ベラルーシ国内ニュース

2006年4-6月


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2006年6月
06/06/01
KGB長官Sukharenkaは5月31日、未登録団体「パートナーシップ」のメンバー4人が刑事裁判に送られる、と述べた。4人は、人権侵害の違法組織を作ったとして2月に逮捕され、有罪になると3年以下の刑になる。パートナーシップは、2004年の議会選挙や国民投票の際に監視活動を行った。

06/06/02
Salihorsk市で1日、4人の青年によってはじまった、当局の政治的弾圧と告訴に抗議するハンストに、あらたに2人が加わった。ハンスト参加者は27人になった。一方、ブレスト市の中央広場では約50人が青年戦線に連帯して24時間座り込みをはじめた。

06/06/05
Sidorski首相は下院で2日、2007年のガス価格に関するガスプロムとの交渉は順調であると述べた。2007年のガス価格は、ロシアの国内価格に比べ1て000立方m当り11−15ドル以上は高くならないだろうと述べた。現在、ベラルーシの価格は1000立方m当り47ドルで、隣接するロシア・スモレンスク州の同じ価格である。

06/06/07
ルカシェンコ大統領は6日、国内オリンピック委員会の席で、トリノ冬季オリンピックの成績不振を批判し、コーチらに「結果が出なければ、あなた方の仕事はない」と述べた。トリノでベラルーシは銅メダル1つだった。

06/06/07
Salihorsk市で先週よりハンストをしていた青年戦線の4人が6日、ハンストをやめた。反対派リーダーMilinkevichとの会談で決めたもの。ベラルーシの他の都市では約30人の青年がハンストを続けている。

06/06/08
反対派ベラルーシ共産党(BKD)は7日、政府寄り共産党(KPD)と統合させようとする政府の策動を批判した。KPDリーダーのDrakaによると、統合の要望はBKD側からのもので、普通の共産主義者は西側や米国の指示で活動しているBKDの方針を支持していない。

06/06/09
ルカシェンコ大統領は8日、ロシアからのガス代値上げ要求は、経済的平等を決めた2国間協定を台無しにすると批判した。ベラルーシは現在1000立方m当り46.68ドルを支払っているが、ガスプロムはヨーロッパ並みの230ドルへの値上げを目論んでいる。

06/06/12
ガスプロムの広報は、1000立方m当り200ドルという、来年からのベラルーシへのガス価格値上げ要求について、肯定も否定もしなかった。Kommersant紙によると、6月1日に行われた政府間交渉では何も合意されなかった。

06/06/13
国際労働組合連盟(ICFTU)は12日、ベラルーシ政府はILOの昨年の勧告を全く実行していない、と批判した。ICFTUの報告によると、ベラルーシの約90%の労働者は期限付きの短期契約であり、自由な組合を結成できない。

06/06/14
ミンスク州のベラルーシ国営肥料会社Belaruskaliyが13日、貯蔵所が一杯になったため4カ所の鉱山で操業停止となった。2006年度の売り上げは25%低下したが、これは中国が購入しなかったためであった。ベラルーシは1トン当り165ドルから205ドルに値上げを要求したが。中国は20ドルの値下げを求めていた。

06/06/15
ベラルーシは最近、ロシア国境でのチェックポイントを再導入した。Herasimau内務相によると、物資流通の監視のためである。ベラルーシとロシアは1995年の関税同盟で国境チェックを廃止したが、今回の措置は最近の両国関係を反映している。

06/06/16
ビテプスク州Orshaの裁判所は15日、反対派Razmauに対し、大統領侮辱の罪で「自由制限」3年の刑を宣告した。Razmauは、今年2月大統領選挙の際の集会で、ルカシェンコ大統領が反対派政治家失踪事件に関わっていると述べた。

06/06/19
政府の政治的弾圧に抗議して、5月29日から行われていた反対派青年グループのハンストは17日に終了した。ハンストは5月29日にSalihorskではじまり、他の都市に広がっていた。リーダーのDashkevichは、ハンスト中止の理由は健康問題で、目標を達成したとは言い難いが、大衆の関心を惹くことはできた、と述べた。

06/06/20
ビテプスク裁判所は19日、18日にビテプスクのテレビ塔に白・赤・白のベラルーシ国旗をかかげたShatsikayaに対し2200ドルの罰金を命じた。白・赤・白の旗は1994年にルカシェンコが大統領になる前の国旗だが、現在その使用は禁止されている。

06/06/21
ラトビア政府は20日、21日からベラルーシ国民へのラトビアビザを無料で発給すると決定した。これまでは、1回ビザが44ドル、マルチビザが88ドルで、昨年ラトビアは2万2500のベラルーシ人にビザを出した。ラトビア人のベラルーシビザは、1回が32ドルでマルチが100ドルである。

