ベラルーシ国内ニュース

2002年7-9月


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2002年9月

02/09/03
先週ミンスクで500人を対象として行われた世論調査によると、ベラルーシ・ロシアの単一国家に賛成が49%、反対が38%、保留13%であった。2001年12月の同様の調査では、賛成42%、反対29%であった。ベラルーシ・ロシア統一国家の大統領としては、プーチン支持38%、ルカシェンコ支持12%であった。

02/09/04
ベラルーシとロシアとの統合について国民投票を要求する運動に60人以上の賛同者が集まった。このグループのリーダーは、最近ルカシェンコ大統領を批判した、農業産業労働組合のYarashukで、「建設的で全国的な議論」を呼びかけている。

02/09/05
プーチン大統領は4日、ベラルーシ・ロシア統合に関して、ルカシェンコ大統領に書簡を送った。プーチン大統領によると、統合には次の3つのシナリオがある。・単一国家への完全なる統合・EU型の連合・99年連邦条約に基づく統合。プーチン大統領は、これらのシナリオを検討する合同チームを作るよう提案している。

02/09/05
約1000人の小売業者が、増税、保険料増、小規模業者への規制強化に抗議して、ミンスク中央広場で集会を開いた。統一商工評議会の代表Shumvhenkaによると、加盟の個人企業18万のうち約70%が9月1日のストライキに参加した。9月1日の行動は1日ストであったが、政府からの返答がないため、小売業者はストを継続している。

02/09/06
ルカシェンコ大統領は5日、新任のロシア大使Blokhinの信任状を受け取った。「ベラルーシは1999年の統合条約を尊重しており、この条約を破棄する気はない」と大統領は述べた。

02/09/09
ルカシェンコ大統領は7日、ベラルーシ・ロシア統合を検討する合同委員会を設置しようと言うプーチン大統領の提案を、「提案者はすでに条約があることを忘れたようだ」と述べて拒否した。「ロシアのリーダーが条約を破棄したければ勝手にやれ、だが我々は条約を破棄しない」と大統領は述べた。

02/09/10
ベラルーシ野外商ストライキ委員会は9日、11日に全国ストを行うことを呼びかけた。委員会は、当局の小規模ビジネスへの規制に抗議するとともに、ルカシェンコ大統領の辞任を要求している。

02/09/11
農業産業労働組合の幹部会議は10日、リーダーYarashukを解任した。会議参加者は、Yarashukを政治への介入と当局との対話失敗で批判した。Yarashukは、前大統領府副長官Kozikのベラルーシ労働組合議長への就任に反対した組合リーダーのひとりであった。

02/09/12
ベラルーシ野外商スト委員会のLevaneuski議長は12日、全国で11万人の小売商が前日のストに参加したと語った。スト参加者は、小企業への抑圧への抗議と同時に、ルカシェンコ大統領の辞任を要求している。

02/09/16
ミンスク地方裁判所は16日、Rabochy紙の編集長Ivashkevichに対し、2001年9月の選挙に先立って大統領侮辱を行った罪で自由剥奪2年の判決を下した。「大統領の不法な行為に関する事実を報じただけであり、判決は政治的なものである」とIvashkevichは語っている。

02/09/18
ルカシェンコ大統領は17日、内外の記者100人以上が集まった会見で、OSCE(欧州安全保障協力機構)との関係について、「OSCE側が交渉のテーブルにつこうとしない」と述べ、2001年の大統領選挙の際に、西側は反対派に対し3億ドルの資金援助をした、と批判した。また、憲法を改正する国民投票を行い、3期目の選挙に出ることも否定しなかった。

02/09/19
ベラルーシ国立銀行Prakapovic総裁は18日、ロシア・ベラルーシの単一通貨の発行をロシア側が管理するという提案は受け入れられない、と述べた。一方、プーチン大統領は、統一通貨の共同管理というミンスク側の考えを拒否している。

02/09/19
IMFのRichardsonは18日、2週間のミンスク滞在後、IMFとベラルーシ当局は財政支援の再開について一歩も前進しなかった、と述べた。IMFによると、融資再開の前提となる、外国投資、輸出、GDP成長といったマクロ経済指標について、ミンスクの見解は楽観的すぎる。

02/09/20
ベラルーシ労働組合連盟の臨時大会が18-19日に開かれた。大会でルカシェンコ大統領は、「我々の社会には3本の柱が必要である。労働組合、青年組織、ソビエト(評議会)である」と演説した。

02/09/24
検察総局は23日、電話が盗聴されているという統一市民党Lyabedzkaの訴えを、理由も示さず拒否した。Lyabedzkaによると、ロシアの政治家Nemtsovとの8月24日の電話が、ロシアの新聞とベラルーシの政府系新聞に掲載された。「特殊機関による盗聴であることは明らかだが、検察総局は彼らに荷担している」とLyabedzkaは語った。

