさらされ、汚染地域の7割の人が精神的障害をかかえている。

 

1995/12/21 REF/RL (Radio Free Europe/Radio Liberty: www.rferl.org)

12月20日、ウクライナとG7は、チェルノブイリ原発の閉鎖に関する協定にカナダのオタワで調印。原発閉鎖にともなう経済支援の内容や、4号炉の後始末方法、原発閉鎖のタイムテーブルは未定。

 

1995/12/28 REF/RL

ウクライナからの核兵器撤去作業は順調に進行中。10月末までに、46基のSS24すべてと130基のSS19のうち80基がスクラップにされた。またSS19のうち32基がロシアへ転送された。米国はこれらの作業に3億5000万ドルを提供した。  


<1994年>

1994/1/11 毎日:ブリュッセル・重村記者

クリントン米大統領は10日、ブリュッセルで記者会見し、ウクライナがすべての核兵器をロシアに引き渡す非核化に合意した、と発表した。ウクライナは、弾道ミサイル176基と核弾頭1800発を7年を限度に廃棄、ロシアは10億ドル分の核燃料をウクライナに提供する。

 

1994/2/4 毎日

アレクサンドロフ元ソ連科学アカデミー総裁が3日に死去、90歳。ソ連原子力開発の指導者。

 

1994/4/1 毎日:ウィーン・高畑記者

IAEAは31日、チェルノブイリ原発の安全性に対して行った現地調査の結果、「事故炉の隔壁の劣化が進行中で重大な懸念があり、稼働中の原発にも多数の欠陥が確認された」とする報告をまとめた。チェルノブイリ原発では、3号炉と、先週から運転を再開した1号炉の2基が操業中。

 

1994/4/23 毎日:ウィーン・町田記者

チェルノブイリ原発の安全対策をめぐるIAEAの特別会議が終了。ローゼンIAEA安全対策局長は、チェルノブイリ原発の現状は依然、必要とされる安全基準を満たしていない、と述べた。

 

1994/4/27 毎日:モスクワ・三瓶記者

チェルノブイリ事故8年にあたり、ロシア各紙は事故についてさまざまに報道。国防省機関紙「赤い星」によると、事故処理作業にあたった30万人のロシア人のうち、3万人が身体障害者となりこれまでに5000人が死亡。

 

1994/5/7 毎日:モスクワ・時事

ロシアのベロヤルスク原発の高速増殖炉で6日、冷却剤の金属ナトリウムが漏れ火災が発生、30-40分後に鎮火。放射能漏れ、人的被害はなかった。

 

1994/5/11 毎日:バーデンバーデンAFP

チェルナウセンコ氏は10日、ドイツのラジオ放送で、チェルノブイリ事故による放射能汚染のため旧ソ連諸国で向こう10年間に1500万人が死亡するだろうと述べた。

 

1994/5/23 毎日

7月のナポリ・サミットの経済議題に、チェルノブイリ原発の完全閉鎖問題が入ることになった。

 

1994/5/30 毎日:モスクワ・飯島記者

旧ソ連が1956年9月、セミパラチンスク核実験場で軍事演習を行っていたことが明らかになった。爆発直後に空挺部隊員約300人が爆心地周辺に降下した。

 

1994/6/5 毎日

放医研の中島部長らが、家庭の砂糖の分析から被曝線量を推定する方法を開発し、チェルノブイリ被災地のサンプルを測定。プリピャチ市のアパートの砂糖から求めた、36時間の住民の被曝線量は0.042シーベルト。

 

1994/6/30 毎日:モスクワ・石郷岡記者

タス通信によると、カムチャツカ半島の原潜基地ペトロパブロフスクの廃棄物貯蔵施設で事故があり、放射能漏れ。放射能汚染値は8ミリレントゲン。

 

1994/9/2 毎日:モスクワ・三瓶記者

ロシア・チェリャビンスクの核燃料工場で31日から1日にかけて火災が発生、周辺に放射能漏れ。事故の規模はレベル3。

 

1994/9/27 毎日

チェルノブイリ原発事故の放射線影響に関する国際シンポジウムが10月3日から3日間、被災地のベラルーシで同国と日本の研究者による実行委員会の主催で開かれる。

 

1994/10/15 毎日

G7とウクライナは、チェルノブイリ原発を閉鎖することで大筋合意した。近くロンドンで専門家グループの会合を開き具体策の検討を始める。

 

1994/10/19 毎日:モスクワ・大木記者

ロシア防諜局は18日、モスクワしないでウラン238を密売しようとしたグループを逮捕、27kgのウランを押収したと発表した。

 

1994/10/28 毎日:ウィニペグ時事

カナダ・ウィニペグで開かれたG7のウクライナ支援会議で、クチマ・ウクライナ大統領は、チェルノブイリ原発を段階的に閉鎖すると発表した。

 

1994/11/17 毎日:モスクワ・大木記者

ウクライナ最高会議は16日、NPTに非核保有国として加盟することを、条件付きで批准した。これに関連しSTART-1に関する議定書も発効する。

 

1994/11/20 毎日

旧ソ連が1950-60年代に行った核実験・演習の機密映像を京大塚谷教授が入手。映像は延べ3時間。

 

1994/12/20 毎日:プラハAFP時事

チェコ内務省は19日、高濃縮ウラン3kgを押収、旧ソ連人2人とチェコ人1人を逮捕したと発表。押収したのはウラン235が90%の濃縮ウランで、ロシアの証明書がつけられていたという。


<1993年>

1993/1/1 毎日:モスクワ時事

放射性廃棄物の海洋投棄を調査中のロシア政府委員会は30日声明を出し、旧ソ連時代から放射性液体廃棄物を日本海を含む極東海域へ投棄していたことを明らかにした。極東への海洋投棄が確認されたのははじめて。

 

1993/1/7 毎日:モスクワ時事

ロシア全土の原発で、昨年1年間に発生した事故は205件、1991年の172件より33件の増加。

 

1993/1/14 毎日:モスクワ・共同

チェルノブイリ原発で12日夜小規模な火災が発生。12日午後11時頃原子炉1号機と2号機の中間にある機械設備付近で火災、職員が約30分後に消火。原因は電気系統の故障。

 

1993/1/25 毎日:モスクワ・共同

ウクライナテレビは22日、チェルノブイリ原発1号機の発電機内に機会油が漏れ、発電が停止したと伝えた。

 

1993/1/28 毎日:モスクワ・石郷岡記者

ロシア政府幹部会は27日、1940-50年代に起きたウラル地方の核事故を協議し、被害の調査、対策に本格的に乗り出す決定をした。汚染事故により50万人に被害を及ぼしたとされる。

 

1993/2/5 毎日

G7は5日までに、旧ソ連・東欧の原発安全対策を進めるための基金設立で最終合意した。基金の規模は当初7500万ドル。

 

1993/2/16 毎日:モスクワ・石郷岡記者

イズベスチヤ紙は15日、ウクライナに配備されている戦略核ミサイルの安全は危機的状況にあると報じた。各地のミサイルは補修がされないまま配備されている。

 

1993/3/6 毎日

医療研修で広島に滞在中のセケルバエフ・カザフ放射線医学生態学研究所副所長は、5日の記者会見で、セミパラチンスク核実験場周辺住民の白血病発生率が通常の100倍以上であると発表した。

 

1993/3/31 毎日

宮沢首相は30日の参院予算委員会で、ロシアが日本海などに放射性廃棄物や原潜の原子炉を投棄していた問題について、投棄の即時中止と事実関係の調査をロシア側に申し入れたことを明らかにした。

 

1993/4/2 毎日:モスクワ時事

ロシア政府調査委員会の報告書によると、ロシア海軍太平洋艦隊は昨年4回にわたって放射性廃棄物を海洋投棄。液体が8.9キュリー、固体が15キュリー。

 

1993/4/5 毎日

アルメニア政府は12日、1988年の大地震後から運転を停止していたアルメニア原発を、電力不足のため運転再開する決定を行った。準備作業に約1年かかる見通し。

 

1993/4/6 毎日:モスクワ共同

5日のタス通信によると、セミパラチンスク核実験場のあるカザフスタンで、2億3000万トンもの放射性廃棄物が、指定された投棄場所以外に放置されていることが同国の環境調査で明らかになった。

 

1993/4/6 毎日:モスクワ・共同

西シベリアの閉鎖都市「トムスク7」で6日、ウラン溶液の入ったタンクが爆発、工場の屋根が吹き飛び、液が飛散。

 

1993/4/7 毎日:モスクワ・石郷岡記者

ロシアのヤブロコフ大統領顧問は6日、極東地域では現在も液体廃棄物の投棄が続けられ、中止する計画はない、と語った。

 

1993/4/7 毎日

チェルノブイリ事故で現在も高濃度に放射能汚染され、住民が強制移住させられているベラルーシのチェチェルスク地区に、旧ソ連各国から民族紛争や内戦による難民約2000人が入ってきていることが判明した。この事実を明らかにしたのは、来日中の同地区のセチカ保健局長らで、難民の数はさらに増えつつある。

 

1993/4/8 毎日:モスクワ・飯島、石郷岡記者

トムスクの事故に関しロシア当局は「放射能汚染地域は約200平方kmと推定される」と発表。中心地から半径4−5kmで3−4ミリレントゲン、29km地点で0.4ミリレントゲンを記録した。ロシア原子力省は事故の規模をレベル3と発表。

 

1993/4/9 毎日:モスクワ・石郷岡記者

トムスク7事故による汚染は、幅9km長さ20kmに広がっている。爆発の原因となった溶液にはウラン235とプルトニウム237が含まれていた。

 

1993/4/13 毎日

チェルノブイリ原発1号機で12日、タービン発電機の事故があり原子炉が止まったが放射能漏れはなかった。

 

1993/4/15 毎日:モスクワ時事

イズベスチヤ紙は15日、ウクライナの税関当局が、オデッサに近いイリイチェフスク港で80トンの核燃料が入った正体不明のコンテナを発見したと報じた。

 

1993/4/21 毎日

来日中のベリホフ・ロシア科学アカデミー副総裁は20日、国際シンポジウム「核兵器の廃棄とプルトニウム」で、今後は海洋投棄が行われないようにすべきである、と述べた。

 

1993/4/24 毎日:ジュネーブ・ロイター

WHOは23日、チェルノブイリ事故が原因でベラルーシの子どもの甲状腺ガンが24倍に増え、と発表した。

 

1993/4/27 毎日

日本原産会議の大会でチェルノブイリ事故の影響評価に関するシンポジウムが行われた。

蔵本広大原医研所長は、影響は実証されないとするIAEAの報告について、「データは医学的根拠を持ち信頼できる」と述べた。

 

1993/4/30 毎日:モスクワ共同

ロシア国家原子力監視委員会のアダムチュク部長は、今年2月のコラ原発の原子炉停止について、原子炉冷却に関する人為的ミスが主因で、あと1時間余りで重大事故になるところだったと明らかにした。

 

1993/5/15 毎日

ストロンチウム90の放射線源を積んだ旧ソ連のヘリコプターが1987年にサハリン東方のオホーツク海に墜落する事故のあったことを、科学技術庁が14日明らかにした。放射性廃棄物の海洋投棄に関する日ロ合同作業部会でロシア海軍が説明。放射能量は35万キュリー。

 

1993/5/22 毎日:モスクワ共同

ウクライナ中部のザポロジェ原発で21日午後火災が発生、1人が焼死1人が重傷。火災の原因は溶接作業の火花が、漏れた水素に引火したため。原子炉部分とは無関係。

 

1993/6/29 毎日:キエフ・ロイター共同

ウクライナ中部のザポロジェ原発で28日、1基の原子炉の炉内圧力が急上昇したため運転を停止した。

 

1993/6/30 毎日:モスクワAFP時事

イズベスチヤ紙は29日、ロシアとウクライナ両国が、ウクライナ内にある約1600発の戦略核弾頭の解体に関する取り決めに調印すると伝えた。ロシアは見返りとして、ウクライナに原子炉用の燃料を提供するとともに、解体弾頭ウランの販売利益の一部を与える。

 

1993/7/20 毎日:モスクワ・石郷岡記者

ロシア・チェリャビンスク郊外の核生産工場「マヤック」で17日夜、放射能汚染事故が発生。プルトニウムを抽出するタンクで化学爆発が発生。事故の規模はレベル1の見通し。

 

1993/8/6 毎日:モスクワ時事

インタファクス通信は5日、今年上半期にロシア国内の原発で起きたトラブルは90件にのぼると報じた。うち。「深刻な」事故は2件。

 

1993/8/15 毎日:モスクワ・石郷岡記者

イズベスチヤ紙は13日、原爆実験場で爆発直後の演習を行った旧ソ連軍兵士がロシア国防省を相手に損害賠償の訴えを行ったと報じた。訴えたのはソロキンさん、68歳。1954年9月、トツコエの原爆演習に参加。

 

