ベラルーシ国内ニュース

2000年4月〜2000年6月

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2000年4月







00/04/03
3月25日の集会で警官隊が40人のジャーナリストを含む数百人を拘留したのは「misunderstandingでmistake」であったとルカシェンコ大統領が語ったと3月31のテレビが報道。3月25日に大統領は、アラブ首長国連邦を公式訪問中であった。

00/04/04
国民評議会は4月3日、ベラルーシ、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンとの関税・経済同盟を批准した。また、1992年5月15日に締結されたCIS集団安保条約の延長も批准した。この条約は、アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、タジキスタンは延長しているが、アゼルバイジャン、グルジア、ウズベキスタンは更新していない。

00/04/07
Pashkevich大統領府次官は4月6日、議会選挙キャンペーンは8月7日にはじまる可能性があると語った。選挙綱領によると、選挙運動は2ヶ月なので10月7日が投票日となる。Pashkevichは、ボイコットを表明している反対派にも選挙参加を呼びかけている。

00/04/10
ルカシェンンコ大統領は4月7日、コルホーズはベラルーシ農業の基盤であり、現在のような困難な時期に改革を実施する必要はなく、改革させようとしているのは農業破壊をたくらむ外国勢力である、と演説した。昨年のベラルーシの穀類生産は、600万トンの計画に対し370万トンの実績であった。

00/04/11
ベラルーシ反対派の代表が、ミンスク市当局に対し、4月26日のチェルノブイリ記念行進を申請した。実行委員会のNikichankaによると、ベラルーシでは180万人が放射能汚染地で暮らしている。

00/04/12
ルカシェンコ大統領は4月11日、国家経済の優先順位は4年前と同じく、輸出の増加、住宅建設、農業振興であると述べ、ベラルーシは新しい社会経済発展モデルであると強調した。また、NATOの拡大に対抗するため、ロシアと共同でベラルーシ国境に30万の強力な軍隊を配置すると述べた。

00/04/14
ベラルーシ人民戦線リーダーのVyachorkaは、30万人のベラルーシ・ロシア合同軍の創設は「ロシア帝国」による占領の再現であると語った。

00/04/20
ルカシェンコ大統領は4月19日、ミンスクとモスクワは合同軍創設に関する協定を5月末か6月はじめに調印するであろう、と語った。

00/04/21
ミンスク市当局は,4月26日に反対派が予定しているチェルノブイリ事故14周年のデモ行進を禁止し、郊外での集会のみを許可した。ミンスクでは1989年以来毎年数万人規模のデモが行われてきた。デモ実行委員会リーダーのNikichankaは、「当局は被災者援助を切り下げ、汚染穀物の供給をし、ベラルーシ国民が座して死ぬのを望んでいる」と述べ、デモは実施すると語った。

00/04/26
ベラルーシ当局は25日、反対派が予定している26日の禁止令を解除した。反対派が市内中心部をデモしないことで合意したもの。ルカシェンコ大統領は、反対派との交渉には決して応じないと語った。

00/04/27
チェルノブイリ14周年を記念し4月26日、ミンスク中央からバンガロー広場に向け1万人以上が行進したが、事件はなかった。一方、ヤクブコラス広場で開かれた小さなデモ集会は警官隊と衝突し1人が逮捕された。

00/04/27
ルカシェンコ大統領はベラルーシ南部を訪れ、放射能汚染地の回復を望むとのべ、汚染地にくるCIS諸国民には1週間でベラルーシ市民権を出すと語った。

00/04/28
ミンスク検察局は4月27日、Chyhir前首相を職権濫用と怠慢で起訴した。有罪になると5年の禁固となる。


2000年5月

00/05/02
第2次大戦後はじめて、ミンスクでメーデーの大規模デモ行進がなかった。労働組合は公園でピクニック集会を開き、共産党の代表はレーニンのモニュメントに花を捧げた。

00/05/09
OSCEとともにミンスクを訪問しているオーストリア外務省のSiegl氏は5月5日、ベラルーシ政府が選挙制度と人権に関して実質的な改善をしなければ、今秋の議会選挙は国際的には認知されないだろうと語った。

