ウクライナ国内ニュース

2005年10-12月



  


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2005年12月

05/12/01
前大統領のボディーガードMelnychenkoが11月30日、5年間の亡命ののちキエフに戻ってきた。Melnychenkoは記者団に、クチマ前大統領とその取り巻きが、2000年のGongadze記者殺害事件の罪で罰せられるのを望んでいると述べた。Melnychenkoは来週、検事総局からの査問を受ける。

05/12/02
ユーシェンコ大統領、グルジアのサアカシビリ大統領の提案で、23カ国から約200人の代表が集まって、キエフで2日に民主主義フォーラムが開かれた。その他に、ルーマニア、モルドバ、リトアニア、ラトビア、エストニア、マケドニア、スロベニアの大統領が参加した。

05/12/05
ヤヌコービッチ前首相が率いる地域党は2日、来年の議会選挙に向けてのプログラムを発表した。地域党の短期的目標は、失業の低減、給与の増加であり、ウクライナの連邦制への移行を目指す。最近の世論調査では、地域党の支持率は18%で、もっとも大きな支持率である。

05/12/06
キエフ市のペチェルスキー地区裁判所は5日、Medvedkoを検事総長に任命したユーシェンコ大統領の大統領令を無効とした。10月に解任されたPiskun前検事総長の訴えを認めたもの。検事総局事務所は控訴する意向。

05/12/07
先週みつかった5つの村に加えて、クリミア半島の新たに4つの村でインフルエンザによる鳥の死亡が見つかった。死骸はキエフに送られて検査される。

05/12/08
前首相ティモシェンコは7日、来年3月の議会選挙に向けて、ティモシェンコ・ブロックの候補者名簿の最初の10名を明らかにした。我々が選挙で勝利したら、反対派にも執行権力を配分できるような仕組みにしたい、と彼女は述べた。残りの候補名は来週発表される。

05/12/09
ユーシェンコ大統領は8日、チェルノブイリ原発の敷地を外国からの使用済み燃料貯蔵に利用する可能性を排除しない、と述べた。「経済効果は明らかであり、問題の政治的側面を検討する必要がある」と述べた。4号炉第2石棺の完成は2010年の予定。外国は11億ドルの資金援助を約束したが、これまでの実績は7.9億ドルである。

05/12/12
ユーシェンコ大統領は12日、多くの国民が自分とティモシェンコ前首相との乖離を残念に思っていることは承知しているが、彼女の解任は正しかったと述べた。そして、経済危機が最初に現われた6月に、もっと早く解任すべきだった、と述べた。

05/12/13
ユーシェンコ大統領は13日、ウクライナを経由してロシアから西側へのガス供給を保障すると発言した。また、ウクライナは国際価格でガスを購入する用意はあるが、移行期間が必要だ、と述べた。ガスプロムは1000立方m当り50ドルで供給していたが、160ドルへの値上げを要求している。

05/12/14
Yakhanurov首相は14日の閣議で、トルクメニスタンやロシア・ガスプロムとのガス価格交渉が困難な状況になっていると述べた。ユーシェンコ大統領は、ロシアからのガスをキャッシュで購入する意向を発表したが、ロシアの提示価格はこれまで言われていた1000立方m当り160ドルではなく、220-230ドルだった。

05/12/16
最高会議は15日、2006年度予算案を賛成122票で否決した。採択には226の賛成が必要。Lytvyn議長は、予算委員会と政府に対し、修正案を来週にも提出するように要請した。

05/12/20
最高会議は20日、2006年の予算案を、採択に必要な最低の票数である賛成226票で採択した。

05/12/20
Yekhanurov首相は19日、ガス価格に関するロシア側からの提案を受け入れる用意があることを述べた。双方はまだ一致には至っていたらずFradkovロシア首相との交渉は失敗したが、ガス価格を新たな枠組みに切り替える用意がある、と首相は述べた。

05/12/21
ユーシェンコ大統領は20日の記者会見で、2006年からウクライナへのガス料金を4倍にすると言うガスプロムの提案は不見識である、と批判した。ガスプロムが値上げするなら、クリミア・セバストポリのロシア黒海艦隊の港使用料を引き上げる、と述べた。

05/12/22
ユーシェンコ大統領は21日、暗礁に乗り上げているモスクワとのガス価格交渉について、いずれ賢明な解決策が見いだされる、との見解を表明した。2005年の価格は1000立方m当り50ドルであったが、ガスプロムは2006年に220-230ドルへの値上げを求めている。

