ベラルーシ国内ニュース

2008年1-3月


安全研 究グループのホームへ


2008年3月

08/03/03
ベラルーシ第1副首相Shamashkaは29日、ミンスク訪問中のウクライナ副首相Turchynovとの会談の後、ベラルーシの原発建設についてウクライナの専門家が支援する可能性を述べた。ベラルーシ当局の計画によると、原発は2018年から稼働の予定。

08/03/04
ベラルーシ内務相Navnauは3日、Kazulinに恩赦を与える根拠はないと述べた。Kazulinは、釈放されずに残っているベラルーシ最後の政治犯とみなされている。

08/03/05
ミンスク州のSalihorsk地区裁判所は3日、小ビジネス経営者Shylaに対し、不許可集会に参加した罪で15日間拘留の刑を言い渡した。Shylaは、3月2日にSalihorskで開かれた、政府のビジネス規制に反対する集会に参加した。

08/03/07
ルカシェンコ大統領は6日、国際アイスホッケー連盟会長Faselと会談し、ベラルーシ・オリンピック委員会の名前で彼を表彰した。大統領は熱烈なアイスホッケーファンで、Fasel会長は2014年のアイスホッケー・ワールドカップがベラルーシで開かれる可能性を示唆した。

08/03/10
ベラルーシ政府は7日、米国の対ベラルーシ制裁措置に関連して、駐米大使Khvastouを召喚した。米国政府昨年11月に、ベラルーシへの制裁措置として、ベラルーシ国営石油会社Belnaftkhimの米国資産を凍結している。

08/03/11
複数の高名な原子物理学者が、原発建設計画を放棄するよう表明した。9日に開かれた会議で、情報技術国際アカデミーのFyadzyyushkinは、「ベラルーシでの原発建設は人々に困難をもたらすもので、ベラルーシの現状に即したものではない」と述べた。

08/03/13
米国国務省次官Kramerは12日、ベラルーシ政府がKazulinを釈放しないことが、米国とベラルーシとの関係を悪化させていると述べた。

08/03/17
ベラルーシ政府は14日、国連事務総長Ban Ki-moonに対し、米国財務省によるBelnaftakhim資産凍結措置の不当性を訴えた。米国政府はベラルーシに対し、Belnaftakhim社の資産を凍結するとともに、米国企業に対し同社との取引を禁止する命令を出している。

08/03/18
反対派青年戦線は17日にミンスクで開いた大会で、「統一民主勢力」から撤退することを決定した。青年戦線議長のDashkevichによると、統一民主勢力には共通戦略がなく、共産党のリーダーシップに支配されている。

08/03/19
ミンスク地区裁判所は18日、青年活動家Kuryanovichに対し、17日にミンスクの中国大使館前で不許可デモを行った罪で15日間の刑を言い渡した。Kuryanobichらは、「Free Tibet」の横断幕とベラルーシの前国旗を大使館前で掲げた。

08/03/20
ルカシェンコ大統領は18日、ベラルーシの税関で広がっている汚職を摘発するよう要請した。「汚職は、慢性病からガンへと転化しつつあるが、内務相やKGBの対応は消極的だ」と大統領は述べた。

08/03/25
ロシア首相Zubkovは、ミンスクで開かれたベラルーシ・ロシア連邦閣僚会議で21日、米国はベラルーシに対する経済的圧力を緩和すべきだと述べた。ルカシェンコ大統領は、米国の経済制裁は国際協定違反であると主張した。

08/03/26
ミンスクで25日、約3000人がベラルーシ共和国宣言90周年の集会に参加した。ミンスク市当局は科学アカデミーから市郊外のBangalore広場へのデモを許可したが、主催者側は市内中央のYakub Kolas広場へ集まるよう呼びかけた。警官隊との衝突で、デモ中に約100人が拘留された。

08/03/26
ベラルーシKGBは25日、23日のベラルーシテレビで報道された、米国スパイ網摘発レポートの話を事実と確認した。レポートによると、米国大使館員と10人のベラルーシ人が関係していた。

08/03/27
反対派リーダーMilinkevichは、25日にミンスク市内で開かれたベラルーシ共和国宣言90周年の平和的デモへの警官隊による暴力的行動を強く批判した。「人々が花を手にして平和的にデモをしていたら、警官隊に殴打された」と述べた。

