ベラルーシ国内ニュース

2007年1-3月


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2007年3月

07/03/01
Sidorski首相は2月28日、ベラルーシ企業の民営化にともなう株の売却は、市場価格で行われると述べた。民営化予定の企業は、Babruiskのタイヤ工場、NavapolatskとMazyrの石油精製工場、Navapolatsk、グロードゥノ、モギリョフの石油化学工場、グロードゥノの肥料工場、ミンスク自動車工場などである。

07/03/02
ルカシェンコ大統領は1日、アルジャジーラ・テレビとのインタビューで、ロシアとの友好関係を維持することはベラルーシの至上の課題であり、彼らが対等な関係で連邦を望むならベラルーシ側も応じると述べた。また、米国とも対話の用意があると述べた。

07/03/05
反対派ベラルーシ社会民主党(BSDP)は4日、ミンスクで開かれた党大会でKazulin党首を再選した。1996-2003年にベラルーシ国立大学の学長をつとめたKazulinは昨年3月の大統領選挙後に逮捕され、5年半の刑で服役している。昨年10月20日から12月11日まで矯正キャンプでハンストを行った。

07/03/07
ベラルーシ経済省は6日、中国からローンを受ける準備をしていると発表した。経済大臣によると、2007年から2010年にかけて37のプロジェクトで27億ドルを期待している。ベラルーシは先月ロシアに対して15億ドルの資金を申し入れた。

07/03/08
統一市民党のLyabedzkaは7日、3月半ばに予定していた反対派全国大会は少なくとも一ヶ月延期される、と述べた。前反対派大統領候補Milinkevichが大会不参加を表明したためと見られている。

07/03/12
ロシア最大の石油会社Lukoilは10日、ベラルーシの2つの石油精製所との「ギブアンドテイク」の取引を廃止した。NovapolatskとMazyrの精油所では昨年2100万5000トンの石油が処理された。

07/03/13
約250人の小企業経営者が12日、雇用制限に関する大統領令に抗議する集会をミンスクの公園で開いた。12月の大統領令によると、2008年から中小企業は家族3人以外を雇うことを禁止される。

07/03/14
ベラルーシ人民戦線党首Vyachorkaと反対派活動家Siuchykが13日にミンスクで私服警官に逮捕された。3月25日に予定されている、ベラルーシ人民共和国創設89周年の集会を呼びかけたことと関係しているらしい。

07/03/15
13日に逮捕されたVyachorkaとSiuchykが14日に釈放された。Vyachorkaの逮捕理由は、子供たちの前でわいせつな言葉を使ったことで、Siuchykの容疑は指名手配犯と容貌が似ていることだった。「権力の側が混乱している」とVachorkaは述べた。

07/03/16
欧州安全保障協力機構(OSCE)議会評議会の派遣団がミンスクで15日、ベラルーシ政府や反対派の代表を交えてワークショップを開催した。OSCE側は、政治犯の釈放、報道の自由などを条件に、ベラルーシとの協力を進めると述べた。ベラルーシ下院の代表は、EU側が制裁措置を止めるよう要求した。

07/03/16
反対派政治家Marynichは、OSCEワークショップに参加した反対派について、「Kazulinら多くの政治犯が収監されているときにワークショップに参加することは不謹慎だ」と述べて、ワークショップ参加を拒否した。

07/03/19
ルカシェンコ大統領3選の3月19日を前にした18日、ヨーロッパの60以上の都市で若者達が「ベラルーシの人々へのメッセージ」を掲げた。運動を主催したのは、ヨーロッパの統合を訴える、青年ヨーロッパ連邦(JEF)であった。

07/03/20
ミンスクの10月広場で19日、数十人の反対派活動家が、一年前の大統領選挙抗議行動を記念して集まった。ベラルーシ共産党Kalyakin、統一市民党Lyabedzkaらも参加したが機動隊に追い払われた。

07/03/20
ミンスク市執行委員会は、反対派が25日に予定している、「自由の日」の集会を禁止した。3月25日は、1918年に「ベラルーシ人民共和国」が創設された日で、共和国はすぐにボリシェビキによって粉砕された。