1993/9/17 毎日:モスクワ支局

ロシア国防省筋は15日、ウクライナのペルボマイスク核弾頭保管貯蔵施設内部の温度と放射能値が上昇した事故に関する調査結果を発表した。事故の原因は限定された空間内に基準以上の核弾頭を集積させた結果、核物質が相互反応した、というもの。

 

1993/10/14 毎日

ベラルーシの子どもの甲状腺ガンが急増し、事故前に年平均1人だったのが、昨年は65人にも上っていることが判明。この8月現地を訪れた市民グループ「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」が入手した資料による。

 

1993/10/18 毎日

グリンピースは17日、放射性廃棄物を積載したロシア海軍専用船「TNT-27」が、日本海での液体廃棄物投棄を開始したと発表した。「グリンピース号」の乗組員が小型ボートで接近、自然状態の10〜17倍の放射線を検出。

 

1993/10/19 毎日:モスクワ・三瓶記者

日本海への放射性廃液投棄について、ロシア環境天然資源省の次官は、近く2回目の投棄を行うことを明らかにした。16日に行った投棄は、800トンで40億ベクレル。2回目は900トンの予定。

 

1993/10/23 毎日

ロシアのミハイロフ原子力相が22日来日し江田科技庁長官と会談。ミハイロフ原子力相は、「廃棄物処理を進める資金にするため、ウランを購入してほしい」と提案した。

 

1993/10/27 毎日

来日中のロシア原子力省のミハイロフ大臣は、科技庁で記者会見し、日本海への投棄はもう行わないと言明した。

 

1993/10/30 毎日:ウラジオストク・飯島記者

ロシア海軍のカサトノフ第1副総司令官は29日ウラジオストクで記者会見し、液体廃棄物の日本海投棄を今後も続けるとの方針を表明した。

 

1993/11/11 毎日:ロンドン・菊池記者

ロンドン条約改正のための国際会議は10日、ロンドンの国際海事機関本部で分科会を終え、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄について、「25年ごとに見直す」との条件で全面禁止する方針を決めた。英国やフランスは反発。

 

1993/11/29 毎日:モスクワ時事

イズベスチヤ紙は27日、モスクワの犯罪組織が放射能を武器にして殺人を行っている疑いがあると報じた。ある企業の社長のいすに高濃度の放射性物質が長期にわたって仕掛けられ、その社長は死亡した。

 

1993/12/18 毎日:モスクワ・時事

放射性廃棄物の海洋投棄に関するロシア政府委員会は、海洋投棄の完全中止のため廃棄物処理施設を1994年末までに建設するとした報告書をまとめた。ロシア政府はこれを基に日本などへ建設費への協力要請をすると見られる。


 <1992年>

1992/1/3 朝日:ローマ:都丸記者

イタリア司法当局が、旧ソ連製核物質を密輸するグループが存在すると発表。北部国境近くで4グラムのプルトニウムを押収。また、スイス警察は30キロのウランを押収している。一部はロシア・イルクーツクのソ連軍から運び出されたもので、KGBのスタッフも絡んでいた。

 

1992/1/4 毎日:石郷岡記者

アルメニアのチフタラリャン国務相は31日、現在閉鎖中のアルメニア原発は新年度から再開される、と語った。

 

1992/1/14 日経:ロンドン=時事

リビアなどが旧ソ連の核開発科学者に手を伸ばしている。旧ソ連では、プルトニウム・濃縮ウランの製造に3〜5千人、核兵器設計に2千人など数万人の科学者が核開発に従事していた。

 

1992/1/16 毎日:時事

14日発売の「論拠と事実」によると、ウクライナ共和国最高会議チェルノブイリ事故調査グループは、ロシア、ウクライナ検察に対し、旧ソ連指導者の罪を調査するよう告発。告発されたのは、ゴルバチョフ、リガチョフ、シェフチェンコ元ウクライナ最高会議議長ら。

 

1992/1/18 読売:モスクワ=古本記者

特別記事。旧ソ連には核開発の「特別閉鎖都市」が87ヶ所、うち10ヶ所は「最重要国防拠点」。その一つ「アルザマス16」は人口8万人。

 

1992/1/19 日経:モスクワ=道善記者

モスクワラジオがロシアのウラン輸出を増やすと報じた。カザフも計画。

 

1992/1/20 毎日:ロンドン=共同

サンデー・エクスプレスは19日、リビアが高給で旧ソ連原子力専門家を引き抜いていると報じた。昨年9月からリビアの砂漠地帯にある原子力研究所で働いているチェルニコフ氏が語ったところでは、給料年6万ポンドで、他にも3人。

 

1992/1/22 朝日:モスクワ=大野記者

エリツィン大統領は21日、原子力産業の幹部、学者らと会見、核兵器、原発問題、科学者の労働条件と社会的保護について協議した。

 

1992/1/22 毎日:RP

ボルコノフ・ロシア大統領軍事顧問によると、CISから他国への核技術漏洩は有り得ると述べ、核専門家の国外流出を禁止する法律を採択すべきとの主張があると紹介。

 

1992/1/23 日経

来日中のコズィン旧ソ連原子力発電産業省経済局長によると、同省は1、2ヶ月以内に解体。安全管理、開発は新設の原子力安全委員会が引き継ぎ、発電は企業合同体が受け持つ。

 

1992/1/25 毎日:時事

パリで発行されているアラビア語週刊誌によると、旧ソ連の1共和国が核兵器をイランに売却。3発で1億ポンド。売却したのはカザフスタンと見られる。

 

1992/1/25 日経:ロサンゼルス支局

米政府は旧ソ連の核開発にあたっていた科学者約2000人について雇用機会を提供することの検討を始めた。旧ソ連の核兵器処理のため米議会はすでに4億ドルを承認しているが、その一部をあてるもよう。

 

1992/1/27 毎日:RP

リトアニア共和国の環境保護相はこのほど、イグナリナ原発の運転続行を決定したと述べ、「イグナリナはチェルノブイリと同じタイプで、危険かつ質が非常に悪い」と付け加えた。

 

1992/1/28 毎日:ボン=共同

ウクライナの物理学者チェルノセンコは、チェルノブイリ事故処理に従事した百万人が生命の危険にさらされている、と語った。

 

1992/1/31 サンケイ:モスクワ=共同

リトアニアのイグナリナ原発職員が、コンピューター・ウィルスを原発システムに侵入させ、原子炉を損傷させようとしたとして逮捕された。ウィルスが侵入したのは、原子炉制御システムではなく補助システムだった。

 

1992/2/1 毎日:モスクワ=石郷岡記者

核兵器開発の責任者ミハイロフ教授によると、核兵器の秘密情報をしっているのは1万から1万5千人、うち2、3千人が最重要情報を持っている。国外流出の可能性は全くないと説明。

 

1992/2/3 毎日:RP

ロシア政府は、ノボボロネジ第2原発を建設する決定を採択した。

 

1992/2/3

朝日:ワシントン=吉田記者

エリツィン大統領同行筋は、核兵器解体後のプルトニウム売却を検討していることを明らかにした。

 

1992/2/5 朝日:モスクワ=青木記者

25年以上にわたって旧ソ連軍核弾頭の生産にあたってきたゴルバチョフが、「我々の核管理は破滅的状況にあり、チェルノブイリのような事故が大なり小なり数百も起きることになる」と語った。

 

1992/2/7 日経:モスクワ=横田記者

旧ソ連の核兵器製造技術者のミナエフ氏によると、製造技術は1940年代以降ほとんど変わっておらず、手作業を中心に組み立てられていた。1ヶ月に役30弾頭生産していたという。

 

1992/2/7 日経:ワシントン=時事

ベーカー国務長官は下院公聴会で、ロシア側から原子炉燃料のウランを米国に売却したいとの打診があったことを明らかにした。

 

1992/2/8 朝日:ウィーン=萩谷記者

IAEAは、旧ソ連型原子炉10基の安全水準が危険なレベルにあると認定。ブルガリア・コズロドイ4基、チェコ・ボフニチェ2基、旧ソ連のコラ2基、ノボボロネジ2基。

 

1992/2/8 北海道:モスクワ=時事

コラ半島ムルマンスクに近いポリャルネイなどで、原潜解体作業により放射能が流出、許容量の60倍を越えている、と旧ソ連北方艦隊指令部が明らかにした。

 

1992/2/10 北海道:ハンブルグ=時事

旧ソ連・東欧の核燃料がやみ市場で取引されている。ルーマニアとブルガリアの原子力施設から天然ウランと一部濃縮ウランが紛失したことをIAEAも確認。

 

1992/2/13 日経:モスクワ=横田記者

ウクライナは、ニコラエフで建造中の原子力空母「ウリャノフスク」の廃棄を決定。今後ロシアが反発する可能性。

 

1992/2/18 毎日:モスクワ=飯島記者

エリツィン大統領とベーカー国務長官はクレムリンで会談後、米ロ独で核技術者漏出防止のための「国際科学技術センター」を設立すると発表。米国は2500万ドルを拠出。

 

1992/2/18 朝日

科技庁は18日、核解体で出てくるプルトニウムを発電で活用するための専用炉の設計に入ったことを明らかにした。核軍縮案が実施されると、1万5千個の弾頭が解体され、プルトニウム70〜80トン、ウラン220〜240トンが出てくる。電気出力80万kWの炉で、年間2トンのプルトニウムを燃やす。

 

1992/2/29 朝日:ワシントン=吉田記者

ワシントンで開かれた米とCISの非公式会議でプルトニウム処分法を協議。原発で燃やす案と、地下で爆発させる案を討議。

 

1992/3/5 北海道:モスクワ=共同

モスクワ南東800kmのバラコフ原発で4日午前1時、発電機がショートして出火、40分後に消し止められ、負傷者はなかった。

 

1992/3/7 朝日:ニューヨークタイムズ

米政府は、核融合研究推進のためロシアで百人以上の科学者を雇用する計画を進めている。116人について年間9万ドルで契約、月給65ドルで格安。

 

1992/3/7 サンケイ:ロンドン=時事

ザ・タイムスは6日、カザフスタンにある旧ソ連の核兵器解体施設近くの集団農場で、労働者やその家族十数人が変死していると報じた。アルマータ北100kmのサリオゼク周辺で、さらに北100kmのタルディクルガンに廃棄施設。農場で15人死亡したほか、羊や牛が次々と死んでいる。

 

1992/3/9 毎日:モスクワ=時事

イズベスチヤによると、旧ソ連15ヶ所の原発で昨年1年に3回の放射能漏れ事故と270回の運転停止があった。放射能もれは、イグナリナ(5月)、ロシア・ビリビンスク(7月)、チェルノブイリ(8月)。

 

1992/3/10 朝日:ベルリン=亘理記者

バイエルン州警察は9日、濃縮ウラン1.2キロを190万マルクで売ろうとした、ドイツ系ロシア人二人を逮捕した。

 

1992/3/10 毎日:モスクワ=共同

ベラルーシのカザコフ保健相は、ゴメリで開かれた科学者会議で、チェルノブイリ事故発生以来ベラルーシで子供の甲状腺ガンが45件確認され、発生率は事故以前に比べ17倍になったと述べた。その他、肺、胃、血液の疾患や妊娠異常も増えていると指摘。

 

1992/3/11 毎日:モスクワ=時事

ロシア・クルスク州クルチャトフ原発で9日、タービン発電機冷却システムの圧力低下で火災が発生した。原子炉は緊急停止、まもなく鎮火、放射能漏れなし。

 

1992/3/13 福島民友:ロンドン=共同

ウクライナ環境保護省顧問のチヒー博士は11日、ブリストルの会議で、チェルノブイリ事故によるキエフ州の汚染地帯で、動物の奇形出産が増えていると指摘した。事故以前は極めて少なく、明らかに汚染が原因と述べた。

 

1992/3/12 北海道:モスクワ=共同

エリツィン大統領は、ノバゼムリャ島での核実験再開の準備をする大統領令を出した。昨年10月、ロシアでの核実験を1年間停止する決定を出していたが、軍の圧力などを背景に実験再開の方針を固めたとみられる。

 

1992/3/13 北海道:モスクワ=共同

イズベスチヤは12日、CIS海軍の戦略原潜は62隻で、このうち24隻が太平洋艦隊に配属されているとのデータを掲載した。SLBMは940基で、弾頭数2800発。太平洋艦隊には348基。

 

1992/3/18 毎日:時事

ロシア原子力エネルギー省のボグダン補佐官は、クラフチュク・ウクライナ大統領が提案した戦術核廃棄の共同管理構想について、「核兵器解体の機能、装置は国家機密に属する」と拒否。

 

1992/3/25 毎日:モスクワ=飯島記者

24日午前2時半ごろレニングラード原発3号炉で放射能漏れ事故。ECCSが作動。ロシア原子力エネルギー省はレベル3と発表。

 

1992/3/30 毎日:共同

USニュース&ワールドレポートによると、最近ウクライナで戦略ミサイルの弾頭3個が紛失。2月にはカザフスタンで3個の戦術核弾頭がなくなった。

 

1992/4/9 毎日:モスクワ・共同

タス通信は7日、ナホトカの環境団体の話として、ナホトカ港近くの海底で通常の20倍の放射線を出す物質がみつかった、と伝えた。

 