08/03/28
ミンスクの次席検事Stukは27日、ルカシェンコ大統領侮辱のマンガに関連して、ベラルーシ全国の独立系ジャーナリストの家と事務所を捜索するよう命令したと述べた。ビテプスクでは、ポーランドのラジオ放送局の記者宅が捜索され、人権活動家Levinauが逮捕された。外務省報道官Vanshynaは、「ベラルーシのジャーナリストの中には、外国の資金により不法行為をする輩がいる」と述べた。

08/03/31
内務大臣Navmauは28日、3月25日のミンスクでのデモ摘発の際に、反対派の「金庫番」を逮捕したと述べた。大臣によると、金庫番は10万ルーブルの束で合計800万ルーブル(3726ドル)を所持していた。「警官隊と衝突したデモ隊員に支払うために用意された金と確信している」と大臣は述べた。


2008年2月


08/02/04
反対派未登録青年組織のリーダーDashkevichが2日、リトアニアの大学で学ぶために出国しようとしたが、国境で阻止された。国境係官によると、Dashkevichは出国禁止リストに入っている。

08/02/05
フランスの駐ベラルーシ大使Mussoは4日、2008年にベラルーシが民主化に向かうことをEUは期待している、と述べた。「EUはベラルーシの民主化を援助する準備があるが、そのためにはEU側の12条件を満たす必要がある」と語った。

08/02/06
反対派青年戦線のリーダーFinkevichが5日、モギリョフ市裁判所により刑期を短縮されて釈放された。Finkevichは2006年1月に逮捕されて2年の刑を宣言され、2007年11月に矯正キャンプの規則違反でさらに18カ月の刑を宣告されていた。

08/02/06
最高裁判所は5日、3人の死刑囚に対して銃殺刑を行ったと発表した。ベラルーシは死刑制度を維持しているヨーロッパ最後の国である。ヨーロッパ議会評議会(PACE)は、ベラルーシに死刑廃止を求めている。

08/02/07
反対派青年戦線リーダーのFinkevichは6日、彼の早期釈放は当局の軟化を意味しないと述べた。米国の駐ベラルーシ大使Stewartは、Finkevichの釈放を歓迎し、他の政治犯の早期釈放を期待すると発表した。

08/02/08
ベラルーシ政府は7日、外国人宗教家がベラルーシで活動を行う際の規定を発表した。規定によると、教会での指導はベラルーシ語かロシア語に限られる。現在、ベラルーシの聖職者のうち半分が外国人である。

08/02/11
ベラルーシ外務省は8日ポーランドに対し、ポーランド系外国人に特権を認めるポーランド新法の施行に、ベラルーシ国内に民族的な混乱を引き起こすとして警告を発した。ビザや就労権についてポーランド系外国人に特権を認める新法は、昨年9月に採択されこの3月から施行される。ポーランドの統計によると、ベラルーシ内にポーランド系住民は90万人だが、ベラルーシの1999年の国勢調査では40万人である。

08/02/12
ロシアの駐ベラルーシ大使Surikovは11日、ベラルーシへのガス料金を4月1日から10%程度引き上げると述べた。現在のガス価格は1000立方m当り119.5ドル。2006年12月の契約に基づいて、ガス価格は徐々に値上げされ2011年にヨーロッパ向けと同じになる。

08/02/13
ルカシェンコ大統領は12日、ベラルーシ国立大学で、政治犯釈放に関する件は終了したと述べた。「今度はEU側がベラルーシ国民に対し誠意をみせる番である。政治犯釈放は、罪の軽減ではなく人道的配慮だった」と大統領は述べた。

08/02/14
欧州議会評議会(PACE)議長De Puigは13日、ベラルーシ政府に、前大統領候補Kazulinをふくむさらなる政治犯の釈放を行うことを要求すると述べた。Kazulinは、2006年3月の大統領選挙の後に逮捕され5年半の判決を受けている。

08/02/15
ベラルーシ下院外交委員会副委員長Kastsyanは14日、ベラルーシとロシアの統一について両者は違った方法を考えている、と述べた。Kastsyanによると、ロシア側は、ベラルーシをロシア連邦の共和国か州にしようと考えている。

