ベラルーシ国内ニュース

2003年10-12月


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2003年12月

03/12/01
Tsyutsyunou副首相は28日、2004年度のガス供給についてのロシアGASPROMとの交渉はpositiveであったと議会で語った。ガスの価格は1000立方m当り50ドルを越えず、年間需要を満たす205億立方mが供給されるだろう、と述べた。

03/12/02
2000年7月に行方不明となった、ロシアORTテレビのベラルーシ人カメラマンZavadzkiについて、ミンスク裁判所は1日、Zavadskaya夫人の要請を受けて公式の死亡宣告を出した。Zavadski誘拐犯2人は、2002年に終身刑を受けているが、死体は見つかっていない。

03/12/04
ルカシェンコ大統領は3日、社会経済プラン、金融政策ガイドライン、2004年度予算案を承認した。予算案は、10%の成長を見込み、2004年度末の平均給与を月170ドルと予測している。

03/12/05
ルカシェンコ大統領は4日、シリアの新聞とのインタビューで、「超大国がいかに強力であろうと、独立を望んでいる国家を制圧することはできない」、「占領が長くなればなるほど、状況は悪化するだろう」と述べた。大統領は来週シリアを訪問する。

03/12/08
最近成立した税金法の合憲性の判断を憲法裁判所に求めるという提案が、国民評議会の過半数56票に達せず否決された。提案は、経済発展推進法制グループが提出したもので、税金法違反者の財産没収規定は、憲法44条に反するものであると主張していた。

03/12/09
ルカシェンコ大統領は8日、ドイツ誌「シュピーゲル」とのインタビューで、1995年にドイツ誌「Handelsblatt」の記者に対しヒトラーを褒め称えた、という話を否定した。Handelsball誌とのインタビューは印刷されなかったが、録音テープがベラルーシのラジオで放送された。

03/12/10
約30人の著名な反対派の政治家、人権活動家などによって、ベラルーシ人権同盟が9日ミンスクで結成された。Hraznova元議員が代表に選出された。同盟は、ベラルーシでの登録は不可能なので、リトアニアでの登録を申請する。

03/12/11
約300人の反対派と人権活動家が10日、ミンスクのダウンタウンで、行方不明者の写真をかかげ、「私たちは忘れない」というスローガンでデモを行った。97年憲章の活動家Kalyadaが警官に逮捕された。

03/12/12
ベラルーシのガス供給公社Beltrashazとロシアのガスプロムは11日、ベラルーシ側の負債に関する協定に調印した。ベラルーシはこの1月から3年間で7800万ドルを支払う。また、延滞金として5600万ドルを支払う協議を続けている。

03/12/15
大統領支持のベラルーシ共産党(KPB)は13日に大会を開き、Zakharchankaを議長に再選した。KPBは、ロシア・ベラルーシ連邦の推進とソビエト連邦のゆるやかな復活を訴えており、55人の中央委員のうち16人が議会メンバーである。

03/12/16
反対派の保守キリスト教党は14日にミンスクで大会を開き、亡命中のPaznyakをリーダーに再選した。Paznyakは1996年から国外に亡命中であるが、「なんとしてもモスクワ寄りの政府を打倒し、ベラルーシの独立を維持せねばならない」とメッセージを寄せた。

03/12/17
ルカシェンコ大統領は16日、情報機関が必要で信頼できる情報をタイムリーに提供していない、とベラルーシKGBを批判した。「反対派に情報や資金を提供しているチャンネルをKGBが知らないという状況は理解できないし、KGBには何だか民主主義が導入されているようだ」と皮肉った。

03/12/18
ベラルーシ反対派の行方不明者に関するヨーロッパ議会評議会(PACE)の調査担当Pourgouridesは17日、Zakharena(99年5月7日)、HancharとKrasouski(99年12月16日)、Zavadski(2000年7月7日)の失踪についての調査報告を発表した。報告によると、Sheyman安全保障会議議長(現検事総長)、Sivakou内務大臣(現スポーツ大臣)といった政府高官が失踪に関係していた可能性がある。

03/12/19
ロシア紙「ノバヤ・ガゼタ」は18日、1999年9月ミンスク郊外でベラルーシ反対派行方不明者2名が殺害された現場にルカシェンコ大統領が立ち会っていたという証言テープの記録を発表した。「証言が事実かどうか分からないが、その情報を秘密にしておく権利もない」と記事は述べている。

03/12/19
米国NGOフリーダムハウスは、自由と民主主義に関する年次報告で、ベラルーシを「自由でない」、ウクライナを「部分的に自由」に分類した。「自由でない」の分類には世界の48カ国が相当したが、ヨーロッパの中ではベラルーシだけであった。

03/12/22
ベラルーシ下院は19日、91対11でSidroski首相を承認した。Sidroskiは7月のNavitski前首相解任ののち、首相代行をつとめていた。

03/12/23
ベラルーシ共産党(PKB)中央委員会は21日、来年の議会選挙に向けて政策要項を承認した。PKBの目標は、GDPの増加、年金増加、失業とインフレの減少などで、政治的改革なしに経済的問題は解消できないとしている。