1992/4/12 毎日

通産省筋は11日、CISの原子力発電所の安全性向上に協力するため、日本が出資してロシアに原発技術者の研修所を設置する構想を明らかにした。同省は92年度から10カ年計画でCIS、東欧の原発技術者1000人を日本に招き、事故対策や安全運転についての研修を行う構想を進めていた。しかし、レニングラード原発事故をうけて同計画の見直しを進めていたもの。

 

1992/4/19 毎日

3月に発生したロシア・レニングラード原発3号機の事故について。ロシア原子力省などの調査では、圧力管に入る冷却水量を調整する弁の故障で水量が1時間当り20立方mから3立方m以下に減り、温度が通常の300度から800度に上昇。原子炉は自動停止したが圧力管が損傷し、放射性希ガスやヨウ素が外部に放出された。

 

1992/4/22 毎日:モスクワ・石郷岡記者

ロシア政府はクラスノヤルスクの核兵器用プルトニウム生産炉2基の閉鎖を決定。1号機は今年7月1日、2号機は9月1日以前に閉鎖の計画。

 

1992/4/25 毎日:モスクワ・石郷岡記者

イズベスチヤ紙は24日、6年前のチェルノブイリ原発事故に関するソ連共産党政治局の秘密書類をもとに、「政治局の事故対策グループは、事故の内容を隠蔽し、ウソでかためた情報を流し続けた」と厳しく告発する記事を掲載した。記事は、元ソ連人民代議員でジャーナリストでもあるヤロシンスカヤによるもので、秘密書類の入手は困難を極め昨年夏のクーデター以後やっと手に入れることができたという。その資料によると、被災地の放射能汚染治療療患数は1万人にも及んでいたが、記者会見用の文書では「住民には治療を要する被害はなかった」と説明することが求められていた。

 

1992/5/2 毎日:モスクワ・共同

ロシア・サラトフ州のバラコボ原発1号機で2日朝、油圧式開閉器が破裂。原子炉は停止しなかったが同機の発電機が止まった。火災や放射能漏れはなかった。

 

1992/5/16 毎日

来日中の欧州復興開発銀行(EBRD)のアタリ総裁は15日、旧ソ連諸国内にある原発の安全性確保のために緊急に20億ドルの無償資金援助が必要との見解を示した。

 

1992/5/25 毎日:リスボン・伊藤記者

リスボンで開かれているCIS支援調整国際会議は、「支援調整グループ」設立を提案、原発の安全確保などを柱に技術支援を行うことを確認。1月のワシントン会議で食料援助など短期的援助が焦点となったのに比べ、今回は中長期的支援態勢が中心。また、日本、米国、EC、ロシアは、旧ソ連からの頭脳流出を防ぐためモスクワに「国際科学技術センター」を設置することで合意、仮調印を行った。

 

1992/6/7 毎日:ワシントン共同

アンドロポフ元ソ連共産党書記長が、KGB議長時代の1979年2月に、チェルノブイリ原発の欠陥を指摘、事故の可能性を警告していたことが明らかになった。

 

1992/6/10 毎日:モスクワ支局

イズベスチヤ紙は9日、ロシア科学アカデミーが現在ロシア領内で稼働する原発9カ所のうち7カ所の閉鎖を勧告したと報じた。

 

1992/6/10 毎日:時事

インタファクス通信によると、チェルノブイリ原発4号炉を覆うコンクリート防護壁の一部が崩壊、内部の放射性物質が流出している可能性の強いことが9日明らかになった。

 

1992/6/10 毎日:モスクワ支局

ベラルーシ最高裁判所は9日、ベラルーシ共産党の政党登録を拒否した司法省の決定を「法律違反」とし、共産党活動合法化の判断を示した。

 

1992/6/27 毎日

通産省首脳は26日、ミュンヘンサミットでの焦点となっている旧ソ連・東欧の原発安全対策費用について、日本、米国は2国間方式で拠出することを明らかにした。ECは、欧州復興開発銀行を窓口にすべきと主張してきた。安全対策費用は総額7億ドルとされている。設備改善費用3億2千万ドル、訓練センター設置などで3億3千万〜3億6千万ドル。

 

1992/7/1 毎日

閉鎖が問題となっている、旧ソ連・東欧の原発は、チェルノブイリ型15基、第1世代旧ソ連加圧水型10基の合計25基。

 

1992/7/3 毎日

政府は2日、旧ソ連・東欧の原発の安全対策費として、日本は米国並みに当面2千万〜2千500万ドルの支援を行う方針を決めた。6日から開かれるミュンヘンサミットで宮沢首相が表明する。

 

1992/7/18 毎日:ブリュッセル・谷口記者

ブリュッセルで15、16日に開かれた東欧支援会議(G24)は、旧ソ連・東欧原発安全化に関する運営委員会設置を決定。安全管理上問題があり「危ない」とされる原発は約25基。G24ではこれらを5年以内に段階的に閉鎖したいとしている。

 

1992/7/19 毎日:モスクワ・飯島特派員

ロシア政府機関紙・ラシスカヤベスチは18日、チェルノブイリ原発事故に関する旧共産党政治局の秘密文書を掲載。政治局が被害の甚大さを示す報告書を無視してウソを発表していたと告発した。

 

1992/7/16 毎日:RP東京

ロシア最高会議は14日、これまで市販の地図には載っていなかった秘密都市、「閉鎖行政地域」の廃止に関する法律を採択した。

 

1992/7/24 毎日:モスクワ時事

ビリニュスからの22日夜の報道によると、リトアニアのイグナリナ原発で事故。

 

1992/8/3 毎日:モスクワ共同

1日付けのロシアのネザビシマヤ紙によると、西側から閉鎖要求が強まっているチェルノブイリ型原発の安全性に対するロシア原子力専門家の自己評価は、5点満点で2という低いものであることが明らかになった。

 

1992/10/2 毎日:ロンドン・菊池記者

欧州復興開発銀行の発表によると、ブルガリアのコズロドゥイ原発6号炉でかなり大きな火災事故が発生し、運転停止した。

 

1992/10/10 毎日

チェルノブイリ原発事故による住民の健康被害を調査する政府派遣の専門家8人が11日から21日までロシア、ベラルーシ、ウクライナを訪問する。団長は秋葉放影研疫学部長。

 

1992/10/21 毎日:ウィーン・高畑記者

ポーランド国営通信によると、同国西部国境の町テレスポルで20日、自宅の風呂場にウラン1.5kgを隠していた男が、密輸と危険物隠匿の疑いで逮捕された。

 

1992/10/22 毎日:ウィーン・高畑記者

IAEAは21日、旧ソ連からの放射性物質密輸事件にからんで密売人が放射線障害で発病した事例を公表。スイスのチューリヒで放射性セシウム2グラムを所持していたポーランド移民1人が摘発されたが、胸ポケットに入れて所持していたため重体とのこと。

 

1992/11/1 毎日

ベラルーシの汚染地では4割の子どもに甲状腺肥大などの影響。同国の小児科医らが31日大阪市内で開かれた市民団体との交流会で報告したもの。

 

1992/11/2 毎日:キエフPAP共同

ベラルーシの検事総長代行は10日、ウラン2.5kgを密輸出しようとしたロシア人を逮捕したことを明らかにした。

 

1992/11/2 毎日

10月下旬、チェルノブイリ救援活動をしている市民団体など約60人が東京に集まり「第2回チェルノブイリ救援グループ全国会議」を開催した。会議を呼びかけたのは通信販売会社「カタログハウス」。

 

1992/11/5 毎日

チェルノブイリ事故の被曝者治療に取り組んでいる広島大学医学部の上田教授が4日、白血病を患っているキエフ市の友人の長女を広島で治療するため。「カーチャを救う会」を結成した。

 

1992/11/25 毎日

日本とロシアの原子力協議が24日から外務省で開かれ、ロシア側は、核兵器の解体によって生じる高濃縮ウランを日本の原発燃料として転用する構想を打診。

 

1992/12/24 毎日:モスクワ・共同

共同通信が入手したロシアの政府計画案によると、これまで原発のなかった沿海州やハバロフスクなど、極東地域を含め5カ所に原発を建設する計画。


<1991年>

91/1/8

朝日:ニューヨーク=NYタイムズ

米政府筋によると、米国はソ連から軍事衛星用原子炉を購入することになった。この原子炉は改良型「トパーズ2」で、重量約1トン、出力6〜10kW、価格は約1千万ドル。

 

91/1/12 朝日:モスクワ=島田記者

チェルノブイリ発電所で、発電機冷却水の質が基準を下回るまで悪化、1、2号炉の運転を止め、冷却水を交換している。

 

91/1/16 日経:ビリニュス=共同

リトアニアのイグナリーナ原発の労働者は15日、共和国最高会議の解散などを要求、受け入れられなければ共和国への送電を停止すると発表。

 

91/1/26 朝日

「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワークの活動が大きな反響を呼んでおり、カンパが1千万円を越えた。代表の綿貫礼子さんは反響の大きさに驚いている。

 

91/1/27 朝日

南ウラルのキシュチュム核工場で1949〜51年にかけて、放射性廃液を十分に処理しないまま、300万キュリーをテチャ川に放出、住民10万3千人が移住させられた。原子力安全研究協会がソ連の専門家を招いて24日から会合を開く。

 

91/1/27 日経

九州の市民団体「チェルノブイリ支援運動・九州」が現地へ専門医を含む調査団の派遣を計画、同行の医師2人を探している。

 

91/1/28 朝日:モスクワ=徳永記者

イズベスチャによると、ソ連政府は60の原子力発電所(1億6千万kW以上)の設計建設計画の中止を決めた。さらに、運転中のロストフ、クリミア、タタール、バキシール原発についても、運転停止、火力への転換を指令、スモレンスク、フメリニツク、ザボロージェ、カリーニンについても同様の決定が下された。

 

91/1/29 朝日

来日中のソ連生物物理研ブルダコフ副所長が、広島で記者会見。南ウラルでの1949〜51年の汚染事故と57年の廃棄物爆発事故により住民47万人がなんらかの影響を受けた。うち5万人は、注意を要する人たち。

 

91/2/4 朝日:RP=東京

2日のモスクワ放送によると、白ロシア最高会議はこのほど、チェルノブイリ事故の遺伝的影響に対する予防措置に関する共和国計画を採択。家族計画、胎児診断、新生児検診などの措置を含む。事故以降3年間に、発育不全の幼児が18%増加。

 

91/2/4 朝日

南ウラルのテチャ川で40年前におきた放射能汚染に関する日ソ専門家会合が東京で開かれた。ソ連生物物理研究所チェリャビンスク支所のコセンコ臨床部長にインタビュー。再処理施設からの廃液により240kmが汚染、53年から61年にかけて7,500人が疎開。住民20,800人を調査、平均線量は0.4Sv。白血病、ガンが増加したが、広島・長崎に比べ1/3から1/5。

 

91/2/9 朝日

チェルノブイリ事故の原因を、昨年4月から再調査していたソ連国家産業原子力安全監視委員会の調査結果がまとまり、近く公開される。事故原因は制御棒設計の欠陥で、原子炉を停止させようとしたことが、逆に暴走につながったとし、人為ミスを否定。

 

91/2/16 朝日

南ウラルのプルトニウム生産工場労働者に白血病やガンが多発していることが判明。東京で開かれた日ソ専門家会議でのコシュルニコワ生物物理研究所主席研究員の話などによると、48年から53年の間再処理工場で働いた男性1,800人のうち、197人がガン、25人が白血病で死亡。

 

91/2/20 毎日:モスクワ=河野記者

ソ連国家原子力産業技術安全委員会は19日、チェルノブイリ事故の主要な原因は設計ミスにあり、これに安全軽視の運転ミスが重なって事故が起こったとの調査結果を発表した。

 

91/2/27 毎日

外務省はチェルノブイリ事故に関する日ソ協力のあり方を探るため3月3日から8日まで、重松逸造放影研所長ら専門家十人をソ連に派遣すると発表。

 

91/4/1 朝日

タス通信によると、南ウクライナ原発(VVER、3基)で予備冷却装置から冷却水漏れ、28日未明運転停止。

 

91/4/3 読売:モスクワ=共同

タス通信によると、原発企業合同「スペツアトム」のサモイレンコ所長は、石棺の気密性が不十分で、また内部の一部が崩れる危険性があるため、新たな外壁を作るなどの対策が必要と指摘。

 

91/4/9 朝日

コノワロフ・ソ連原発工業相は、日本原子力産業会議の年次大会で講演し、原発燃料としてソ連産ウランを日本に輸出する希望をもっていることを明らかにした。

 

91/4/10 毎日

チェルノブイリ事故で被曝した子供6人が広島で治療を受けるため来日。24日まで滞在し原爆病院で検診、治療を受ける。

 

91/4/11 毎日:モスクワ=共同

ソ連最高会議は9日、チェルノブイリ被害者救済のための補償法案を採択した。被害者救済のための法律は初めて。法案は最高会議特別委員会、ロシア、白ロシア、ウクライナ3共和国で追加審議され、2週間以内に修正法案が採択される予定。