06/06/23
ロシア下院議長Gryzlovは22日、ベラルーシ・ロシア連邦の憲法草案はほぼできあがっているが、もっとも肝心な、連邦を統治する主体が決まっていない、と述べた。ベラルーシ北部のNavapolatskで開かれた、ベラルーシ・ロシア議会評議会で述べたもの。

06/06/23
ミンスク近くのZhozina拘置所に収監されている、反対派大統領候補Kazluinが食事を拒否している、と彼の弁護士が22日発表した。Kazulinは、治安を乱し暴力行為を行ったとして、3月25日に逮捕された。

06/06/26
ルカシェンコ大統領は24日、9日間にわたって西部で進行中のベラルーシ・ロシア軍合同演習を視察した。演習には8800人のベラルーシ軍と1800人のロシア軍が参加した。

06/06/26
新連立内閣は26日、憲法裁判所判事の就任式を最高会議で27日に行いたいと発表した。地域党と共産党が新判事の就任を拒否しているため、憲法裁判所は約1年間機能していない。就任式を行うなら、共産党は演壇占拠といった実力行使で阻止の予定である。

06/06/27
ベラルーシ作家同盟(SBP)は26日、SBP本部図書館から数千冊の本をミンスク郊外に移動させた。さらに3万5000冊を移動させる。SBP本部のビルは、所有者である大統領府財産管理部から2003年1月に賃貸契約を打ち切られた。

06/06/29
モスクワで28日、ロシア首相Fradkovとベラルーシ首相Sidorskiの会談が行われたが、2007年のガス価格については合意しなかった。ロシア側は、1000立方m当り、2006年の47ドルから200ドルへの値上げを要求し、ベラルーシ側は、ロシア国内と同じ価格を要求している。

06/06/30
反対派青年活動家Finkevichが29日、2年間の「自由剥奪」の刑でミンスクからモギリョフへ向かった。「自由剥奪」の刑では、バラックに暮らし指定された場所で働き、毎日の報告義務が課せられる。現在、Statkevich、Sevyarynets、Klimauの反対派3人が自由剥奪に服している。



2006年5月

06/05/02
メーデーの5月1日、ミンスクで反対派約1000人が集まり、チェルノブイリ20周年の集会で逮捕されたリーダーたち、Milinkevich、Kalyakin、Vyachorka、Bukhvostauらの釈放を求めた。メーデー集会は許可されていたが、数百人が許可されていないデモを行った。

06/05/03
ロシア・ガスプロムは2日、2007年のベラルーシへの供給価格を1000立方当たり145ドルに引き上げる交渉をはじめると述べた。現在の供給価格は47ドルで、ベラルーシは、旧ソ連のうち昨年ロシアが値上げを要求しなかったただひとつの国だった。

06/05/04
ミンスクとBaranavichy市で4日、2人の青年についての裁判が開かれる。ミンスクでは、We Want Change!というスローガンを壁に書いたFinkevichが起訴され、有罪になると7年から12年の刑になる。Baranovichyでは、Sasimが徴兵逃れの罪で起訴され、有罪になると3年の刑となる。

06/05/05
ミンスク地方裁判所で4日、Finkevichに対する公判が開かれたが、裁判に抗議して裁判所でピケを行ったFinkevichの支持者5人が逮捕され、同裁判所で拘留5日間の判決をうけた。Finkevichの公判は10日に延期された。

06/05/09
ベラルーシとウクライナは、対独戦勝61周年を祝って、ミンスクとキエフで退役軍人のパレードを行った。ルカシェンコ・ベラルーシ大統領とユーシェンコ・ウクライナ大統領がそれぞれの首都でのパレードに参加した。

06/05/11
ミンスク地方裁判所は10日、反大統領のスローガンを壁に描いたとして起訴されていた反対派青年活動家Finkevichに対し、2年間の矯正労働の判決を言い渡した。「判決には不服があるが、控訴しても意味はない」とFinkevichは述べた。

06/05/12
4月26日のチェルノブイリ20年集会で逮捕されていた、共産党Kalyakin、ベラルーシ人民戦線Vyachorkaが11日に釈放された。統一大統領候補Milinkevixh、労働組合活動家Bukhvostau、青年活動家Dashkevichは13日に釈放される。

06/05/15
15日の刑を終えて12日に釈放された反対派大統領候補Milinkevichは、反対派活動家と会談し、「自由のために」国民運動の立ち上げについて相談した。Milinkevichは、5月20日から全国遊説を始める。

