1997/8/29

原子力施設の破局事故についての災害評価手法

 

           京都大学 原子炉実験所  小出 裕章、瀬尾  健

 

T.原子力施設の破局事故と災害評価

 日本においては、原子力発電所にかぎって破局的な大事故は決して起きない、したがって、そのような事故の評価も、防災対策も必要ないし、ましてや住民の避難訓練などは全く必要ないというのが、国の基本的な方針であった。そのため、厳密といわれる安全審査においても、破局的な事故については、評価すらなされずに来た。

 原子力発電所の事故評価には、設計基準事故方式(Design Basis Accident:DBA方式)と確率論的方式とがある。確率論的方式とは、発生確率は大きいが被害は小さな事故から、発生確率は小さいが被害は大きな事故まで、問題の原子力発電所で起こることが考えられるあらゆる事故について評価しようとする方式である。しかし、事故とは本来予期できないものであるため、計算で求められた事故の発生確率には大きな誤差がつきまとってしまい、正当な評価になっているかどうか判断が付かない。これに対して、DBA方式では、考えられる事故のうち、ある規模の事故を選定し、その選定された事故について事故評価を行なう。それを超える事故は「想定不適当事故」とすることで、考慮の対象外とするという方法である。この方式は、単純であり、評価が楽であるが、では何故「想定不適当事故」は考慮しなくて良いのかと問われると、根拠をもって答えることができない。一般的には、「想定不適当事故」の発生確率は低いと答えられるが、事故確率の評価自身がなされていないのであるから、それは答えになっていない。

 日本の安全審査では設計基準事故方式が採用され、破局的な事故は考慮の対象外にされてきた。しかし、原子力発電所は機械である。そして、人間は神ではない。当然、原子力発電所も予期せぬ事故から免れないし、破局的な被害を引き起こす事故の発生確率も決して0ではない。では、そのような破局的な事故とはいったいどのようなもので、どのように向き合えばよいのかが問題である。

 本稿は、生前この問題に深い興味を示し、厖大な計算プログラムを開発して、この問題に取り組んできた瀬尾健の仕事をまとめ、彼の遺したプログラムを広く利用できるようにするために書かれる。

 

U.評価の手法

事故の類型とソースターム

現在利用されている原子力発電所には、様々な形式のものがある。ただ、日本において用いられているのは、米国で開発された加圧水型原子炉(PWR)を用いたものと、沸騰水型(BWR)を用いたものの2つである。それらの原子炉が事故を起こした場合に、炉内に蓄積していた放射性核種がどのように挙動するかについては、今日までに沢山の研究がある。本稿では、確率論的安全評価の草分けとして米国原子力委員会が実施した「原子炉安全研究(Reactor Safety Study)」での評価を利用する。この研究の後にも、もちろん多数の研究があるが、それぞれの核種についての評価値に若干の違いがあるとはいうものの、基本的には大きな違いがないし、どちらがどれだけ正しいか判断できないので、上記RSSでの評価値を用いる。

RSSでの炉蓄積量(100万kWの原発が3年運転されて平衡炉心となった場合)をTable 1に、事故の分類と放出開始時間や放出高さなどをTable 2に、環境への放射性核種の放出割合をTable 3に示す。

Table 1 Reactor Core Inventory
# Nuclide [x108 Ci] Half-life(day)
1 KR-85 0.0056 3950
2 KR-85m 0.24 0.183
3 KR-87 0.47 0.0528
4 KR-88 0.68 0.117
5 SR-89 0.94 52.1
6 SR-90 0.037 10000
7 SR-91 1.1 0.403
8 Y-90 0.039 2.67
9 Y-91 1.2 59.0
10 ZR-95 1.5 65.2
11 ZR-97 1.5 0.710
12 NB-95 1.5 35.0
13 MO-99 1.6 2.80
14 TC-99m 1.4 0.250
15 RU-103 1.1 39.5
16 RU-105 0.72 0.185
17 RU-106 0.25 366
18 RH-105 0.49 1.50
19 TE-129 0.31 0.0480
20 TE-129m 0.053 34.0
21 TE-131m 0.13 1.25
22 TE-132 1.2 3.25
23 I-131 0.85 8.05
24 MI-131 0.85 8.05
25 I-132 1.2 0.0958
26 I-133 1.7 0.875
27 I-134 1.9 0.0366
28 I-135 1.5 0.280
29 MI-135 1.5 0.280
30 XE-133 1.7 5.28
31 XE-135 0.34 0.384
32 CS-134 0.075 750
33 CS-136 0.030 13.0
34 CS-137 0.047 11000
35 BA-140 1.6 12.8
36 LA-140 1.6 1.67
37 CE-141 1.5 32.3
38 CE-143 1.3 1.38
39 CE-144 0.85 284
40 PR-143 1.3 13.7
41 ND-147 0.6 11.1
42 PM-147 0.17 960
43 PM-149 0.4 2.20
44 PU-238 0.00057 32500
45 PU-239 0.00021 8.90 x 106
MI-131,MI-135は有機よう素を示し、それらの放出率はTABLE 3で無機よう素とは別に与える。

