ベラルーシ国内ニュース

2006年7-9月


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2006年9月

06/09/01
9月1日に新学期がはじまり、ベラルーシでは9万2000人以上の新1年生が12年間の学校通いをはじめた。先月の公式データによると、ベラルーシ語で教える学校が20.5%で、ロシア語が66.7%、両方が12.7%である。首都ミンスクでは234の学校のうちベラルーシ語で教えるのは4つだけである。

06/09/06
ロシアのベラルーシ大使Surikovは5日、ベラルーシでのガス輸送企業の合弁が成立すれば、ベラルーシへのガス価格はヨーロッパレベルにはならない、と述べた。ロシアのガスプロムは、ベラルーシのガスパイプライン事業株の50%取得を望んでいる。

06/09/07
世界銀行は6日、世界175カ国のビジネス状況を調査したレポートのなかで、ベラルーシの課税状況が最悪である、と報告した。ベラルーシの法律に従えば、企業は125種類の税金を払う必要があり、合計は利益の186.1%になる。ベラルーシの元ビジネスマンは「企業がベラルーシで正直に仕事をすれば、その企業は存在できない」と述べた。一方、課税当局は、世界銀行のレポートを疑問視している。

06/09/11
ルカシェンコ大統領は8日、ミンスクで開かれたCIS首都・主要都市会議で、ミンスク市民の生活満足度はロンドン、マドリード、パリを上回っている、と述べた。大統領によると。ミンスク市民の86.2%が生活に満足している。

06/09/12
ルカシェンコ大統領は11日、ロシアNTVテレビとのインタビューで、「一極世界」の出現は、ソ連崩壊がもたらした最悪のことだった、と述べた。ユーゴスラビアの崩壊とバルカン半島の内戦など多くのことはソ連崩壊がなければ起きなかった、と大統領は述べた。

06/09/13
Zinouski統計相は12日、ベラルーシの今年の穀物生産は650万トンであり、国内需要をみたすのに十分だったと大統領に報告した。また、今年の最初8カ月間のGDPは前年比9.8%の増加で、工業生産は12.7%増加した。

06/09/14
ルカシェンコ大統領は13日、ミンスク訪問中のCao中国国防相と会談し、ベラルーシと中国は同じ外交路線を歩んでいると述べた。一方、Cao国防相は、中国ではルカシェンコ大統領を、軍人をはじめ多くの人々が支持していると述べた。

06/09/15
ルカシェンコ大統領は14日、非同盟諸国サミットに参加するためキューバのハバナに到着した。非同盟会議には現在116カ国が参加しているが、ヨーロッパからはベラルーシだけである。

06/09/18
反対派リーダーMilinkevichはミンスクで16日、1600人の集会参加者に対し、「もう選挙は期待できないので、街頭行動で独裁を打倒しよう」と訴えた。集会は当局により認可されていたが、突然の停電のため予定より早く終わった。

06/09/19
科学アカデミー総裁Myasnikovichは18日、ベラルーシが2008年に原発建設をはじめる可能性を述べた。専門家は40カ所以上の建設予定地を検討し、1カ所を選出しているがその場所は明らかにされなかった。

06/09/20
ミンスク地区裁判所は19日、前大統領候補Kazulinによる控訴を棄却した。Kazulinは、3月19日の大統領選挙キャンペーンでの暴力行為容疑で、7月に5年半の禁固刑を受けている。

06/09/21
ベラルーシ外相Martynauは20日イタリア大使を呼び出し、10歳の「孤児誘拐」に抗議するメモを手渡した。チェルノブイリ救援活動でジェノアを訪れた孤児「マリア」が、ホームステイ先から戻らないことに抗議したもの。

06/09/22
前大統領候補で禁固5年半の判決を受けたKazulinが21日、ビテプスク州の矯正施設へ送られた。Kazulinは1996−2003年にベラルーシ国立大学学長をつとめたが、選挙キャンペーン中の暴力行為と公共秩序紊乱で逮捕された。

06/09/25
ベラルーシ反対派リーダーとEUやベラルーシへの外国放送の代表が23日、リトアニアのヴィリニュスで会合をもち、今後の見通しについて相談した。「衛星テレビやラジオ放送がベラルーシの人々へ真実を伝える手段になるだろう」とロシア・チャンネル1のSheremetsは述べた。