 

91/4/13 毎日:モスクワ=共同

ソ連保健省生物物理研イリイン所長(国家放射線防護委員会委員長)は11日、汚染地域住民の被曝量は想定の20%しかなく、移住の必要性も大幅に減少している、と語った。

 

91/4/13 朝日

16日からのゴルバチョフ来日に合わせ、日ソ原子力協定が結ばれる。チェルノブイリについても影響研究に重点を置いた覚書が交わされる。

 

91/4/15 読売:特別記事(木村記者)

3月に日本からのチェルノブイリ事故調査団(団長熊取敏之)が現地調査、汚染地域避難民と話し合い。ソ連事故被害処理委員会は57万6千人を登録、健康追跡調査などを始めている。住民の不安は深刻。しかし、専門家の多くは放射線の影響に関して懐疑的見解。

 

91/4/15 日経:ロンドン=時事

14日のインディペンデントオンサンデーによると、チェルノブイリ事故により7000〜1万人が被曝により死亡。事故処理にあたったソ連科学者チェルノセンコの話として伝えたもの。また、核燃料190トンのうち60〜80%が放出されたという。

 

91/4/15 日経

「チェルノブイリ救援募金」(代表吉沢弘志)は今月下旬、白ロシア・モギリョフ州に小児科医ら二人の医師を派遣する。

 

91/4/17 読売:パリ=共同

ソ連科学アカデミー副総裁で生物物理研究所所長のイリインは、パリで開かれているチェルノブイリ事故の会議で、事故後2ヶ月間の死者は28人と述べ、7000〜1万という英紙の報道を否定。また事故処理にあたった11万人のなかでガンなどの増加は確認していない、と述べた。

 

91/4/20 毎日:ロンドン=共同

英原子力公社は、チェルノブイリ事故に関する報告書を発表。今後全世界で4万人がガン死、うち1万人がソ連国民。

 

91/4/21 朝日:モスクワ=時事

ソ連軍アフロメーエフ元帥(前参謀総長)は19日、ソ連軍中央本部で開かれたチェルノブイリ事故5周年の集会で演説、事故発生時クレムリン指導部は重大さを認識せず、影響を過小評価していたと述べた。事故後1ヶ月半は、おおげさでなく戦争のようだった、と振り返った。

 

91/4/22 朝日:キエフ=渥美記者

ウクライナ共和国のスピジェンコ保健相によると、チェルノブイリ事故の後遺症でこの5年間にウクライナだけで約600人が死亡。大量の放射線を浴びたため免疫機能が衰え、主に心臓欠陥系の病気にかかり死亡。

 

91/4/23 朝日:キエフ=渥美記者

キエフ市で22日から、「チェルノブイリウィーク」が始まり、国内外から約10万人が参加する予定。

 

91/5/2 朝日:ブダペスト=三国記者

ブルガリアの首都ソフィアで、チェルノブイリ事故による放射能汚染を国民に知らせなかった当時の政府高官に対する裁判が始まった。被告は当時の副首相ストイチコブ氏ら二人。

 

91/5/4 ?:ペルミ=AFP

ソ連ペルミ市議会の環境問題委のメンバーによると、1976年ウラルの運河工事で核爆発が使われ、付近の村住民が避難したほか、汚染した湖ができた、とのこと。3つの核爆発合わせて15キロトンが、地下200mで使用された。ウラル地方では60年から76年の間に13回の核爆発があったという。

 

91/5/8 毎日:モスクワ=共同

ソ連最高会議は6日、チェルノブイリ被害者救済のための社会保障法を最終採択した。最高会議改選以来初の満場一致。汚染地域住民、事故処理作業員ら480万人を対象。91年度は国家予算の4%弱にあたる103億ルーブルを投入。1平方km当り15Ci以上の地域住民28万人は移住対象(7万人は既に移住)で、補償金と新しい住宅が提供される。5〜15Ciの地域では、移住希望者に補償金を支給するが住宅の提供はなし。事故処理作業従事者へも補償金と優先的医療サービス。

 

91/5/13 朝日:タス

ソ連の核実験に参加した元軍人で組織している核部隊退職者委員会が10日、レニングラードで集会を開いた。委員会はさまざまな地域に住む700人以上が集まって1年前に結成、社会保障のための法令を要求している。

 

91/5/18 読売

チェルノブイリの事故影響に関するIAEA国際諮問委員会の報告。住民の健康被害認めず。

 

91/5/21 北海道:モスクワ=共同

ソ連保健省によると、チェルノブイリ事故による死者は、当初の31人のほかに、多量に被曝した145人の重症患者のうち30人が死亡。タス通信によると、復旧作業員約60万のうち、276,614人を調べた結果、1990年末までに1,065人が死亡。この死亡率は同年代の死亡率とほぼ同じ。

 

91/5/22 朝日:ウィーン=竹内記者

チェルノブイリ報告に関するIAEAの会議で、白ロシア、ウクライナ共和国の代表が反発。白ロシア放射線生物学研究所のコノプルヤ所長、ウクライナ科学アカデミーのバリャクター副総裁などから多くの不満。

 

91/5/24 朝日:ウィーン=竹内記者

ウクライナと白ロシアの代表が、IAEA報告に強い不満を示す見解を発表、報告書の一部削除などを要求。

 

91/6/1 朝日:花井記者

セミパラチンスク核実験場を訪問。これまで320回を越す実験が行われてきた。最初の核実験を見たという老婆の話では、赤い光と黒いキノコ雲が不気味だった、少し経ってイヌとネコの毛がなくなった、4人の孫も次々と病気になった、と言う。

 

91/6/3 朝日:モスクワ=ロイター

モスクワ放送が伝えた国家原子力産業労働安全委員会の話では、モスクワ近郊のカリーニン原発で火災が発生したが、すぐに消し止められ放射能漏れはなかった。モスクワでは3日前から南西80kmのオブニンスク原発で放射能漏れがあったとのうわさがあった。

 

91/6/4 朝日

ノーボスチ通信によると、有害廃棄物処分場を作るため、これまで核爆発が2度使われた。場所や時期については触れていない。

 

91/6/9 朝日:モスクワ=共同

8日のプラウダによると、ソ連政府は原発工業省に対し、ウクライナ政府とともに9月1日までに、チェルノブイリ原発全体の運転停止に関する計画を策定するよう指示した。

 

91/6/10 朝日

コノワロフ原発工業相はプラウダ紙上で、原発建設促進、世界市場へのウラン販売強化の方針であることを明らかにした。今後10年間で2千万kWの原発を増設。

 

91/6/12 朝日

チェルノブイリ被曝者の治療にあたってきたソ連人医師ら一行が、広大原医研での短期研修を終え、東京で会見、IAEA報告を厳しく批判。キエフの放射能医学全ソ科学センターのクリメンコ血液学部長らによると、ウクライナ共和国では年平均1人か2人だった子供の甲状腺ガンが、昨年は21人に急増した。

 

91/6/29 日経

チェルノブイリ事故IAEA報告の報告会が28日東京で開かれた。住民の健康障害では、英国のリー博士が、不安やストレスによるものが目立つ、と強調。原子力資料情報室の高木代表は、IAEA報告は政治的なもの、との抗議声明を発表。

 

91/7/1 朝日:時事

1989年ノルウェー沖で沈没したソ連原潜コムソモーレツから、来年はじめにも放射能漏れが起こる可能性がある、とソ連科学アカデミー会員スパスキー氏が警告。今年8月に引き揚げられる計画だったが、2億ドルの資金を調達できないため、93年まで延期になった。

 

91/7/1 朝日:キエフ=友清記者

「チェルノブイリに光を」第3次現地調査団は29日、キエフの赤十字本部で、4月に来日した子供や医師と再会。アファナエフ医師によると、治療方法を比較の結果、ウクライナの患者には日本の方法が最適、とのこと。

 

91/7/4 福井

チェルノブイリ周辺から、きれいな空気を吸って健康を回復したい、と北方領土へ移り住む人が少しずつ増えている。

 

91/7/6 朝日

ソ連軍がセミパラチンスクでの核実験再開の意向をもっていることに対し、カザフ住民の反対運動が盛り上がっている。アルマアタには実験再開阻止民衆本部が設置され、8月29日を期して、実験場永久閉鎖をめざし3ヶ月にわたる全人民行進を予定。

 

91/7/10 日経:ウィーン=小林記者

IAEAの会議で、ブルガリアはコズドロイ原発4基のうち2基の運転を近く停止することに合意。運転停止と援助をセットにした交渉がまとまれば、今後のモデルケースとなろう。

 

1991/7/24 毎日

ソ連テレビラジオ国家委員会のエゴロワさんと、父親でベラルーシ平和基金副総裁のエゴロフ氏が来日。日本チェルノブイリ連帯基金の招きで、信州大学で甲状腺の検査を受けた。

 

91/8/4 朝日:ウィーン=萩谷記者

国連のチェルノブイリ事故調査委員会は1日、ソ連、ウクライナ、ベラルーシの協力のもとに作成した総合救済計画を発表、計画実施には6億5千万ドル必要、9月20日に資金調達の会議をニューヨークで開催。

 

91/8/17 朝日:モスクワ=タス

ソ連原子力産業省によると、10日午前2時27分運転を停止していたチェルノブイリ原発2号炉で、パイプの覆いがはずれ、数立方ほど冷却水がもれた。1、3号炉は平常運転中。

 

91/8/18 朝日:モスクワ=時事

ソ連極東のマガダン州ビリビノ原発付近で7月に、放射性廃棄物を処理施設に輸送中に交通事故が起き、一帯が汚染された。汚染道路がコンクリートで密閉された。責任者は当初事故を隠そうとした。

 

91/8/30 朝日:ナザルバエフ・カザフスタン大統領は29日、セミパラチンスク核実験場の閉鎖を命ずる大統領令を出した。

 

91/8/31 朝日:泊記者

セミパラチンスク特別記事。連邦政府は地元に50億ルーブルの補償金を提示するなど、反対運動の鎮静化に努めてきたが、実験場は閉鎖される。

 

91/8/31 朝日:ノーボスチ

クルチャトフ研のパフシュク博士らは、有人火星旅行のための原子力ロケットエンジンを開発している。炭化ウラン、ニオブ、ジルコニウムを溶かして固めた燃料を用いる熱出力120万kWの原子炉により、液体水素を加熱して20トンの推力を得る。

 

1991/9/7 毎日

リトアニア共和国から、原発幹部6名が9日来日し、東京電力福島第1原発で研修する。

 

1991/9/9 朝日:モスクワ=大野記者

エリツィン大統領は7日、ソ連の核兵器をすべてロシアが管理するとの考えを各国テレビとの会見で示した。

 

1991/9/9 朝日

ソ連の原子力船団の入港拒否が極東で続出しピンチに。ソ連は現在、6隻の原子力砕氷船と原子力ラッシュ船「セブモルプーチ」を保有。

 

1991/9/10 朝日

リトアニアのイグナリナ原発は共和国に移管されるもよう、と東京電力が発表。技術交流で来日予定のクロムチェンコ所長から来日取りやめの連絡で分かったもの。ソ連には現在、23ヶ所の原子力発電所がある。ロシア15、ウクライナ5、リトアニア、アルメニア、カザフ各1ヶ所。

 

1991/9/10 朝日:泊記者

特別記事。ソ連では「国民経済爆発」と称する「平和目的」の核爆発が百回以上行われている。カザフの他、76年にウラルの建設工事、カスピ海沿岸のアストラハンで80〜84年にガス貯蔵庫建設など。いずれもうまく行かなかったが、66年の油田火災消火では役にたった。

 

91/9/11 日経:モスクワ=小林記者

ソ連原子力発電工業省は、1983年に立案した、2000年に約150基の原発という目標が達成不能であることを明らかにした。現在稼働中は46基で、86年以降は1基も着工していない。

 

91/9/13 毎日:モスクワ=石郷岡記者

ソ連中央テレビは12日、チェリャビンスクで50年代から60年代にかけて、57年の事故を含む3回の事故で、少なくとも40万人が汚染した、という事故調査委のツィブ委員長の1年前のインタビューを放映。テレビ局指導部が放映を禁止していたもの。汚染区域は長さ100km幅9kmで、汚染量は12億キュリー。

 

91/9/15 北海道:モスクワ=時事

ウクライナ共和国最高会議のチェルノブイリ事故調査委員会は、5月にIAEAが公表した事故報告書の見直しを正式に要求することになった。ヤボリフスキ委員長がウィーンに出発した。

 

1991/9/16 毎日:ネバダ=UPI

ネバダ核実験場で14日、20〜150キロトンの核実験。実験準備にはソ連科学者も参加した。

 

1991/9/25 北海道:モスクワ=共同

グリンピース主催で23日、ソ連原潜による放射能汚染などのセミナーがモスクワで開かれた。1963年から86年まで北極圏の数十mの海底に、炉心を含む放射性廃棄物を投棄していたことを示す文書を入手したとの報告。