Reactor Safety Study: NUREG-75/014(WASH-1400),AppendixVI.p.3.3 Table VI 3-1

 Table 2 Accident Category and Release Parameters
Accident. Release Release Release
Type Time [h] Duration [h] Height. [m]
PWR1 2.5  0.5  25
PWR2 2.5  0.5  0 
PWR3 5.0  1.5  0 
PWR4 2.0  3.0  0 
PWR5 2.0  4.0  0 
PWR6 12.0 10.0 0 
PWR7 10.0 10.0 0 
PWR8 0.5  0.5  0 
PWR9 0.5  0.5  0 
BWR1 2.0  2.0  25
BWR2 30.0  3.0  0
BWR3 30.0 3.0  25 
BWR4 5.0  2.0  25 
BWR5 3.5  5.0  150 
FBR1 2.5  0.5  0 
 

Table 3    Radioactivity Release Fraction of each Accident Category
Accident Release Fraction
Type Xe-Kr Org-I I-Br Cs-Rb Te Ba-Sr Ru(a) La(b)
PWR1 0.9  6E-3 0.7  0.4  0.4 0.05  0.4  3E-3
PWR2 0.9  7E-3 0.7  0.5  0.3  0.06  0.02  4E-3
PWR3 0.8  6E-3 0.2  0.2  0.3  0.02  0.03 3E-3
PWR4 0.6  2E-3 0.09 0.04 0.03 5E-3 3E-3 4E-4
PWR5 0.3  2E-3 0.03 9E-3 5E-3 1E-3 6E-4 7E-5
PWR6 0.3  2E-3 8E-4  8E-4 1E-3 9E-5 7E-5 1E-5
PWR7 6E-3 2E-5 2E-5 1E-5 2E-5 1E-6 1E-6 2E-7
PWR8 2E-3 5E-6 1E-4 5E-4 1E-6 1E-8 0  0 
PWR9 3E-6 7E-9 1E-7 6E-7 1E-9 1E-11 0  0 
BWR1 1.0 7E-3 0.4  0.4  0.7  0.05  0.5  5E-3
BWR2 1.0 7E-3 0.9  0.5  0.3  0.1 0.03 4E-3
BWR3 1.0 7E-3 0.1 0.1 0.3  0.01 0.02 3E-3
BWR4 0.6  7E-4 8E-4  5E-3  4E-3 6E-4 6E-4 1E-4
BWR5 5E-4 2E-9 6E-11 4E-9 8E-12 8E-14 0  0 
FBR1 0.9  7E-3 0.7  0.5  0.3  0.06  0.02 4E-3
(a) Includes Mo, Rh, Tc.

(b) Includes Nd, Y, Ce, Pr, Pm, Np, Pu, Zr, except for FBR. In the FBR cases, the

release fraction of 0.1 is assumed for Pu.

 

 PWR1:炉心熔融が起こり、熔融した炉心が原子炉容器の底に落下したときに、そこに溜っていた水と激しく反応して蒸気爆発を引き起こす。この爆発により原子炉容器の上蓋が吹き飛び、ミサイルとなって格納容器に激突して破壊し、大量の放射能が噴出する。格納容器スプレーと熱除去系は故障。

 PWR2:炉心冷却系が故障し、炉心が熔融するが、格納容器スプレーと熱除去系も故障するため、格納容器内の圧力上昇を抑えることができず、ついには格納容器の耐圧限度を突破して破裂する。かくして格納容器内に充満していた大量の放射能が環境に吹き出す。

 PWR3:格納容器除熱系が故障したため、過圧によって格納容器が壊れる。但し炉心冷却系は格納容器破壊の時点まで働くが、格納容器サンプ内の冷却材が過熱のため沸騰し、冷却材ポンプがキャビテーションのためダウンする。かくして炉心熔融が進行し、放射能が環境に出ていく。従って、上記二つの場合より、放射能放出継続時間ははるかに長い。

 PWR4:炉心及び格納容器への冷却水注入の時点で、炉心冷却系も格納容器スプレー系も故障する。加えて格納容器隔離系も故障する。

 PWR5:上記と同じく炉心冷却系が故障するが、違うところは格納容器スプレー系が働いて、空中に漂う放射能を洗い落とすことができる。しかし格納容器隔離系の故障のため、大きな漏洩率で放射能が環境に出ていく。

 PWR6:炉心冷却系の故障のために、炉心は熔融落下する。格納容器スプレーは働かないが、格納容器の気密は、コンクリート底が熔融貫通するまで持ちこたえる。放射能は地面の下から外へ漏れ出す。

 PWR7:PWR6と同じだが、格納容器スプレーが働いて、外に漏れる放射能が少なくて済む。

 PWR8:Design Basis Accident の大口径配管破断を模擬したもの、但し格納容器隔離系が設計どうり働かないと仮定する。炉心は熔融しない。

 PWR9:Design Basis Accident の大口径配管破断を模擬したもの。つまり、ウランペレットと被覆管の間に元々あった放射能だけが、格納容器内に漏れ出す。炉心は熔融しない。安全防護設備が最低限働くため、炉心と格納容器の冷却が維持される。

