ベラルーシ国内ニュース

1999年1月〜1999年3月

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1999年1月

99/1/4 RFE/RL
ルカシェンカ・ベラルーシ大統領は、新年挨拶において、1998年はもっとも困難な年であったが、後半にはGDPが増加し、消費物資の生産が増加している、と述べた。

99/1/11 RFE/RL
199611月の国民投票によって解散を強制させられた旧最高会議は、1月10日の会議で大統領選挙を5月16日に行うと決めた。会議には43人の議員が出席し、ハンチャー氏を委員長とする中央選挙管理委員会を承認した。最高会議は、今年を大統領選挙の年としている、1994年憲法を支持している。一方、1996年の基本法ではルカシェンカ大統領の任期は2001年までである。1996年の国民投票は、ベラルーシ反対派や西側諸国からは認められていない。

Minsk News No.1(1/12-18)
原発建設の是非について審議していた政府委員会は昨年12月29日、向こう10年間ベラルーシでは原発建設に取り組まない、という発表を行った。しかし委員会は、原発はもっとも効果的なエネルギー生産方法であり、将来においては原発が計画されるかもしれないと付け加えている。

99/1/19 RFE/RL
ベルパン通信によると、ベラルーシは今年の収穫までに30万トンの小麦の輸入が必要。昨年の収穫が悪かったため。また、80万トンの飼料穀物の輸入も必要。

99/1/25 RFE/RL
ベラルーシの労働者は、独立労働組合の指導下に全国ストライキ委員会を結成した。委員会は当局に対し、月100ドルの最低賃金と50ドルの最低年金を要求している。要求が入れられなければ、1月27日に組合デモを行い、反対派が5月に予定している大統領選挙を支持する方針である。

99/1/25 RFE/RL
ルカシェンコ・ベラルーシ大統領は22日、34000人の囚人について、釈放または刑期短縮する大統領令に署名した。ベラルーシの刑務所は、39000人の設計収容数に対し、6万人を収容してきた。

99/1/26 RFE/RL
ベラルーシのリンフ首相によると、昨年のベラルーシのGDP1997年に比べ8%増加し、工業生産は11%増加した。また、インフレ率は当初の予測を400%以上うわ回った。

99/1/27 RFE/RL
ベラルーシ反対派による影の内閣の首班であるカルペンカ氏によると、ベラルーシ経済は2000年に破綻に瀕する。カルペンカによると、政府の楽観的見通しは数字の偽りであり、過去2年間の成長率は、1997年マイナス2%、1998年マイナス4%であった。

99/1/28 RFE/RL
1月27日ミンスクで、約1万人の労働組合員が、生活悪化への抗議とルカシェンカ大統領の辞任を要求してデモを行った。参加者は賃金引き上げ(現在の平均月給30ドル)と国家経済の改善を望んでいる。

99/1/29 RFE/RL
ベラルーシ下院は1月28日、1999年の予算第1原案を承認した。収入は416兆ベラルーシルーブル(公式レートで31億ドル)で3.5%のGDP成長が見込まれている。財政赤字はGDP1.8%が計画されている。コルブト大蔵大臣によると、インフレは190205%で、1ドル=23万ベラルーシルーブルの見通し。

 

1999年2月

99/2/4 RFE/RL
ロシア科学アカデミーのカラガノフによると、ベラルーシとの同盟を提唱するロシア側の目論見は、ベラルーシを吸収することであり、そうした目論見をベラルーシのルカシェンコ大統領も警戒している。一方、エリツィン・ロシア大統領は、同盟により、ソビエト連邦を破壊してしまった「歴史的罪」を軽減しようと思っている。

99/2/5 RFE/RL
ベラルーシ下院は4日、1999年度予算第2原案を承認した。歳入は448兆ルーブル(15.7億ドル)で歳出は415兆ルーブル。インフレ率は90-100%が見込まれている。

99/2/8 RFE/RL
ベラルーシ統計分析省の発表によると、1998年のベラルーシのGDP8.3%の増加で、662兆ルーブルに達した。工業生産額は11%増加し、なかでも、軽工業(22.2%)と木材産業(21.2%)が増加した。

99/2/11 RFE/RL
ルカシェンコ大統領は10日、ミンスクで開かれた社会経済発展会議で演説し、ベラルーシの経済困難は1999年に緩和され、経済的政治的に安定するであろうと述べた。しかし、「GDPは増加しているのに人々はなぜ貧乏になっているのか、この問題に対し政府も誰もなぜ私に答えないのか」と述べた。

99/2/17 Vecherny Minsk
英国の司法派遣団(判事12人と検察・弁護各4人)と20人以上のジャーナリストがブレストに到着した。第2次大戦中の戦犯容疑により英国で逮捕されたサボニューク(77才)に対する出張法廷を開くためである。