03/12/29
保守キリスト教党のメンバー2人がビテプスク地方裁判所で22日、1999年のロシア・ベラルーシ同盟破棄の署名を集めたとして、1050ドルと1227ドルの罰金刑を言い渡された。裁判所は、署名活動を不許可街頭デモと認めた。

03/12/30
ベラルーシ国防省は29日、ベラルーシとNATOが2004-5年のパートナーシップ計画に近く調印すると発表した。計画には21の分野で183のイベントが含まれる。
 
 



2003年11月
03/11/03
ルカシェンコ大統領は10月31日、Sidorski首相代行の内閣を批判した。大統領によると、内閣は食品、通信、交通に関する物価の抑制に失敗している。

03/11/05
外務省次官Herasimenkaは4日、内政外交を自主的に行う権利を米国が認めるなら、ベラルーシは米国と全面的に関係改善する用意がある、と語った。Khvastou駐米大使は先週、ベラルーシ・米国の関係改善を希望する、と述べている。

03/11/06
反対派5党のリーダー5人が5日、経済・政治問題についてルカシェンコ大統領との公開討論会を求める声明を発表した。10月31日にルカシェンコ大統領とロシアの政治家Chubaisが出演したテレビ番組でのベラルーシ・ロシア統一問題に関する議論を受けたもの。

03/11/07
ベラルーシ外務省は、駐ミンスク米国大使館に対し、ベラルーシの人権問題に関する2002年米国務省報告は事実に反し不当であるという、公的コメントを通達した。国務省報告はNGOや不明な情報源、さらには反対派の情報に頼っていると批判している。

03/11/10
ルカシェンコ大統領は7日、2006年の次期大統領選挙に出馬するかも知れない、と述べた。一方、ゴメリ市警察は9日、ルカシェンコ大統領3選に関する街頭世論調査を行った反対派活動家2人を拘留した。調査によると、2172人の回答者のうち約90%が3選に反対であった。

03/11/12
最高裁は11日、青年企業家連盟に対し、1999年の登録時に不正があったとして解散命令を出した。今年になってNGOへの解散命令は19回目である。

03/11/14
統一市民党、ベラルーシ人民戦線、ベラルーシ労働党、ベラルーシ社会民主評議会、ベラルーシ共産党の反対派5党は13日、2004年の議会選挙に向けて、「人民連合5プラス」という共同キャンペーンを行うと発表した。一方、Statkevichの率いる社会民主党(人民評議会)は、「自由ベラルーシ」という反対派連合への結集を呼びかけている。

03/11/18
ルカシェンコ大統領は17日、ベラルーシ国立大学のKazulin学長を解任し、Strazhau教育大臣を後任に任命した。司法当局は、大学関連の研究生産企業Unidramet BDU職員による35kgの金窃盗事件に関連してKazulin学長を調べている。

03/11/19
ルカシェンコ大統領は18日、内務大臣と保健大臣に対し、アルコール中毒者のリハビリセンターを共同で運営するよう指示した。大統領によると、アル中患者は労働によって矯正されるべきであり、その矯正費用は、税金ではなく彼らの労働によって捻出されるべきである。

03/11/20
国際労働機関(ILO)は19日、ベラルーシにおける労働者の権利侵害に関して「調査委員会」を設置した。ベラルーシの独立系労働組合の請願を受けたもの。ILOは、加盟国での労働者権利の侵害を批判できるが、強制力をもたない。

03/11/21
ベラルーシ外務省の軍事専門家が20日、ベラルーシの主要な兵器輸出先は、イラン、コートジボワール、スーダン、アルジェリアであるとする報告を発表した。専門家は、ベラルーシが「ならず者国家」に武器を輸出しているという批判を否定した。

03/11/24
ルカシェンコ大統領は21日、2004年と2005年の年間経済成長率が10%に達するよう指示した。「この目標を約束できない役人は辞任せよ」と大統領は述べた。2005年には平均給料が月250ドルになると大統領は断言した。

03/11/25
ルカシェンコ大統領の任期延長に関する国民投票に反対してデモを行った青年17人が24日、警察に拘留された。デモを行ったのは青年戦線で、当局はミンスク郊外のバンガロー広場での集会を許可したが、青年たちは市街地のヤクブ・コラス広場で集会を行った。

03/11/25
ミンスク地区裁判所は25日、24日の不許可デモを行った青年活動家3人に判決を言い渡した。DashkevichとParfyankouが拘留15日、Zapartyka拘留5日となった。
 
 
 


2003年10月
03/10/01
ベラルーシ政府は9月29日、10月1日から予定されていたロシアルーブルによる非現金決済の導入を再び延期した。ベラルーシ・ロシア連邦に関する交渉とガスパイプラインのロシアへの売却問題が難航していることの反映と見られる。

03/10/02
ロシア軍の早期警戒戦略レーダー基地が、Baranavichy近郊で10月1日から動き始めた。基地のVolgaレーダーは4800km離れた弾道ミサイルを検知できる。同様のレーダーは以前ラトビアに設置されていたが、1998年に撤去された。