 

BWR1:原子炉圧力容器の中に炉心の約半分が残っている状態で蒸気爆発が発生。その結果、この約半分の炉心分が格納容器を突き破って放出される。細かく飛び散った溶融炉心は空気中で酸化され、大量の放射能が拡散する。

BWR2:崩壊熱除去系の喪失のため格納容器内の圧力が上昇して、格納容器が破壊、その後、炉心溶融が起こる。この場合、放射能の沈着はわずかしか起こらず、直接大気中に放出されることになる。多くの放射能に関して、放出量はBWR1と同程度。

 BWR3:格納容器が加圧によって破壊されることはBWR2と同じ。ただし、炉心から放出された放射能は、原子炉建屋を通して放出されるケース。放射能は、沈着したり、圧力抑制プールの水で除去されたりするので、環境への放射能放出はBWR2より少ない。

BWR4:格納容器隔離が不十分となって、放射能が環境に漏洩するケース。ただし、漏洩が起きるために、格納容器の加圧による破壊は免れる。

BWR5:炉心は溶融せず、わずかの放射能が燃料棒ギャップから放出されるケース。

 FBR1:このカテゴリーは「原子炉安全性研究」にはなく、瀬尾によって追加されたもの。PWR2 と同じ放出割合を仮定し、プルトニウムについてだけ、放出割合を 0.1 とした(PWR2に比べて25倍)。

 

 

大気拡散と沈着

 環境に放出された後の放射性核種の挙動は、プラント内での挙動以上に一層複雑である。個別サイトの地政学的、気象学的特徴もあるであろうし、事故が発生した時の、気象条件もある。それらを個々に取り上げ評価することももちろん重要な仕事ではあるが、本稿では行わない。本稿では、あくまでも類型化された事故について、類型化された気象条件で放射性核種の拡散、沈着を評価する。

 パスキルの拡散式の計算は次のように行っている。

 点 x1 での放射能量を Q1 とした場合、x2 での放射能量 Q2 は、その区間の地面沈着と、崩壊減衰を考慮して次のようになる。

 

Q2 = Q1exp-(x2-x1)λ/u - (v/u)x1x22πfx/[Ac+(2π)πfxσzexp(0.5h2/σz 2)]dx

 

 ここに

 

   λ=崩壊定数(s-1

   u=風速(m/s)

   v=地面沈着速度(m/s)

  σz=高さ方向の濃度の広がり幅(m)

   h=放出高さ(m)

   Ac=格納容器の立ち上がり面積(m2)で、Ac=Ac0・exp(-αh) の式で計算される。Ac0、αの二つのパラメータの値は、それぞれ 2000.0、0.5 としている。

 

 上の積分計算では各区間を20等分してシンプソン公式を用いている。

 

σzは、日本の「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針について」に従った。σzの上限値は1000m と与えてある。水平方向は、くさび型モデルを用いているので、広がり角を 360f 度とし、幅を 2πfx とする。ここに x は風下距離である。f は次の式で与えられるもので、

f/f0 = (t/t0)1/3

 

t は放出継続時間 (h)、t0 は標準放出継続時間で 0.5 h とする。

 

 f0 は各大気安定度に対して、A: 0.111、B: 0.083、C: 0.055、D: 0.042、E: 0.028、F: 0.021 と決めてある。

 

沈着速度はTable 4に示す値を用いる。

 

Table 4 Deposition velocities v(m/s)
Gases  0.0
Inorganic Iodines 0.005
Other particles  0.002
 

 呼吸量、bは次の値を使う。

 

   呼吸量 b = 0.00022 m3/s

 

 地点 x での放射能の量を Q (Ci) とした場合、地表面での放射能濃度χ(Ci・s/m3) は

 

  χ = Q/u/Ac+(2π)πfxσzexp[h2/(2σz2)]

 

 地面の汚染濃度 C(Ci/m2)は

 

   C = vχ

 

 吸入量は

 

   QINH = bχ

 

で与えられる。

 

以上の計算で用いている数値は、基礎データファイル「ACC40k.DAT」の中で与えるようにしてあるので、このファイルに手を加えれば変更することができる。この際、各数値の頭の位置が変わらないように注意する必要がある。

 

被曝線量評価

被曝の経路には外部被曝と内部被曝がある。また、外部被曝には、放射性雲から直接ガンマ線を被曝する場合と、地面に沈着した放射性核種からのガンマ線を被曝する場合がある。一方、内部被曝の場合は、放射性雲から吸入した核種による被曝と、汚染された食物を食べることによる被曝がある。

外部被曝の計算原理は単純である。放射能雲からの直接ガンマ線の被曝量を求める場合には、まず空間中に存在する放射性核種の濃度を計算し、次に、そこから被曝点に届くガンマ線の強度を計算する。最後に、吸収係数をかけて被曝量を計算すればよい。ただ、実際にその計算をしようとすると、3次元空間にわたる積分が必要となる。そこで、本プログラムでは、あらかじめ代表的な条件についての被曝計算を行い、その結果を表として与え、個々の場合は、表のデータの補間によって計算している。

