ベラルーシ国内ニュース

2001年1月〜2000年3月


安全研究グループのホームへ


2001年1月




01/01/03
ベラルーシ政府は1月1日、旧札の使用を停止した。旧札所有者は今後、銀行で旧1000ルーブルを新1ルーブルに交換できる。

01/01/04
ベラルーシの露天商が、新所得税の導入に抗議してストライキ中である。ストライキは5日に終わる予定であるが、要求が満たされなければ延長される可能性もある。

01/01/05
ルカシェンコ大統領は5日、西側諸国がダブルスタンダードの政策をとっていると批判し、「ベラルーシに圧力をかければかけるほど危険になる」と述べた。その一方、イタリアに対しては、イタリア議会のベラルーシ支援グループとチェルノブイリ被災者の子供4万人のホームステイに感謝している、と語った。

01/01/08
ルカシェンコ大統領は6日のテレビ放送で、今年の大統領選挙に「クレムリン候補」が出馬するというウワサを、バカげたものとして否定した。「クレムリンのリーダーとは良好な関係にあり、私は連邦評議会の議長であり、クレムリンにとってルカシェンコを交代させるのはバカげている」と述べた。

01/01/10
税金調査局は、脱税の容疑で、ミンスクの私営印刷会社Magicの印刷機を封印した。Magicはベラルーシの主要な独立系新聞、「Narodnaya volya」「Rabochy」「Belorusskaya delovaya gazeta」などを印刷している。

01/01/12
Latushka外務大臣は11日、1月13日に開かれる大統領主催新年会に、Kozak米国大使は招待されない、と語った。大使は昨年10月20日にミンスクに赴任したが、ルカシェンコ大統領は未だ信任状の受け取りを拒否している。

01/01/12
独立系新聞「Nasha svaboda」の編集長Zhukは11日、Magic印刷会社の差し押さえに言及し、大統領府はすべての独立系出版物に対して圧力をかける計画だ、と語った。「Nasha Volya」紙のSyaredizich編集長は、来るべき大統領選挙の期間中は、圧力をさけるため、国外での印刷を検討している、と語った。

01/01/13
独立系新聞「Nasha svaboda」は12日、ルカシェンコ大統領の精神状態にかんする精神科医Shchyhelskiの医学的見解を掲載した。Shchyhelski医師によると、大統領には「中程度の偏執狂症状」が認められる。

00/01/17
ベラルーシの24のNGO代表が16日にミンスクに集まり、ルカシェンコに対抗する大統領選挙候補として、グロドゥナ州知事Domashを推挙した。Domash知事は政党には属さない独立系候補と考えられている。ベラルーシ反対派からは他に、Chyhir前首相とHancharyk労働組合リーダーの名前が出ている。

01/01/26
ベラルーシ統計省のデータによると、2000年のGDPは前年に比べ6%成長し、工業生産は8%、農業生産は8.6%成長した。

01/01/29
ルカシェンコ大統領は27のテレビで、ミンスクのOSCE監視顧問団が権限を逸脱し、選挙監視の名目で「1万4000-1万8000人の軍」を作ってベラルーシの治安を脅かしている、と語った。大統領によると、ベラルーシの選挙制度はすでに国際的水準であり、今年の大統領選挙まで変更の必要はない。大統領はまた、OSCEの予算を彼のコントロール下におくことを主張した。

01/01/29
約40人のベラルーシ反対派がリトアニアのビリニュスで26日、現体制に非暴力で抵抗するための5日間のセミナーを始めた。このセミナーは、リトアニアのNGOと米国アインシュタイン研究所が組織したものである。

01/01/30
Chyhir前首相は29日、ルカシェンコ大統領はOSCEに対する発言をじきに撤回するであろうと述べた。ルカシェンコ大統領は、政治的プレッシャーと大統領選の不安のため、とっぴな言動を行なっており、その発言は、ペンタゴンの予算を自分の管轄下におきたい、と言っていつようなものである。