00/05/10
戦勝記念日の5月9日、ミンスクでは4000人の兵隊と150台の軍用車の行進が行なわれた。ルカシェンコ大統領は、ベラルーシ国民は繁栄・独立した国家の建設へ向かっているという談話を発表した。

00/05/15
Yarmoshyn首相は5月12日、政府の5カ年計画を国民評議会に提出した。それによると、ベラルーシ経済は2000-2001年にかけて回復に向かい、5カ年でGDPは24-33%増加する。本年度に支払うべき外国負債は、ロシアへの2億5000万ドルのガス代金を含め2億9000万ドルである。

00/05/15
Yarmoshyn首相は5月12日、政府の5カ年計画を国民評議会に提出した。それによると、ベラルーシ経済は2000-2001年にかけて回復に向かい、5カ年でGDPは24-33%増加する。本年度に支払うべき外国負債は、ロシアへの2億5000万ドルのガス代金を含め2億9000万ドルである。

00/05/17
ミンスク訪問中のYushchenkoウクライナ首相は5月16日、両国間の貿易拡大を望むと述べた。両国間の貿易は1997年の15億ドルから昨年の7億ドルへと減少した。両国ともに決済の外貨が不足しているためである。

00/05/18
ベラルーシ民主労働組合評議会は5月17日、西側諸国と組織に対し、ルカシェンコ体制へ政治的経済的制裁を加えるよう訴えた。なかでも、ヨーロッパ議会、米国議会、ILOに対し、国際法、人権、憲法擁護へ向けての制裁を求めた。組合によると、ベラルーシ政府は独立労働組合を閉鎖するよう多くの職場で圧力を加えている。

00/05/19
ミンスク市裁判所は5月19日、Chyhir前首相に対し1995年の時の職権濫用の罪で、禁錮3年執行猶予2年、罰金22万ドルを言い渡した。Chyhir氏によると、全くのでっちあげであり、判決は私の恥ではなく、ベラルーシの恥である、と述べた。

00/05/19
ミンスクのイスラエル大使館職員は5月18日、ベラルーシとウクライナでの放射能汚染地域の森や泥炭火災にともなう汚染の増加を憂慮して国外避難を始めた。エルサレムポスト紙によると、イスラエルの移民局は3万人のベラルーシからのユダヤ人を受け入れる用意がある。一方、国家水気象委員会によると、放射線レベルの上昇は認められていない。

00/05/24
ミンスクで5月23日に開かれた、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ロシア5カ国のCIS関税同盟サミットは、自由貿易ゾーンについての合意に達しなかった。

00/05/24
ロシアのVedomosti紙は5月23日、ロシア中央銀行がベラルーシに対し2億ドルの貸与を行うと報じた。2005年に予定されている通貨統合へのワンステップである。

00/05/26
ベラルーシ中央銀行次官Luzhinは5月25日、ルーブルの交換レートを9月の末までに1本化すると述べた。現在、銀行レートは1ドル550ルーブルで、路上マーケットでは970ルーブルである。ベラルーシの輸出業者は収入の30%の外貨を国立銀行で交換するよう義務づけられている。

00/05/29
ベラルーシの外務大臣は5月27日、ベラルーシの民主勢力に対し米国政府が資金援助するというHelms上院議員の声明に驚いている、と述べた。Helmes氏は米国上院外交委員会の委員長で、5月24日にベラルーシ反対派とのワシントンでの会合で約束したもの。ベラルーシの代表団は、Vyachorkaベラルーシ人民戦線代表、Lyabedzka統一民主党代表、Zhuk「Nasha Svaboda」紙編集長など。外務大臣は、ベラルーシへの内政干渉であると、米国に警告した。

00/05/31
ルカシェンコ大統領は5月30日、反対派がボイコットしている「社会政治対話」集会に参加し、すべての候補者に平等な権利を保障するので、今秋の議会選挙に反対派も参加するよう要請した。また、選挙期間中、相互信頼の雰囲気をつくるため、OSCE監視団の提案を取り入れると約束した。