地面に沈着した放射性核種からのガンマ線の外部被曝については、無限平面に一様に広がった汚染を仮定して、地上高さ1mの点での被曝量をあらかじめ計算した。その結果を表として登録しておき、拡散計算の結果求められた被曝量評価点での地面の汚染密度と掛け合わせることで、計算できる。

内部被曝のうち食物摂取による被曝量に関しては、事故後の対応によって大きく変化しうるので、評価の対象外とした。放射能雲からの吸入量については、すでに述べたように、評価地点での空間濃度と、呼吸量から評価できる。また、体内に取り込んだ放射性核種からの被曝量は、各臓器ごとに、ICRPなどが与えている値を表にしておいて、それと掛け合わせることで求めた。

それぞれの放射性核種についての、それぞれのパラメータをTable 5とTable 6に示す。

 

 

Table 5 Basic Radiation Parameter and External Exposure Rate
         
    (MeV)  (MeV)  Svm2/(hCi) Svm3/(sCi)
1 Kr-85  0  0.230  0  0 
2 Kr-85m  0.160  0.230  0.600E-01  0.360E-03 
3 Kr-87  0.820  0.133E 01  0.200  0.360E-02 
4 Kr-88  0.221E 01  0.250  0.600  0.420E-02 
5 Sr-89  0  0.560  0  0
6 Sr-90  0  0.200  0.436E-05  0
7 Sr-91  0.750  0.650  0.195  0.160E-02 
8 Y-90  0.100E-01  0.950  0.436E-05  0.200E-04 
9 Y-91  0.100E-01  0.610  0.641E-03  0.200E-04 
10 Zr-95  0.760  0.120  0.287  0.190E-02 
11 Zr-97  0.240  0.710  0.294  0.600E-03 
12 Nb-95  0.770  0.400E-01  0.146  0.180E-02 
13 Mo-99  0.190  0.380  0.273E-01  0.600E-03 
14 Tc-99m  0.140  0  0.285E-01  0.350E-03 
15 Ru-103  0.490  0.700E-01  0.958E-01  0.110E-02 
16 Ru-105  0.790  0.410  0.162  0.200E-02 
17 Ru-106  0.200  0.145E 01  0.367E-01  0.500E-03 
18 Rh-105  0.200E-01  0.150  0.153E-01  0.500E-04 
19 Te-129  0.700E-01  0.530  0.108E-01  0.180E-03 
20 Te-129m 0.100  0.210  0.472E-01  0.250E-03 
21 Te-131m 0.149E 01  0.180  0.403  0.375E-02 
22 Te-132  0.280  0.600E-01  0.463  0.500E-03 
23 I-131  0.390  0.190  0.756E-01  0.900E-03 
24 MI-131  0.390  0.190  0.756E-01  0.900E-03 
25 I-132  0.230E 01  0.520  0.409  0.550E-02 
26 I-133  0.630  0.420  0.115  0.120E-02 
27 I-134  0.480E 01  0.690  0.486  0.600E-02 
28 I-135  0.145E 01  0.390  0.341  0.420E-02 
29 MI-135  0.145E 01  0.390  0.341  0.420E-02 
30 Xe-133  0.800E-01  0.100  0.188E-01  0.700E-04 
31 Xe-135  0.260  0.310  0.493E-01  0.600E-03 
32 Cs-134  0.158E 01  0.160  0.291  0.360E-02 
33 Cs-136  0.186E 01  0.120  0.402  0.460E-02 
34 Cs-137  0.660  0.170  0.111  0.130E-02 
35 Ba-140  0.190  0.290  0.430  0.600E-03 
36 La-140  0.239E 01  0.520  0.392  0.520E-02 
37 Ce-141  0.700E-01  0.160  0.178E-01  0.160E-03 
38 Ce-143  0.340  0.400  0.488E-01  0.850E-03 
39 Ce-144  0.300E-01  0.800E-01  0.546E-02  0.400E-04 
40 Pr-143  0  0.320  0.171E-08  0 
41 Nd-147  0.180  0.240  0.229E-01  0.450E-03 
42 Pm-147  0  0.600E-01  0  0 
43 Pm-149  0.200E-01  0.380  0.228E-02  0.120E-03 
44 Pu-238  0  0  0.795E-05  0
45 Pu-239  0  0  0.724E-05  0 
 

Table 6 Dose Conversion Coefficient for Internal Exposure

  Nuclide Whole Body

(Sv/mCi)

  Lung (Sv/mCi)   GI-Tract

(Sv/mCi)

Thyroid

(Sv/mCi)

