ベラルーシ国内ニュース

2007年7-9月


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2007年9月


07/09/04
ロシア外務大臣Lavrovは3日、「ロシアがベラルーシに核兵器を配備する計画はない。ベラルーシは非核宣言をしており、この問題は存在しない」と述べた。

07/09/04
IMFは8月31日、ガス価格の上昇と石油の値上がりにより、ベラルーシは2012年までにGDPの10-15%を失うだろうという見通しを発表した。ベラルーシのロシアへのガス支払いは、今年は昨年の2倍になった。

07/09/05
Salihorskの裁判所は4日、16歳のIvan Shylaに対し、未登録反対派政治団体、青年戦線での活動に対し警告を与えた。Nyasvizhでは同日、18歳のNasta Azarkaに対し、120万ルーブル(580ドル)の罰金刑が言い渡された。

07/09/06
ベラルーシは5日、イラン国内での油田探査に関する契約にテヘランで調印した。イラク国境近くのJofeil油田での探索権により、日量3万バレルの生産を見込んでいる。

07/09/07
EC報道官Hohmannはブリュッセルで6日、ベラルーシでの反対派青年活動家の逮捕を批判した。前日、青年2人に7日間の拘留、5人に罰金の判決があった。ベラルーシがEUとの関係改善を望むなら、国内の民主化をすすめるべきである、とHohmannは述べた。

07/09/10
歴史的戦闘の記念集会を行おうとした数十人の反対派青年が8日から9日にかけて警官隊に拘留された。9月8日は、1514年に3万人のリトアニア大公国軍が8万人のロシア軍をOrsha近くのドニエプル河畔で破った記念日である。1994年以来ベラルーシ人民戦線や反対派は、ベラルーシ軍栄光の日としてきた。

07/09/10
反対派政治家Klimauが8月1日に、非公開の裁判で2年間の禁固刑を受けていた。インターネットで大統領を侮辱し革命を呼びかける論文を掲載したという罪。Klimauは、1996年に大統領弾劾に賛成署名して、1998年から4年間服役、さらに2005年6月から18カ月の「自由制限」を受けて昨年12月に釈放されていた。

07/09/11
ミンスク、ゴメリ、ビテプスクで10日、約1000人の小企業経営者が、雇用制限に関する大統領令に反対して集会を開いた。2006年12月に発布された大統領令によると、2008年より、家族3人以外に他人を雇うことは禁止される。「数万人の人々が職を失い、国家が損失を蒙る」と集会はアピールした。

07/09/12
下院議長Kanaplyouは11日、健康問題を理由に議長辞任を表明した。Kanaplyouは1994年以来のルカシェンコ支持者である。「この段階でのKanaplyouの辞任は、次期議長に大統領の息子ビクターを据えようとするサインかも知れない」と政治評論家は述べた。

07/09/17
最高裁判所は14日、ベラルーシの重要軍事機密を漏えいしたとして、4人の軍人に懲役10年までの有罪判決を下した。彼らは、軍事施設の情報をポーランドに渡したとされている。

07/09/19
統計分析省によると、2007年はじめの7ヶ月間のベラルーシの対外貿易赤字は20億ドルに達した。昨年同期は9億ドルだった。赤字増加の原因は、エネルギー、原材料の値上がりで、ロシアからのガス価格上昇によりエネルギー分野の赤字が7億9000万ドルになった。

07/09/20
国立銀行前総裁Bahdankevichは19日、ベラルーシの経済は危機寸前であると述べた。2007年前半の貿易赤字は15億ドルで、政府の対外負債総額は2011年には国家財政の半分以上になるだろうが、当局は問題を直視していない、と述べた。

07/09/24
ルカシェンコ大統領は22日、ゴメリ州Rechytsaで開かれた収穫祭で、今年の収穫量に満足を表明した。今年の穀物収穫量は750万トンで1ヘクタール当り3.1トンだった。昨年の収穫は590万トンだった。一方、農業専門家Nikichankaによると、今年の収穫量は150万トンほど水増しされている。

07/09/25
ミンスク地区裁判所は24日、反対派活動家Navitskiに対しフーリガン行為を理由に10日間の拘留刑を言い渡した。Navitskiは21日、「不法移民労働者の捜査」のために彼のアパートにやってきたKGB係官によって逮捕されていた。

