ウクライナ国内ニュース

2006年1-3月



 
 
  


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2006年3月
06/03/01
選挙キャンペーンで職務を離れているPynzenyk商務大臣は2月28日、1000立方m当り95ドルに値上げするという、今年初めにロシアと結んだガス協定はいったん破棄すべきだと語った。「ロシアにはガスはあるが、ヨーロッパへ輸出するためのパイプラインは我々のものであり、再交渉すべきだ」と述べた。

06/03/03
ヤヌコービッチ元首相は2日のハリコフの集会で、「24日後に我々はウクライナの主人になるだろう、我々の土地をオレンジの侵略者から解放しよう」と演説した。2月末に行われた世論調査によると、ヤヌコービッチの地域党支持が30%、我らのウクライナ17%、ティモシェンコブロック11%、社会党5%だった。

06/03/06
ヤヌコービッチ元首相は4日、キエフで開かれた地域党の集会で、3月26日の選挙で当局側は大規模なゴマカシを組織的にやろうとしている、と述べた。有権者が投票できないようリストを書き換えたり、投票を無効にすることが計画されている、と彼は述べた。

06/03/07
経済相Yatenyukと米国通商代表Portmanはワシントンで6日、通商相互協定に調印した。この調印によりウクライナはWTO加盟へ向けて前進した。ユーシェンコ大統領は、WTO加盟により、貿易量が10%増え、GNPは1.5?1.9%増加する、とTVインタビューで述べた。

06/03/08
ウクライナ中央選管は7日、クリミア共和国で3月26日に予定されている、ロシア語の公用語化に関する住民投票を禁止した。クリミア最高会議は2月22日、最高会議選挙、地方選挙に合わせて住民投票を行う決定をした。

06/03/10
ユーシェンコ大統領は10日キエフ大学で演説し、「民主的で、公平で、透明な選挙を行うため、当局側はあらゆる努力をはらう」と述べた。また、「色の好みではなく、過去へ戻るかどうかが肝心だ」と26日の議会選挙について述べた。

06/03/13
26日の議会選挙に関する世論調査報道が許されている最終日の10日に、いくつかの機関が調査結果を発表した。ヤヌコービッチ元首相が率いる地域党が第1党になると予想され、4つの調査機関の予測は、26、25.9、26.1、20.1%だった。ユーシェンコ大統領の我らのウクライナは、15.7、18、16.7、16.4%で、Tymoshenko前首相のTymoshenkoブロックが、17.9、15.3、22.3、14.9%だった。

06/03/13
NATOとEU加盟についての国民投票を求める署名が450万を越えた、と中央選管委員長Davydovychは明らかにした。中央選管は1カ月をかけて署名をチェックする。

06/03/14
反対派の地域党は14日、最高会議の前で2000人の集会を開いた。地域党は、投票者リストへの追加権限を地方選管に認めるよう要求しており、議会は14日、それに関連する法令を採択した。

06/03/15
最高会議は15日、Nikopol合金工場を、2006-2007年に民営化を禁ずるリストに加えることを可決した。2月にも同様の決議が採択されたが、ユーシェンコ大統領が拒否権を行使した。政府は、今年後半に、同工場の51%の株売却を予定している。

06/03/16
ヤヌコービッチ元首相は15日、彼が率いる地域党は、自分を首相に選ぶならユーシェンコ大統領の我らのウクライナと連立できるし、それが国を危機から救い経済を発展させる方法だ、と述べた。感情的な問題で国家の大事を左右すべきではない、と付け加えた。

06/03/20
Yekhanurov首相は19日のインタビューで、26日の議会選挙後に、ヤヌコービッチ元首相と一緒に働く気はないと述べた。また、ティモシェンコ前首相との連携については、職業的経済人として、経済感覚のない人物と一緒に働く気はない、と述べた。

06/03/21
ニューチャンネルTVのレポーターとカメラマンが20日、ベラルーシの国境警備員に拘束された。国境警備員は、ミンスクでの反対派集会や反対派候補Milinkevichとのインタビューなど4本のテープを押収した。

06/03/22
ティモシェンコ前首相は21日、ユーシェンコ大統領に対し、26日の選挙後の連立構想を明確にするよう求めた。観測筋からは、ユーシェンコ陣営は、オレンジ革命の盟友であったティモシェンコブロックよりも、ヤヌコービッチとの連立を選ぶのではないかという推測が出ている。