    Short Term (Commitm) (30d) (50yr.) (50yr.) (50yr.)
1 Kr-85  0  0  0  0  0  0
2 Kr-85m  0  0  0  0  0  0
3 Kr-87  0  0  0  0  0  0
4 Kr-88  0  0  0  0  0  0
5 Sr-89  9.535E-02 0.370  0.780  0.176E 01 0.450  0
6 Sr-90  1.086E-01 0.130E 02 0.188E 01 0.117E 02 0.360  0
7 Sr-91  1.008E-02 0.150E-01 0.550E-01 0  0.240  0
8 Y-90  7.465E-02 0.810E-01 0.210  0  0.710  0
9 Y-91  6.789E-02 0.440  0.860  0.210E 01 0.430  0
10 Zr-95  3.350E-02 0.180  0.770  0.199E 01 0.220  0
11 Zr-97  2.105E-02 0.400E-01 0.100  0  0.710  0
12 Nb-95  1.889E-02 0.460E-01 0.340  0  0.110  0
13 Mo-99  3.558E-02 0.370E-01 0.120  0  0.300  0
14 Tc-99m  2.100E-04 0.210E-03 0.810E-03 0  0.450E-02 0
15 Ru-103  2.835E-02 0.770E-01 0.370  0.740  0.220  0
16 Ru-105  4.100E-03 0.410E-02 0.160E-01 0  0.110  0
17 Ru-106  3.123E-01 0.440E 01 0.234E 01 0.114E 02 0.107E 01 0
18 Rh-105  8.500E-03 0.850E-02 0.260E-01 0  0.110  0
19 Te-129  6.700E-04 0.670E-03 0.340E-02 0  0.210E-01 0.400E-03
20 Te-129m 8.929E-02 0.200  0.107E 01 0.197E 01 0.550  0.670E-01
21 Te-131m 5.419E-02 0.560E-01 0.110  0  0.360  0.100E-01
22 Te-132  7.332E-02 0.780E-01 0.310  0  0.550  0.250E-01
23 I-131  2.605E-01 0.330  0.210  0  0.110E-01 0.147E 02
24 MI-131  2.605E-01 0.330  0.210  0  0.110E-01 0.147E 02
25 I-132  3.400E-03 0.340E-02 0.900E-02 0  0.240E-01 0.530 
26 I-133  5.471E-02 0.550E-01 0.510E-01 0  0.220E-01 0.396E 01
27 I-134  1.100E-03 0.110E-02 0.360E-02 0  0.220E-01 0.250 
28 I-135  1.100E-03 0.110E-01 0.200E-01 0  0.210E-01 0.123E 01
29 MI-135  1.100E-03 0.110E-01 0.200E-01 0  0.210E-01 0.123E 01
30 Xe-133  0  0  0  0  0  0
31 Xe-135  0  0  0  0  0  0
32 Cs-134  4.744E-02 0.460  0.500  0  0.210E-01 0
33 Cs-136  4.497E-02 0.760E-01 0.150  0  0.110E-01 0
34 Cs-137  2.811E-02 0.320  0.350  0  0.110E-01 0
35 Ba-140  4.879E-02 0.790E-01 0.122E 01 0.146E 01 0.550  0
36 La-140  4.237E-02 0.430E-01 0.170  0  0.550  0
37 Ce-141  3.474E-02 0.830E-01 0.230  0.415  0.110  0
38 Ce-143  2.691E-02 0.310E-01 0.100  0  0.300  0
39 Ce-144  8.940E-02 0.350E 01 0.216E 01 0.990E 01 0.110E 01 0
40 Pr-143  3.874E-02 0.740E-01 0.290  0.355  0.240  0
41 Nd-147  4.270E-02 0.610E-01 0.240  0.272  0.220  0
42 Pm-147  1.584E-03 0.340  0.120  0.670  0.550E-01 0
43 Pm-149  1.617E-02 0.280E-01 0.870E-01 0  0.260  0
44 Pu-238  6.560E 02 0.245E 05 0.100E 03 0.176E 04 0.430  0
45 Pu-239  7.122E 02 0.270E 05 0.960E 02 0.171E 04 0.430  0
Short Term Dose は、はじめの7日間の線量と、それ以降の23日間の線量の1/2を加えたもの。

 

急性死者とガン死者の評価

放射線を被曝した場合には、様々な障害が発生する。そのうち、本プログラムでは、急性の死者と、晩発性のガンの死者の2つだけを取り上げる。

急性死者の死亡確率については、いくつかのモデルがあるが、本プログラムでは、以下のモデルを用いる。

実効線量当量で評価した全身線量をDとし、死亡確率をL(D)とする。そして、両者の間に以下の関係が成り立つものとする。

 

 ここで、D1は半致死線量であり、任意に設定できるが、初期設定では4Svとしている。パラメータaについては、90%致死確率を与える線量を与えることで、計算できる。この線量も任意に設定できるようにしてあるが、初期設定は6Svとしてある。(その場合、 a=5.419となる。)こうして、設定した致死確率の変化を、原子炉安全性研究での仮定とともに図示するとFigure1となる。

 

Figure 1 Relation between Whole Body Dose Equivalent

and Acute Death Probability

 

