ベラルーシ国内ニュース

1999年7月〜1999年9月

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1999年7月

99/7/1
ベラルーシ当局は6月30日、団体組織に関する規則を改定し、NGOに対する制限を強化した。NGOの名前に「人民」「国家」「ベラルーシ」「ベラルーシ共和国」という言葉を使うことが禁止された。政党の登録には1000人、労働組合には500人の最低メンバーが必要となる。違反者には、最低賃金50カ月の罰金または15日の拘留。

99/7/8
ステパーシン・ロシア首相は7日、ロシア・ベラルーシ連邦執行委員会で、連邦条約の調印は秋になろうと述べ、Prakapovichベラルーシ国立銀行総裁は、ロシアルーブルを単一通貨として受け入れると述べた。

99/7/12
ルカシェンコ大統領は9日、ベラルーシ・ロシア連邦には大統領と副大統領のポストが必要と述べた。エリツィン・ロシア大統領が連邦大統領となり、ルカシェンコが副大統領となるプラン。

99/7/14
Prakapovich国立銀行総裁は13日のルカシェンコ大統領との会談後、ロシアとの通貨統合は急がない、と表明した。

99/7/14
ベラルーシの反対派は、ルカシェンコ大統領の任期が7月20日で終わることを祝うセレモニーを計画している。一方、反対派が認めていない1996年の国民投票では、ルカシェンコ大統領の任期は2001年までとなっている。

99/7/16
人権Watchは7月15日、ルカシェンコ体制のベラルーシにおいて学問の自由が抑圧されているというレポートを発表した。ソ連崩壊後に作られた歴史の教科書は、政府の命令により、ソ連時代の内容に戻されている。大学当局は、政治的に微妙な問題に関われないよう活動的な教師に警告を発している。

99/7/20
反対派最高会議議長のSharetskiが7月19日、OSCEの事務所などがあるミンスク・ホテルに移った。特別警察による逮捕を警戒しての行動。1994年憲法に従うとルカシェンコ大統領の任期は7月20日に終わり、Sharetskiは7月21日の議会で議長を務める予定になっている。

99/7/21
ミンスクのフランス大使館は、EUを代表して、ルカシェンコ大統領の任期が20日で終了し、自由で民主的な選挙が必要であるという声明を発表した。一方、Rakhmaninロシア外務省報道官は20日、ルカシェンコ大統領の正当性を疑う根拠は全くない、と発表。ウクライナの外務大臣Tarashukは、ウクライナ・ベラルーシの関係は従来通りであると述べた。ポーランド外務大臣Doborowloskiは、ベラルーシとの関係に変わりはないが、ルカシェンコ大統領の政策や法律無視に対して批判をして行くと発表。

99/7/22
ミンスクで21日、ルカシェンコ大統領の任期切れを記念して、反対派によるフォークフェスティバルが開かれ、3000人以上が参加した。集会後53人が逮捕された。一方、反対派最高会議は、大統領の任期切れを宣言し、最高会議議長のSharetskiが最高責任者であることを発表。

99/7/26
反対派最高会議議長であるSharetski氏が先週、身の安全と状況を考慮して、リトアニアへ亡命した。

99/7/28
旧独立記念日の7月27日、約4000人がミンスクでデモを行なった。7月27日は、1990年にベラルーシが主権宣言した日であるが、1996年の国民投票で、第2次大戦でミンスクがドイツ軍から解放された7月3日が独立記念日となった。
 
 

1999年8月

99/8/2
7月31日から8月1日にかけてミンスクで開かれたベラルーシ人民戦線(BNF)の総会は、予想通りリーダーシップをめぐる争いの場となった。一方のグループは、1996年に米国に亡命したPaznyak議長を支持し、他のグループはVyachorka副議長を支持し、双方とも過半数の支持を得られなかっ

99/8/4
ルカシェンコ大統領は8月3日、ウォッカとタバコ生産の国家統制を強化する大統領令に署名した。アルコールは、政府によって承認された方法で承認された量だけが製造を許される。アルコールとタバコの取引業者は政府からのライセンスを受けねばならない。 であっった。

99/8/5
ルカシェンコ大統領は4日、ロシアのジャーナリストに対し、2001年の大統領選挙に再出馬することを表明した。彼はまた、ベラルーシから核兵器を引き上げないように、よいうアドバイスに従わなかったとしてロシアの指導者を批判した。

99/8/5
8月4日ヤングフロントの活動家Antonauが、ポーランドへの亡命を申請した。Antonauは今年になって2回逮捕され、ミンスク大学から放校処分を受けた。

99/8/6
ルカシェンコ大統領は5日、ベラルーシ人民戦線の総会は破壊分子の集会であったと語った。総会の記録を人々が聞くと、恐れをなして耳をふさぐであろう、と述べた。