05/12/22
ティモシェンコブロックのリボフ州主要活動家6人が、議会選挙リストを不満として党を離れた。「名簿リストをみて、我々は憤慨した。リボフ州からの代表が実質的になくなっていた」と活動家らは述べた。リボフ州で100人以上のメンバーが同調した。

05/12/27
Yekhanurov首相は27日、ロシアからヨーロッパへウクライナ経由で送られるガスについて、その15%にウクライナの権利があると述べた。一方、ガスプロムのMedvedev副会長は、2006年のガス価格について両国が合意に至らなければ、2006年1月1日午前10時からガスの供給を停止すると述べた。

05/12/29
Yekhanurov首相は28日、1000立方m当り230ドルという価格ではガスプロムと契約しない、と述べ、ストックホルムの国際通商仲裁法廷に訴える意向を示した。ウクライナとしては、2006年当初分は1000立方m当り80ドルで契約し、徐々に価格を切り上げる用意がある、と述べた。
 
 


2005年11月
05/11/01
ユーシェンコ大統領は10月31日、先に検事総長に指名したPryshazhnyukを取り下げ、替わりにMedvedkoを指名した。その理由は明らかにされていない。一方、10月14日に解任された前検事総長Piskunは、解任は不当として裁判に訴えている。

05/11/03
米国市民Felshtinskyが2日、前大統領ボディーガードMelnychenkoによる録音記録を、検事総局事務所に提出した。「Melnychenkoから受け取った10枚のCDで、彼の指紋もあるだろう」とFelshtinskyは語った。録音には、クチマ大統領がGongadze記者暗殺に関与した証拠が含まれていると言われている。

05/11/04
最高会議は3日、承認に必要な226票を大きく上回る、賛成303票でMedvedkoの検事総長就任を承認した。「国民的議論となっている法律的問題の解決に向けて検事総局は早急に対応する必要がある」とMedvedkoは述べた。

05/11/04
ユーシェンコ大統領は、最高会議によるMedvedko検事総長の承認を歓迎し、Gongadze事件や昨年大統領選挙での不正など高官が関係した事件の捜査が進捗するだろう、と述べた。

05/11/07
ユーシェンコ大統領は5日、今年中のWTO加盟に楽観的な見通しを述べた。WTOに加盟すると、ウクライナからの輸入に対する反ダンピング検査がなくなり、輸出が10%増えてGDPが1.9%増加する見込みである。

05/11/08
ボルシェビキ革命88周年の7日、約1万人の共産党員や左派グループが、キエフの政府ビルの前でピケットを行った。参加者は、ウクライナ政府の、WTO、NATO、EU加盟への動きを批判した。ちなみに、7日の休日は2000年から廃止されている。

05/11/09
ユーシェンコ大統領は8日、Zaporizhzhya州知事ArtemenkoとLuhansk州知事Danilovを解任した。「両者は政府の別のポジションに移るでしょう」と大統領報道官は述べた。

05/11/10
経済大臣Yatsenukは9日、2005年のGDP成長率は3.8%だろう、という見通しを語った。昨年の成長率は12%で、今年はじめのTymoshenko内閣の見込みは8.2%だったが、9月に6-6.5%に修正されていた。その後に就任したYekhanurov首相は、4.5-5%と述べていた。

05/11/14
ユーシェンコ大統領は12日、我らのウクライナ連合の大会で、来年の議会選挙に向けて連立ブロックを作るよう訴えた。「我々は第1党にならねばならないが、そのために権力を利用する当局者は直ちに解任する」と大統領は述べた。

05/11/15
Yekhanurov首相は14日、ウクライナ国民の36.5%が、最低生活費用以下の収入である、と述べた。2004年10月の議会は、最低生活費を月432フリブナ(85ドル)としている。

05/11/16
最高会議は15日、WTO加盟に必要な3つの法案の第1読会を採択した。ユーシェンコ大統領は、WTO加盟に必要な法案採択に反対している勢力は、国家戦略に反対している人々だとコメントした。

05/11/18
中央選管は18日、来年3月26日の投票に向けての最高会議選挙キャンペーンは11月26日からはじまる、と決定した。2005年7月に行われた憲法改定により、3%をしきい値得票とする完全比例代表制で450の議席が決まる。