晩発性ガン死者の評価は、J.W.Gofmanの”Radiation and Human Health”にしたがい、全身ガン線量を2.5人・Svとし、線量とガン死確率の間に直線関係があるとして、評価した。すなわち、ある集団中の全身換算実効線量当量の総計をSとすると、その集団に発生するガン死者Ncは、

 

Nc=S/2.5

 

として、容易に求められる。ただし、この方法で評価すると、特に全身ガン線量に近い被曝をした人について、複数回死ぬことになる効果を、無視しており、若干の過大評価になる。この点については、今中哲二さんが新しいモデルを提案しており、いずれ改訂の予定。

 

V.計算プログラムの解説

プログラムの全体構成

瀬尾は一連の評価を行うために多数のプログラムを開発したが、それらは大きく分けると3つに分類できる。

まず第1は、「原子炉安全性研究」の手法に則り、類型化された事故についての標準計算を行うことである。

第2は、個々の原子力発電所に標準計算を当てはめ、周辺を含めた人口分布データを適用することで、具体的な死者数を評価することである。

そして最後に、それぞれの結果を容易に理解することができるように、様々に加工し、また図示するための一連の作業である。

全体の構成をFigure 2に示す。

 

 なお、プログラム群の実際の操作法については、瀬尾さん自身が残した説明書を含めて、本レジメのAppendixとして、添付しておくので、そちらを参照のこと。
第1ステップ:拡散、被曝量計算(ACC40)

この標準計算が、作業全体の最も重要な部分を占める。計算自身は、「原子炉安全性研究」の手法に則り、類型化された事故と、そのソースターム(事故時に環境に放出される放射性核種の量)を仮定するところから始まる。次に、指定された大気安定度、風速などの条件の下で、放射性核種の大気中の拡散・沈着を計算する。得られた結果を用いて、風下距離ごとに外部被曝線量、内部被曝線量を計算し、最終的な結果をいくつかのファイルに出力する。

この作業を行うのは、「ACC40k.EXE」と名付けられたプログラムである(「ACC40」は瀬尾によって名付けられたコードネームで 「ACCident version 4.0 」を意味する。最後の「k」は、その後、小出が若干の修正を行ったことを示す。)。すでに述べた、事故の類型化、ソースターム、外部被曝、内部被曝に関する核種のパラメータは、「ACC40k.DAT」ファイルに一括して含められている。そのため、おそらくその必要はないと思われるが、異なった事故、あるいは異なった条件での解析を行いたい場合は、「ACC40k.DAT」ファイル中のパラメータを変更すればよい。

プログラムの流れをFigure 3示す。

大気拡散の計算は、高さ方向にはガウス分布、風下との直角方向については一様分布とするいわゆる「くさび型モデル(Wedge Model)」を用いる。

外部被曝線量の計算は、標準的な条件で3次元空間にわたる積分を行った結果が「ACC40k.DAT」中に記録されていて、そのデータの補間で求める。ただし、もし必要があれば、いわゆる「サブマージョンモデル」を用いることもできる。(その場合は、「ACC40k.DAT」中で指定する。)

 

 このプログラムの具体的な使用法については瀬尾さん自身が書き残した説明書がある。それを本レジメのAppendixに添付しておく。

 

 

ACC40k.EXEは5種類のファイルを出力する。そのうち、「.A40」と拡張子のついたファイルには、第2ステップに引き渡されるデータが記録されている。その一例をTable 7に、またそれを図示したものをFigure4に示す。

また、外部被曝線量の詳細を記録した出力ファイル(拡張子「E40」)の結果を図示してみれば、Figure 5となる。

ここでは、これらの作図にフリーソフトウェアである「NGRAPH」を用いた。ユーザーが作図する場合には、各自、好みのアプリケーションを用いる必要がある。ただ、ACC40kが出力するファイルはいずれも標準的なASCIIテキストなので、ほとんどのアプリケーションで容易に利用できるはずである。

 

 

 

Table 7 Output Example of ACC40

B2D25Y.A40

------------------------------------------------------------

b2d25y Power/MWe= 1000.0 Eff.Area/m2= 2000.0

Acc.Typ= BWR-2 Rel.T/h= 30.0 Rel.Dur/h= 3.0

Rel.Elv/m= .0 Atm.St.= D f(eff)= .0763

WV(m/s)= 2.0 Shld.f.= 1.0000 Evac.T/d= 1825.0

 

X/km Dl/Sv Ds/Sv

 