99/8/9
ミンスク裁判所は8月6日、S.ShmyalouとV.Katsyukevichに対し、無許可の抗議集会に参加したとして、それぞれに2000万ベラルーシルーブル(74ドル)の罰金を申し渡した。被告側は、集会が終わった後に集会の場所に居合わせただけだと主張し、法廷でも集会に参加したことは証明されなかった。しかし判事は、集会の場所に行ったことおよび法廷でベラルーシ語を使ったことが、現体制への反逆であると認定した。

99/8/10
元最高会議議長のS,Sharetskiは8月9日ビリニュスで、彼がベラルーシに戻ると直ちに逮捕されるだろうと語った。Sharetskiは先月からビリニュスにきているが、リトアニア当局は3人のガードマンと自動車を提供している。

99/8/11
3月末以来収監されているChyhir前首相は8月10日、ルカシェンコ大統領に公開書簡を発送した。書簡によると、彼の罪状はウソであり、彼の唯一の間違いは1994年7月にルカシェンコを信頼し首相を引き受けたことであった。たとえ7年間獄にあろうと、ルカシェンコに許しを請うことはない、と述べている。

99/8/12
OSCE(全欧州安全保障会議)のミンスク代表であるH.G.Wieckによると、OSCEは、現体制との話し合いについて旧最高会議に全権を委任するというベラルーシ反対派各党の合意を承認した。最高会議では交渉団として6人の委員を選出する。Wieckによると、政府側も反対派との話し合いのための交渉団を結成した。

99/8/12
統計分析省の発表によると、1999年1?7月のベラルーシのGDPは昨年同期に比べ1%増加した。工業生産は6.5%増加したが、農業生産が9.9%減少した。この期間のインフレは97.2%であった。

99/8/16
ベラルーシTVは8月13日、2000年に予定されている国会議員選挙に関して、ルカシェンコ大統領が反対派や大衆組織と話し合うためのチームを組織した、と報道した。チームのリーダーはM.Sozonau大統領補佐官。しかし、大統領によると、旧最高会議の30人のグループは反対派に値せず、話し合いの相手は、「反対意見を持つ10%程度の国民」の代表である

99/8/18
汚職の罪により1997年に逮捕されたV.Lyavonau前農業大臣の裁判が8月17日に始まった。裁判でLyavonauは、公正な裁判は期待していないし、自分の運命はルカシェンコによって既に決められている、と述べた。

99/8/18
8月半ばにミンスクで実施された600人を対象とする世論調査によると、ベラルーシ・ロシア連邦に関する国民投票があった場合、51%以上が反対、31%が賛成で、棄権11%、未定7%であった。

99/8/19
S.Linh首相は8月18日、ルカシェンコ大統領に対し、天候不良のため今年の穀物の収穫は昨年より減少すると報告した。昨年の収穫は約500万トンで、1997年の600万トンに比べ減少していた。

99/8/23
ルカシェンコ大統領は8月20日、2000年の国会選挙に向けて、「現行の憲法の枠内で選挙制度を改善するため」政党や大衆組織と話し合う用意がある、と述べた。この声明は、問題の1996年国民投票で作られた、国民議会の選挙を念頭においたものである。

99/8/23
旧最高会議議長のS.Sharetskiは8月23日、ルカシェンコ大統領の任期は7月20日に終了しそれ以降にサインされた文書は無効である、と述べた。

99/8/25
モギリョフ州ボブルイスク市のトラクター部品工場労働者約2000人が、6月と7月の給料支払いを求めてストライキに入った。

99/8/26
ベラルーシ人民戦線は、8月25日に開かれた反対派政党の会合で、当局との話し合いに関する2つの提案をOSCEに対して行なった。第1の提案は、話し合い中にはロシアとの連邦結成に関する作業を進めないこと。第2は、引き延ばし戦略を防ぐため、話し合いに期限をもうけることであった。OSCEのミンスク代表H.G.Wieckは、当局側の交渉のベースが1996年国民投票であるため、交渉に対し悲観的である。

99/8/30
労働組合連合書記長のV.Palevikovaは8月27日、生活水準の低下に抗議して9月30日に大規模な抗議行動を行なうと発表した。1999年1月?7月の労働者の収入は、34%増加するという政府の約束に反して、4%減少した。また、すべての労働者に対し、雇用期間を限定するという大統領令に抗議している。

99/8/31
亡命中の旧最高会議議長のS.Sharetskiは8月30日、M.Chyhir前首相が新政府のリーダーとなることを提案した、Chyhir氏は3月以来収監されている。西側諸国はSharetskiの権力を認めているいるいるわけではない。一方、エリツィン・ロシア大統領は8月30日、ルカシェンコ大統領の45歳の誕生日を祝福し、ベラルーシに対する外国からのいかなる圧力に対しても反対であることを述べた。