07/09/26
ベラルーシ人民戦線副議長Ivashkevichとベラルーシ共産党副議長のUkhnalyouがミンスクで25日、カフェから出てきたところを警官に拘留された。Ivashkevichは、反対派が10月14日にミンスク予定している「自由へのヨーロッパ行進」の組織委員会代表である。

09/07/27
グロードゥノ地区裁判所は26日、ベラルーシ人民戦線メンバーSkrabutanに対し、公共の場で不適切な言葉を使ったとして5日間の拘留刑を言い渡した。ブレストでは同日、青年活動家Sharendaに対し8月に不許可集会に参加したとして15日の拘留刑が言い渡された。これら反対派の拘留は10月にミンスクで予定されている「自由へのヨーロッパ行進」と関連していると見られている。



2007年8月

07/08/01
Sidorski首相は7月31日、国営の大企業のうち31%が赤字であると発表した。また、統計分析省によると、2007年前半の貿易赤字は昨年に比べ93%増加し、約18億ドルに達した。ロシアとの貿易が全体の48.3%を占めている。

07/08/02
ガスプロムは1日、2007年前半のガス代4億5600万ドルが未払いのため、ベラルーシへのガス供給を8月3日から45%削減すると発表した。モスクワで行われていた政府間交渉は合意に至らなかった。ベラルーシ経由の第3国へのガスは通常通り送られる。

07/08/03
ルカシェンコ大統領は2日、ロシアへのガス代借金4億6000万ドルを直ちに支払うよう命じた、と発表した。大統領は「ロシアは、企業だけでなくベラルーシそのものの民営化をねらっている」と批判した。さらに、「Sidorski首相はモスクワ訪問で屈辱的な扱いを受けた。次は私をクレムリンで跪かせようとしているが、私は行かない」と述べた。

07/08/03
ルカシェンコ大統領は2日、インターネットの「無政府状態」に終止符を打つべきだと述べた。「この偉大な技術を情報ゴミ箱のように使うべきではない」と述べ、ポルノのように法的に規制することを述べた。

07/08/06
ベラルーシは2日、ガスプロムへのガス代負債4億5600万ドルのうち1億9000万ドルを支払った。ガスプロム側は3日、あと一週間以内に残りを支払わねば、ベラルーシへのガス供給を30%削減すると発表した。

97/08/07
反対派リーダーMilinkevichは6日、グロードゥノ市の歴史的建造物を破壊から救うよう、ヨーロッパ評議会のDavis事務総長に書簡を送った。グロードゥノでは、当局の都市再開発計画によって、18世紀に建てられた70のビルが取り壊されようとしている。

07/08/08
ベラルーシ政府は8日、ガスプロムへの負債4億5600万ドルを支払った、と発表した。ガスプロムは先週、借金を払わないとガス供給を45%削減するとベラルーシに支払いを迫っていた。

07/08/09
反対派青年活動家Shydlouskiは8日、15日間の拘留刑を終えたところで、さらに5日間の拘留刑を宣告された。彼は7月24日、公衆の前でわいせつなことを叫んだとしてKGBに逮捕されたが、7月25日の法廷に証人が現れず釈放された。しかし、ただちに別の容疑で再逮捕され15日の拘留刑を受けた。8月8日に釈放されたところで、はじめの罪の刑を宣告されたもの。

07/08/10
建設建築大臣Selyaznyouは9日、2009-2010年にミンスク市で大建築プロジェクトを行うと発表した。現在のミンスク第1空港を撤廃し、4万人分のアパートと80階建てビルを含むビジネスセンターを建設する。

07/08/13
最近結成された反対派「自由への運動」メンバー300人以上が11日、ミンスク郊外で「バーベキュー」を開いたところ、夜の10:30に警官隊が解散させ、スピーカーを押収した。

07/08/15
ベラルーシ反対派は14日、「ヨーロッパへの行進」集会を10月14日に実施する申請をミンスク市当局に提出した。参加を予定しているのは、ベラルーシ人民戦線、統一市民党、自由への運動など。

07/08/16
国立銀行は15日、2008年の通貨政策として、対ルーブル固定相場から対ドル固定相場へ移行する意向を発表した。ロシアのNechaev経済相は同日のラジオで、ロシア・ベラルーシ統一通貨導入に対する「別れのキスだ」と述べた。