.10 .21864E+05 .42962E+04

.15 .19198E+05 .37625E+04

.20 .16200E+05 .31704E+04

.30 .11644E+05 .22736E+04

.40 .85122E+04 .16586E+04

.60 .49834E+04 .96764E+03

.80 .32493E+04 .62923E+03

1.00 .22916E+04 .44278E+03

1.50 .11881E+04 .22833E+03

2.00 .73910E+03 .14120E+03

3.00 .37782E+03 .71567E+02

4.00 .23523E+03 .44333E+02

6.00 .12120E+03 .22611E+02

8.00 .76032E+02 .14052E+02

10.00 .53091E+02 .97295E+01

15.00 .27793E+02 .50007E+01

20.00 .17624E+02 .31215E+01

30.00 .93103E+01 .16050E+01

40.00 .59292E+01 .99834E+00

60.00 .31377E+01 .50691E+00

80.00 .19927E+01 .31038E+00

100.00 .13974E+01 .21055E+00

150.00 .72576E+00 .10166E+00

200.00 .45052E+00 .59240E-01

300.00 .22420E+00 .26471E-01

400.00 .13315E+00 .14358E-01

600.00 .60585E-01 .56332E-02

800.00 .32883E-01 .27164E-02

1000.00 .19655E-01 .14729E-02

1500.00 .68127E-02 .42489E-03

2000.00 .28098E-02 .15372E-03

3000.00 .61146E-03 .27822E-04

4000.00 .15711E-03 .62623E-05

6000.00 .13018E-04 .43249E-06

8000.00 .12450E-05 .37417E-07

------------------------------------------------------------

 

Figure 4 Plotting example of the ACC40k output

(P2D25Y.A40 and B2D25Y.A40)

 
 
 

Figure 5 Plotting Example of the ACC40k output

(B2D2-30D.S40)

 

 

第2ステップ:具体的サイトへの適用(AJAC)

3つに大きく分けた作業のうちの2番目の作業は、標準計算の結果を個々の原子力発電所に適用し、人口データと組み合わせて、具体的に被害を計算する作業である。

AJACの構成をFigure 6に示す。標準計算(ACC40k)の結果は、拡張子「A40」がついたファイルとして引き渡され、個々の原子力発電所のデータはTable 8に示す「REACTOR.TBL」から読み込み、どの原子力発電所について評価するかはユーザーが指定する。

日本全国の市町村別人口、面積、緯度、経度データは、1992年度の国勢調査に基づくものが、京大工学部原子核工学科の河野益近氏の努力によって都道府県別のファイルに納められており、それを読み込む。一例として静岡県についてのものをTable 9として示す。

AJACでは、評価する原子力発電所の緯度経度データと、各市町村の緯度経度データから、各市町村までの方位及び距離を計算し、風下に含まれる市町村について、外部被曝、内部被曝線量を計算する。その上で、人口データと併せて、被害を計算する。その計算を全方位に対して実行し、結果をファイルにまとめて出力する。一例を浜岡3号炉(BWR、 1100 MW)事故について、Table 10に示す。なお、それぞれの市町村の住民は、すべて役場の位置に居住しているとしており、原発サイトから離れた市町村では実質的な問題にならないが、原発サイトに近い市町村の場合、評価に大きな誤差がある。

また、今回、提供するプログラムは「AJAC−km」である。瀬尾さんが当初作っていたAJACからは、以下の2点で変更している。1つは、瀬尾が用いていた1986年の国勢調査データの代わりに、すでに述べたように1992年の国勢調査データを用いるようにしたこと。もう一つは、風向について、自動的に15度ずつ全方位について計算してファイルを出力するようにしたことである。

そのため、瀬尾さん自身が書き残したAJACの使用説明書を本レジメのAppendixに添付するが、角度を入力する部分(EFGの一部)は省ける。その点、Appendixの説明を参照のこと。

 

 ただし、大気安定度をE型、F型と指定した場合、放射能雲の広がり角度は15度以下となるので、評価から抜け落ちる市町村が生じる。その場合には、AJAC-kを利用して、個別に角度を指定して下さい。

 

 

 

Table 8 Reactor Site data (REACTOR.TBL)

 

Name Type Latitude Longitude Power

[MW]

-------------------------------------------------

美浜1 PWR 35.6991 135.9598 340.0

美浜2 PWR 35.6991 135.9598 500.0

美浜3 PWR 35.6991 135.9598 826.0

高浜1,2 PWR 35.5239 135.5055 826.0

高浜3,4 PWR 35.5239 135.5055 870.0

大飯1,2 PWR 35.5415 135.6557 1175.0

大飯3,4 PWR 35.5415 135.6557 1180.0

島根1 BWR 35.5405 133.0033 460.0

島根2 BWR 35.5405 133.0033 820.0

伊方1,2 PWR 33.4864 132.3105 566.0

伊方3 PWR 33.4864 132.3105 890.0

玄海1,2 PWR 33.5116 129.842 559.0

玄海3,4 PWR 33.5116 129.842 1180.0

川内1,2 PWR 31.8294 130.192 890.0

浜岡1 BWR 34.6211 138.1438 540.0

浜岡2 BWR 34.6211 138.1438 840.0

浜岡3 BWR 34.6211 138.1438 1100.0

串間 PWR 31.3733 131.2717 1350.0

志賀 BWR 37.0500 136.73 540.0

福島一1 BWR 37.4177 141.0397 460.0

福島一2-5 BWR 37.4177 141.0397 784.0

福島一6 BWR 37.4177 141.0397 1100.0

福島二1-4 BWR 37.3134 141.0266 1100.0

柏崎1-5 BWR 37.4295 138.604 1100.0

女川1 BWR 38.3956 141.5037 524.0

芦浜1 APWR 34.2100 136.4300 1350.0

泊1,2 PWR 43.0288 140.5148 579.0

東海 GCR 36.4586 140.6119 166.0

東海第二 BWR 36.4586 140.6119 1100.0

敦賀1 BWR 35.7495 136.0203 357.0

敦賀2 PWR 35.7495 136.0203 1160.0

もんじゅ FBR 35.7370 135.9910 245.1

-------------------------------------------------

 