07/03/21
ベラルーシ政府は20日、ベラルーシのガスパイプライン公社Beltranshazをロシアとの合弁にするためのグループを発足させた。昨年12月の合意に従って、ベラルーシはBeltranshazの株50%を25億ドルでガスプロムに売却する。

07/03/22
ミンスクで21日、反対派青年戦線のHaretskiが逮捕された。25日に予定されている「自由の日」の集会と関連しているらしい。その他PinskやHrodnaなどでも青年活動家が逮捕されている。

07/03/23
警察は22日ミンスクとその周辺で数十人の青年活動家を逮捕した。逮捕者の多くは、ミンスクで25日に予定されている「自由の日」の集会に参加しないよう警告を受けていた。

07/03/26
ミンスクで25日、反対派集会に約1万人が集まった。集会は1918年に短期間成立したベラルーシ人民共和国の創立を記念したもの。十月広場に集まった群衆は警官隊に排除されたが、けが人や逮捕者はなかった。

07/03/27
大統領報道官Lyohkiは26日、ルカシェンコ大統領が病気のために国外にいるというウワサを否定した。大統領は3月25-27日にベトナムを訪問する予定だったが、「ベラルーシ側の都合」でキャンセルされた。

07/03/29
この2週間以上姿を現さなかったルカシェンコ大統領は、28日ミンスク州を視察し記者会見を行った。大統領は、最近の重病説を否定し、「ちょっと疲れていたが、ホッケーの練習はかかさなかった。反対派は、1日私をみかけないと脳卒中に仕立て上げる」と述べた。



2007年2月
07/02/01
反対派リーダーMilinkevichはドイツで1月31日、ルカシェンコ大統領との話し合いによってベラルーシに民主的な変化をもたらそうとする試みは危険だと述べた。ルカシェンコとの話し合いは、全政治犯の釈放と反対派メディアへの弾圧停止が条件である、と述べた。ベラルーシの人権NGOによると、現在ベラルーシでは7人が政治犯として収監されている。

07/02/02
国境なき記者団は1日に発表した年次レポートで、ルカシェンコ大統領はベラルーシのほとんどの反対派と独立系メディアを沈黙させた、と発表した。「自由なメディアはほとんど消えて、ソビエト時代のように地下にもぐっている」と報告書は述べている。

07/02/02
ベラルーシ下院の教育関係委員会は1日、私立高等教育機関の学長を教育大臣が任命する法案を採択した。ベラルーシでは現在、12の私立の高等教育機関があり5万8000人の生徒が学んでいる。

07/02/05
ルカシェンコ大統領は2日、2年半以内に新たな人工衛星を製造するよう政府に指示した。ベラルーシ最初の衛星は2006年7月、カザフスタンのバイコヌール基地からの打ち上げに失敗した。

07/02/06
Azyarets動力相は5日、ベラルーシの原発建設計画を発表した。原発2基を建設する計画で、1号機は2014年、2号機は2016年に運転を開始する。Azyaretsによると、2基の原発が稼働すると毎年50億立方mのガスの代替となり、エネルギー需要の半分を供給する。建設予定地には、ロシア国境から100kmのモギリョフ州Chavusyが考えられている。

07/02/07
ルカシェンコ大統領は6日、最近のロシアによるガス・石油価格の値上げは、同胞に対する野蛮行為であると非難した。そして、ロシアとの連邦は支持するが、ベラルーシがロシアの一部になることはない、と述べた。

07/02/09
ヨーロッパ議会議長Poetteringは8日、ルカシェンコ大統領に対しすべての政治犯を直ちに釈放するよう求めた。Poetteringによると、EUはベラルーシ政府との話し合いを進める用意はあるが、そのためには民主化へ取り組みが条件である。

07/02/12
警察とKGBは10日、ミンスク近郊の家に集まっていたベラルーシ学生連盟(ZBS)の活動家26人を検挙した。ZBSは、反大統領のキャンペーンを理由に2001年に活動を禁止された。拘留されたンバーは、ビデオと写真撮影の後に釈放された。