06/09/26
グロードゥノ州Vaukauvysk市で先週、ポーランド語学校の8年から11年生が、政府によるポーランドからの交換教師の禁止に抗議してデモを行った。グロードゥナ州には30万人のポーランド系住民がおり、州人口の25%である。

06/09/27
司法省は26日、最高裁に対し、政党法違反で反対派ベラルーシ共産党(PKB)の閉鎖を提訴した。司法省によると、PKBは政党に必要な1000人の党員数に達していない。ベラルーシには、政府よりのベラルーシ共産党(KPB)が設立されている。

06/09/29
ルカシェンコ大統領は28日、ミンスクで開かれたCIS安全保障情報当局会議で、「新十字軍」による情報侵略への対抗を訴え、ベラルーシKGBを強化すると述べた。「新十字軍の戦略は、精神やモラルの歪曲、民族間の不和をあおっている」と述べた。



2006年8月

06/08/01
ベラルーシテレビは7月30日、ミンスク市のアパートでラトビア外交官が他の男性とセックスしているビデオを放送した。ラトビア外務省は31日、ラトビア国家に対する挑発行為であると、ベラルーシ当局に公式に抗議した。

06/08/02
ルカシェンコ大統領は1日、ベラルーシ外交官との会談で、ベラルーシの会社のロシア市場への進出を促した。ロシアへの輸出は2006年に65億ドルを見込まれている。2005年のベラルーシの総輸出額は160億ドルだった。

06/08/03
検察当局は2日、反対派の選挙監視グループ4人に対する公判で、1人に懲役3年、3人に懲役2年を求刑した。4人は未登録組織Partnershipのメンバーとして国民の権利を侵害したという容疑。

06/08/04
ラトビア外務省は2日、駐ベラルーシ大使Moraを召喚した。ラトビアとベラルーシの外交関係は、ミンスクでのラトビア外交官のポルノ放送、ついでリガからのベラルーシ外交官の国外追放と悪化している。

08/08/09
ルカシェンコ大統領は8日、CIS関連国際機関のベラルーシ代表を前に、ベラルーシは旧ソ連諸国の統合に向け努力すると述べた。ユーラシア経済共同体にはベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンが参加し、CIS集団安全協定にはアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、タジキスタンが参加している。

06/08/10
ミンスク市執行委員会のLukashevichによると、2004年の政令に従い、ミンスクの企業はこの2年間に2500億ルーブル(1億1600万ドル)を、収益の悪い集団農場に投資した。140の農場が投資を受けたが、収益改善に至ったかは明らかにされなかった。

06/08/11
オランダ政府の国際協力機関Nufficは10日、勉学困難なベラルーシ学生を受け入れるプログラムを開始すると発表した。100万ユーロを準備し、2006年はベラルーシの学生のみを対象とし、今後は対象枠を広げる。

06/08/14
ベラルーシとイランの経済大臣、ResetkiとTahmsebiは11日、ミンスク郊外にイランのSamand自動車の組み立て工場を作ることで合意した。SamandのLXモデルはプジョーのエンジンを備えた100馬力で、2006年に約800台、翌年には6000台を予定している。

06/08/15
反対派の保守キリスト教党は14日、来年の地方選挙のボイコットを訴えた。保守キリスト教党によると、地方選挙にあわせて、ベラルーシ・ロシア連邦憲法の国民投票が予想され、現体制下では公正な投票は期待できない。

06/08/16
今月はじめ、選挙モニタリング活動で有罪判決を受けた4人のうち2人、AstreykaとDranchukが、判決に対し控訴した。2人はそれぞれ、2年と1年の刑を宣告された。残りの2人は、今年2月以来拘留されているので、来週に釈放される。

06/08/17
Faryno教育省次官は16日、9月1日にベラルーシで新学期を迎える4006の学校のうち、ベラルーシ語で教える学校が2313校(57%)、ロシア語が1432校(36%)で、バイリンガルが258校である、と発表した。昨年はベラルーシ語が60%で、ロシア語が33%だった。

