ベラルーシ国内ニュース

2007年4-6月


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2007年6月

07/06/04
ミンスクのSt. John Divineプロテスタント教会のBakun牧師が3日、礼拝中に逮捕され、拘置所に収容された。Bakun牧師は5月27日にも「不許可礼拝を行った罪」で逮捕され、翌日290ドルの罰金刑を受けている。

07/06/05
ミンスク地区裁判所は4日、学生に対する特典取り消しに抗議する1日の不許可デモに参加した6人の学生に、3日から5日の拘留を判決した。デモは公共交通機関の学割廃止などに抗議したもの。

07/06/06
最近釈放された反対派政治家Stakevichは5日、元大統領候補Milinkevichに率いられている「EU連合」の旗の下に反対派が結集するよう訴えた。先月の反対派大会では、Milinkevichに代わって4人の共同議長が選出されている。

07/06/07
反対派青年組織「青年戦線」は6日、ミンスク市執行委員会に対し、6回目の組織登録申請を行った。青年戦線の活動家は、5月に4人が罰金刑を受け、昨年11月にはリーダーの一人のDashkevichが18カ月の刑を宣告されている。

07/06/08
ベラルーシ人民戦線副議長Ivashkevichは7日、反対派は10月に「自由のためのヨーロッパ行進」と名付けた2万人のイベントを行うと発表した。それに向けて、7月27日のベラルーシ独立記念日にコンサートを行う。

07/06/11
政府系労働組合FPBのKozik議長は9日、EUへの最恵国待遇の陳情に関連して、外国労働組合リーダーのサインを偽造したという疑惑を否定した。EU側によると、ベラルーシ政府がFPBに対し外国労働組合の支持をとりつけるよう要請し、FPBは16カ国の労組リーダーが署名した陳情書を作成した。

07/06/12
在ベラルーシ・ロシア大使Surikovは11日、ベラルーシはロシアへのガス代の負債を今年中に支払う必要があるとのべた。ベラルーシ第1副首相Syamashkaによると、先月でのロシアへのガス代負債は4億ドル。

07/06/13
国連人権評議会のSeverinは12日、ベラルーシ政府はこの3年間協力的でなく、2006年のベラルーシでの人権の状況は次第に悪化していると述べた。国連人権評議会は、反対派政治家・ジャーナリストの失踪や殺害についてベラルーシ政府の責任を調査するべきだ、と加えた。

07/06/14
ベラルーシ反対派の政党やNGOの代表約100人が13日、リトアニアのビリニュスで2日間の会議を開いた。統一市民党のLyabedzkaによると、会議の目的は先月の反対派大会で承認されたガイドラインに沿って行動計画を作ること。ビリニュスで開いた理由は、「爆弾が仕掛けられたといって、警官が妨害にくることはない」からである。

07/06/15
ブッシュ米国大統領は14日、ベラルーシのルカシェンコ大統領と高官9人に対する国内資産凍結特別措置を1年間延長すると発表した。この措置は、昨年3月のベラルーシ大統領選挙が不正だったとして昨年6月に発動された。

07/06/18
EU通商コミッショナーMandelsonは15日、ベラルーシ国内での労働者の権利が守られていないことを受けて、EUはベラルーシに対する貿易恵国待遇を撤回するだろうと述べた。この措置によりベラルーシからの輸入関税は3%増加し、ベラルーシからEUへの輸出の10%に影響すると見られている。

07/06/19
反対派リーダーMilinkevichは18日、彼が主導する「自由への運動」を法務省に登録申請すると発表した。この3年間に200以上のNGOが解散させられており、「自由への運動」の登録が認められるかどうかは政府のこれからの姿勢を反映する。

07/06/20
反対派リーダーMilinkevichは19日、国連人権委員会によるベラルーシ人権モニター担当官の廃止は、ベラルーシでの民主化闘争への打撃となり、国連に対する評価を著しく損なうものだ、と批判した。ベラルーシ人民戦線のVyachorkaは、民主勢力は今後、国連ではなくEUや米国に期待しようと述べた。

07/06/21
ベラルーシ外務省報道官Papouは20日、国連人権評議会のベラルーシ人権モニター担当官の廃止を歓迎すると述べた。一方、米国国務省報道官McCormackは、「国連人権評議会はイスラエル問題に集中しすぎており、ベラルーシとキューバの人権モニター担当官の廃止は偏っている」と発表した。