02/09/25
ストラスブルグのPACE(ヨーロッパ議会評議会)は24日、ベラルーシの政治家等失踪事件の調査委員会のチーフに、ロシアの人権活動家Kovalev議員を指名した。委員会は、ベルギー、英国、キプロス、ドイツ、ラトビア、リトアニア、ロシア、トルコ、ウクライナからの10人の議員で構成される。

02/09/25
ベラルーシ作家連盟は24日の臨時総会で、30歳の作家Pashkevichを新議長に選んだ。Ipatava前議長によると、Pashkevich議長の選出は「文学界における民主勢力の勝利である」。ベラルーシ当局は、もっと従順な議長の選出を望んでいた。

02/09/26
今月はじめに社会経済政治研究所が行った世論調査によると、大統領選挙でルカシェンコに投票するのは27%とこれまでで最も低かった。大統領の政策を支持しないのは36%、部分的に支持しない20.7%、部分的に支持26.2%、支持13%であった。

02/09/27
社会経済・政治研究独立研究所が今月のはじめに行った世論調査によると、53.4%がEUへの接近に賛成であった。また、ベラルーシがロシアの一部になるようにという、プーチン大統領の提案には、賛成32.3%で、反対26.3%であった。

02/09/30
29日にミンスクで開かれた、ロシアとの連邦に反対する合法集会で5人の参加者が逮捕された。集会を組織したのは保守キリスト党と国家解放運動で、約100人の活動家が参加し、「ロシア帝国との連邦反対」、「ロシア軍基地を追放」といったポスターを掲げた。
 
 




2002年8月

02/08/01
7月31日、ベラルーシ全土で15万人以上の街頭商人が過重な税金に抗議してストライキを行った。商人らはとりわけ、街頭商人に現金レジスター機の使用を義務づける新規則に抗議している。

02/08/02
ベラルーシの農業大臣は1日、集団農場での収穫作業は8月1日までには終了せず、まだ23%が残されていると述べた。集団農場ではこれまでに460万トンの穀物が収穫された。

02/08/05
グロードゥノ州Paharanichny市当局は1日、未登録のベラルーシ独立正教派に属する教会と家の破壊をはじめた。Spasyuk神父は、破壊命令は、自分の教会がロシア正教への脅威となったためであり、「建物の壁は壊せても心は崩せない」と語った。

02/08/05
ミンスク市当局は2日、ミンスク駅前のマグドナルド店の周辺に2mのフェンスを設置した。客はフェンスの入り口から店内に入るようになる。マグドナルドは1997年に、2036年まで土地を借りる契約を結んだが、昨年、ベラルーシ国立大学がその場所に建物をつくると発表した。

02/08/08
国立銀行総裁Prakapovichは7日、銀行の外貨保有高は今年のはじめより4850万ドル増加し、8月1日現在で2億5290万ドルになったと発表した。

02/08/09
22歳の反対派活動家Svyatlana Nekhは7日、収監されているグロードゥノの刑務所でハンガーストライキをはじめた。彼女は、行方不明ジャーナリストZavadski失踪2周年のデモで先月逮捕され、この8日に拘留10日間の判決を受けた。

02/08/12
ユダヤ教、カソリック(ユニエイト)、プロテスタント、人権団体は合同で9日、ベラルーシ上院に対し、ロシア正教に特権的な地位を与える新宗教法を採択しないよう訴えた。法案はすでに下院を通過している。

02/08/13
ルカシェンコ大統領は12日、14日にモスクワでプーチン大統領と会談すると発表した。会談の中心は経済問題で、付加価値税の徴収やロシアからベラルーシへのガス供給などである。ベラルーシ側はガス供給の増加を要望しているが、ロシア側は削減を望んでいる。ベラルーシはロシアの国内価格でガス供給を受けているが、ガス代の負債は2億8000万ドルに達している。

02/08/15
モスクワでのプーチン大統領との会談後、ミンスクに戻ったルカシェンコ大統領は、ベラルーシ・ロシア統合に関して来年に、ロシア憲法に基づいて国民投票を行おうというプーチン大統領の提案は受け入れられない、と語った。

02/08/16
民主勢力調整評議会は15日、ベラルーシの独立を危うくしているとして、ルカシェンコ大統領に退陣するよう要請した。評議会によると、ルカシェンコ大統領の反国家的で冒険的な政策により、ベラルーシがロシアに吸収されようとしている。

02/08/16
グロードゥノ州裁判所は15日、大統領誹謗の罪で、2人のジャーナリスト、MarkevichとMazheykaに対する6月の地区裁判所による有罪判決を支持した。ただし、「自由制限」の期間は2年半と2年に、1年ずつ短縮された。