06/08/18
Syamashka副首相は17日、ロシアが来年からベラルーシへのガス代を引き上げるなら、2部屋アパートの公共料金を毎月約35ドル(50%以上)値上げすることになる、と述べた。ベラルーシは現在、ロシアのガス顧客では最も安い1000立方m当り46.68ドルで供給を受けているが、ロシア側は2007年に200ドルへの値上げを示唆している。

06/08/21
プーチン大統領とルカシェンコ大統領はソチで19日会談し、両国関係とベラルーシ・ロシア連邦について話し合った。ロシア紙によると、11月か12月に連邦結成についての国民投票が実施される。

06/08/22
ベラルーシ最高裁は21日、1997年に設立された独立系シンクタンク、ベラルーシ思考会社(BFM)を解散させた。1月に裁判所は、住所が登録されていないという司法省の訴えをうけて、BFMの活動を禁止していた。

06/08/23
政治犠牲者支援委員会のKarolは22日、政治的理由で高等教育機関から退学になったか退学させられそうな393人の学生が、委員会に支援を求めている、と述べた。Karolによると、380人以上のベラルーシ学生が新学年度をEUや隣国の学校で迎える。ポーランドに233人、ウクライナに77人、チェコに25人である。

06/08/24
グロードゥノにあるリトアニア領事館員のPociunasが23日朝、ブレストのホテルの横で死体で発見された事件についてベラルーシ当局が捜査を開始した。「ベラルーシ当局、我々の専門家らが協力して、なにも隠さず事実を明らかにする必要がある」とリトアニア首相Kirkilasは述べた。

06/08/25
ベラルーシ上院外交国家安全保障委員会のCharhinets委員長は24日、ベラルーシ・ロシア連邦の憲法草案は99%完成しており、今年中に国民投票にかけることを望むと述べた。まだ合意されていないのは、連邦に共通大統領を置くか、それとも両大統領、首相らによる最高執行会議を設置するかである。

06/08/28
教育大臣Radzkouは25日、ベラルーシ語のつづり方について改訂作業を行っていると述べた。現行の正字法は1957年に制定されたもので、ルカシェンコ大統領が改訂を指示したもの。

06/08/29
ロシアの新聞は28日、ロシアの映画監督Valovがルカシェンコ大統領を茶化したエロティック映画を撮影していると報じた。Valov監督は以前に、ウクライナのティモシェンコ元首相とグルジアのサアカシビリ大統領の関係を茶化した映画を製作している。

06/08/30
反対派Milinkevichは29日、ミンスクでヨーロッパ諸国の外交官と会談し、ベラルーシ・ロシア連邦に関する国民投票に反対派は抗議行動を行うと述べた。「現在の状況では公正な国民投票はあり得ず、ベラルーシの消滅につながる」とMilinkevichは語った。

06/08/31
ルカシェンコ大統領は政府会議で30日、「無責任親」は政府に対し、彼らの子供の養育料を弁済すべきだ、と述べた。「無責任親が必要経費を稼げないのなら、集団農場、建設現場などに送って、1日24時間、1週7日、1年360日強制労働させるべきだ」と大臣達に語った。


2006年7月
06/07/03
ルカシェンコ大統領は1日、独立記念日を前にした集会で、「ベラルーシは、ソビエト・ベラルーシのよき伝統と歴史的成果を引き継いでいる。我々は西側より民主的で偉大な社会を建設している」と演説した。独立記念日は、1996年のいわくつき国民投票で、7月27日(1990年の独立宣言日)から7月3日(1944年のナチスからのミンスク解放記念日)に変更された。

06/07/07
前大統領候補Kazulinに対する公判が6日、ミンスクのMaskouski地区裁判所ではじまった。Kazulinは秩序紊乱と暴力行為の罪状を否認し、「すべては政治的な報復である」と述べた。

06/07/10
ジャーナリストZavadskiの失踪6年にちなむデモが7日ミンスクで行われ、数10人が参加したが警官隊に解散させられた。Zavadski夫人は「当局は、生きている人々だけでなく、死んだ人も恐れている」と述べた。Zavadskiは2000年にミンスク空港で失そう。誘拐犯人は2002年に終身刑を受けたが、Zavadskiがどうなったか公判では明らかにされていない。