07/06/22
ベラルーシ外務省は21日、ベラルーシの貿易恵国待遇を廃止したEUの措置を再考するようEUに求めた。廃止措置によりベラルーシからEUへの関税が約10%増加する。

07/06/25
ミンスクで22日、政府よりのNGO「Belaya Rus」の結成大会が開かれた。ミンスク市議会メンバーのPiharauは「Belaya Rusはベラルーシ最大のNGOとなり、政府と数百万人の国民とをつなぐ役割をはたすだろう」と語った。

07/06/26
検事総長Miklashevichは25日、国営石油企業前総裁Barouskiは、横領、職権濫用、秘密情報漏えいの罪で起訴されていると述べた。Barouskiは、他の国営企業トップなどとともに先月ベラルーシKGBによって逮捕されていた。

07/06/27
中央選管は26日、期限付き雇用制度の改定を求めるグループの登録を拒否した。グループは、下院での審議に必要な5万人の署名を集める予定だった。ルカシェンコ大統領は2004年、以前の終身雇用に替えて、国営企業に期限付き雇用を導入した。

07/06/28
大統領の公式ウェブサイトは7日、ロシア語版、英語版に加えて、ベラルーシ語版の掲載をはじめた。1991-1993年はベラルーシ語だけが公用語だったが、ルカシェンコ大統領就任後の1995年の国民投票でロシア語が公用語として追加された。それ以降、公的な場でのベラルーシ語の割合は実質的に消滅した。

07/06/29
ルカシェンコ大統領は28日、ミンスク訪問中のロシア外相Lavrovと会談し「ロシアに対して隠すような秘密は何もない」と語った。一方Lavrov外相は「ベラルーシとロシアの関係は、外交関係以上のものである」と述べた。



2007年5月

07/05/02
5月1日、ミンスクのメーデー集会に数百人が参加した。参加者は、政治犯の釈放などを政府に要求する決議を採択した。

07/05/04
ミンスク地区裁判所は3日、未登録青年組織「青年戦線」のリーダーFedarukに対し、4月26日の「チェルノブイリへの道」で不許可デモを行ったとして、93万ベラルーシルーブル(435ドル)の罰金を言い渡した。

07/05/07
ミンスク地区裁判所は4日、反対派ベラルーシ社会民主党の議長代行Lyaukovichに対し、5月1日に不許可デモを行った罪で62万ルーブル(290ドル)の罰金を言い渡した。当局は、人民友好公園での集会に許可は出したが、デモ行進は許可しなかった。

07/05/09
未登録青年組織「青年戦線」はミンスクで7日に大会を開き、議長にFedaruk、副議長にKorbanを選出した。また、青年戦線の公式登録を政府に申請する方針を決めた。これまで、青年戦線は多くの活動家が、未登録活動を理由に逮捕されて来た。

07/05/10
ルカシェンコ大統領は対独戦勝62周年記念日の9日、6000人の退役軍人デモの先頭を行進した。演説のなかで、「"民主主義のパルチザン"を唱えて、ベラルーシで色つき革命を行う企みは、ベラルーシ人民によって拒否されるだろう」と述べた。

07/05/14
ルカシェンコ大統領は11日、2007年第1四半期の経済にスローダウンの傾向が認められると述べた。しかし、部分的にはよくない兆候があるが、全体としては年8.5%のGDP成長が見込まれると述べた。

07/05/14
ユーシェンコ大統領とヤヌコービッチ首相は12日キエフで会談し、早期選挙に必要な立法措置を5月16日の最高会議で採択することで合意した。一方、与党会派のまとめ役Bohatyryova議員は、ユーシェンコ大統領は妥協点を見いだすのではなく、2004年の憲法改定を無視していると批判した。

07/05/15
5月26-27日にミンスクで予定されている「第2回民主勢力大会」に向けて、各地域での代表約600人がこの数週間に選出された。しかし、主催者はまだ会場を借りることができていない。大会では、「統一民主勢力評議会」のリーダーを1人に絞るか、代表を交代制にするかが議論される。