06/03/23
ユーシェンコ大統領は23日、26日の議会選挙はオレンジ革命の第2段階であると述べた。ティモシェンコが再び首相になるのかと質問を受けると、「正直に言って、現段階でその問題にコメントするのは愉快ではない」と答えた。

06/03/24
ユーシェンコ大統領は23日のTVインタビューで、26日の議会選挙後の連立にむけて積極的に行動すると述べた。大統領は、大統領支持の我らのウクライナが連立の中心になると確信している。ヤヌコービッチの地域党との連立の可能性については、特定の問題について新議会で協力する可能性を示唆した。

06/03/27
出口調査によると、ヤヌコービッチの地域党が27?31%の得票で第1党となる。ついで、ティモシェンコブロックが22?24%で、大統領支持の我らのウクライナは15%であった。中央選管の最終的な結果は28日になる。

06/03/28
中央選管28日、開票率70%での結果を発表した。ヤヌコービッチの地域党が30%、ティモシェンコブロック22.5%、我らのウクライナ15.3%、社会党6.3%、共産党3.6%である。その他の45政党は、議席獲得に必要な3%バリアーを越えていない。

06/03/28
ティモシェンコは27日、ユーシェンコ大統領に対し、我らのウクライナ、ティモシェンコ・ブロック、社会党による、オレンジ革命の復活を訴えた。「もっとも得票の多い党から首相候補をだすのが自然である」と述べた。

06/03/29
ユーシェンコ大統領は28日、議会選挙後の連立について議会各派のリーダーと個別に会談した。ティモシェンコは会談後、「オレンジ連合復活への道が開けた」と述べた。社会党のMorozは、「合意したことは何もなかった」と述べ、ユーシェンコとヤヌコービッチは、選挙が公正であったことに合意した。

06/03/30
30日の中央選管の発表によると、開票率99.65%で、地域党32.1%、ティモシェンコブロック22.26%、我らのウクライナ13.97%、社会党5.68%、共産党3.66%だった。ティモシェンコブロックは、キエフ州など中央西部の14州、地域党は東部の10州、我らのウクライナは西部の3州でトップだった。

06/03/31
ウクライナ随一の金持ちで26日の議会選挙に地域党から立候補したAkhmetovは30日、首相になることを望んではいないと述べた。同時に、ウクライナのNATO加盟については国民投票が必要で、ロシア語の公用化が必要であると述べた。
 
 
 


2006年2月

06/02/01
ウクライナ独占禁止委員会は1月31日、ウクライナ・ガス公社Nafthaz Ukrayinyとスイスのガス会社RosUkrEnergo社によるガス供給合弁会社UkragazEnergo社の設立を認めた。UkragazEnergo社は、1月4日のガス供給問題に関するガスプロムとの協定に基づいて設立された。

06/02/02
Luhansk州Alchevsk市で1月22日、低温のため2つの主ヒートパイプが破裂し、学校、病院を含む数百のビルへの熱供給が止まった。ユーシェンコ大統領は1月30日Alchevskを訪問し、公共設備の改修を約束した。キエフポスト紙によると、ウクライナの熱供給システムの70%が老朽化している。

06/02/03
Naftohaz ukrainy公社とスイスのガス会社RosUkrEnergo社は2日、合弁会社UkrGasEmergoの設立協定に調印した。Naftohaz UkrainyのスポークスマンZanyukによると、RosUkrEnergo社は今後5年間、1000立方m当り95ドルの価格でウクライナに天然ガスを供給する。しかし、RosUkrEnergo社マネジャーのChuichenkoは、記者団の質問に答えなかった。

06/02/06
キエフの週刊新聞Zerkalo Nedeliは、Naftohaz Ukrainyが1月4日に、ガスプロムとRosUkrEnrgoと結んだ契約は、発表されているもの以外に6つの契約があったと報道した。低料金で、ウクライナにおいてガスを貯蔵したりトランジットする契約とされている。

06/02/07
地域党リーダーのヤヌコービッチ前首相はドネツクで6日、ガス危機問題を解決するただ1つの方法は、ベラルーシ、カザフスタン、ロシアとの統一経済圏を創設することだと述べた。ヤヌコービッチによると、この考えは、地域党とロシアの「統一ロシア」との会談での結論である。