07/02/13
ルカシェンコ大統領は12日のエコーモスクワ・ラジオとのインタビューで、ベラルーシの外交政策に変更はないと述べた。「エネルギー問題を理由にロシアと仲違いしてベラルーシが西側や米国に近寄ると思うなら、計算違いである」と述べた。

07/02/14
リトアニアのAdamkus大統領はワシントンで13日、リトアニアからベラルーシ側へ、石油輸送ルートの提供を提案したと述べた。現体制を支持するものではなく、ベラルーシ国民の必要に答えるためだ、とAdamkusは述べた。

07/02/16
司法省は15日、ベラルーシ女性の希望党、ベラルーシ共産党、ベラルーシ社会民主党が合同した、左翼連合の政党登録を外国で大会を開いたとして登録拒否した。左翼連合は、ミンスクで会場の確保ができなかったので、ウクライナのチェルニゴフで大会を開いた。

07/02/21
ベラルーシ人世界連盟は20日、ベラルーシ南部Kobrynに予定されている正教会の建設に反対する請願を政府に提出した。教会には、1794年、ベラルーシ生まれのポーランド人、Kosciusに率いられたポーランド解放運動を弾圧したロシアの司令官、Suvolovの名前がつけられる予定になっている。

07/02/23
ベラルーシ政府は22日、ガス・石油代金の値上げに関連して、ロシア政府に対し15億ドルのローンを要望した。ベラルーシの外国負債は1月には8億3800万ドルだったが、2007年末には最大20億ドルと見込まれている。

07/02/23
ルカシェンコ大統領は22日、チェルノブイリ原発と原発職員の町スラブチッチの間の鉄道や道路での国境検問を簡素にする協定を承認した。チェルノブイリとスラブチッチはどちらもウクライナ領にあるが、途中でベラルーシ領を通過する。

07/02/26
反対派統一市民党の活動家Dzyanisauの家族は26日、2月16日に彼がゴメリで拘留された後に音信がとれなくなったと述べた。Dzyanisauの行方について、家族は検察に問い合わせたが、返事を得られなかった。

07/02/27
前大統領候補で矯正キャンプに収監されているKuzulin、彼の妻Irina、Kazulinとともに収監されていたSkrabetsが、Kazulinの釈放を世界中の学者と学生に訴えるキャンペーンをはじめた。Kazulinは昨年、現体制に抗議して53日間のハンガーストを行った。

07/02/28
ロシアの極右活動家Kanurinは27日、ルカシェンコ大統領をロシアの次期大統領選挙候補に推すキャンペーン「ルカシェンコ2008」(lukashenko2008.ru)を立ち上げた。ルカシェンコがロシアの市民権をもっていないことについてKaurinは「技術的問題だ」と返答した。


2007年1月

07/01/03
2006年12月31日、ガス供給契約が切れる2分前に、ベラルーシとガスプロムは2007-2011年のガス供給契約に署名した。2007年度のガス価格は、1000立方m当り、2006年の46.68ドルから100ドルに値上げされる。そして、2011年まで徐々に値上げされ、西側への輸出価格と同じになる。また、ガスプロムは、ベラルーシのガス配給公社の50%の株を取得し25億ドルを支払う。

07/01/03
ルカシェンコ大統領は1月1日、「ベラルーシの土地を狙っている勢力が、経済的・社会的な混乱をしかけている。制裁や孤立で脅したり、何世紀もの友好関係を壊そうとしている」と新年の演説で、西側やロシアを批判した。

07/01/03
第1副首相Syamashkaは2日、ガス代が1000立方m当り150−153ドルになり、電気代、暖房代も値上げが必要になるだろう、と述べた。

07/01/05
ベラルーシ政府は3日、ベラルーシのパイプラインを通ってロシアからヨーロッパへ輸出される石油に対し、1トン当り45ドルを徴収すると発表した。昨年12月、ロシアからベラルーシへ輸出される石油に対し、ロシア政府が1トン当り180ドルの関税をかけたことに対抗したもの。

07/01/08
ベラルーシ政府は6日、ロシア石油の領内通過についてモスクワと交渉をはじめると発表した。ベラルーシ政府は3日、ロシアがベラルーシへの石油輸出について1トン当り180ドルの輸出関税を課したのに対抗し、ベラルーシの石油パイプラインを通過するロシア石油に対し1トン当り45ドルを徴収すると発表している。