 

1991/9/30 毎日

ベラルーシ・チェチェルスク市の汚染が、「チェルノブイリに放射能測定器を送る会」の現地調査で分かった。セシウム137の体内量は大人で、1.5〜1.6万ベクレル。

 

1991/10/2 日経:モスクワ=時事

ソ連最高会議チェルノブイリ原発事故原因調査委員会のペンコフ議員は、事故炉は、第二の石棺で覆うか、すべての汚染物を地中に埋めてしまう必要があると指摘。

 

1991/10/5 毎日

ソ連原子力発電産業省が、シベリアなどに建設する原発設計の国際コンペを実施する。原産会議を通じ、三菱などのメーカーに参加要請があったもの。出力1〜10万の低出力原発。

 

1991/10/8 読売:旧東ドイツ=記者

特別記事。ドイツの環境相は9月10日、ソ連製グライフスワルト原発の閉鎖を発表。

 

1991/10/9 日経

「チェルノブイリ支援運動・九州」は、このほど現地医療調査団の報告集を出版。

 

1991/10/12 日経

「放射能被曝者医療国際協力推進協議会」(会長重松逸造)は11日、広島でチェルノブイリに関する報告会を開催し、医師ら13人が報告。佐藤広大原医研教授は、白血病や甲状腺ガンが増加していると報告。

 

1991/10/13 朝日:モスクワ=タス

チェルノブイリ2号炉で11日午後8時、火災が発生。第4タービンを修理のため止めていたとき、突然自動スイッチが入って、発電機が電力供給システムとつながり再起動、大電流が流れダクトで出火。タービン室にもれた水素で屋根が燃え一部壊れた。11時半消火。けが人なし。

 

1991/10/14 朝日:モスクワ=AP

チェルノブイリ2号炉は13日運転を再開した。

 

1991/10/16 朝日:クルチャトフ=中村記者

ネバダ・セミパラチンスク運動が、核実験場を閉鎖したことを確認する記者会見。実験場長のイリエンコ中将も同席。これまでに467回の実験。

 

1991/10/18 毎日:セミパラチンスク=大木記者

「ソ連核実験被害者同盟」の第一回大会が17日セミパラチンスク市で開幕。日本原水禁を含む140人の外国代表も入れて700人が参加。

 

1991/10/25 毎日:モスクワ=石郷岡記者

ウクライナ共和国最高会議は24日、非核化地帯宣言を採択。

 

1991/10/25 毎日

ベラルーシの住民の肺にホット・パーティクルのあることが判明。ベラルーシ大学のペトリャーエフ教授の研究。

 

1991/10/26 毎日:モスクワ=石郷岡記者

「トルード」紙は25日、1985年8月10日ウラジオストク近くのシコトバ22村で原潜原子炉の取り替え作業中に爆発炎上事故があり、10人が死亡していたと発表。犠牲者の指輪の分析より爆発当時の放射線量は9万レントゲン/時。約1000人の労働者兵士が除染に従事した。

 

1991/10/26 朝日:モスクワ=尾立記者

ソ連国家放射能防護委員長のイリインは、24日朝日新聞記者と会見、チェルノブイリ事故で被曝した子供たちに甲状腺異常が増えていることを初めて認め、「継続的な調査が必要だ」と語った。

 

1991/10/29 朝日:ロンドン=竹内記者

スウェーデン紙「ダーゲンス・ニュヘルテル」は28日、1974年と84年の2回、ソ連がコラ半島の鉱山で核爆発を行ったと伝えた。1ヶ月前鉱山はコンクリートで閉鎖された。ソ連では鉱物と石油採掘のためこれまで115回の核爆発が行われた。

 

1991/10/30 毎日:モスクワ=石郷岡記者

エリツィン・ロシア大統領が、同共和国内での核実験の1年停止を布告。各地の自治体や住民の要請に答えたもの。

 

1991/10/30 北海道:モスクワ=門田記者

ウクライナ共和国最高会議は29日、チェルノブイリ発電所を93年に閉鎖することを正式決定した。24日には、共和国政府と最高会議チェルノブイリ問題委が閉鎖を決めていた。

 

1991/11/2 朝日:モスクワ=時事

チェルノブイリ1号炉で1日発電室のケーブルから出火、原発消防隊により鎮火。放射能状況に異常はなかった。1号炉は10月18日以降点検修理のため停止中。

 

1991/11/2 朝日:モスクワ=共同

ソ連バルト海沿岸セベロドビンスクにある世界有数の原潜建造基地で1日夜放射能漏れ事故。除染作業にあたった一人が入院。規模などは不明だが放射能レベルが8時間にわたり許容限度を越えた。

 

1991/11/16 日経

ベラルーシの市民代表3人が東京で記者会見し、チェルノブイリの子供たちの保養を日本も受け入れてほしいと訴えた。ミンスク大学のグルシェボイ教授ら。今年の夏だけで9千人の子供を送り出している。

 

1991/11/23 朝日:ロンドン=共同

ノルウェー原子力安全監督局は22日、ノルウェー沖で沈没したソ連原潜コムソモレツから放射能が漏れていると発表。現在のところ量は多くない。

 

1991/11/27 読売:ロンドン=時事

「デイリー・エクスプレス」紙は26日、ソ連がノバゼムリャ島付近でこれまでにドラム缶1万1000本を投棄したと報じた。レーニン号の損傷原子炉も含まれている。

 

1991/12/3 毎日:キエフ=大木記者

ウクライナ共和国最高会議チェルノブイリ問題委のヤブロフスキー委員長は2日記者会見し、チェルノブイリ原発と30kmの管理権について、連邦から共和国に移管されると述べた。また、事故直後に情報を的確に公表しなかった党幹部ら10人について、最高会議で審議の上、ウクライナ最高裁に訴追すると述べた。

 

1991/12/4 日経

ソ連の安値売り込みにより、ウラン価格が史上最安値を付けている。西側年間需要は5万5千トンに対し、在庫は1.3倍。ソ連の輸出は年間1.5〜3千トン程度。日本の需要は1990年で7600トン。米国のウラン業者は11月にダンピングの提訴。

 

1991/12/9 毎日:ロイター

ブルガリア最高裁は12日、チェルノブイリ事故の際、国民を守るための対策を十分に講じなかったとし、当時のストイチコフ副首相に懲役3年、シンダロフ第一保健次官に2年の有罪判決を言い渡した。

 

1991/12/10 毎日

カザフ共和国腫瘍学放射線研究所のバルムカノフ所長が9日京都で講演。セミパラチンスクの実験は1949〜91年の間に約800回、約350万人が被曝。実験場で働いていた軍人ら1万人を64年に登録。89年に追跡調査したところ7千人が死亡して折り、一般人の約3倍であった。実験場300km以内の人たちの、ガン発生率は他地域の2〜3倍、白内障は4〜5倍、その他平均寿命も下がった。実験場には「医学放射線ならびに生態学研究所」が設立された。

 

1991/12/11 朝日

東欧の原発から出る使用済み燃料の引き取りをソ連が拒否し、高額の外貨を要求している。これまでは無料だった。

 

1991/12/15 北海道:ワシントン=共同

グリンピースは13日、ソ連経済の崩壊で原潜機材や乗員訓練の不足により、事故の恐れがあるとし、ソ連原潜の航行停止を提言した。ソ連原潜は1970、86、89年と3回沈没、原子炉5基と核弾頭約38個が未回収。

 

1991/12/21 朝日:タス

ロシア共和国中央シベリアのクラスノヤルスク近郊にあるプルトニウム生産地下工場に、タス記者が足を踏み入れた。深さ250mに3基の原子炉。うち2基は近く運転停止。もう1基は発電暖房にも使われているため日程不明。

 

1991/12/23 朝日:ワシントン=定森記者

米国防総省筋によると、旧ソ連の核弾頭の数は、これまで推定されていた2万7千発を大幅に上回る。すでに実戦配備から外された弾頭が、未廃棄のまま放置されているためで、その数は数千にのぼる。


<1990年>

90/01/06 朝日新聞:タス通信(5日)

ウクライナ共和国政府が、キエフ、ジトミール両州の住宅地域数カ所から住民を避難させることを決定。2年以内に5500人が移住。

 

90/02/02 河北新聞:タス=共同

ソ連の科学者グループは、チェリノブイリ原発4号炉の「石棺」の補強法を検討中。

 

90/02/17 毎日新聞:モスクワ=共同

タス通信によると、ウクライナ共和国では、汚染除去のためすでに80億ルーブル(約2兆円)を投入。2005年までにあと200億ルーブルが必要。

 

90/02/17 毎日新聞:モスクワ=共同

白ロシアの作家、アダモビッチによると45万人の避難がさらに必要。チェルノブイリ同盟のチレスによると、事故後3年間に72人の関係者が死亡。ドキュメント映画を撮影したカメラマンのグレビニュク(42)が15日夜死亡。

 

90/03/06 朝日新聞:モスクワ5日=UPI共同

ウクライナ共和国最高会議は、2月17日チェリノブイリ原子力発電所を5年間閉鎖することを決議。半年以内に具体的方策を策定。

 

90/3/12

臨時ソ連人民代議委員大会が開催され、共産党の指導的役割を定めた憲法6条の廃止と大統領制の導入が決定される。ゴルバチョフが大統領に選出される。

 

90/04/04 河北新聞:ロンドン4日=共同

ポーランド、クラクフで開かれた医学の倫理に関する会議で、ミンスクの白ロシア大学教授、オレグ・ザデロ教授が、チェリノブイリ事故の結果、白ロシア、ウクライナ合わせて今後数千人の死者がでると警告。オレグ教授によると、白ロシアの住民200万人が放射線レベルの高い「汚れた領土」に住み、10万人はさらに強い放射能のなかで汚染穀物を食べている。またウクライナの代表団は、疾病や免疫不全が急増している事実を報告。

 

90/04/06 北海道新聞:モスクワ5日

タス通信によると、プリピャチ川下流とキエフ貯水池の上流で、ストロンチウム90やセシウム137が蓄積。汚染は深刻で、今後の水資源利用を制限する必要があると、ウクライナ共和国水生生物学研究所の部長が述べた。

 

90/04/09 日経新聞:モスクワ8日

ゴルバチョフ大統領は、チェリノブイリ事故の被害住民に対する援助の大統領令を発令。周辺地域の子供や青少年のために、医療・保養施設を優先配分するよう要請。またソ連閣僚会議と保健省は、事故周辺地域で働く労働者のメディカルチェックを実施する方針を打ち出した。

 

90/04/10 北海道新聞:モスクワ9日

ウクライナ共和国政府は9日、世界各国の政府、市民組織に対しチェリノブイリ事故の汚染除去作業への協力を求めるアピールを行った。ウクライナ共和国のかなりの地域が汚染され、1614の居住地域が危険ゾーンのなかにあると指摘。

 

90/04/12 朝日新聞:ハバナ10日時事

キューバ政府は、チェリノブイリ事故で障害を負った子供たちを病院に受け入れた。ハバナの病院には113人が収容されている。みな放射線被曝で甲状腺、白血球に異常が見られるという。

 

90/04/19 毎日新聞:ニューヨーク=タス

ユニセフの委員会で白ロシア共和国の代表団は、チェルノブイリ事故で3万7千人以上のソ連の子供達が、ガンや貧血、心臓病で苦しんでいるとし、子供達のための援助を要請。白ロシア共和国は人口220万人で、子供は約80万人。

 

90/4/21 読売:モスクワ=記者

ソ連のビタリー・ドグジェフ副首相は、25日の人民代議員大会で、汚染地区の住民18〜20万人を新たに1993年までに移住させる計画を報告した。

 

90/04/24 毎日新聞

ウクライナのヤコブレフ医師が来日、23日記者会見した。同共和国では4つの州と10の地区が厳重管理区域に指定され、居住する数百万の住民のうち、妊婦、新生児の健康調査が行われている。内臓障害などの先天障害をもった子供の出生は、1985年は1000人に22人だったが、昨年は30人に増加。甲状腺ガンの子供が2人発見されたほか、妊婦の免疫機能の低下、子供の呼吸機能や胃腸の障害、貧血が増加しているという。妊婦の妊娠中毒症は事故前の1.5倍、貧血は2.5倍、未熟児出産や死産も増加傾向。

 

90/04/25 毎日新聞:モスクワ=時事

23日のプラウダによると、汚染地域から今年、さらに1万4千人を避難させる計画が進められている。ウクライナ共和国の6地域、計32地区が汚染されており、そこに住む住民は20万人以上に上る。

 

90/04/26 毎日新聞:モスクワ=時事

ソ連最高会議のシチュルバク代議員は25日、チェルノブイリ事故による死者は公式発表より十倍多い約300人に達すると発表。ウクライナの市民組織「チェルノブイリ連盟」が算定したもの。汚染除去、避難、加療などで今後1800億〜2500億ルーブル(40〜55兆円)が必要と見込まれるという。またドグジェフ副首相は25日、ウクライナ、白ロシア、ロシア3共和国で、1993年までに18〜20万人を避難させる計画を明らかにした。