06/02/09
ユーシェンコ大統領は9日の最高会議での年頭演説で、憲法委員会を設置し憲法改定に関する国民投票を行うよう提案した。「国民的な政治的合意が必要だ」と大統領は訴えた。

06/02/10
最高会議は9日、2006年にウクライナ国内での外国軍隊の演習を認めるというユーシェンコ大統領の提案を否決した。提案の採択には226の賛成が必要だが、215の賛成しか得られなかった。

06/02/13
ユーシェンコ大統領は最高会議で9日、行政部門、立法部門、内閣の間のバランスをとるステップが必要だと演説した。大統領は、そのようなバランスは、危急の際に、内閣の任命権や議会の解散権を大統領に与えることによって可能となる、と述べた。

06/02/14
ユーシェンコ大統領は11日、エネルギー節約局を設置し、ウクライナでのエネルギー効率を向上させると約束した。「新技術を導入し、時代遅れの設備を入れ替える必要がある」と大統領は述べた。

06/02/15
ユーシェンコ大統領は14日、ロシアからのガスをウクライナで独占的に取り扱うことになった、スイスの会社RosUkrEnergoの実態が不透明であるという、NGO、政治家、経済人の懸念に同感である、と述べた。彼は、政府に対しRosUkrEnergo社に関する情報を収集するよう指示した。

06/02/16
ユーシェンコ大統領の顧問Konstyantyn Tymoshenkoは15日、米国は3月末までにウクライナを自由市場経済国として認めるだろうと述べた。ウクライナは、米国やオーストラリアとの間で自由貿易協定を結んでいない。

06/02/17
外務省第1次官Buteikoは16日、NATOメンバー諸国は、4月にソフィアで予定されているウクライナ・NATO会議の前に、NATO行動計画に参加を望むユーシェンコ大統領からの書簡を受け取るだろう、と述べた。ウクライナは、2008年までにNATOへの全面加盟を望んでいる。

06/02/21
Tymoshenko前首相は17日、ロシアのガスを1000立方m当り95ドルで購入するという1月の協定は「ウクライナ国内法および国際基準」に反すると述べ、ユーシェンコ大統領はストックホルムの国際仲介裁判所に提訴すべきだ、と加えた。

06/02/22
Tarasyuk外務大臣は21日、1億5890万ドルのガス代支払いが滞っているという、先週のトルクメニスタンの発表について、未払い額は7700万ドルであり、それもトルクメニスタン側の税関での事情による、と述べた。ウクライナ石油ガス公社は、トルクメニスタン側はガス代の値上げを目論んでいる、と述べた。

06/02/24
Tymoshenko前首相は23日のTVインタビューで、2004年のオレンジ革命グループは、議会選挙での合同ブロックの結成に失敗した、と述べた。Tymoshenkoによると、大統領支持の我らのウクライナブロックは、議会選挙後に、オレンジ革命の敵であったヤヌコービッチらと協力する話し合いをはじめている。

06/02/24
ウクライナ原子力規制委員会委員長Mykolaychukは23日、チェルノブイリ原発に計画されている「使用済み燃料貯蔵集中施設」には、外国燃料を貯蔵しないと発表した。Tymoshenkoら何人かの政治家は、計画されている施設に国外から使用済み燃料が持ち込まれると批判していた。

06/02/27
ユーシェンコ大統領は25日、公正選挙監視委員会を大統領のもとに設置し、委員長に科学アカデミー総裁Patonを任命した。「大統領として、議会選挙が民主的に行われるようあらゆる努力を払う」と大統領は述べた。

06/02/28
Tymoshenko前首相は27日のTV放送で、「自分は反対派ではないが、現政府がやっていることの多くを支持できない」と語った。最近の世論調査によると、彼女は最も信頼される政治家で22.4%が信頼し、彼女を信頼しないと回答したのは22.1%だった。
 
 
 


2006年1月



06/01/04
中央選管は3日、米国の刑務所に入っているLazarenko元首相の、3月議会選挙への候補者登録を認めない決定をした。元首相は1999年に米国で逮捕され、マネーロンダリングなど14の罪状で有罪となり、それぞれに20年の刑を受けている。

06/01/06
Tymoshenko前首相は5日、ウクライナとロシアの間で結ばれたガス協定は法律違反であるとして、提訴する方針を発表した。新協定によると、スイスの国際合弁企業Raiffeisen Zentrabankが、ロシアから1000立方m当り230ドルでガスを買い、それを95ドルでウクライナに転売する。