06/05/16
ルカシェンコ大統領を侮辱した罪で矯正キャンプ2年の刑をうけていた反対派活動家Levaneuskiが15日、刑期をおえて釈放された。2005年7月に恩赦があったが、恩赦を拒否してLevaneuskiは刑期を全うした。

06/05/18
EU諸国は、ミンスクで17日に開かれた、ヨーロッパ地域国際警察機構(INTERPOL)の会議をボイコットした。46加盟国のうち参加したのは、旧ソ連7カ国と、ブルガリア、ノルウェー、アイスランド、セルビア、トルコの12カ国だった。

06/05/19
ミンスク地区裁判所は18日、青年戦線の2人のリーダー、DashkevichとFinkevichに対し15日間の判決を言い渡した。2人は前日、反対派青年Radzivilの公判に参加しようとして逮捕されたもの。

06/05/22
エネルギー安全保障に関する研究は原子力が優先される、とベラルーシ科学アカデミー幹部会副議長Tsimashpolskiは19日に述べた。ベラルーシのエネルギー供給の95%がロシアのガスに依存しているが、原子力で代替すべきだと強調した。

06/05/23
ミンスク市検察は22日、反対派リーダーMilinkevichに対し、「ベラルーシを中傷する偽り情報」を流し続ければ2年の刑を受けるだろう、と警告した。「そんな警告を受けたら人によっては、身を隠すか国外脱出するかも知れないが、私は逃げも隠れもしない」とMilinkevichは述べた。

06/05/24
ルカシェンコ大統領は23日、Sidorski首相に対し、EUによるベラルーシ高官の入国禁止措置に対し、国際法廷やヨーロッパ人権法廷に訴える準備をするよう指示した、と発表した。「我々が犯罪者という根拠は何か?」と大統領は述べた。

06/05/24
ルカシェンコ大統領は国民会議で23日、3月19日の大統領選挙のあと、反対派によるテント村をただちに撤去しなかったことについて、反対派候補MilinkevichやKazulinの「顔を立ててやった」と説明した。「彼らは反対派などではなく、ちんぴらだ」と大統領は述べた。

06/05/26
ベラルーシ外務省報道官Papouは25日、カナダと米国の飛行機がベラルーシ上空を通過する権利を凍結する、と発表した。先月、ベラルーシ首相が乗った飛行機の給油をカナダと米国が拒否したことに対する報復措置。

06/05/30
エネルギー大臣Azyaretsは、ガスプロムとの2007年のガス代金交渉に6月1日モスクワに行くと述べた。ガスプロムは、現在の1000立方m当り47ドルから、200ドルに値上げすることをベラルーシに要求している。

06/05/31
反対派青年組織「青年戦線」の活動家17人が30日、ミンスクやグロードゥノなどで、当局による不当な刑事告発に抗議してハンガーストライキに入った。ベラルーシKGBは3月から、青年組織活動家を、未登録組織を運営し市民の権利を侵害しているとして告発している。



2006年4月
06/04/03
教育省次官Zhukは30日、政治的な理由で学生が退学処分を受けることはない、と述べた。一方、3月の反政府行動で逮捕されていた学生らが31日から釈 放されはじめた。当局側は、500人以上を逮捕したと述べているが、反対派によると1000人が逮捕された。

06/04/04
ベラルーシ下院は3日、先月の大統領選挙は不正なものであったと批判している外国や国際組織を非難する決議を採択した。非難の対象となっているのは、欧州 安全協力機構民主化人権委員会(ODIHR)とポーランド議会である。

06/04/05
ルカシェンコ大統領は4日、3月19日の選挙以降病気になっているというウワサの中で、短時間テレビに登場した。大統領は、Martynau外相らとの会 談で、ベラルーシが従来の外交方針を貫くことを強調した。

06/04/06
ベラルーシ最高裁は、2人の反対派大統領候補から提出されていた、3月19日大統領選挙の無効要求を拒否した。「権力分散の考えはベラルーシでは死にたえ ている」とMilinkevich候補の陣営は述べた。

06/04/07
反対派リーダーMilinkevichは7日、ベルリンでのドイツ国会議員との会談で、ルカシェンコ大統領にベラルーシを支配する資格はなく、3月の選挙 はクーデターであったと述べた。ベラルーシ国民は、「新たな生活に向けてたたかう」と付け加えた。

06/04/10
3月24日の反政府デモに参加して逮捕され拘留15日の刑を受けていた、元駐ベラルーシ・ポーランド大使Maszkiewiczが7日釈放された。 Maszkiewiczは3月29日に心臓病のためミンスクの病院に移されたが、ポーランド政府は即時釈放を訴えていた。