 

90/04/27 毎日新聞

白ロシア共和国の反原発の作家で人民代議員のアダモビッチ氏が来日、26日記者会見。チェルノブイリ事故について「死者は数万人にのぼるとみられ、白ロシアだけで200万人が正常な生活を営めない」と語った。

 

90/04/30 毎日新聞:シアトル=AP

チェルノブイリ事故で復旧活動を行い、白血病の症状がでたソ連人パイロットが27日、米国シアトルの病院で骨髄移植手術を受け、手術は無事終わった。生存率は25〜75%という。

 

90/5/1 日本海新聞:ロンドン=共同

エリツィンソ連人民代議員は、サンデータイムス紙との会見で、チェルノブイリ事故後、ソ連共産党政治局会議が、事態の重大さを隠す決定を全員一致で行っていたことを明らかにした。当時政治局員候補だったエリツィン氏自身も反対しなかったという。

 

90/5/9 毎日:モスクワ=時事

ソ連国家産業・原子力発電安全委員会は、チェルノブイリ原発で約150件の安全規定、基準違反を発見、欠陥が修正されない場合、11日から操業を停止することを決定。

 

90/5/11 朝日:ウィーン10日

IAEAは10日、10月に専門家らでつくる国際諮問委員会(委員長重松逸造)が信頼度の高い報告書をまとめる、などの行動計画を発表。各国の約100人の専門家が参加。

 

90/5/11 読売:モスクワ=記者

チェルノブイリから4年、国営TVの24時間の特集など、関心が盛り上がる。イズラエリ国家気象委員長は、「事故当時私は真実をリーダーたちに伝えた。しかし、テレビではうそを言った」と発言。ウクライナでは、事故後住民に危険を知らせなかったシェフチェンコ共和国最高会議幹部会議長の裁判を要求する声が噴出、「ウクライナ独立」、「レーニン主義打倒」の叫びにまで発展。

 

90/5/15 毎日:モスクワ=三瓶記者

パブロフ・ソ連蔵相は、議会が財政事情を無視した法案を採択しているという書簡をルキヤノフ最高会議議長に送り、強い不満を示した。チェルノブイリ救済で1993年までに160億ルーブルのほか、年金法案について。

 

90/5/25 朝日:モスクワ=記者

カザフ共和国の首都アルマアタで24日、日本、米国、西独など約20ヶ国から約700人が参加し、核実験禁止国際市民会議が開かれた。

 

90/5/26 朝日

来日中の白ロシア科学アカデミーのコレシコ教授は、白ロシアでは今年中に100万人の住民が新たに避難を迫られることになる、との衝撃的な事態を明らかにした。90/6/3

朝日:モスクワ=記者

ウクライナ共和国最高会議はこのほど、共和国政府に対してチェルノブイリ原発のすべての原子炉を閉鎖する計画づくりを進めるための特別委員会を設置するよう決議した。

 

90/6/4 朝日:RP=東京

ソ連西部のサラトフ州バラコボ市で1日、操業中のバラコフスカヤ原発の第2期計画に反対する集会が開かれ、原発へ至る道路が「人間の鎖」で封鎖された。反対運動を組織しているのは、バラコフ市の医療関係者と「緑の党」活動家。

 

90/6/15 サンケイ:ロンドン=共同

ソ連政府は14日、フィンランドの放射能防御センターの問い合わせに対し、1975年11月30日レニングラード原発で放射能漏れ事故があったことを認めた。

 

90/6/16 毎日:ロンドン=共同

ソ連政府はフィンランド放射能防御センターの問い合わせに対し、1975年レニングラード原発で重大な放射能漏れ事故があったことを認めた。75年11月30日1号炉で運転開始直後に燃料回路から放射能が大気中に漏れたが、住民を避難させることもなく2週間後に運転再開。100kmしか離れてない防御センターの記録では放射能の上昇は感知されていない。

 

90/6/18 朝日:キエフ=松本記者

キエフで17日まで3日間、チェルノブイリ被曝者第1回全ソ大会が開かれた。これまでばらばらだった組織を統一しようと各地から1000人を越す代表が集まった。大会での報告によると、除染に参加した人は合計60万人、うち4分の1が正規軍人で、残りのほとんどは、「ズボレ」と呼ばれる民間人。約5万人が重い放射線障害による病気に侵され、200〜300人に1人の割合で死亡した。最終日、「全ソ・チェルノブイリ同盟評議会」が正式に発足した。

 

90/6/19 朝日:キエフ=渥美・花井記者

「ゾウの足」などの写真、研究者とのインタビュー。

 

90/6/23 北海道:RP

モスクワ放送によると、ロシア共和国人民代議員大会は、放射能による環境汚染防止のための緊急措置に関する決議を採択、「国家計画が採択されるまで、ロシア領内に新しい原発建設を認めない」としている。

 

90/6/27 北海道

ソ連生物物理研チェリャビンスク支所のコセンコ臨床部長は、「日ソ放射線影響に関する講演会」で、1949年チェリャビンスクのプルトニウム生産用施設で大量の放射性廃棄物が近くの川に流れだし、住民2万8千人がひばく、という事実を明らかにした。総量で300万キュリー、平均0.4グレイのひばく、33年間に37人の白血病。

 

90/7/4 朝日:シアトル=AР

米フレッド・ハッチンソンがん研究センターで骨髄移植手術を受けたソ連人のヘリコプター操縦士アナトリー・グリシェンコさん(53)が、2日深夜心不全で死亡。

 

90/7/8 朝日:モスクワ=共同

ソ連共産党大会で、白ロシア・ゴメリ州選出の女性代議員が、新生児の死亡率が急増するなど住民の健康に大変な異常が起きていると報告。1985年と89年を比べると新生児死亡率が4.1倍、視覚障害発生率3倍、血管障害8倍など。データの出所は明らかにしなかった。

 

90/7/9 毎日:モスクワ=共同

白ロシア最高会議はこのほど、ソ連国防省に対し、ゴメリ、モギリョフ州などチェルノブイリ被災住民の徴兵免除と医療部隊の駐留を要請する声明を採択。

 

90/7/9 朝日:モスクワ=渥美記者

ミンスク大学のペトリャエフ教授によると、白ロシア汚染地帯の住民の肺の中に多量のホットパーティクルが存在。

 

90/7/10 朝日:キエフ=竹内・花井記者

チェルノブイリ労働者の新しい町、スラブジチ訪問記。原発から東50km、人口2万。元プリピャチ市民は850家族約2000人。周囲の松林は1平方km当たり4〜12キュリーの汚染。

 

90/7/12 朝日:RP=東京

白ロシア共和国最高会議は、同共和国を環境汚染地域に指定し、この決定を世界世論に通達するよう自国の国連常駐代表に指示した。また、遅くとも1992年までにチェルノブイリ原発を閉鎖することについてのウクライナ共和国の要求を支持した。

 

90/7/14 朝日:モスクワ=共同

ソ連共産党大会は最終日の13日、チェルノブイリ事故について、「これまでのソ連指導部は原子力産業と緊急時の住民保護に重大な誤りを犯した」と非難する決議を採択。

 

90/7/17 朝日:モスクワ=松本、花井記者

チェルノブイリ事故の原因は、運転員のミス以上に設計上の欠陥が大きかったことが、ソ連の国家原子力安全監視委員会の未公表文書(1990年2月15日付)で判明。制御棒に致命的な設計ミスがあり、緊急停止時に逆に核反応が促進された。この欠陥は事故の2年前に内部で指摘されていたが改善されないままだったという。

 

90/7/21 福井:RP=共同

白ロシア最高会議は、1平方km当り1キュリー以上の汚染地域の居住民に対し、8月1日以降、毎月15ルーブルを支給することを決定。

 

90/7/23 朝日:ミンスク=白井記者

白ロシア共和国のケビチ首相が20日ミンスクで記者と会見、連邦政府原子力発電省を相手取って損害賠償の提訴も辞さない、と表明。白ロシアがこうむった損害は1000億ルーブルに上り、将来もっと増えそうであるが、連邦政府がこれまでに共和国に提供したのは4年間で25億ルーブルにすぎない。一方白ロシアの財政規模は年間約110億ルーブル。

 

90/7/24 日経:モスクワ=共同

イズベスチヤによると、ロシア共和国スモレンスク原発で22日電気系統の火災が発生、原子炉は自動停止し放射能漏れはなかった。

 

90/7/30 朝日:モスクワ=ロイター

ソ連国家原子力監視委員会のA・マザロフ委員長は、チェルノブイリ原発の同型炉は安全基準を満たしていないため、6月11日から出力を70%に落として運転していると明らかにした。RBMKの主に1965年から1975年に建設された炉で、重大事故時に格納容器がないことを指摘。

 

90/7/31 毎日

チェルノブイリ被災地救援のため、医薬品、測定器などを送ろうと福井県内住民が「白ロシアの現状を知る会」を結成。

 

90/8/1 北海道:カイロ=大沼記者

エルサレムに本部をおくユダヤ教組織の招きにより、チェルノブイリ事故で被災したソ連国内のユダヤ人の子供3000人が近くイスラエル入りする。すでに第1陣200人がウクライナを出発。

 

90/8/3 河北:モスクワ=共同

ウクライナ共和国最高会議は1日、チェルノブイリ原発の閉鎖と共和国の将来のエネルギー計画を策定する決議を採択。賛成363、反対5。今年12月1日までに具体的計画を策定。同共和国では現在15基が運転中、建設中が3基。

 

90/8/4 日経

日本赤十字は4日、チェルノブイリ事故の救援として、医療機器(1400万相当)と援助金1300万円を贈ることを決定。

 

90/8/7 福井

広島原水禁大会に参加のキエフのイリーナ・ゴルディンコ医師によると、チェルノブイリ事故の結果、妊婦子供の被害が深刻。甲状腺異常は軽度のものも含め、妊婦で1万5千人、子供で5万人、出生直後の乳児で約3万人にのぼる。

 

90/8/11 朝日:RP=東京

IAEAは10日、白ロシア共和国のゴメリに事務所を開設。事務所長によると、ソ連政府の招待で17ヶ国の専門家がチェルノブイリ事故の分析をしている。

 

90/8/15 北海道:モスクワ=伊藤記者

笹川財団の調査団が14日モスクワで記者会見し、毎年約10億円を5年間、約50億円をチェルノブイリ被災者の医療活動に役立てると発表。

 

90/8/18 朝日

エストニア共和国に住むチェルノブイリ被曝者に、注射器1万本を送ろう、という運動が17日スタート。「エストニア・チェルノブイリ・ヒバクシャ基金」で呼びかけ人は大石武一ら18人。

 

90/8/20 毎日:ウィーン=時事

IAEAの専門家グループが、チェルノブイリ原発で新たな放射能漏れが起きる可能性があると指摘。放射能と熱のためコンクリート壁が崩壊する危険。

 

90/8/28 日経

日本被団協は、広島・長崎の被爆者4人を、28日からキエフなどに派遣し、チェルノブイリ被災者と交流することになった。

 

90/8/30 朝日:特集

ソ連原子力発電省エネルギー研究所のコリャキン教授によると、チェルノブイリ事故がもたらした被害額は、最低1500億ルーブル最高2150億ルーブルの2000億ルーブル。ただしこれは15年間分。農業損害が575〜945億、原発停止・建設停止で668億、移住、除染等事故処理で350〜450億。医療関係費は入っていない。

 

90/9/1 日経

チェルノブイリ原発から約3kmのプリピャチの屋内で被曝した砂糖を測定した結果、学校で平均0.068グレイ、書店で0.055グレイであった。放医研の中島らがESRで測定したもの。

 

90/9/2 福井

チェルノブイリ原発などを視察したIPPNW日本支部の訪ソ団5人が31日帰国し記者会見。広大横路教授によると、チェルノブイリ事故処理にあたった十数万人のうち、これまでに246人が急性放射線障害などで死亡。

 

90/9/4 毎日

チェルノブイリ救援のため現地入りしていた「チェルノブイリ救援・中部」が帰国会見。救援物資受け入れで信頼できる団体が見つかった、とのこと。

 

90/9/6 毎日

中山外相とシュワルナゼ外相は日ソ外相定期協議を終え、「チェルノブイリ原発事故に関する日ソ協力の覚え書」など4文書を交換。

 

90/9/7 毎日

「チェルノブイリ原発事故に関する日ソ協力の覚え書」で、年内に両国の放射線医学専門家などが相互訪問することが決まった。

 

90/9/14 朝日:モスクワ=大野記者

カザフ共和国東部のウスチ・カメノゴルスク市にある核燃料製造工場で12日、爆発と火災が発生。爆発は、同市のウリビンスキー冶金工場にあるベリリウム生産施設の地階で発生、ベリリウムが飛散。

 

90/9/15 読売:モスクワ=浅見記者

コモソモリスカヤ・プラウダは14日、1954年ウラル南部で行われた核実験で付近住民が「人体実験」の対象にされた、と報道。1954年9月14日オレンブルグ市近くのトツキー地区で約10キロトンの核実験を実施。前日に地区の住民に対し家屋のすべての扉、窓、煙突を開放するよう要請、多くの住民が「爆発を直視しない」ことを条件に戸外にいることを義務づけられた。