08/02/19
反対派政治家で、大統領侮辱と革命扇動の罪で2007年8月に禁固2年の判決を受けていたKlimaunが15日、突然に釈放された。11日の大統領令によるものだが、本人にとっても「全くの驚き」だった。

08/02/20
ベラルーシ国立大学と提携していたスウェーデン側パートナーは18日、ベラルーシ人民戦線の青年活動家Vyachorkaがジャーナリスト学部から退学させられたことに関連して、絶縁を通告した。スウェーデン側は交換プログラムにこれまでに4900万クローネ(770万ドル)を提供してきた。

08/02/21
ルカシェンコ大統領は20日、ガスプロムは今年のガス価格を2倍に上げようとしていると述べた。「昨年の値上げで我々は30億ドルを吸い上げられた。今度は2倍にすると脅している」と大統領は述べた。一方、ガスプロムは、今年の値上げは10%以内であると発表した。

08/02/22
最高裁判所は22日の非公開の審理で、ジャーナリストZdzvizhkouの刑期を3年から3カ月に短縮する決定を行った。Zdzvizhkouは、ムハマドの漫画を2006年に新聞に掲載したとして、2007年11月に逮捕され、今年の1月に有罪判決を受けていた。

08/02/25
矯正キャンプに収容されている反対派政治犯Kazulinは24日、23日にガンで死亡した妻の葬儀に出席できなければ26日からハンガーストライキを行うと発表した。Kazulinは2006年3月の大統領選挙に立候補したのちに逮捕され、5年半の判決を受けている。

08/02/26
ビテプスクの矯正キャンプに収容されているKazulinが、妻の葬儀に参加するため、25日から3日間の旅行を許可され、ミンスクの自宅へ到着した。ミンスクでは前日、Kazulin夫人の死を追悼しKazulinの釈放を求める集会に数百人が参加した。

08/02/27
米国国務省報道官Caseyは26日、Kazulinの3日間釈放を歓迎し、それが永久的で無条件な釈放になるよう希望すると発表した。「Kazulinが完全に釈放されるなら、ベラルーシと西側との関係改善に向けての話し合いが可能になろう」と述べた。

08/02/28
ミンスクの教会で28日、Kazlin夫人イリーナの葬儀が営まれ約1000人が参加した。参加者には、Shushikevich、Milinkevich、Kalayakinといった反対派政治家とともに、駐ベラルーシ米国大使Stewartも参列した。Kazulinは、「以前は私は政治家ではなかったが、数々の苦難が私を政治家にした。私の目標は国民とベラルーシに奉仕することだ」と述べた。

08/02/29
Kazulinは28日、3日間の釈放を終えてビテプスクの矯正キャンプへ戻った。記者会見でKazulinは、ドイツへ出国し政治活動を止めるなら釈放すると当局側が提案してきたことを明らかにした。しかしKazulinはその提案を断った。




2008年1月

08/01/02
新年に向けての12月31日の演説でルカシェンコ大統領は、「2007年はさまざまな困難の年であった」と述べた。「自国の国内問題から目をそらすために、ベラルーシをやり玉にあげようとしている外国指導者がいる。ベラルーシでは、ユーゴスラビア、イラク、アフガニスタンのようには行かない」と大統領は述べた。

08/01/03
中央選管議長Yarmoshynaは2日、この秋に予定されている議会選挙では、外国から資金を受けているかどうかに関して候補者の資格審査をすると述べた。議会選挙の第1回投票は10月12日に予定されている。

08/01/04
ベラルーシ上院・外交国家安全保障委員会議長のCharhinetsは3日、米国大使の国外追放に関するルカシェンコ大統領演説は、「米国が、ベラルーシを未発達国のように扱うことに対する最終警告である」と述べた。

08/01/07
ベラルーシ警察出入国局は4日、統一市民党リーダーLyabedzkaに対し、内務相の出国禁止リストにリストアップされたことを通知した。ベラルーシ政府は1月1日から、出国許可スタンプを廃止し、替わりに出国禁止データベース制度を導入した。