07/08/17
警官隊は16日、政治的弾圧を受けている人々との連帯を訴えるためミンスク市内の教会前に集まった反対派青年活動家の集会を妨害した。青年らは、通りかかったトロリーバスに押し込められてミンスク郊外へ連れて行かれた。

07/08/21
統計分析省によると、ベラルーシ国営企業444のうち20.3%が2007年前期に赤字であった。赤字の合計は1億ドルで前年より27%増加した。

07/08/22
投資顧問会社Standard and Poorは21日、ベラルーシの長期国債に対しB+というランク付けを発表した。ベラルーシ財務省は、外国投資が増えるものと期待し、ランク付けを歓迎するコメントを出した。

07/08/23
ミンスクで22日警官隊が、個人の家で行われていた「自由演劇」を襲撃し、約50人の俳優と観客を一時拘留した。劇場リーダーのKhalezinは、「警官は何の罪かも示さなかった。個人の家での芝居が犯罪か?」と語った。

07/08/24
警察は23日、「自由劇場」の手入れを再び行った。今回は、家の中に爆弾が仕掛けられたという容疑で、俳優と観客のチェックを行った。

07/08/27
法務省は24日、6つの反対派政党に対し、支部の数が法令の要件を満たしていないとして警告を出した。法令に基づくと、ミンスク市とすくなくとも4つの州で支部登録が必要とされているが、一般住宅を支部とすることは認められていない。警告を受けたのは、ベラルーシ人民戦線、ベラルーシ社会民主党など。

07/08/28
駐ミンスクのロシア大使Surikovは27日、米国のミサイル防衛システムに対抗して、ロシアがベラルーシに核ミサイルを配備する可能性を示唆した。ベラルーシ外務省報道官は同日、ミンスクとモスクワの間でそのような議論が行われたことはないと述べた。

07/08/29
駐ミンスクのロシア大使Surikovは28日、ベラルーシへの核兵器配備を検討しているという前日の発言を否定した。ソ連崩壊後ベラルーシはすべての核兵器をロシアに引き渡し、1996年に非核国家となった。

07/08/29
反対派リーダーMilinkevichの妻Kuleyは29日、ポーランドの大学が、政治的弾圧によりベラルーシで勉強できない学生60人以上を10月から受け入れると発表した。ポーランドはすでに、2006年3月の大統領選挙に関連して弾圧された学生200人以上を受け入れている。

07/08/31
ゴメリ地区裁判所は30日、国境税関でロシア語の申告書に記入を拒否したSyamyonauに対し罰金93万ルーブル(430ドル)を言い渡した。Syamynauは8月20日、ウクライナとの国境で、通訳を呼ぶかベラルーシ語の申告書をくれるよう係官に要求したが拒否された。

07/08/31
Drahichyn地区裁判所は、23歳のミンスク語学学校卒業生に対し、指名された職への就職拒否を理由に1800万ルーブル(8400ドル)の授業料を支払うよう命令を出した。彼女は、語学学校卒業後Drahichyn地区の学校の先生になるよう指名されたが、先生にはならずモスクワへ移った。



2007年7月

07/07/02
ベネズエラ大統領Chavezが6月29日ミンスクに到着しルカシェンコ大統領と会談した。「ベラルーシほど帝国主義からの強い圧力を耐えている国はない。アメリカを恐れることはない」とChavezは述べた。

07/07/03
ルカシェンコ大統領は、独立記念日のイブにあたる7月2日、ベラルーシは彼のリーダーシップのもとで安定し成功した国家になったと演説した。大統領は、ロシアによるガス価格上昇、EUの関税引き上げ、米国の経済圧力を批判した。

07/07/09
ルカシェンコ大統領は4日、ベラルーシのエネルギー供給に関連し、「我々は1つの国に依存しすぎている。他の供給国を求めて世界のはてまで探す必要がある」と述べた。また、エネルギー効率の改善や原発建設の必要を強調した。

07/07/11
ルカシェンコ大統領は10日、NATOの拡大とポーランドとチェコに計画されている米国ミサイル基地は、ベラルーシよりもヨーロッパ諸国にとってより危険であると述べた。「ヨーロッパ諸国は米国基地問題について沈黙しているが、沈黙のもたらす結果を我々は承知している」と大統領は述べた。