01/01/31
ベラルーシ外務省は30日、駐ミンスク・リトアニア大使Paslauskasを呼び出し、ビリニュスで開かれた反対派の「ベラルーシにおける非暴力抵抗運動」セミナーへの懸念を表明した。外務省によると、セミナーは破壊主義的なものであり、大統領選挙を前にして好ましくないものである。
 
 


2001年2月




01/02/06
旧最高会議副議長Kudzinauが5日、釈放された。Kudzinauは1997年8月に贈賄の容疑で7年の刑を受けていた。Kudzinauは容疑を否定し、1996年の大統領弾劾行動に対する報復であったと主張している。彼は今後も政治活動を続けると表明している。

01/02/12
Chyhir前首相の息子Alyksandrが2月10日、自動車部品窃盗の容疑で逮捕された。Chyhir氏は、今年の大統領選挙に出馬する予定で、氏によると、息子の逮捕は選挙出馬の妨害工作である。

01/02/15
ミンスクで14日、数千人が参加してベラルーシ労働組合連合の集会が開かれ、物価上昇にみあう賃上げを政府に要求した。Hancharyk議長は、当局からの弾圧を考えると集会に満足していると述べたが、消息筋によると、組合側は3万人の参加を見込んでいた。

01/02/15
ルカシェンコ大統領は15日、1996-2000年の経済状況を総括し、過去5年間の内閣の成果に対して満足を表明した。大統領によると、この5年間に、GDPは36%増加し、工業生産は60%、実質収入は70%増加した。

01/02/18
ベラルーシ・ロシア連邦合同議会は16日、2001年の連邦予算を採択した。予算額は23.6億ロシアルーブル(8200万ドル)で、ロシアが15.4億、ベラルーシが8.2億を負担する。予算では、35の共同プロジェクトが予定されている。

01/02/20
ミンスク裁判所は19日、バレンタインデーのデモを組織した、青年戦線のリーダーSevyarynetsに対し、罰金450ドルの判決を下した。

01/02/20
ベラルーシ人民戦線の保守キリスト教派は、今年の大統領選挙候補として、亡命中のPaznyakを推挙すると発表した。Paznyakは、現体制の弾圧を逃れて1996年4月に出国し、米国から政治亡命資格を受けている。保守キリスト教派は、反対派の民主勢力評議会には参加していない。

01/02/21
ミンスクのVyasna人権グループは、昨年のベラルーシでの人権侵害に関する170ページのレポートをまとめた。その報告書は、政治家や活動家に対する起訴、有名人の失踪、政党や労働組合への弾圧、宗教・人種・言語による差別を指摘している。ベラルーシ当局は昨年数千人に対する弾圧を行った。

01/02/22
労働組合連合リーダーHancharykは、「ルカシェンコ大統領の政策は、社会を団結させるのに適さず、役人に多くの特権を与え、人々をアルコールづけにしている」と批判した。Hancharykは、今年の大統領選挙に出馬が予想されている。

01/02/23
ルカシェンコ大統領は22日、Kozak駐ベラルーシ米国大使の信任状を受け取った。昨年10月に着任して以来、受け取りを拒否してきた理由は、米国からのルカシェンコ大統領批判に対する意趣返しと考えられている。「今日から、過去のことを消し去り、新たな関係を築こう」と大統領は語った。

01/02/28
国民評議会の内務委員会は27日、ベラルーシ・ロシア連邦に単一通貨を導入する協定を批准するよう勧告した。協定によると、2005年1月1日からロシアルーブルを単一通貨として採用し、共同通貨印刷所を設立したのち、2008年1月1日から新通貨を発行する。


2001年3月

01/03/02
「スパイを逮捕して監獄へ入れよう。彼らが大使館の職員なら国外追放しよう」と、ルカシェンコ大統領は1日語った。大統領によると、人々からすでに外国情報機関の活動に関する情報の提供がある。

01/03/05
ルカシェンコ大統領は、ロシア中央銀行がベラルーシ・ロシア統一通貨の唯一の印刷センターという議論は話にならない、と述べた。大統領はまた、統一通貨と共同印刷センターに関する条約を批准しても主権を失うことにはならない、と述べた。