2000年6月

00/06/01
ベラルーシ社会民主党のリーダーStakevichの裁判で検察側は5月31日、2年間の禁錮刑を要求した。昨年10月17日の「自由の行進」で騒乱を起こしたとして、旧最高会議副議長のShchukenとともに起訴されていたもの。

00/06/02
Barysevichベラルーシ外務大臣は6月1日、Uskhopchikのベラルーシ国防次官への指名に対しリトアニアは神経質になるべきではない、と語った。Uskhopchikは、ソ連時代の1991年1月にソ連軍がビリニュスのテレビ局を襲撃し14人の市民が死亡したときの、ビリニュス駐留軍の責任者であった。リトアニア外務省は、彼の国防次官への就任は両国関係を損なうと警告している。

00/06/08
ベラルーシ政府は、困窮水準以下の生活の人々に対し財政的支援を行うことを決めた。困窮レベルとは、必要最低レベル(一家4人で一月の収入が25ドル)の半分以下の収入の人々で、国民の47%が相当する。社会保障省は、月12.5ドルの収入となるよう補助金を支給する。

00/06/14
ルカシェンコ大統領は13日、政府関係者と農業問題について意見交換を行い、農業分野にこれ以上支出する補助金はないと語った。

00/06/15
ルカシェンコ大統領は14日、高等教育機関の責任者たちの前で、今年の大学入学試験を「彼のコントロール下」におくと語った。大統領補佐官によると、ベラルーシの高等教育機関では、入学試験にからんで賄賂が横行している。

00/06/20
ミンスク市裁判所は19日、社会民主党リーダーのStatkevivhに執行猶予付き2年、最高会議副議長Shchukinに執行猶予付き1年の判決を出した。両氏は、昨年10月17日の不許可「自由行進」の際に騒乱をあおったとされるもの。

00/06/20
ミンスク市裁判所は19日、社会民主党リーダーのStatkevivhに執行猶予付き2年、最高会議副議長Shchukinに執行猶予付き1年の判決を出した。両氏は、昨年10月17日の不許可「自由行進」の際に騒乱をあおったとされるもの。

00/06/21
ミンスク訪問中の、OSCEのSeverinとヨーロッパ議会のWirsma両氏は20日、ベラルーシ反対派の代表と面談した。Vyachorkaベラルーシ人民戦線代表らは、今秋の選挙を半年遅らせるべきだと述べた。Severinは、OSCEがベラルーシ政府に選挙制度の改善などを要求すると約束した。

00/06/21
OSCEのSeverinとヨーロッパ議会のWiersmaは21日、反対派と政府代表を交えた円卓会議を開催したが、選挙の問題について何の進展もなかった。政府側は、OSCEの要求に応じ、「社会政治対話集会」や選挙法の修正を行ったと述べた。反対派は、「対話集会」はまやかしであり、ルカシェンコ大統領は反対派と妥協する気はないとべた。

00/06/23
ヨーロッパ議会のWiersmaは22日ジャーナリストに対し、「来るべき選挙に対し国際監視団を派遣するよう勧告できるような状況ではない」と語った。選挙法の改善はほとんどないし、選挙の透明性が確保されないなど、ベラルーシにおいて民主的な選挙が行われるような状況ではないと判断したもの

00/06/27
ベラルーシジャーナリスト連盟がミンスクで26日、報道の独立性を守るためのデモを行った。デモ参加者たちは、「警察国家ノー」「政府系と独立系に平等な権利を」といったプラカードを掲げた。

00/06/29
ベラルーシ学校連盟は、Strazhau教育大臣に対し書簡を送り、学校でのベラルーシ語クラス減少の原因が、ベラルーシ語の高等教育機関がないことにあると訴えた。また、当局がベラルーシ語の使用に対しいろいろなレベルで反対している、と述べている。学校連盟は、ベラルーシ語による大学を設置するよう要求している。