99/2/17 RFE/RL
ベラルーシ政府の新聞委員会は16日、独立系の6つの新聞に対して、5月16日に計画されている反対派大統領選挙に関する記事を掲載しないよう警告した。委員会によると、各新聞は「存在しない政府機関の文書」を掲載しており、読者に権力奪取の陰謀に参加するよう呼びかけている。

99/2/17 RFE/RL
ベラルーシの国勢調査が33000人の調査員を動員して23日まで実施される。調査の質問項目は、年齢、職業、経済状態、民族など17項目に及んでいる。結果は年末に公表される。前回の調査は1989年であった。
ベラルーシ人民戦線によると、国勢調査のねらいは、ベラルーシ語の役割を低下させることにあり、ベラルーシ語の調査票を要求し、調査員の誘導にのらないよう人々に呼びかけている。

99/2/18 RFE/RL
ミンスクの独立系4紙("Belorusskaya delovaya gazeta,""Narodnaya volya,""Naviny,""Svobodnye novosti")の編集長は、政府からの警告に屈せず、反対派大統領選挙に関する報道を続けると発表した。Naviny編集長のジュクによると、「新聞が発行禁止になる危険はあるが、どんな事態になろうと印刷を続ける」と述べている。警告は、グロードゥナ市のPahonya紙、リトアニア・ビリニュス市のNasha niva紙にも送られている。

99/2/22 RFE/RL
先月開かれた集会での決議に従って、ベラルーシの反対勢力を組織化するための協議会が結成された。協議会には、ベラルーシでもっとも影響力のある6つの反対組織:ベラルーシ人民戦線、統一市民党、ベラルーシ社会民主党、独立労働組合、ベラルーシNGO連合、および市民イニシアティブ「97憲章」が参加している。

99/2/23 RFE/RL
ルカシェンコ・ベラルーシ大統領は22日、イランTVとのインタビューで、米国の一極支配に対抗し、ロシア、イラン、中国、インドが同盟するよう表明した。

99/2/24 RFE/RL
ベラルーシ・ボブルイスク市のスシコウ判事がドイツへの政治亡命を申請した。ミンスクの「96年春人権」グループによると、判事は現在ドイツ国内のキャンプに滞在。判事によると、「ベラルーシの裁判制度では、法に基づいて正義を実行するのは不可能であると確信した。法を無視し、全体主義に奉仕するような判決を出すよう強制された」

99/2/25 RFE/RL
ベラルーシ反対派の中央選挙管理委員会のメンバー14人が25日、特別警察によって拘留された。委員会は、ミンスク市内のカフェで、旧最高会議が予定している5月16日の大統領選挙に向けて180投票区の選挙委員会の承認を行っていたもの。拘留されたなかに委員長のハンチャーも含まれる。

99/2/25 RFE/RL
ルカシェンコ大統領は25日モスクワで、ベラルーシがソ連の核ミサイルを放棄したことは大きな失策であったと述べ、新たな核開発を示唆した。

99/2/25 RFE/RL
ベラルーシのザミャタリン副首相は24日、ベラルーシの歴史教科書から扇動的な記述を削除する指令を発表した。問題の記述は、1930年代のスターリン全体主義による民族抑圧に関するもので、教科書が民族過激派の視点から書かれているとの理由。ザミャタリンによると、教科書の記述は、大統領が示している公式的見解からはずれた誤ったものである。
 
 

1999年3月

99/3/2
3月1日、ベラルーシ反対派の中央選挙管理委員会委員長であるビクトル・ハンチャー氏が逮捕され、10日間の拘留が宣告された。ハンチャー氏は、不許可の会合をもった嫌疑で先週裁判所に出頭するよう命じられていたが、現われなかったために逮捕された。

99/3/4
3月1日に逮捕された中央選管委員長のハンチャー氏が刑務所でハンガーストライキを続けている。

99/3/11
ベラルーシ反対派のリーダーらは、ルカシェンコ大統領が主張している、彼らの国家ローンの返済を、「恥ずべきウソ」として拒否した。大統領は前日テレビで、リーダーらが2億5000万ドルの借金をベラルーシ国立銀行に返済してない、と述べたもの。

99/3/12
3月1日に逮捕され、ハンガーストライキをしていた中央選管委員長のハンチャー氏が、10日間の拘留の後釈放された。夫人によると、拷問を受け、ほとんど話せない状態。

99/3/12
1月と2月に実施されたNovak社会学研究所の世論調査によると、ルカシェンコ大統領の支持率は39%であるが、反対派の政治家の支持率は3%以下であった。回答者の78%が、1月の経済状態は前月より悪化した、と答えた。Novakによると、経済状態の如何にかかわらずルカシェンコ大統領への堅い支持者層がある。

99/3/31
反対派大統領選挙の候補者であるチーヒル元首相が30日、ある銀行事件の関連で拘留された。大統領選挙登録の前日のできごと。その選挙には、現在亡命中の、ポズニャク人民戦線党首も出馬の予定。