05/11/21
ユーシェンコ大統領は21日、昨年オレンジ革命につながる運動がはじまった11月22日を「自由の日」とする大統領令に署名した。最高会議が承認すると休日となる。

05/11/22
ユーシェンコ大統領は21日、ティモシェンコ首相の解任で失った大衆からの信頼は、来年の議会選挙で回復するであろうと述べた。「議会選挙での勝利は、昨年の勝利に続くものである」と付け加えた。また、22日には、独立広場でオレンジ革命1周年のセレモニーを行う計画を述べた。

05/11/23
ユーシェンコ大統領は22日、独立広場に集まった10万人を前に、1時間の演説を行い、オレンジ革命の希望を忘れないよう訴えた。大統領の演説はしばしば「ユリア」のかけ声に妨げられた。ユリア・ティモシェンコ前首相も独立広場で20分間の演説を行い、来年の議会選挙での勝利を訴えた。

05/11/28
ユーシェンコ大統領は25日、1932-33年のウクライナの飢饉はソビエト政権によるウクライナ人民のジェノサイドであった、と国際世論に訴えた。スターリンによる土地収奪と集団農業化政策により750万人が餓死したと大統領は述べた。

05/11/28
来年の議会選挙に向けて、我らのウクライナ人民連合、ウクライナ・ルフ、産業企業党など6つの政党が25日、ユーシェンコ支持の「我らのウクライナ」ブロックに結集することで合意した。一方、前首相ティモシェンコは独自のブロックで選挙に望む。11月上旬の世論調査によると、ヤヌコービッチ元首相の地域党支持が17.5%、我らのウクライナ・ブロック13.5%、ティモシェンコブロック12.4%、共産党5.8%、社会党5.6%、Lytvynブロック3.3%、進歩社会党2.6%だった。

05/11/29
ウクライナの財閥Rynet Akhmetovは29日、ヤヌコービッチ元首相の提案を受け入れ、来年の議会選挙に地域党から立候補すると発表した。Akhmetovは、推定25億ドルの資産をもつウクライナ随一の金持ちである。昨年の大統領選挙ではヤヌコービッチを支持したが、表だった活動はしなかった。

05/11/30
中央選管は30日、ウクライナのNATO加盟と(ロシア、ベラルーシ、カザフスタンとの)統一経済圏SES加盟に関する国民投票イニシアティブを承認した。国民投票の実施には2006年3月1日までに300万以上の署名を集める必要がある。



2005年10月

05/10/03
モスクワ訪問中のYekhanurov首相は、Fradkovロシア首相やプーチン大統領と個別に会談した。モスクワ側は、新首相を「経験ある有能な人物で、両国の関係は新たな協調関係に至るだろう」と歓迎している。

05/10/05
Yekhanurov首相は5日、彼の内閣の第一の任務は経済の落ち込みを回復することだと述べた。ウクライナの2005年の8ヶ月間の成長率は2.8%で、昨年同期は13.6%だった。Yekhanurovは、WTO加盟に向けての法案を速やかに採択するよう最高会議に求めた。

05/10/06
ユーシェンコ大統領は5日、地方評議会議員の不逮捕特権を拡大する法案に署名した。法案は最高会議で9月8日に採択されたもので、約20万人の地方議員に、その議会の承認がなければ逮捕されない権利が与えられる。法案は共産党や社会党が支持し、我らのウクライナやティモシェンコブロックは反対していた。

05/10/07
ユーシェンコ大統領は6日、年内にウクライナはEUから市場経済国と認定されWTOに加盟する、とリボフで開かれた投資フォーラムで発言した。「これらは我々の第1の目標であり、今年中に何がなんでも達成せねばならない」と大統領は述べた。

05/10/11
ウクライナ検事総局は10日、前国家安全防衛委員会議長であり、オレンジ革命でユーシェンコを支持したPoroshenkoに対する職権乱用容疑の調査を開始した。Poroshenkoは、キエフ中心街でのビル建設について建設会社に便宜を図って収賄した容疑に問われている。

05/10/11
6日に指名された新司法大臣Holovatyyは8日のテレビインタビューで、Gongadze記者殺害事件を進展させるためには、検事総長Piskunを更迭する必要がある、と述べた。Piskunは10日、Gongadze事件は前内務大臣Pukachが仕組んだものだ、と繰り返した。Puckachは2003年にいったん逮捕され、釈放されてから所在不明である。