03/10/03
ルカシェンコ大統領は2日、新たなメディア法を早急に策定し、議会に提出するよう内閣に指示した。新法は、現状に即して、偏った形で用いられることなく、言論の自由を保障しなければならない、と大統領は述べた。

03/10/06
ルカシェンコ大統領は4日、ブレスト州Pruzhanyで行われた収穫祭で、2003年収穫キャンペーンでの上位入賞者を表彰した。13人のコンバイン運転者に自動車が与えられた。大統領によると、今年のベラルーシの穀類収穫は550万トンであった。

03/10/07
クリアスカイ2003と名付けられた1週間の軍事演習が6日からはじまった。空軍、陸軍約8600人が参加し、飛行機19機を含むロシア軍も参加する。

03/10/08
透明度インターナショナルによる「汚職指数2003」によると、ベラルーシは10点満点の4.2点となり、133カ国中53番で、旧ソ連諸国の中で最もよかった。ウクライナは2.3点で106番目だった。

03/10/09
ルカシェンコ大統領は8日、今年はいかなる国民投票も行わない、と述べた。大統領の任期は2006年で終わるが、大統領は2期までという憲法規定があるものの、ベラルーシ国民が支持すれば3期目もあり得ると大統領は昨年述べている。

03/10/10
最高裁は9日、カシオペア・ベラルーシ財団とZhannochy Adkazの2つのNGO組織を、不正な住所登録や不正なスタンプ使用といった形式的な理由で禁止した。今年になってから、当局によって禁止されたNGOは1ダースにのぼっている。その動機は、反対行動を押さえ、西側からの介入を不可能にするためと思われる。

03/10/14
社会経済政治研究独立研究所が1519人を対象に9月に行った世論調査によると、49%の人々が政府の政策に反対で、支持は30%であった。ルカシェンコ大統領の再選を支持するのは28%で、他の誰かを望むのは61%であった。

03/10/14
グロードゥノ州の精神病院で12日に火事があり、30人の収容患者が死亡した。助かった患者は32人である。

03/10/15
グロードゥノ州のリダで、ユダヤ人ホロコーストのモニュメントに対し暴漢が塗料缶を投げ反ユダヤスローガンを描いた。そのモニュメントは、戦争中に数十人のユダヤ人が殺された場所に、1カ月半前に作られたものだった。

03/10/16
当局によって今年6月に閉鎖されたYakub Kolas文化学院の生徒や教師は、ミンスク市内の某所で授業を続けている。ある生徒は、「我々は学院当時と同じように授業を続けている」と語った。

03/10/17
最高裁は16日、歴史・文化・社会研究のNGOであるLutskevich兄弟基金に解散を命じた。裁判所によると、基金には、不正シールの使用、個人アパートでの事務所開設、支部の未登録などの違反があった。

03/10/20
チェコの前大統領Havelは17日、彼が受け取った国際協力プラハ協会からの賞金を、ミンスクの独立系新聞NashaNivaの編集長Dynkoに与えた。金額は15万チェコクラウン(5500ドル)であった。

03/10/22
家政大臣Milkotaは21日、ロシアのガスプロムとの交渉に拘わらず、年内に料金値上げをすることはない、と述べた。現在、3室アパートの暖房費は月10万ベラルーシルーブル(47ドル)、2室アパートで7万4000ルーブルである。ベラルーシでの家族あたりの収入は月170ドル以下である。

03/10/23
9月3日にミンスクに赴任した米国大使Krolが22日、ルカシェンコ大統領に信任状を提出した。Krol大使はベラルーシ語で挨拶し、大統領はロシア語で答えた。

03/10/27
ルカシェンコ大統領は24日、インターネットを使ったオンライン記者会見を行ったが、回線はなかなか繋がらなかった。大統領は、14日に行ったプーチン大統領との会談についてふれ、ロシア・ベラルーシ連邦は手詰まりの状態にあるが、プーチン大統領との会談は建設的で有効だった、と述べた。

03/10/29
最高裁は28日、Vyasna人権センターに対し解散命令を出した。司法省によると、Vyasnaは1999年の登録の際に虚偽文書を提出し、2001年の大統領選挙の際に選挙法に違反した。VyasnaリーダーByalatskiら8人が、判決に抗議し、法廷で座り込み逮捕された。29日に公務妨害で裁判が開かれる。

03/10/30
ルカシェンコ大統領は29日、コムソモール(共産党青年団)85周年を祝う集会で、「ソビエト青年の前衛であるこのような組織によって教育される機会があったことを私は誇りに思っている」と述べ、旧コムソモール団員を祝福した。コムソモールの精神は、ベラルーシ国民青年同盟に引き継がれている、と大統領は語った。

03/10/31
アムネスティインターナショナルは29日、「人権団体を弾圧するのに、みつけるのが不可能なほどの些細な理由を付けている」と、ベラルーシ当局によるVyasna人権センター解散命令を非難した。「NGO、メディアへの弾圧をやめ、解散させられた組織の再開をベラルーシ当局に要請する」と米国国務省報道官Boucherは30日語った。