07/05/16
ベラルーシ当局は15日、米国人プロテスタント牧師Toddの居住許可を取り消して国外追放した。当局によるとTodd牧師はベラルーシ国家の安全を脅かす活動を行っていた。

07/05/17
ミンスクのBernardine修道院の前に数百人が集まって、修道院のホテルへの改築計画に抗議した。17世紀に建設されたカトリックの修道院は現在、古文書館となっている。

07/05/18
17日に開かれた国連総会で、ベラルーシは国連人権評議会のメンバー国に選ばれなかった。東ヨーロッパからはベラルーシとスロベニアがメンバー候補になっていたが、ベラルーシについては国際人権グループが反対していた。

07/05/21
ベラルーシ政府とロシアのガスプロムはミンスクで18日、ベラルーシのガス供給公社Beltranshazの株式の50%をガスプロムが購入する契約に調印した。50%の株の購入価格は25億ドルで、12.5%ずつ4年間に分けて購入する。

07/05/22
ミンスク地区裁判所は21日、ベラルーシ人民戦線のYanukevichと統一市民党のPalevikovaに対し、4月26日にチェルノブイリ事故追悼のデモを組織した罪で、93万ルーブル(435ドル)と75.5万ルーブル(353ドル)の罰金を言い渡した。判決によると、デモが交通を妨害した。

07/05/23
裁判所は22日、服役中の反対派リーダーStatkevichとSevyarynetsを刑期前に釈放することを決定した。両者は2004年の選挙と国民投票の際に不許可デモを行った罪で、2005年に3年の刑を受けていた。一方、最高裁判所は、前大統領候補Kazulinの上告を棄却した。Kazulinは2006年に5年半の判決を受けている。

07/05/23
ルカシェンコ大統領は、ミンスク訪問中のイラン大統領アフマディネジャドとともに22日に記者会見を行い、エネルギー問題でイランに協力を要請したと述べた。「我々は国際社会、地域社会での相互理解、相互援助で一致している」とルカシェンコ大統領は述べた。

07/05/24
ベラルーシ下院は23日、一部の人々への国家補助削減法案をほぼ満場一致で採択した。法案には、学生や「退役労働者」への交通費割引の引き下げ、電気代割引対象者の削減などが含まれている。労働福祉大臣Patupchykによると、1700億ルーブル(8000万ドル)の財政節約になる。

07/05/25
外務省報道官Papouは24日、反対派リーダーStatkevichとSevyarynetsの釈放は、EUの貿易恵国待遇問題とは関係ないと述べた。一方、ヨーロッパ委員会キエフ事務所のHolzapfelも、反対派2人の釈放は、ベラルーシの貿易恵国問題には影響しないと述べた。

07/05/29
約600人の代表が参加してミンスクで26-27日に反対派による民主勢力評議会大会が開かれ、Milinkevich代表が退いて、4人の共同代表制となった。共同代表は、統一市民党Lyabedzka、ベラルーシ人民戦線Vyachorka、ベラルーシ共産党Kalyakin、社会民主党Lyaukovichの4人である。

07/05/30
ミンスク地区裁判所は29日、青年戦線の活動家4人に対し、未登録団体の活動をした罪で、罰金刑を言い渡した。29日の判決は、これまでの禁固刑に比べると緩やかだった。

07/05/31
ベラルーシKGBは29日、国営石油化学会社Belnaftkhimの社長Barouskiとその他国営・民営企業のトップを汚職容疑で逮捕した。Belnaftkhimからの輸出は、ベラルーシ全体の輸出の4分の1以上を占めている。





2007年4月

07/04/02
ルカシェンコ大統領は4月2日、ベラルーシ・ロシア統一デーのメッセージをベラルーシとロシア市民にあてて発表した。「ベラルーシ・ロシア市民統一デー」は。1996年4月2日、ルカシェンコとエリツィンの間で調印されたベラルーシ・ロシア統一協定にちなんでいる。そして1999年12月8日に、ベラルーシ・ロシア連邦条約が調印された。

07/04/04
国立銀行副総裁Kalaurは3日、ベラルーシの百万ドル長者の数を決める方法はない、と述べた。先週、民間銀行Priobank頭取Katsyuchenkaが、ベラルーシの百万ドル長者の数は7000から1万人であり、そのうち1000人の資金を銀行に貯金させれば10億ドルが集まる、と述べたのに答えたもの。

