ウクライナ国内ニュース

2008年4-5月


安全研 究グループのホームへ


2008年5月

08/05/02
共産党は1日、キエフでメーデー集会を開き約3000人が参加した。共産党は、社会党に合同集会を提案したが、社会党は独自集会を開催し約500人が参加した。

08/05/05
ウクライナ国立銀行は5日、2008年第1四半期のインフレの主な要因は政府社会保障政策であったとの報告をまとめた。第1四半期のインフレは9.7%で、政府の年間予測9.6%より大きくなった。

08/05/06
ウクライナ共産党クリミア支部は5日、ロシア黒海艦隊のセバストポリ軍港駐留恒久化の住民投票を求める署名活動を始めた。クリミアの共産党は、クリミア半島で今年に予定されているNATOとの合同軍事演習を強く批判している。1997年のロシア・ウクライナ協定によると、ロシア黒海艦隊は2017年までセバストポリに駐留する。

08/05/07
FOM・ウクライナが実施した世論調査によると、ユーシェンコ大統領とティモシェンコ首相の関係が「険悪」とみているのは66.8%で、「良好」は16.4%だった。2000人の対象者のうち、ユーシェンコ大統領に否定的は51.4%で、ティモシェンコ首相に否定的は49.9%だった。また、大統領候補としては、ティモシェンコ支持23.7%、ヤヌコービッチ支持21.2%、ユーシェンコ支持8%。

08/05/09
ウクライナ国営石油会社Naftohaz Ukrainy総裁Dubynaは7日、Odessa-Brody石油パイプラインを2008年前期の終わりまでに、オデッサからBrodyへの石油輸送を開始すると述べた。このパイプラインは2002年に完成したが、これまではロシアの石油を反対方向に輸送してきた。



2008年4月


08/04/01
ユーシェンコ大統領は、キエフ訪問中のブッシュ米国大統領との合同記者会見で「米国はウクライナのNATO加盟を強く支持している」と述べた。ブッシュ大統領は、「ウクライナとグルジアはNATOメンバー行動計画に含めるべきで、それは米国のヨーロッパミサイル配備計画とは関連しない」と述べた。

08/04/02
ブッシュ大統領は、NATOサミットを前にしたブカレストで2日、ロシアの反対があっても、ウクライナとグルジアのNATO加盟を進めるべきだ、と述べた。一方、ロシア外務省次官Karasinは前日、「ウクライナのNATO加盟は、ロシア・ウクライナ関係に深刻な危機をもたらし、ヨーロッパの安全保障に影響するだろう」と述べた。

08/04/03
NATO報道官Appathuraiは2日、4月2-4日のNATOサミットで、ウクライナとグルジアのNATOメンバー行動計画が認められることはない、との見解を発表した。「私が間違っていればハッピーだが、行動計画は認められないだろう」と彼は述べた。

08/04/04
ブカレストで開かれていたNATOサミットは3日、ウクライナとグルジアのNATO加盟計画を否決したが、将来の加盟については満場一致で賛成した。ユーシェンコ大統領は「障害は基本的に克服された。ウクライナにとって歴史的な前進だ」と述べた。

08/04/04
ロシアのノーベル賞作家ソルジェニーツィンは4日のイズベスチア紙で、1930年代の飢饉をボルシェビキによるウクライナ国民のジェノサイドであると国際社会に訴えるのは、ウクライナの政治家による扇動だと述べた。

08/04/07
ユーシェンコ大統領はキエフで7日、「この9月にウクライナ・EU協定に調印し、EUの準メンバーになれるだろう」と述べた。また、NATO加盟については、「国民的議論」の後に国民投票を実施する意向を述べた。

08/04/09
最高会議は8日、ウクライナ国家警備隊の創設に関する大統領からの法案を否決した。法案の採択には226票の賛成が必要だが、208票しか集まらなかった。法案では、内務省軍などを大統領の直属にする。

04/08/10
最高会議は10日、WTO加盟に関する協定を450議席中411人の賛成で批准した。ウクライナとWTOとの交渉は14年続いていたが、この8月に正式に加盟する。