 

90/9/16 読売:モスクワ=浅見記者

ミンスクの放射能治療研究所から、コンピューターディスクが盗まれ、チェルノブイリ被災者約50万人と汚染町村2万のデータが消去されてしまった、とタス通信が報じた。

 

90/9/20 毎日:モスクワ=石郷岡記者

カザフ共和国の東カザフスタン州議会幹部会は19日、同州を環境汚染被災地域に宣言するとともに、ウスチノカメゴルスク市周辺2カ所の核燃工場の閉鎖を決定した。

 

90/9/21 毎日:ニューヨーク=共同

国連のデクエヤル事務総長は19日、チェルノブイリに国連調査団を派遣すると発表、団長は欧州経済委員会のヒンテレッガー事務局長で9月中に被災地入り。

 

90/9/22 毎日:ウィーン=共同

「チェルノブイリ国際研究センター」の設立協定が、IAEAブリックス事務局長とソ連コノワロフ原発工業相らの間で調印された。

 

90/9/29 朝日:モスクワ=松本記者

チェルノブイリ事故についてソ連国家原子力安全監視委員会は28日までに、生存者などの証言から、運転員が緊急停止ボタンを押したのは原子炉を止めるための通常の行動だった、緊急停止ボタンを押してからはじめて原子炉の出力が急増した、などの事実を確認した。最終報告は年末に発表される。事故当時制御室には6人がいたがいずれも、「爆発の前に実験が終わり、そのときは何もなかった」と証言している。

 

90/9/30 朝日:ウィーン=竹内記者

IAEAは、ソ連東欧のソ連製旧型原発に対し、緊急の実態調査団を編成し、10月1日から総点検を始めることを決定。過去の運転、事故記録を調べる安全性評価チームと、設計条件などを点検する設計・運転システム評価チームの二つを編成する。

 

90/9/30 読売:モスクワ=ロイター

カザフ共和国の核燃料工場爆発事故で、すでに12万人がベリリウムガスで汚染された可能性が強いと、カザフタン州環境保護委員会議長が明らかにした。ウスチノカメノゴルスク市では6万人の市民が工場の閉鎖を訴えてデモ。

 

90/10/2 毎日

姉妹都市のキエフ市から寄せられた援助要請文を京都市が4カ月余りも放置していたと判明。キエフを訪れた「若狭の原発を案じる京都市民の会」のメンバーの調べでわかったもの。同じ姉妹都市、ミュンヘンはすでに援助に乗り出しているという。

 

90/10/2 北海道:モスクワ=共同

カザフ共和国セミパラチンスク州議会は、セミパラチンスク核実験場での実験を禁止する決議を採択。

 

90/10/8 河北

姉妹都市ミンスクからの代表団来仙台を前に、チェルノブイリ事故被害を紹介する写真・が8日から市役所ロビーではじまる。写真は白ロシアの対外友好協会から仙台市に送られてきたもの。

 

90/10/11 北海道

チェルノブイリ事故処理で被曝したエストニア・チェルノブイリ委員会のイラク氏が来日。エストニア・チェルノブイリ・ヒバクシャ基金が招いたもの。広島大原医研に入院。

 

90/10/13 河北:モスクワ=共同

コムソモリスカヤプラウダによると、チェルノブイリ事故による汚染肉が今でもロシア共和国各地でソーセージなどに加工されて売られている。1986年6月国家農工委員会は、各地の食肉コンビナートに対し、汚染地域で飼育された家畜の肉は加工して出荷するよう勧告、その勧告は毎年延長されてきた。

 

90/10/18 朝日:モスクワ=時事

ソ連労組機関誌トルードは、ソ連極東近海で4年前、ソ連原潜の事故が発生、放射能汚染は海中だけでなく地上にも及んだと報じた。極東のシコトボ付近で地上部も2500平方km汚染されたという。

 

90/10/24 朝日:武居記者

建設中止になったクリミア原発のルポ。100万kwのPWR4基を建設するはずだったが、昨年10月6割できたところで政府が建設中止を決定。

 

90/10/27 朝日

広島の放影研で開かれていたWHOのチェルノブイリの健康影響に関する科学諮問会議は、オブニンスクに設立する「放射線保健問題国際センター」の活動内容について、20万人の疫学調査など六つのプログラムを決めた。疫学調査の対象は、甲状腺被曝の子供7万人、事故処理従事者4万人、汚染地区居住者4万人、避難者4万5千人。

 

90/11/2 毎日:モスクワ=時事

ロシア共和国最高会議幹部会と政府は1日、10月24日ノバゼムリャ島で行われた核実験を糾弾する声明を発表した。

 

90/11/3 毎日:ストックホルム=AP

スウェーデンで開かれた国際シンポジウムでソ連のザンゲローバ教授は、セミパラチンスクの過去40年間の核実験で周辺住民約50万人に健康障害、生まれた子供の3分の1に先天的障害と報告。セミパラチンスク地方の医学的報告は今年はじめまで機密あつかいであった。

 

90/11/7 朝日

「市民によるチェルノブイリ事故調査団」はこれまで未公開だったロシア共和国の汚染データを含む地図を作成。

 

90/11/13 日経

富山で開かれた世界テレビ映像祭に参加し、「白血病に苦しむ子供たちのため注射針を500ドル売って下さい」と訴えていたテレビプロデューサー、ソボレバさんのもとに善意の寄付が続々集まった。

 

90/11/14 日経

広島を訪れているカザフ共和国セミパラチンスク放射線医学研究所のグシェフ所長が記者会見。核実験場周辺の被曝住民は約50万人、他地域に比べ、ガンが40%、白血病が50%多く発生している。49〜65年にかけて200回以上の実験、ガンマ線だけで1〜160ラドの被曝と推定。被曝住民2万と別の地域2万を比較したもの。なかでも食道ガンは7倍、肝臓ガンと肺ガンは3倍。染色体分離異常は4〜7倍、乳児が免疫低下などで1才までに死亡する率は1.5〜2倍。

 

90/11/17 毎日:モスクワ=時事

エストニア共和国政府は15日、同共和国内での原発建設を今世紀中は全面禁止することを決定した。

 

90/11/22 毎日

広島訪問中のセミパラチンスク放射線医学研究所のグシェフ所長によると、セミパラチンスクでの核実験は1949年から昨年までに636回。1965年までに大気圏128回、地上138回。以降地下370回、このうち12回以上地上にガス漏れ。

 

90/11/27 朝日

タス通信によると、ウラル南部のチェリャビンスク州議会は22日、住民の反対で凍結していた南ウラル原発建設の再開を圧倒的多数で可決した。

 

90/12/1 毎日

政府は30日の閣議で決定した補正予算に、チェルノブイリ被災者対策費として26億1000万円を計上。WHOが11月22日に行ったアピールに応じたもの。

 

90/12/12 毎日:ヒューストン=重村記者

ベーカー国務長官とシュワルナゼ外相は11日、地下核実験制限条約と平和目的核爆発条約の批准書を交換。地下制限条約は150`d以上の実験を禁止、平和核爆発条約は定められた実験場以外での実験に関する条約。それぞれ74年と76年に調印されていたもの。

 

 


<1989年>

89/02/04 朝日新聞:モスクワ=ロイターES時事

ソ連当局はこのほど、白ロシアの20の村に避難命令を出した。国営テレビが2日伝えたもので、チェリノブイリ原発から約270kmも離れた17の地区で高いレベルのセシウム137が依然として記録されている。

 

89/02/11 福井新聞:RP共同

9日のモスクワ放送によると、白ロシア共和国の新聞に、同国の汚染状況を示す詳細な地図が事故後初めて発表された。汚染地域は汚染程度により4つに分類されている。

 

89/02/12 朝日新聞:モスクワ時事

11日付のプラウダによると、白ロシア共和国のコワリョフ副首相の談話では、放射能汚染は当初の予想より広範囲に及んでおり農地の5分の1が汚染され、モギレフ、ゴメリ州で24700人が避難、10万fが立ち入り禁止、415の村(10万3千人)が恒常的な監視区域に指定されいる。

 

89/02/16 北海道新聞:モスクワ=共同

15日発売のモスクワ・ニュースによると、ウクライナ共和国で事故後家畜の奇形が急増しているほか、甲状腺異常の児童が増えている。チェリノブイリ西50〜90kmのジトミール州にあるペトロフ・コルホーズでは、事故後1年間に奇形の豚が64頭、1988年は9月までに76頭生まれた。事故前までは3頭生まれただけだった。同州ナロジチ地区では1988年秋、0.2mR/hrのガンマ線でキエフ(0.014mr/hr)の約14倍。セシウム137の蓄積は、住民の4%で、5〜10マイクロキュリーに達している。

 

89/02/16 北海道新聞:モスクワ15日

14日のコムソモリスカヤ・プラウダは、白ロシアの汚染地図を掲載。当局の対応があまりにも遅いと批判。

 

89/02/27 北海道新聞:モスクワ=共同

25日アルメニア原発1号機が運転停止。3月18日には2号機も運転停止に。

 

89/03/05 福井新聞:モスクワ=共同

4日のタス通信によるとソ連当局は、ウクライナの5つの村の住民を別の場所に移動させるよう勧告。ジトミール州ナロジチ地区の3つの村とキエフ州ポレスキ地区の2つの村。

 

89/03/12 北海道新聞:モスクワ=共同

タス通信が10日伝えたところでは、エストニア共和国のシラマエ(チェリノブイリから約900km)にある幼稚園で、24人の園児に集団で頭髪が脱毛。専門家の委員会を設置し原因究明に。シラマエの放射能レベルは正常値だった。

 

89/03/21 信濃毎日新聞:モスクワ=共同

ソ連気象予報委員会イズラエリ議長はプラウダに、3年たった現在の汚染地図を含めた報告を寄稿。事故当初(?)0.2mr/hrを越える汚染地域が20万平方km以上。保健省は、一生の間の被曝線量を35レム以下に抑えるよう決定。15Ci/平方km以上の地域は「厳重管理区域」とし、飲食物などの制限。

 

89/03/21 毎日新聞:モスクワ

プラウダは21日、イズラエリ国家気象委員会議長の論文を掲載。0.2mr/hr以上の汚染地域は20万平方kmに達した。

 

89/04/04 朝日新聞:広河隆一

3月中旬チェリノブイリ訪問。原発南25kmの所で農婦が農作業中、その村では100人ほどが疎開先から勝手に帰村。ナロジチ地区ペトロフスキー・コルホーズの議長によると、目に異常のある豚が昨年30頭生まれた、事故前は年に1,2頭だった。ナロジチ病院の看護婦によるとは、子供のうち2人に1人は甲状腺肥大が見られる。

 

89/04/24 毎日新聞:モスクワ=共同

ソ連政府は、昨年末地震多発地帯の原発6カ所の建設中止を決めたのに続いて4月22日、新たにチェルノブイリ5、6号機など4基の建設中止を決定。さらに、耐用年数のくる原発の閉鎖、チェルノブイリ型原発は今後建設しない、70年代に建設した14原発は建設し直す、90年代半ばから新世代の原発に切り替える、などの方針を決め、原子力計画の大幅な修正に踏み切った。

 

89/05/19 朝日新聞(?):ロンドン=共同

17日発売のネーチャーによると、チェリノブイリ30km立ち入り禁止区域内に、老人を中心とする村民千人、労働者6千人が居住。労働者は月の半分だけ。

 

89/05/22 朝日新聞:ロイター=共同

17日のコムソリスカヤ・プラウダによると、作家アダモビッチが「モスクワを放射能汚染から救うため、事故当時人工的に雨を降らせたのではないか」と事故対策委員会議長シチュルビナ副首相に公開質問状。

 

89/05/22 日経新聞:記者ルポ

15、16日のモスクワで開かれた世界原子力発電事業者協会設立総会の後、チェリノブイリ発電所を公開。発電所から10kmのところで0.2mr/hr、4号炉から500mのところで9mr/hr。石棺内部の最高温度は現在200度C。キエフの放射線医学研究所では、67万3千人に特別の医療カードを発行、検査が継続中。200レム以上は55人、このうち400〜600レムは17人、600レム以上は1人(存命中)。

 

89/07/01 北海道新聞:モスクワ=時事

30日発売のニジェーリャによると、白ロシア共和国モギレフ州で児童の貧血や視力低下、血液成分異常が発生している。同州の病院長ペニコフスキー氏が明らかにしたもので、このほか運動機能障害、無筋力症、ビタミン欠乏症、免疫異常が認められる。同州のレオノフ党第1書記によると、事故から3年たっても、学者の予測に反して、放射能の値は低下していない。同州の1430平方kmが汚染されている。

 

89/07/27 北海道新聞:ワシントン=共同

チェリノブイリ事故当時、骨髄移植を行ったゲール教授は、手術した13人のうち生存しているのは2人であると報告。

 