05/10/12
最高会議議長Lytvynは11日、彼が創立した人民党は、来年3月の議会選挙で独自に参加すると発表した。以前には、ユーシェンコの我らのウクライナやティモシェンコブロックと共通ブロックを作る話もあった。9月に行われた世論調査によると、議席獲得に必要な3%以上の支持があるのは、ヤヌコービッチの地域党(20.9%)、我らのウクライナ(20.1)、ティモシェンコブロック(19.5)、共産党(9.5)、社会党(6.6)、人民党(4.6)、進歩社会党(3.5)の7つである。

05/10/13
検事総長Piskunは12日、Gongadze事件解明の第2ステップとして、Lutsenko内相やDryzhchanyy保安局長とともに捜査を行う「秘密」プランにサインした、と語った。また、昨年のユーシェンコのダイオキシン事件については暗殺行為だったと述べた。そして、ユーシェンコが自分を解任するなら法廷で争うと述べた。

05/10/14
ユーシェンコ大統領は14日、検事総長Piskunを解任した。大統領秘書長官Ryabachukは、「Piskunは最近興奮気味であり、彼に対する訴追を回避するにも、解任は適当な判断である」と述べた。

05/10/14
約3万人の炭鉱労働者がドネツク市で13日、炭坑への補助金増加と9月分給与の支払いを要求して集会を行った。2006年予算で炭坑へ8億ドルの補助金を見込んでいるが、労働者は少なすぎる金額とみている。

05/10/17
キエフで15日、ウクライナ叛乱軍(UPA)結成63周年にちなむ集会に約3000人が参加し、政府に旧UPA兵士の権利を認知するよう求めた。UPAは、第2次大戦中、ナチス、ソ連、ポーランド反ナチゲリラと戦い、最盛期の1943年には10万の兵力があった。UPA支持のデモ隊は、約8000人の共産党、社会党のデモとつかみあいになった。

05/10/18
Lutsenko内相は17日、ユーシェンコ大統領が検事総長Piskunを解任したのは、捜査効率が悪かったためである、と述べた。「我々の活動により、公務員に関わる1000件以上の問題が検察に送られたが、法廷まで持ち込まれたのは皆無であった」とLutsenkoは述べた。

05/10/19
国際汚職監視団体Transparency Internationalは18日、「汚職指数2005」を発表した。10点満点で点数が付けられ、10が「全くクリーン」である。ベラルーシとウクライナはともに2.6点で、158カ国中の107番目であった。

05/10/21
検事総局は、前国家保障防衛会議議長でオレンジ革命の際のユーシェンコの盟友であった、Poroshenkoに関する調査を中止した、と発表した。Poroshenkoの調査は前検事総長Piskunによって開始されたが、発表によると、容疑事実はなかった。

05/10/24
オランダ系国際企業Mittal Steelが24日、48億ドルの入札価格で、Kryvorizhstal製鉄所を落札した。Kryvolzhstal製鉄所はウクライナの鉄の20%を生産し、世界で7番目の輸出会社である。

05/10/25
ユーシェンコ大統領は24日、ソビエト時代の貯蓄銀行預金に対し、ウクライナ政府が補償する法案に拒否権を発動した。財務大臣Pynzenykによると、補償によって毎年24億ドルの資金が必要になる。

05/10/25
ユーシェンコ大統領は24日、ソビエト時代の貯蓄銀行預金に対し、ウクライナ政府が補償する法案に拒否権を発動した。財務大臣Pynzenykによると、補償によって毎年24億ドルの資金が必要になる。

05/10/25
ユーシェンコ大統領は24日、ソビエト時代の貯蓄銀行預金に対し、ウクライナ政府が補償する法案に拒否権を発動した。財務大臣Pynzenykによると、補償によって毎年24億ドルの資金が必要になる。

05/10/27
ユーシェンコ大統領は26日、Kryvorizhstal製鉄所売却にともなう収入48億ドルは、すべてのウクライナ国民の利益になるよう用いられる、と述べた。アパートの近代化、村々への援助、科学技術への助成などのプロジェクトが検討されている。

05/10/31
ユーシェンコ大統領は31日、検事総長にPrysyazhnyukを指名した。就任には、最高会議の承認が必要となる。Prysyazhnyukは、キエフ検察局の副検事長を勤めている。