06/07/11
ベラルーシの政治的犠牲者の家族らは10日、プーチン大統領がルカシェンコを支持しないよう求める声明を、G8各国のミンスク大使館に渡した。声明によると、3月の大統領選挙後に1200人以上の反対派支持者が、逮捕されたり解雇されたりした。

06/07/12
大統領府広報とKGBは、ルカシェンコ大統領が選挙後に2回卒中を起こした、というマスメディアへのメールはでっち上げであると発表した。メールによると、最初の卒中は、大統領選挙後にミンスク市内に反対派1万5000人が集まったときで、2回目は、ガスプロムとのガス価格交渉がうまく行かなかった6月中旬である。

06/07/13
ヨーロッパ議会のWiersmaは12日、ベラルーシ反対派Milinkevichへの公開書簡の中で、ベラルーシ反対派がヨーロッパ諸国を旅行する戦略に疑問を表明し、「もっとも肝心なことは自国内で人々に訴えることだ」と指摘した。

06/07/14
ミンスクの裁判所は13日、前大統領候補Kazulinに対し、暴力行為と秩序紊乱の罪で5年半の刑を言い渡した。Kazulinは弁護士を通したメッセージで「当局は真実を恐れている。国民はいまや、私のためではなく、すべての政治的囚人、国民自身のために自由を求めなければならない」と述べた。

06/07/17
政府系共産党(CPB)は15日、反対派共産党(BPC)との統一会議を開き、共産党の統合を宣言した。しかし、BPCによると、統一会議に参加したBPC関係者は、元党員2人だけだった。

06/07/18
ミンスク地区裁判所は17日、統一市民党Lyabedzkaと反対派活動家Askerkaに対し、わいせつ言語を使用した罪で、10日間の刑を言い渡した。彼らは、毎月16日の「連帯の日」にロシア大使館の周辺で集会を行った。

06/07/19
EU外交安全保障政策代表のSolanaは18日、ベラルーシの前大統領候補Kazulinに対する5年半の懲役の判決を批判した。Solanaはベラルーシ政府に対し、判決を取り消しすべての政治犯を釈放するよう要求した。

06/07/20
政府系共産党CPBは19日、法務省に対し、反対派共産党BPCのメンバー登録をチェックするよう要請した。CPBは先週BPCと合併したと発表したが、BPCリーダーKalyakinは、反対派つぶしの政府側の策動であると批判している。

06/07/21
ベラルーシのガス公社Beltranshazとロシア・ガスプロムは20日、Beltranshaz社の株をガスプロムに売却する協定を結んだ。協定は1、2週間以内にベラルーシ政府によって承認される。株売却の見返りとして、ベラルーシはロシア国内価格でガスの供給を受ける。

06/07/24
ベネズエラ大統領Chavezが23日、ベラルーシを公式訪問で訪れ、「ベラルーシは社会主義のモデルである」と述べた。Chavezは2日間のベラルーシ訪問ののち、ロシア、カタール、イラン、マリを訪問する。

06/07/26
ベラルーシ労働省次官Paulauは25日、労働年齢で「経済的不活発」な人々が60万から70万人ベラルーシにいると述べた。この分類は、学生、囚人など。一方、ベラルーシの失業者は、公式には人口1000万人中6万6500人である。

06/07/27
ベラルーシ内務省によると、偽酒のアルコール中毒で今年になって1500人以上が死亡した。昨年アルコール中毒死は3300人だった。アルコール濫用がなくなれば、ベラルーシ男性の平均寿命は7歳増える、と学者は述べている。現在の平均寿命は、男性63歳、女性75歳である。

06/07/28
ソ連からのベラルーシの独立宣言16周年の7月27日、ビテプスクで新聞とビラを配っていた反対派3人が、不許可デモの容疑で拘留された。27日は、1996年までベラルーシの独立記念日だった。

06/07/31
ビテプスクで27日に逮捕された3人のうち、統一市民党支部のリーダーZaleskayaに対し、罰金62万ルーブル(290ドル)が言い渡された。残りの2人に対しては警告となった。