原発の発電コスト

天然ガスを含めた化石燃料の発電コストは原発より安く、電力自由化がなされれば、原子力発電所は建設できないとすでに電力会社の首脳がたびたび表明しています。
 一方、原発こそ「お上の多大な補助」によって今日まで支えられてきました。電力料金を決める電気事業法自身がレートベース方式をとり、巨大な資産を持てば持つだけ利益を上げられる仕組みになっており、電力会社としては巨大な投資を要する原子力発電所(その上、送電、変電設備の巨額な資金もかかります)は何とも甘い汁でした。また、原子力発電所の最大の弱点である放射性廃物の処理コストすら電力単価の算定の際に勘定に入れないまま、原子力発電所の発電単価は安いなどと主張されてきました。

 総括原価 必要経費(減価償却費+営業費+諸税)+ 利潤

 利潤(事業報酬)= レートベース × 報酬率7.2%

 レートベース  = 固定資産 +

           建設中資産 +

           核燃料資産 +

           繰延資産 +

           運転資本 +

           特定投資

原発は建設費が高く、建設期間が長く、核燃料を備蓄すればそれも資産となり、研究開発などの特定投資も巨額で、それらすべてが利潤を膨れ上がらせる。


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