08/04/11
大統領秘書長Balohaは10日、土地売買に関するティモシェンコ内閣の決定は、ユーシェンコ大統領との民主的協力を破壊し、野党地域党にすりよるものだと批判した。内閣は同日、農業用地でない土地の競売手続きに関する決定を行った。

08/04/11
最高会議議長Yatsenyukは11日、ウクライナのNATO加盟に関して、「軍事行動の用意がある」というロシア参謀長Balvevskyの発言について議会で審議するよう要請した。

08/04/15
我らのウクライナ人民防衛ブロック(NUNS)とティモシェンコブロックの議員が14日、連立の維持について会合をもった。NUNSリーダーKyrylenkoは、ティモシェンコブロックが憲法改定を放棄すれば連立は維持できると述べた。ティモシェンコ側は、権力バランスの確立のため憲法改定を提案している。

08/04/16
Turchynov副首相は15日、大統領秘書長Balohaが述べているように、経済関係閣僚を罷免する計画はないと述べた。ティモシェンコブロックは16日、大統領による最近の内閣への誹謗に抗議して議場から退席した。

08/04/17
ティモシェンコ首相はストラスブルグのPACE議会で、ウクライナがヨーロッパ諸国のような議会制民主国家となるために憲法改革が必要だ、と述べた。また、EU加盟に必要な改革を断固として実施し、NATO加盟については国民投票を行うと述べた。

08/04/21
ティモシェンコ首相は20日、ウクライナを議会制国家にするための憲法改定案の第一読会を最高会議は採択するだろうと述べた。彼女によると、大統領制と議会制の権力は両立せず、ドイツのような議会制国家を目指すが、制度としての大統領職は存続させる。

08/04/22
我らのウクライナ・人民防衛ブロック(NUNS)のリーダーKyrylenkoは21日、最近のティモシェンコブロック(BYuT)の行動はウクライナの領土保全と独立を脅かしていると述べた。Kyrylenkoによると、BYuTは地域党や共産党とともに大統領制を変更する憲法改定を目論んでいる。

08/04/23
ウクライナ政府は22日、ロシア側からのウクライナ主権を侵害する発言について、国連に報告した。今月はじめ、ロシア外相ラブロフは、「ウクライナとグルジアのNATO加盟を防ぐためロシアはいかなる行動も行う」と述べ、プーチン大統領は「NATOに加盟するなら、クリミア半島とウクライナ東部を割譲する」と述べた。

08/04/24
ユーシェンコ大統領は23日、憲法審議会の開催を無期限に延期した。最高会議議長Yatsenyukの健康問題が理由になっているが、「表むきの理由」と見なされている。憲法審議会は2007年12月に設置され、大統領権力と議会権力の混合型憲法案の作成を目指していた。一方、ティモシェンコブロックは、議会に憲法改定のための委員会設置を主張している。

08/04/25
ユーシェンコ大統領は24日の記者会見で、最高会議での憲法改定に関する委員会設置を「バカげた展望のない試み」と批判した。大統領によると、憲法の改定は、憲法裁判所、専門家、人権活動家などを含む憲法審議会が発案すべきことである。

08/04/28
ティモシェンコ首相は25日、国家資産基金のSemenyuk議長を再び更迭しPortnovを就任させる試みを行った。内閣は、国家資産基金が不透明で民営化を妨害しているとして、2月6日にSemenyukを解任したが、翌日の大統領令によって覆された。

08/04/29
黒海上の石油掘削プラットフォームで28日、ヘリコプターが接触して墜落。乗り込んでいた20人全員が死亡した。一ヶ月前にも国境警備隊のヘリコプターが黒海に墜落し13人が死亡している。

08/04/30
ティモシェンコブロック(BYuT)は29日、検事総長Medvedkoの解任を求める署名活動をはじめた。BYuTは、イースター休暇明けの最高会議にMedvedko解任を提案する。Medvedko検事総長は25日、ティモシェンコ首相が国家資産基金のSemenyuk議長を解任しようとしたときに、解任命令に反対した。