08/01/08
法務省は最高裁に対し、ベラルーシ共産党(PKB)の解散処分を請求した。PKBは、昨年8月に半年間の活動停止処分を受けたが、活動禁止期間中に「ヨーロッパへの自由行進」などの政治イベントに参加したという理由。昨年10月に法務省は、「女性党・希望」の解散請求を出している。

08/01/09
ルカシェンコ大統領はロシア正教のクリスマスミサに参加し「今年は困難な年になるだろうが、国家の経済を押し上げる必要がある」と述べ、「小さな国家を認めたがらない大国があるが、我々は独自にやってゆく」と加えた。

08/01/11
ミンスク中心街で10日、小ビジネス規制に反対して、約3000人が不許可デモに参加した。デモ参加者は、面会を求めて大統領府へ向かったが警官隊に阻止された。不許可デモに参加した20人の青年活動家が拘留された。また、前日から複数の反対派活動らが拘留された。

08/01/14
ミンスク地区裁判所は11日、1月10日の小ビジネス規制反対デモの際に逮捕された23名に対し、15日間拘留などの刑を言い渡した。そのうち青年活動家5人は取り調べ中に負傷していたため救急車が呼ばれたが、医師は拘留に反対しなかった。

08/01/15
司法省は、1月10日の不許可デモに参加したとして、小ビジネス組合Perspectivaの解散命令を最高裁判所に請求した。一方、Perspectivaの副議長Kruminaは、組織が解散させられるなら、メンバーは政党を作るか反対派に合流すると述べた。

08/01/17
ベラルーシ当局は16日、10日の不許可デモに参加した活動家らに拘留刑を言い渡すとともに、さらに10人の青年活動家を逮捕した。逮捕されたのは、裁判支援に法廷へやってきた活動家など。

08/01/18
ミンスク市裁判所は18日、独立系新聞Zhodaの元副編集長Zdzvizhkouに対し、モハメッドの漫画を掲載した罪で3年間の刑を言い渡した。Zhodaは、オランダ紙に掲載された漫画を転載したとして2006年3月に廃刊させられている。

08/01/22
ミンスク中心街で21日、家族3人以外の雇用者を制限する大統領令のモラトリアムを求めて約2000人がデモを行った。参加者はSidorski首相との面会を求めて政府庁舎に向かったが警官隊に阻止され、20人以上が拘留された。

08/01/23
ルカシェンコ大統領は22日、小ビジネス保護を名目にして、反対派が国家の不安定化を企んでいると示唆した。大統領令に反対するデモ参加者のうちビジネスマンは10分の1にすぎない、と指摘した。

08/01/24
反対派青年戦線リーダーDashkevichが23日、服役中のモギリョフ州の矯正キャンプから、刑期を2カ月残して釈放された。Dashkevichは、2006年9月に逮捕され18カ月の刑を宣告されていたが、国際アムネスティは「良心の囚人」に指定していた。一方、ゴメリ州立大学は22日、ベラルーシ人民戦線メンバーの3年生Zhaleznichenkaを、学則違反の理由で退学処分にした。

08/01/25
矯正キャンプから釈放された青年戦線リーダーDashkevichは23日に記者会見を行い、彼の釈放はベラルーシ政府にとって「西側とのゲームのようなもの」と語った。矯正キャンプの生活は「16カ月間の休息」であって、これからも活動を行うと述べた。

08/01/28
ゴメリ州立大学から退学処分を受けた、ベラルーシ人民戦線の活動家Zhalezichenkaが25日、徴兵された。これに対しZhalezinchenkaは、徴兵が撤回されるかベラルーシ語で命令が与えられるまで、ハンガーストライキを行うと宣言した。

08/01/29
ゴメリ州立大学から退学処分を受けた後に徴兵され、ハンストを行っていたZhaleznichenkaが25日、ハンスト3日目で病院に運ばれた。彼の所属する軍の司令官は彼の入院についての説明を拒否した。

08/01/31
ベラルーシの50人以上の知識人が29日、国家伝統研究所(INP)の設立をめざす集会に参加した。集会は、古代からのベラルーシ国家研究に関する宣言が採択され、共同議長のひとりとして作家のYakavenkaが選出された。Yakavenkaは「市民社会と文化の分裂を防ごう」と述べた。