06/04/12
反対派リーダーMilinkevichによると、チェルノブイリ事故20周年の4月26日に、ミンスクで反対派が集会を計画している。「市民が立ち上がり 体制を包囲することが肝心だ」とMilinkevichは述べた。ベラルーシ人民戦線は、ミンスク市当局に26日のデモの届け出を行った。

06/04/13
Sidorski首相は下院で12日、ベラルーシ政府はチェルノブイリ救済策として、2006-2010年にかけて3.3兆ルーブル(15億ドル)を支出 する計画であると発表した。計画の主な目的は、汚染地域の「経済復興と持続的な発展」であるが、支出の63%は被災者への手当にあてられる。ベラルーシで は、1万1242人が障害者と認定され、11万5000人の事故処理作業者が手当を受けている。

06/04/18
当局は14日、著名な反対派政治家で、2年間刑務所に収監されていたMarynichを釈放した。Marynichは、元大臣、大使であったが大統領反対 派となり、パソコン横領の容疑で有罪とされた。Marynichは釈放後も、ベラルーシ民主化に向けての政治活動を続けると述べた。

06/04/19
ゴメリの反対派リーダーKatsoraが18日、10日間拘留の刑を宣告された。Katsoraは、4月25日にゴメリ市でのチェルノブイリ20年デモを 市当局に申請したところ、「不許可デモを組織した」という罪で逮捕された。

06/04/19
国際環境団体グリーンピースは18日、チェルノブイリ事故によるガン死者数は9万3000人におよぶという報告を発表した。昨年のIAEA報告では、ガン 死の数は4000人とされている。

06/04/20
ミンスク市当局は、反対派による4月26日のチェルノブイリ20周年デモに対し許可を与えた。「チェルノブイリの道」と呼ばれるデモは、ルカシェンコ政権 への抗議デモとして、2004年は1000人、2003年は3000人、2002年は4000人、2001年は5000人、2000年は2万人が参加し た。チェルノブイリ10年の1996年には5万人が参加して騒乱となり、200人以上が逮捕された。

06/04/21
リトアニアにある社会経済研究所(NISEPI)が3月27日から4月6日の間に行った、1500人のベラルーシ国民を対象にした世論調査によると、3月 19日の大統領選挙でルカシェンコに投票したのは63.6%で、Milinkevichは20.6%だった。一方、公式発表は、ルカシェンコ83%で、 Milinkevich 6.1%だった。NISEPIは2005年にベラルーシでの活動が禁止されてリトアニアに移った。

06/04/25
反対派の民主勢力評議会は24日、Milinkevich候補による反政府キャンペーンがうまく進んでいると評価した。大統領選挙後も民主化運動が進んで おり、チェルノブイリ事故20年の4月26日のミンスク集会で新たな反対派ブロックの結成を明らかにする、

06/04/26
4月26日深夜、チェルノブイリ労働者が移住するために作られたスラーブチッチ市の通りに数100人が集まった。同日キエフでは、2002年に選出された 最高会議の最終会が開かれチェルノブイリを追悼した。ゴメリ市では25日、反対派のチェルノブイリ集会が開かれた。26日の午後ミンスクでは「チェルノブ イリの道」集会が開かれ、反対派リーダーMilinkevichが、ゴメリ会議の決議を公表し、新たな反対派ブロックの結成を明らかにする。

06/04/27
反対派によりミンスクで26日に開かれた「チェルノブイリの道」集会に、若者中心に7000-1万人が集まった。Milinkevichは、科学アカデ ミービルの階段から「平和的不服従で現政権を打倒しよう」と述べ、「自由のために」運動への参加を訴えた。ベラルーシテレビは「集会参加を趣味としている 数百人が集まった」と報じた。

06/04/27
26日の「チェルノブイリの道」集会で、数人の私服警官が、ベラルーシ人民戦線リーダーVyachorkaを拘留した。KGBは同日、統一市民党リーダー Lyabedzkaを拘留した。27日には、反対派リーダーMilinkevich、ベラルーシ共産党リーダーKalyakin、労働党リーダー Bukhyostauが逮捕された。

06/04/28
反対派リーダーMilinkevichとKalyakinは27日、不許可集会に参加したという理由で、それぞれ15日と14日の拘留の判決を受けた。 「我々は許可を受けた集会に合法的に参加した」とMilinkevichは語った。また、ベラルーシ人民戦線のVyachorkaと労働党の Bukhvoutauにも15日間拘留の判決が出された。

06/04/28
ルカシェンコ大統領は27日、5月1日から年金を7.7%引き上げる大統領令に署名した。ベラルーシの年金受給者は250万人で、平均年金額は月26万ベ ラルーシルーブル(120ドル)となる。