07/01/10
石油関税に関連してモスクワで9日に予定されていたベラルーシとロシアの協議は開催できなかった。ベラルーシ経済省次官Naydunouは、ロシア側の準部不足を批判した。

07/01/11
ルカシェンコ大統領とプーチン大統領の電話会談の後、ベラルーシは10日、ロシアから西側への石油輸送への課税を撤回し、石油パイプラインが再開された。

07/01/16
ベラルーシで14日に地方議会選挙が行われ、中央選管によると、事前投票を含めた投票率は79%だった。1581の地方議会で、まだ議席が決まっていないのは15議席だが、反対派が獲得したのはほんのわずかだった。

07/01/17
ドイツ政府は15日、ベラルーシの地方選挙は民主的な基準を満たしていなかった、と発表した。「反対派選挙キャンペーンの妨害、反対派候補へのいやがらせ、反対派活動家の逮捕などがEUに報告されている」と声明は述べている。

07/01/18
ベラルーシの数人の知識人が17日、12月19日から拘留されている、科学アカデミー地質化学・地質物理研究所の研究者Lukashouの即時釈放を要求する声明を出した。Lukashouは昨年3月の反対派行動の際に、逮捕に抵抗したとして罪に問われている。

07/01/19
中央選管は18日、地方選挙の最終結果を発表した。投票率は79%で、2万2661議席のうち2万2639議席が確定した。22議席については第2回投票が行われる。

07/01/22
ルカシェンコ大統領は19日、「隣国が我々を助けなくても、ベラルーシは安いエネルギー源を求めて戦う」と述べた。一方、統計省によると、ベラルーシの517の企業、全体の23%が2006年1月-11月に赤字だった。また、1月20日からガソリンが5%値上げされ、1リットル当り2100ルーブル(0.98ドル)となった。

07/01/23
ベラルーシ上院は22日、Yamoshnya中央選管議長の再任と、6人の中央選管の新メンバーを承認した。中央選管12人のうち、6人を上院が選んで残りの6人は大統領が指名する。Yamoshnyaは1992年に中央選管メンバーになり、1996年から議長を続けている。

07/01/24
ルカシェンコ大統領は23日、ロシアからパイプライン下の土地の借用料を徴収すると述べた。大統領によると、ロシアからのガス代値上げや石油の課税により、ベラルーシは2007年に35億ドルの損失を蒙る。

07/01/25
Korbut財務相は24日、最近のエネルギー価格上昇に関連して2007年予算の修正案を大統領に提案した。歳入が9000億ルーブル、支出が1兆3000億ルーブル増加し、歳入40兆4000億ルーブル(188億ドル)、歳出41兆8000億ルーブル(195億ドル)となり、赤字はGDPの1.5%となる。

07/01/26
ルカシェンコ大統領は25日のドイツ紙とのインタビューで、ベラルーシはヨーロッパや米国からの投資を必要としている、と述べた。「西側エネルギー会社がベラルーシのパイプライン網を所有していたら、ロシアはベラルーシのパイプラインをねらって熱狂的にはならなかったろう」と語った。

07/01/29
ルカシェンコ大統領は26日、ベラルーシを経由するロシアの石油に新たな税金を課すと警告した。今月はじめ、ロシアの原油に通過税を課すと発表したが、その後の交渉で取り消していた。

07/01/30
ベラルーシ政府は29日、1月1日からガスと電気料金を20%値上げすると発表した。暖房代は12%値上げする。

07/01/31
ベラルーシの石油化学会社Belnaftakhimは30日、ロシアの石油会社と2007年の契約を結んだ。ロシア石油の価格は1トン当り240ドルで、ほぼ2006年と同じになった。つまり、ロシアで導入された1トン当り53ドルの輸出税はロシア側の負担となる。

07/01/31
ルカシェンコ大統領は30日、「クレムリンはベラルーシの消滅を狙っている。我々は西側と新たな関係を作る必要がある」と述べた。