89/07/31 毎日新聞:モスクワ=共同

白ロシア共和国最高会議は29日、汚染がひどい地域から新たに10万6千人を避難させると決定。計画全体にかかる費用は100億ルーブル(2兆2千億円)。24日付のプラウダによると、モギレフ州の2つの村では140Ci/平方kmの汚染。

 

89/08/01 河北新聞:モスクワ=時事

チェリノブイリ北方50〜60kmのロシア共和国ホイニキ市で、児童の間に貧血やのどの炎症が広がっている。30日付イズベスチャが同市600人の署名した手紙を掲載したもの。「放射能の影響はない」とした当局や学者の誤りを指摘し、過去3年間に地区の党第1書記ら幹部や大半の医師が住民を残し脱出したと非難。

 

89/08/08 サンケイ新聞:モスクワ=記者

ウクライナの反体制ジャーナリストで人民代議員のヤロシンスカヤ女史は、ネジェーリャ最新号で、ウクライナ共和国のチェリノブイリ西方12の村で住民が高濃度の汚染により危険にさらされている、と当局を批判。女史が入手した公式データによると、ナロードニーチェスキー地区の12の村で70年間に受ける被曝線量は、35.5〜113レムとされ、ソ連自身の基準35レムを越えている。子供たちに甲状腺などのどの疾患や貧血、のど、胃、食道などのガンが増大。牧草地で160Ci/平方kmの汚染が見つかっている。ウクライナ共和国当局は、いかなるデータも公開しないようかん口令。

 

89/08/10 北海道新聞:モスクワ=記者

9日のソビエツカヤ・ロシアによると、ロシア連邦共和国ブリャンスク州のクラスナゴールスキー地区では、きわめて汚染の高い12の村に約3千人が生活。ザボーリャ村のコルホーズ議長によると、「私の家のガンマ線量は室内許容値の10倍以上」。同村の野菜畑の大部分でセシウム汚染は100Ci/平方km以上。86年に同地区で甲状腺ガンはなかったが、この2年間に15人。慢性的気管支炎は、3年前の千人当り94人から、今年前半は175人。結核症状の認められた家畜は、87年46頭、88年139頭、今年前半は337頭に急増。これらはすべて白血病によるもの。

 

89/08/15 朝日新聞:モスクワ=記者

タスが14日伝えたところでは、チェリノブイリ事故で住民が避難した白ロシア共和国の3つの地域に特別保護区を設けることが決まった。この地区の動植物に異常がみられ追跡調査するため。今後千ヘクタールの森林が死滅すると予測。また松の葉が大きくなったり、子供の手のひらほどのアカシアの葉が観察されている。貯水池の底には放射能が蓄積、カマス、スズキ類に多量の放射能が蓄積。ハリネズミやトガリネズミにも異常な集中が観察されている。

 

89/08/19 河北新聞:モスクワ=共同

17日発売のソベセドニックによると、チェリノブイリ事故で汚染された肉がソーセージなどに混入されて大量に販売されていたことが判明。事故後、ソ連保健省は通常の放射能値に対し牛肉は8〜9倍、豚肉は5倍までは人体に害はないとして販売を許可、それ以上は廃棄とした。ところがウクライナ共和国のキエフ、ジトミール州、白ロシア共和国のゴメリ、モジレノ州、ロシア共和国のブリャンスク州の5州から基準以上の肉が出回った。基準を越えた肉は、86年3万2千d、87年1万2千d、88年2千8百d。正常値以上で基準値以下の肉は、86年55万d、87年63万d、88年52万dに達する。

 

89/08/22 朝日新聞:モスクワ=記者

白ロシア共和国は最近、独自の銀行口座を設け募金活動を開始。同共和国は汚染対策により財政が破綻しかねない状態にある。全連邦レベルで募金・資金を募る口座ができていたが、そこに集まったお金がどこにどう使われているのかはっきりしないため、白ロシア独自の口座を開いたもの。

 

89/10/02 毎日新聞:モスクワ=記者

白ロシア共和国で30日、当局の汚染対策の手ぬるさに抗議する大規模な集会が開かれた。このミンスクの集会は「人民戦線」が組織、1万5千人が参加。参加者たちは治安当局の制止を振り切って雨の中をデモ行進。

 

89/10/02 毎日新聞:モスクワ=共同

30日の「ソビエト文化」は、白ロシア共和国で奇形児の出産やガン患者が急増していると報道。ゴメリ州ホイニキ地区では、今年1月から6月の間に13人の奇形児。昨年の奇形児出産は3件。奇形児の出生率は事故前の85年に比べ3〜4倍、死産も増加。モギレフ州スラブゴロド地区では、85年に11人しかいなかったガン患者が、昨年は70人に急増。今年1〜6月は新たに34人。同地区の人口は過去2、3年の間に約20%減少しており、ガン発生率の上昇は明らか。ゴメリ州などでもこうした傾向。スラブゴルド地区では動物の奇形出産も急増。

 

89/10/12 毎日新聞:モスクワ=共同

11日発売のモスクワ・ニュースは、白ロシア共和国で染色体異常や免疫異常などの影響が確認され、とくに汚染地域では敗血症、子供の甲状腺肥大などの病気が増えている、と報道。「大きなウソ」と題された記事は、作家アダモビッチなど4人の座談会をまとめたもの。またソ連最高会議発電・核安全問題小委員会のシェルバク委員長は、事故で放出された放射能の量は、公式に発表された5千万キュリーではなく、10億キュリーと明らかにし、64億キュリーと推定する専門家もいると述べた。ウクライナ、ナロジチ地区のブジコ第1書記は、同地区では甲状腺肥大などのため健康な子供は事実上いないと強調。

 

89/10/21 毎日新聞:モスクワ=共同

18日付イズベスチアの投書で、労働者レーピン氏は「ともに放射能除去を行った若者たちが急死している。死者の数は増え続けている」と告発。事故直後動員されたイグナチェフさんは1カ月後に倒れ、翌年には歯が22本抜け、脱毛、頭痛、ぜんそく、胃の痛みなどを訴え、昨年7月21才の若さで死亡。多数が闘病生活を強いられている。同紙編集部は、事故後原発地区に入った労働者は約60万人に上ると述べ、発病の事実に目をつぶることは罪だ、と強調。

 

89/11/02 読売新聞:モスクワ=共同

1日付トルードによると、ソ連児童基金は白ロシア共和国モギレフ、ゴメリ両州の幼稚園児と小中学生7万3千人以上を避難させる計画を決定。共和国政府はすでに両州を中心に10万7千人を他の地域に避難させることを決めている。

 

89/11/04 朝日新聞:モスクワ=共同

3日付コムソリスカヤ・プラウダは、白ロシア共和国の汚染地域に住む613町村の住民を避難させると伝えた。実施時期は明らかにされていないが、3段階にわけて実施され、第1,2段階は今後も住民が住めない261町村、第3段階は352町村となっている。同紙によると、ゴメリ、モギレフ両州では奇形児の出産や子供たちの甲状腺肥大などの病気が増えているという。

 

89/11/05 毎日新聞:ロンドン=共同

西ドイツ、ブレーメン大学のシュミットら4人は、3日発売の英医学雑誌「ランセット」に、チェルノブイリ事故後、西ドイツ南部地域の新生児死亡率が、それ以前の低下傾向から上昇傾向に転じたと発表。

 

89/11/09 毎日新聞:モスクワ=時事

8日発売のソ連週刊誌「モスクワ・ニュース」は、チェルノブイリ事故の、消火や放射能除去作業に従事した労働者のうち、250人以上がこれまでに死亡。「チェルノブイリ同盟」の結成を伝える記事とともに報道。

 

89/11/11 朝日新聞:ウィーン=ロイター共同

チェリノブイリ事故除染作業で250人以上が死亡したという報道について、ソ連当局は10日、事故との関連を否定。ソ連保健省生物物理研究所のブルダコフ副所長によると、「除去作業には少なくとも10万人が従事しており3年半の間に250人ほどが死んだ。この数は、正常な成人の死亡率と一致する」。

 

89/12/09 毎日新聞:モスクワ=記者

7日のプラウダによると、ウクライナのクラマトルスク市で住宅団地の建設に汚染したコンクリートパネルが用いられ、入居者が白血病で死亡していたことが明らかになった。コルジェ一家がこの団地に転居して数年後、長男が白血病で死亡。もう一人の子供も同じく白血病と診断された。同じアパートに前に入居していた一家も白血病で2人の死者を出しており、当局が調査したところ、子供部屋の壁の放射能汚染が判明。セシウムまたはコバルト汚染と見られるが原因は不明。

 

89/12/17 東京新聞

チェルノブイリ避難民の村、チェルノポリスカヤ村のルポルタージュ。155軒420人。避難後村民の死亡は16人。交通事故の1人を除き15人は老人。赤ん坊12人はみな正常児。

 


<1988年>

88/02/01 朝日新聞:モスクワ=記者

31日のソビエト・ロシア紙で、チェリノブイリ事故の医学的対策の責任者であるソ連生物物理学研究所長イリイン医学アカデミー副総裁は、10km圏は放射線環境学の研究区域にする案を明らかにした。また30km圏のうち、東南地域は住民の帰還も可能であるが、生活上の困難を考えると消極的にならざるをえない、と述べている。

 

88/04/15 朝日新聞

東京で開会中の日本原産大会に出席している、ソ連原子力発電省のボローニン第1次官によると、チェリノブイリ事故後100万人が検査を受け、とくに3万2千人が病院で精密検査を受けた。急性放射線障害は237名で、31人が死亡した。同次官はこれらの数字に今も変化がないことを強調、また原発周辺も含め大部分は除染により元どうりになった、しかしセシウムの高いところが点々とあるのでそこでは厳重な管理を行っている、と述べた。

  

88/04/30 毎日新聞:モスクワ=ロイター共同

29日夜のソ連国営テレビによると、チェルノブイリ原発事故の処理に携わった物理化学者レガソフ氏(52)が27日死亡した。国営テレビは死因を伝えていない。

 

88/05/02 読売新聞:ノーボスチ通信

ソ連原子力産業省のコワレンコ情報・国際交流部長によると、周辺600以上の村の除染が行われ、500万人以上が検診を受けている。移住者向けに2万1千戸を越す住宅が建設され、原発労働者のための新しい町スラブーチチャの1期工事も完成。事故処理の直接費用は約40億ルーブル、生産減などの損害を加えると約80億ルーブル(1兆6千8百億円)。

 

88/05/08 朝日新聞:モスクワ=新妻記者

チェルノブイリ事故被曝患者の治療にあたったモスクワ第6病院当局者は5日付イズベスチヤ紙で、「事故2年間で住民の間には1人も放射線障害が出ていない」と述べた。

 

88/05/23 朝日新聞:モスクワ=新妻記者

ソ連のチェルノブイリ事故の初めから現場でその処理作業を指導し、先月下旬に自殺したクルチャトフ原子力研究所の故レガソフ第1副所長が残した「チェルノブイリ回想記」が20日付けのプラウダで公表された。「原発はサモワールのようなものだ」とうそぶく原発幹部など、無知、お粗末な安全対策ぶりをレガソフ氏自身の体験した事実で告発しており、遺稿となった回想記にはソ連の原子力政策に対する強い警告がにじみ出ている。

 

88/09/06 新潟新聞:ロンドン=共同

ソ連医療遺伝子研究所のボチコフ研究員は、オックスフォードの学会で、ロシア共和国の60万人が生涯にわたり半年毎の健康診断を受けることになったと述べた。

 

88/09/29 北海道新聞:モスクワ=共同

27日のイズベスチャによると、ウクライナ共和国で遺伝性疾患の患者が大幅に増えている。共和国各地の特別施設には、不治の遺伝性疾患患者が10万人収容されており、毎年1万〜1万2千人増加している。放射線との関連に記事は触れていない。

 

88/10/10 毎日新聞:モスクワ=AP

プラウダは8日、チェルノブイリの町全体を取り壊すと報道。この町に人間が住める状態になるには数十年もかかる、というのが取り壊しの理由。事故前の人口は約1万人。

 

88/10/26 日経新聞:モスクワ=時事

25日付プラウダによると、チェリノブイリ原発党委員会のボロダブコ書記が解任された。同氏は、家族をキエフに住まわせ原発労働者用のスラブニッツ市への移住を拒否したことが問題視されたという。

 

88/11/03 読売新聞:モスクワ=記者

ウクライナ共和国南西部のチェルノフツウィ市(人口20万)で、子供の頭髪が抜け落ちる奇病が流行、放射能後遺症では、と市民の間に疑惑が広がっている。神経疾患をともなう脱毛症で先月までに子供82人が入院、現在も連日2〜3人の入院が続いている。地元保健当局は、放射能とは関係がないと否定。

 

88/12/19 読売新聞

原子力委員会の招きで来日した、ソ連科学アカデミー副総裁のベリコフ氏は、チェリノブイリ原発30km圏内の帰郷は当分の間不可能で、セシウム137の半減期は30年もあり、住民にいたずらに幻想をかきたてたくない、と述べた。