02/08/16
グロードゥノ州裁判所は15日、大統領誹謗の罪で、2人のジャーナリスト、MarkevichとMazheykaに対する6月の地区裁判所による有罪判決を支持した。ただし、「自由制限」の期間は2年半と2年に、1年ずつ短縮された。

02/08/19
22歳の反対派活動家Nekhは16日、10日間の拘留の後に釈放された。彼女は収監中にハンガーストライキをしていた。

02/08/20
ベラルーシ国立銀行は、ロシア政府とロシア中央銀行から、通貨統一の期日を2005年1月1日から2004年1月1日に繰り上げるよう提案された、と発表した。しかしながら、ベラルーシ当局は、ロシア側の提案は非現実的であると考えている。

02/08/22
ルカシェンコ大統領は21日、プーチン大統領によるベラルーシとロシアの「究極的な統合」提案をきびしく批判した。「ロシアのリーダーによる提案は全く受け入れがたい。ベラルーシをロシアの一部にするなど、レーニンやスターリンもやらなかった」とルカシェンコ大統領は述べた。

02/08/23
ルカシェンコ大統領は22日、ジャーナリストに対し、ベラルーシをロシアに吸収しようというプーチン大統領提案の国民投票を厳しく批判した。国民投票の3つめの質問、「ロシア憲法に基づいて連邦を形成する」という質問は、まったく馬鹿げている、これらの質問は首脳会談で十分に議論されたものではない、とルカシェンコ大統領は述べた。

02/08/26
ベラルーシ社会民主党、女性党・希望(Palevikova)、ベラルーシ社会民主評議会の代表が24日ミンスクに集まり、統一社会民主党(ASDP)を結成することで合意した。

02/08/26
農業労働者組合議長Yarashukは23日、ルカシェンコ大統領はロシアとの統合に失敗し、1999年に調印されたロシア・ベラルーシ連邦は消滅した、とジャーナリストに語った。Yarashukは、ロシアとの統合に関するはば広い議論を呼びかけ、プーチン大統領をベラルーシに呼んで話を聞くことを提案した。

02/08/27
約1000人の小売業者がミンスクで26日、政府の規制過剰、加重な税金に抗議して不許可集会を行った。集会では、議会に対し、大統領罷免を開始するよう要請する決議が採択された。

02/08/28
Nasha svaboda紙の編集長Zhukは27日、当局の出版妨害により、同紙の今後の出版が不可能になったと語った。ミンスク地方裁判所は8月2日、国家モニタリング委員会議長Tozikに対する名誉毀損で、同紙に5万5000ドルの罰金刑を下していた。判決に基づいて当局により、同紙の資材や銀行口座がさし押さえられた。

02/08/29
ベラルーシジャーナリスト協会(BAZh)は27日、言論の自由を抑圧しているとして、Padhayny情報大臣の辞職を要求した。BAZhはまた、刑法367条(大統領中傷)、368条(大統領侮辱、公務員侮辱)を廃止するよう要請する、5万人の署名を集めたと発表した。

02/08/30
ルカシェンコ大統領は30日、48歳の誕生日を迎えたが、公的な祝賀会は予定されていない。

02/08/30
ベラルーシ科学アカデミー総裁Myasnikovichは、29日の科学アカデミー幹部会で、国家経済に必要な研究開発にのみ政府は資金を提供する、と語り、科学者にもっと経済発展に寄与するよう要請した。Myasnikovichは、2001年10月に科学アカデミー総裁に就任する前は、大統領府長官であった。
 
 



2002年7月

02/07/01
チェコの日刊紙"Hospodarske noviny,"とのインタビューでベラルーシ人民戦線のリーダーVyachorkaは、Zemanチェコ首相がベラルーシ政府を批判したことを賞賛した。Zeman首相は4月にミンスクを訪問した際、反対派とは会談したが、政府当局者とは会わなかった。

02/07/02
ベラルーシ反対派とロシア議会有志は、ベラルーシの行方不明政治家の捜査についてロシアの秘密警察が協力する命令を出すよう、プーチン大統領に要請した。ベラルーシ反対派の統一市民党リーダーLyabedzkaによると、プーチン大統領は、ルカシェンコ大統領に問題を提起することを約束した。

02/07/03
ベラルーシ法務省は2日、反対派の統一市民党に対する調査を開始した。統一市民党の広報によると、調査は党活動の12の分野にわたっている。

02/07/08
OSCE議会評議会はベルリンで開かれた会議で再び、ベラルーシ国民評議会のメンバー資格を否決した。OSCE議会評議会は、1996年のルカシェンコ大統領による民主的議会解散以来、国民評議会の参加を拒否している。