06/01/09
キエフ控訴裁判所は9日、2000年に起きたGongadze記者殺害事件の審判を開始した。3人の警察官が殺害に関与したとして告発されているが、審理からジャーナリストは排除された。「彼らは犯人であるが、彼らには動機はなく、殺害命令を実行しただけだ」と、審理前から捜査記録を調べてきたGongadze夫人は述べた。

06/01/10
ティモシェンコブロックは10日、ロシアとのガス供給協定を批判し、燃料エネルギー大臣Plachkovと石油ガス公社総裁Ivchenkoの罷免を訴えた。ガス供給問題は、本日の最高会議で議論される。

06/01/11
最高会議は10日、賛成250でYekhanurov内閣の不信任案を採択し、首相を解任した。賛成したのは、地域党、ティモシェンコブロック、社会民主党(統一)、共産党、Lytvyn議長支持派であった。議会は同時に、先週の2006年ガス供給協定を批判する決議を採択した。

06/01/12
ユーシェンコ大統領は12日、最高会議に10日の内閣解任決議を取り消すよう要請した。大統領によると、議会による内閣解任は憲法違反であり、Yekhanurov内閣はまだ合法である。

06/01/13
中央選管は12日、3月26日の議会選挙に向けて、44の政党・ブロックから7650人の候補が登録されていると発表した。今度の選挙は完全比例代表制となり、新議会はまた、1月から発効した憲法改定にともない、内閣指名を行う。3%という議席獲得の閾値得票率を超えるのは、6つか7つの政党・ブロックとみられている。

06/01/17
ユーシェンコ大統領は13日、大統領権限を弱めて議会に委譲することを決めた2004年の憲法改定案について、国民投票に付する意向を明らかにした。「国民は何も知らされず、闇の中で事態が決められた」と大統領は述べた。

06/01/19
18日のインタファクス・ウクライナ通信によると、アゾフ海のHenichesk港で、ロシア軍が近々ウクライナに侵攻するというビラが配布された。ビラによると、ロシア軍はガスパイプライン確保のために駐留し、また、オレンジ革命の活動家の氏名を駐留ロシア軍に通知するよう呼びかけている。

06/01/20
ユーシェンコ大統領は19日、最高会議によるYekhanurov内閣の解任決議の合法性を、憲法裁判所に審議するよう要請した。しかし、定員18人の憲法裁判所は現在、ユーシェンコ大統領が任命した判事の宣誓を最高会議が拒否しているため、定員割れで機能していない。

06/01/23
ウクライナ政府は21日、天然ガス供給について予定されていた、ロシアガスプロムとNaftohaz公社の契約調印を25日に延期するよう申し入れた。「残念ながら、契約文書を用意できなかった」とYekhanurov首相は語った。

06/01/24
ユーシェンコ大統領は23日、3月の議会選挙に向けて、社会政治状況が安定であるよう訴えた。同時に、「最高会議の判断では、1月1日から憲法改定が有効とされているが、いいこととは思えない」と述べた。

06/01/25
大統領支持の我らのウクライナ・ブロックは25日、2004年のオレンジ革命を支えた政治勢力に対し、3月の議会選挙での共闘を訴えた。我らのウクライナのZvarychは、オレンジ共闘によって、Yakhanurov内閣の不信任を無効にするよう訴えている。

06/01/26
社会党リーダーMorozは25日、3月議会選挙に向けての我らのウクライナからの協力呼びかけに乗り気でないことを明らかにした。TymoshenkoブロックのTomenkoも、我らのウクライナからの協力呼びかけは承認しがたいと述べた。

06/01/30
キリスト正教会(モスクワ派)は27日、3月26日の議会選挙では共産党を支持すると発表した。Lukiyanik主教によると、我らのウクライナ、ティモシェンコブロック、社会党などは、反正教的であり、共産党の考えが正教に近い。正教モスクワ派は、スラブの統一、ロシア語使用の支持、ウクライナのNATO加盟反対を主張している。

06/01/31
スイスのガス取引業者RosUkrEnergoは30日、1000立方m当り95ドルというウクライナへのガス価格は、2006年の最初の半年間であると発表した。一方、ロシアからウクライナを通過するトランジットのガス価格契約は5年間であり、ウクライナの反対派からの批判が確認された。ウクライナとロシアは、ガス供給とトランジットについて、正式な契約には至っていない。