01/3/05
駐ミンスクOSCE監視団のWieck団長は2日、ベラルーシ外務省に、今年の大統領選挙について政府と反対派が話し合いをはじめるよう提案する書簡を送った。

01/03/06
OSCE議会団、ヨーロッパ議会、ヨーロッパ評議会議会団の代表団が5日、ベラルーシ当局に来るべき大統領選挙でのルール遵守を要請するためミンスクに到着した。OSCE議会団の議長のSeverinが率いる代表団は、ベラルーシ上院の代表と会談した。さらに、政府や反対派の代表との会談が予定されている。

01/03/07
ヨーロッパ3者代表団は6日、大統領選挙に出馬が予定されている、Chyhir、Domash、Hancharyk、Kazlouskiの4人の反対派政治家と会談した。Chyhirによると、現段階では並行的に活動しているが、最終段階では合同して1人の候補をみんなで支持する。
3者代表団は、中央選管委員長Yarmoshnyaと外務大臣Khvastouとも会談した。外務大臣は、ヨーロッパ側に、ベラルーシへの偏向した姿勢を改め、ダブルスタンダードの適用をやめるよう要請した。

01/03/08
ヨーロッパ3者代表団は7日、ミンスク訪問を終了した・代表団長のSeverinによると、ベラルーシの状況は昨年の議会選挙以来かわっておらず非民主的であり、自由な選挙は期待できないという結論に変化はない。

01/03/09
ベラルーシテレビは7日、ベラルーシ独立労働組合が米国大使から資金を受けている、という番組を放送した。社会民主党のKarolによると、「独裁の一般的特性は、敵のイメージを作ることであり、ソビエトの伝統に従って、アメリカが敵である。民主的な大統領候補は、スパイ、エージェント、資本主義者のレッテルを貼られるであろう」

01/03/12
3月11日から、非商業物品の関税に関する新しい大統領令が導入された。ベラルーシへの物品の持ち込みは、その値打ちが1000ドルを超えなければ30%の関税を支払う必要はない。規則は、3リットル以上のアルコール、200本以上のシガレット、200グラム以上のタバコ、5つを越える宝石類、3つを越える皮製衣服、1つを越えるビデオレコーダーの持ち込みを制限している。100ドル以下の小包は関税なしであるが、アルコールやタバコの郵送は禁止である。

01/03/14
民主勢力調整評議会は、ルカシェンコ大統領に対抗する単一候補の絞り込みに再び失敗した。評議会は、大統領選挙公示の6月27日以前にできるだけ早く候補を絞る意向である。地域の反対派活動家は、グロードゥナ州知事Domashを候補に絞るよう評議会に要請している。

01/03/15
ルカシェンコ大統領は外国からの無償援助に関する大統領令を交付した、と14日のベラルーシテレビが報じた。その大統領令によると、選挙準備、政治行動、セミナーなどといった宣伝的行為に外国援助を使ってはならない。Hryb旧最高会議議長によると、反対派や国際機関による大統領選挙の監視行動を規制するための大統領令である。

01/03/16
ベラルーシのオリンピック優勝者11人が16日、ルカシェンコ大統領に、今年の選挙に出馬するよう要請するアピールに署名した。アピールの最終案は、オリンピック委員会と大統領府が検討中であるが、オリンピック運動、体育やスポーツの発展、健康な生活に対する大統領の貢献が盛り込まれる。

01/03/19
昨年10月の選挙で投票率が50%に達せず、選挙が成立しなかった国民評議会の13の選挙区での再投票が3月18日に実施された。中央選管の予備結果によると、平均投票率は72.7%で、すべての選挙区で選挙が成立した。二人の候補が当選し、残りの11の選挙区では、4月11日までに第2回投票が実施される。

01/03/20
独立系選挙監視団によると、18日に実施された議会選挙で「大量の」違反行為があった。もっとも多かったのは、選挙委員会による有権者数のごまかしで、投票率を上げるためにその数を20%から40%引き下げるという手口であった。「ブレスト州の投票率は105%だった」と97憲章グループはホームページでコメントしている。