02/07/09
グロードゥノ市で8日、テレビカメラマンZavadski失踪2周年の小さな集会に参加していた8人が警察に逮捕された。集会は、反対派の統一市民党と青年組織Maladaya Hramadaが組織したもので、逮捕された人々はまだ拘留されている。

02/07/11
ルカシェンコ大統領は10日の安全保障会議で、ロシアとNATOの新協定やウクライナのNATO加盟問題を考慮すると、ベラルーシの外交方針を変える必要がある、と述べた。大統領によると、ヨーロッパ・大西洋の軍事的・政治的統合という条件下で、NATOとの将来の協力について決める時期である。

02/07/11
ベラルーシとロシアは10日、防空に関する2国間協力を拡大する協定に調印した。ロシア空軍司令官Mikhailovはミンスクで、防空組織の改善と東ヨーロッパ集団安全空域の監視について議論した。

02/07/15
12人のヒンズー教徒が14日、宗教迫害に抗議して、ミンスクでハンガーストライキをはじめた。彼らは、13日公園でヒンズー教の歌をうたったとして逮捕された17人のうちの男7人、女5人である。逮捕者のひとりによると、新宗教法による宗教迫害がすでにはじまっている。

02/07/16
ベラルーシのNATO駐在員Martynovは15日、ベラルーシで演習を実施するようNATOを招待する意向を発表した。演習は2004年の予定である。Martynovによると、ベラルーシはNATOの拡大に反対であるが、1995年の「平和のためのパートナーシップ」協定以来、友好関係を強化している。

02/07/17
ベラルーシ労働組合連盟の拡大集会が16日ミンスクで開かれ、ベラルーシ大統領府副長官Kozikが、賛成238反対10棄権8で委員長に選出された。

02/07/17
ゴメリ州とブレスト州で多数の林野火災が発生して放射線レベルが上昇し、状況は1986年のチェルノブイリ事故以来最悪である。緊急事態省によると、少なくとも30ヵ所のピート火災、11ヵ所の森林火災が発生している。

02/07/22
ルカシェンコ大統領は21日、8月1日までに全国で穀物の収穫を終えるよう政府に命令した。前日大統領は、農業分野における「国家非常事態」を宣言し、農業企業体は24時間ぶっとうしで働くよう要請した。

02/07/23
ルカシェンコ大統領は22日、国際労働機構(ILO)事務総長Somaviaに手紙を送り、「ベラルーシでは社会的対話が、社会各層の利益を調和させるのに重要な役割をはたしている。ILOがベラルーシのやり方を支持してくれることに感謝する」と述べた。一方、組合リーダーのひとりBukhvostauは16日、大統領府副長官Kozikをベラルーシ労働組合連盟議長に選出したのは、当局の圧力のもとであり、ILOルールのあからさまな違反である、と語った。

02/07/24
ミンスク地方裁判所は23日、Chyhir元首相に対し、3年半の刑と執行猶予2年、税金追徴4600ドルの判決を下した。モスクワでドイツの会社で働いていたときの収入に対するもの。Chyhirは、1994-96年、ルカシェンコ大統領のもとで首相をつとめたが、その後反対派となり、1999年には7カ月間刑務所に入れられた。

02/07/25
ルカシェンコ大統領は24日、輸出の不振を理由に、外務大臣、経済大臣、貿易大臣をきびしく叱責した。「大統領が背中をどついて机をこぶしで叩かなければ、お前たちはなにもできないのか。こんちくしょう」とののしったとか。

02/07/26
多くの政府高官が25日、テレビ中継された会議で、ルカシェンコ大統領に穀物の収穫状況を報告した。大統領は、「国家の安全と独立を確保するため」、ベラルーシ農業は2003年には700万トンの穀類を収穫する必要がある、と述べた。今年の目標は600万トンである。

02/07/29
ルカシェンコ大統領は26日早朝、収穫作業モニタリングのためヘリコプターでミンスク州とブレスト州を視察した。大統領は、「私は300km飛んだが、ミンスク州とブレスト州では収穫作業はされておらず、ただ白い畑が広がっていた。着陸地点に近づくと、作業がされているよう見せかけてあった。まるでゴマカシだった」と述べた。

02/07/30
統計分析省が、ベラルーシ国営企業のうち40.9%が赤字であることを明らかにした、と97憲章のホームページが29日伝えた。2002年1?6月の赤字の合計は、2620億ベラルーシルーブル(1億4300万ドル)に達した。

02/07/31
自由民主党議長Haydekevichは30日の閣議に公開書簡を送り、毎年繰り返される収穫問題は、農地の私有化によって解決されると示唆した。政府によって毎年繰り返される「収穫の斗い」はいらいらするサーカスショーのようなもので、それより私有化してベラルーシの人々をほったらかしにした方がよい、述べている。