99/8/31
農業大臣によると、今年のベラルーシの穀物生産は370万トンで、1999年目標の600万トン、昨年の500万トンよりかなり少ない。1ヘクタール当りの平均収穫量は1.73トンであった。
 
 



1999年9月

99/9/1
ベラルーシ反対派政党の新世代リーダーたちが合同してルカシェンコ体制に反対する大規模キャンペーンを実施すると発表。10月17日に10万人規模で、「自由の行進」を計画。

99/9/2
ベラルーシ国立銀行は、9月6日から500万ベラルーシルーブル札(実勢レートで約10ドル)を発行すると発表。4ヶ月前に100万ルーブル札を発行したところ。

99/9/3
OSCEのミンスク事務所で9月3日、ベラルーシ当局と反対派の4代表団の間で話し合いが始まった。話し合いのテーマは、反対派による国営メディアへの利用についてであった。

99/9/8
プーチン・ロシア首相は9月8日ミンスクで開かれたベラルーシ・ロシア連邦執行委員会において、「ロシアの国内問題や政権交代にかかわらず、ベラルーシとの関係についての政策は不変である」と述べた。

99/9/9
ルカシェンコ大統領と会談の後プーチン・ロシア首相は、ベラルーシ・ロシア連邦条約の調印には思っていたより時間がかかるだろう、と述べた。エリツィン大統領とルカシェンコ大統領は昨年12月に今年中の調印で合意していたもの。ルカシェンコ大統領は、「ロシア側が急激なステップを望まないなら、moderateな条約を調印すればよい」と述べている。

99/9/9
ミンスク州Salihorskの肥料工場労働者約6000人が9月8日、労働者の権利を侵害するとして、労働規約と年金に関する大統領令に抗議する集会を開いた。

99/9/9
ミンスクで9月8日、1512年のオルシャの斗いでリトアニア大公国がロシア公国の軍隊を破った日を記念する集会が開かれ、当局の不許可措置にもかかわらず、約1000人が参加した。

99/9/10
ベラルーシ外務省は9月9日、10?11日のヤルタ国際会議にウクライナがベラルーシを招待しながら後で取り消したことは非友好的である、と声明した。一方、ウクライナ外務省は、ベラルーシをヤルタ会議に招待したことはない、と述べている。

99/9/10
ベラルーシ反対派の各党は9月9日、OSCEの調停による当局との交渉団の選出に失敗した。問題は、交渉団メンバーが6人であるのに、9つの党が参加していることにある。

99/9/16
9月15日の閣議で、ルカシェンコ大統領は、今年の国家収穫祭を中止することを決定した。各州の収穫祭も中止される。理由は明らかにされていないが、今年の収穫は370万トンで、予定の600万トンに遠く及ばなかった。

99/9/17
旧最高会議の副議長で反対派政治家のV.Hanchar氏が、9月16日行方不明となった。Hanchar夫人によると、車で家へ戻る途中に失踪した。反対派政治家が行方不明になったのは、5月の前内務大臣Zhakharanka氏について今年2人目である。

99/9/20
米国の駐ベラルーシ大使、D.Speckhardは9月17日、V.Hanchar氏の失踪事件に関心をもっていることを表明。一方、ルカシェンコ大統領は翌日、さまざまな陰謀をめぐらしたり、「全体主義」の宣伝により「一部の政治家」がベラルーシの治安を擾乱していると主張。失踪した人々については、アレコレ前に西側諸国を探した方がよい、と述べた。

99/9/22
米国務省は9月21日、旧最高会議副議長Hanchar(9月16日)、前内務大臣Zakharanka(5月7日)、前国立銀行総裁Vinnikava(4月8日)といった反体制政治家の失踪に強い関心を抱いていると発表、ベラルーシ政府に対し、彼らの捜索と安全確保について要請を発表した。

99/9/23
ルカシェンコ大統領は9月22日、1999年度予算を99.9兆ベラルーシルーブル(3億4800万ドル)ほど増額するという大統領令を発表した。 統計・分析省によると、1〜8月のベラルーシのGDPは昨年同期に比べ1.5%増加した。工業生産は6.6%増加し、農業生産は10.2%減少した。インフレは111.1%で実質収入は3%減少した。

99/9/24
A.Papkou副首相は9月23日、ベラルーシは150万トンの穀物(約1億ドル)を輸入する必要があると発表。輸入先は、カザフスタンとロシア。

99/9/27
ベラルーシ人民戦線(BNF)の亡命中のリーダー、Paznyak派の大会が9月26日ミンスクで開かれ、Paznyakをリーダーに再選した。一方、BarshcheuskiやVyachorkaなどBNF内の対立派は10月30-31日に大会を開く予定である。

99/9/30
3月30日依頼拘留されているChyhir前首相が、職権濫用、怠慢、不正融資の罪状で起訴された。