07/07/12
ベネゼエラ訪問中の政府使節団団長Sheymanは11日、石油生産の合弁事業などベネゼエラとさまざまな経済協力を行う用意があると述べた。

07/07/16
ベラルーシTVは15日、ベラルーシKGBがベラルーシ国籍4人とロシア国籍1人を、ポーランドのスパイ容疑で拘留したと報じた。KGBによると、5人はベラルーシとロシアの合同防空体制に関する情報を集めていた。

07/07/17
反対派政治家Milinkevichは16日、ポーランド留学中の学生に対して圧力をかけるのを止めるよう、KGBに手紙で申し入れた。Milinkevichによると、KGB職員が学生にベラルーシにもどるようさまざまな圧力をかけている。2006年3月の大統領選挙に抗議して退学となった、約300人の学生がポーランドで勉強している。

07/07/18
ルカシェンコ大統領は17日、KGB議長のSukharenkoとKGB第一次官のDzemyantseyを更迭した。Sukharenkoの後任には、大統領警護長官のZhadobinが就任した。

07/07/19
第一国防次官Hurulyouは18日、ロシアのようにベラルーシがヨーロッパ通常戦力条約(CFE)から脱退することはないと述べた。「我々は条約に調印しており、条約の必要性を認めている」とHurulyouは述べた。

07/07/19
ポーランドは20日、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアからの短期労働ビザを簡略にすると発表した。2004年のEU加盟後、自国労働者の国外流出で、ポーランドは毎年50万人の単純労働者を必要としている。

07/07/20
ルカシェンコ大統領は20日、先週のKGB議長の解任は、国家監査委員会議長Lomatsの襲撃事件に関係していることを間接的に認めた。「政府高官がKGB関係者によって街頭で襲撃されるようなことがあってはならない」と述べた。

07/07/23
ベラルーシ法務省は21日、反対派の前大統領候補Milinkevichが新たに作った「自由への運動」の団体登録を拒否した。法務省によると、運動の規約に欠陥があるため。「登録の有無に関係なく我々は運動を続けてゆく」と自由への運動の副議長Karnyayenkaは述べた。

07/07/24
ルカシェンコ大統領は23日、ガス代の未払い5億ドルをめぐってベラルーシ当局者がモスクワでガスプロムと交渉しているときに、国営の石油会社とガス会社のトップを更迭した。今年に入ってロシアからのガス料金は1000立方m当り100ドルに値上げされ、ベラルーシ側は7月23日までに未払い分を払う約束をしていたが払えなかった。

07/07/25
モスクワでガス代支払い交渉を行っているベラルーシ代表団は24日、ガスプロムに対し5億ドルの支払いを延期してくれるよう要請したが、結論は出なかった。ベラルーシの外貨準備は総額30億ドルと言われている。

07/07/26
反対派リーダーMilinkevichは25日、この5日間にベラルーシ全国で60人以上の反対派活動家が逮捕された。7月27日のベラルーシ独立宣言17周年の集会に対する当局の対応と見られている。

07/07/27
先週解任されたKGB前議長Sukharenkoは26日の新聞インタビューで、大統領に対しての忠誠を述べた。そして、KGBと内務省の対立が解任の理由になったというウワサを否定した。

07/07/27
大統領は26日の政府会議で、今年の穀物収穫量を心配していると述べ、8月半ばまでに収穫を終えるよう指示した。政府関係者は少なくとも700万トンの収穫を予測していると述べた。昨年は690万トンの予定だったが結果は590万トンだった。

07/07/30
警官隊は27日ミンスクの独立広場を封鎖し、ベラルーシ独立宣言17周年の不許可集会を開こうとした反対派を排除した。統一市民党議長Lyabedzkaやベラルーシ人民戦線議長Vyavhorkaら数十人が拘留されたが、多くは数時間後に釈放された。

07/07/31
ベラルーシ首相Sidorskiは30日、ロシア政府に対し、経済安定化ローンの供与を申し入れた。今年1月ガス代が値上げされた際には15億ドルのローンを申し込んだ。ベラルーシの経済専門家の見解では、ローン申し込みは合意に至らず、双方の大統領間で決定されるだろう。