01/03/21
ミンスク裁判所は20日、ジャーナリストで人権活動家のShchukinに対し、暴力行為の咎で3カ月の禁固を言い渡した。Shchkinは1月16日に、Navmau内務大臣の記者会見場に入ろうとして大臣のガードマンともみ合ったもの。Shchkinは、1997年以来9回の判決をうけ、のべ84日の禁固、3925ドルの罰金をうけている。

01/03/22
大統領府副長官Sivakouは22日、反対派の新「Narodnaya volya」で、ベラルーシは「発展途上ではなく、生存過程にある」と語った。彼は、若者が政府のリーダーや役人になりたがってないことを認め、その理由のひとつは給料が低いことである、と述べた。大統領府高官の月給はせいぜい100ドルである。

01/03/23
行方不明や弾圧を受けている反対派活動家の妻や母親など30人の女性が、25日に予定されている「自由の日」の行動に対して、挑発、逮捕、暴力などを用いないよう当局に訴えた。ベラルーシ反対派は毎年、1918年3月25日の非ボルシェビキ・ベラルーシ共和国の設立をちなんで集会を行なっている。昨年の3月25日は、40人のジャーナリストを含め、500人がミンスクで逮捕された。

01/03/26
ミンスクの25日の「自由の日の行進」に約5000人が参加し、ルカシェンコ体制反対と公平な大統領選挙実施を訴えた。不許可デモに対し警官隊が出動し、ミンスク警察によると13人が逮捕された。グロードゥノ市のデモには2000人が参加し、その他の都市でもデモが行なわれた。

01/03/26
ベラルーシKGB長官Yerynは24日のテレビで、外国からの内政への干渉を防ぐため外国人の監視を強化すると語った。Yerynによると、人道援助や人権監視の名目で、外国組織が「現体制、政府、政治・経済政策への人々の不信をあおっている」。

01/03/27
ミンスク裁判所は26日、25日の「自由の日の行進」で拘留されたChabatarenkaに対し、公共秩序を乱した罪で10日間の監獄刑を判決した。旧最高会議副議長Hraznovaには、最低賃金20カ月(約90)の罰金刑が下された。同じ日に捕まった他の9人についても近日中に刑が下される。

01/03/28
ベラルーシ・ロシア連邦の閣僚評議会が27日ミンスクで開催され、経済問題が議論されたが具体的な決定はなかった。議長のカシヤノフ・ロシア首相は、統合に向けて大きな進歩があったが、税金や関税問題で障害が残っている、と語った。Uladzmirベラルーシ首相は、ベラルーシ側は国境での税関を廃止したが、ロシア側は追随していない、と語った。カシヤノフ首相は、今年のベラルーシ大統領選挙が国際社会から認知されるよう努力すると述べ、ルカシェンコ大統領の再選を支持するかどうかには答えなかった。

01/03/29
ルカシェンコ大統領は28日、Chumakou国防大臣を罷免し、後任に1995-96年に同大臣を務めたMaltsau氏を任命した。大統領によると、Maltsauの任命により軍に新たな改革を期待している。1991-94年に国防大臣だったKazlouskiによると、Chamakouは軍隊の中で人気がなく、Maltsauの復帰は、今年の大統領選挙に向けての軍人のご機嫌をとるためである。

01/03/29
EUはルカシェンコ大統領に対し、外国援助を管理するという3月12日の大統領令を撤回するよう要請した。EUによると、大統領令は民主化、人権、人道援助に対する広範な規制であり、ベラルーシの孤立化を促進するものである。

01/03/30
ミンスク裁判所は29日、ベラルーシ人民戦線リーダーVyachorkaに対し、無許可の「自由の日の行進」を組織したという理由で、15日間の監獄刑を下した。

01/03/30
Latushka外務大臣は29日、ベラルーシ当局は、外国からの援助管理に関する大統領令を実行すると語った。ミンスクのOSCE顧問監視団は、大統領令の実施は、今年の大統領選挙のモニター活動をできなくすると危惧している。