07/04/05
ミンスク地区裁判所は4日、反対派Siuchykに対し「ささいなフーリガン」の罪で有罪としたが、刑は科さずに釈放した。Siuchykは3月13日に、刑事犯人に似ているとして逮捕され、のちに公衆の場で小便した罪に変更されていた。

07/04/10
ルカシェンコ大統領は8日、正教の復活祭ミサに参加し、「ベラルーシの状況は完全に管理されている」、「彼らは我々に跪かせようとしているが、我々は自由で独立している」と語った。

07/04/12
反対派統一市民党メンバーDzyanisauが11日、1550万ルーブル(7260ドル)の保釈金でビテプスクの拘留センターから釈放された。Dzyanisauは、昨年夏の野外コンサートで暴動を煽るビラを配ったとして、今年2月16日に逮捕された。

07/04/13
ルカシェンコ大統領は12日、彼の長男Viktarを後継指名する意志のないことを明らかにした。大統領には2人の息子がいることが知られているが、「1番目や2番目は大統領にならないが、3番目がなるかも知れない」と述べ、3人目の子どもがいることを示唆した。

07/04/16
ベラルーシ反対派リーダーらは12日、リトアニアのビリニュスで会合をもち、第2回民主勢力大会を5月に開催することで合意した。これまで大会に反対してきた、元大統領候補Milinkevichも大会開催に合意した。

07/04/17
ルカシェンコ大統領は15-16日インドを訪問した。「ロシア、中国とならんでインドは大事なパートナーである」と大統領は述べた。

07/04/19
ミンスク地区弁護士会は18日、Rynkevich弁護士が反対派元大統領候補Kazulinの弁護を辞任することについて了承した。Rynkevichによると、辞任の理由は、Kazulinの弁護に関連して当局から同僚へかかる圧力である。

07/04/20
EC議会評議会は18日、ベラルーシの人権状況への関心をEU各国政府が増大するようにうながす決議を採択した。

07/04/20
政府選出の憲法裁判所判事Lukashは19日、大統領令の審議は数日中に非公開ではじまるだろう、と述べた。一方、最高会議前議長のLytvynは、「ウクライナ国民は、憲法裁判所もならずものの集まりだと思っている」と述べた。

07/04/23
ミンスク市執行委員会は20日、反対派が26日に予定しているチェルノブイリ事故21周年のデモに許可を出した。しかし、許可されたデモコースが申請と異なるため、デモ主催者は提訴を検討している。

07/04/24
ルカシェンコ大統領は24日、上下両院合同会議で演説し、今年はじめのガスや石油の問題に関わらずロシアとの統合政策を維持すると述べた。また、石油の供給源を、ベネゼエラ、イラン、アゼルバイジャンなどの友好国に分散する必要を強調した。

07/04/25
ルカシェンコ大統領は24日の議会演説で、多面的な外交の必要を訴えた。中でも、中国との関係が重要であると述べた。

07/04/25
大統領令の合憲性についての憲法裁判所のヒアリングは「最終段階」に入っている。憲法裁判所のまわりは警官が警備し、与党支持派と大統領支持派がピケをはっているが、衝突は起きていない。

07/04/26
米国国務省ヨーロッパ問題次官Kramerがミンスクへ23日に到着し、反対派政治家、失踪政治家なの家族などと会談した。Kramerは、米国とベラルーシとの関係改善には、政治犯釈放、反対派弾圧の停止など最低限の民主化措置が必要と述べた。

07/04/27
チェルノブイリ原発事故21周年の26日、ミンスクの「チェルノブイリの道」行進に数千人が参加した。反対派リーダーも加わったが、前大統領候補Milinkevichは、当初予定のデモコースが許可されなかったことを理由に参加しなかった。デモの終点で約20人の青年が拘留されたがじきに釈放された。

07/04/30
ミンスク州とゴメリ州で29日、5月26-27日にミンスクで予定されている「第2回民主勢力大会」の代表を選ぶ州大会が開かれた。5月の大会で注目されるのは、前回の2005年の大会で選出された反対派統一大統領候補Milinkevichがリーダーにとどまるかどうかである。