 

 

 

 

 

Table 9 Population Data

(for example: 静岡92.MP : Shizuoka Prefecture)

 

-------------------------------------------------------

Name Population Area Latitude Longitude

[man] [km2]

-------------------------------------------------------

静岡市 471168 1146.13 34.9667 138.3830

浜松市 545863 256.74 34.7000 137.7170

沼津市 213186 152.12 35.0833 138.8670

清水市 241440 227.63 35.0000 138.4830

熱海市 47095 61.53 35.0833 139.0670

三島市 106052 61.39 35.1000 138.9170

富士宮市 118893 314.81 35.2167 138.6170

伊東市 73706 124.10 34.9667 139.1000

島田市 74914 131.04 34.8167 138.1670

富士市 225787 214.09 35.1500 138.6670

磐田市 84069 64.27 34.7000 137.8500

焼津市 114385 45.72 34.8500 138.3170

掛川市 74434 185.79 34.7667 138.0170

 

 

大井川町 22806 24.54 34.8000 138.2830

御前崎町 11653 12.01 34.6000 138.2000

相良町 27132 57.98 34.6667 138.2000

榛原町 25014 53.36 34.7333 138.2170

吉田町 25820 20.84 34.7667 138.2500

金谷町 22278 64.36 34.8167 138.1170

 

 

大須賀町 12401 33.85 34.6667 137.9830

浜岡町 22502 53.57 34.6333 138.1170

小笠町 14262 30.36 34.6833 138.0830

菊川町 29849 63.88 34.7500 138.0830

大東町 20118 45.99 34.6500 138.0500

 

 

三ヶ日町 16353 75.65 34.7833 137.5500

 

 

 

 

 

Table 10 Output example of AJAC

 

Hm3.300

-------------------------------------------------------------------------------------

事故原発= 浜岡3 (BWR) 1100.0 MWe(緯度 34.6211、経度 138.1438)

 

計算モデル b2d25y 炉出力/MWe= 1000.0 実効面積/m2= 2000.0

事故型= BWR-2 放出時刻/h= 30.0 放出継続時間/h= 3.0

放出高/m= .0 大気安定度= D 雲の広がり角度= 27.47

風速(m/s)= 2.0 遮蔽係数= 1.0000 避難日= 1825.0

風向/度= 300.0 (線量の単位はシーベルト)

急性影響:短期線量 4.0 Sv で 50 %、 6.0 Sv で 90.0 % 急性死

ガン死線量= 2.5 Sv

 

No. 都道府県 市町村区 人口 距離 時刻 線量 (Sv) 急性死 ガン死

_ _ _ _ _ _ 短期 長期

 

1 静岡92 浜岡町 22502 2.8 0^00:23 88.263465.288 22502 0

2 静岡92 大東町 20118 9.2 0^01:16 12.357 67.197 20074 44

3 静岡92 大須賀町 12401 15.6 0^02:10 5.180 28.845 9950 2451

4 静岡92 浅羽町 16580 21.2 0^02:57 3.126 17.708 3450 13130

5 静岡92 袋井市 54485 24.2 0^03:22 2.513 14.355 4058 50427

6 静岡92 磐田市 84069 28.3 0^03:56 1.947 11.245 1665 82404

! 7 静岡92 豊田町 25734 31.7 0^04:24 1.611 9.382 185 25549

! 8 静岡92 豊岡村 11725 36.9 0^05:08 1.253 7.393 22 11703

! 9 静岡92 浜北市 82320 37.6 0^05:13 1.217 7.188 130 82190

" 10 静岡92 天竜市 24506 40.5 0^05:37 1.077 6.405 20 24486

" 11 静岡92 引佐町 15405 48.7 0^06:46 .792 4.791 2 15403

" 12 静岡92 細江町 20182 49.3 0^06:51 .775 4.696 3 20179

# 13 静岡92 三ヶ日町 16353 57.2 0^07:57 .604 3.721 1 16352

# 14 愛知92 鳳来町 15677 62.1 0^08:37 .526 3.270 0 15677

# 15 愛知92 新城市 36253 65.6 0^09:07 .479 2.995 0 36253

$ 16 愛知92 一宮町 14897 71.1 0^09:53 .418 2.640 0 14897

$ 17 愛知92 豊川市 111597 74.3 0^10:19 .388 2.466 0 110082

 

 

% 23 愛知92 岡崎市 308247 96.4 0^13:23 .247 1.630 0 200929

% 24 愛知92 旭町 4166 98.1 0^13:38 .240 1.585 0 2641

% 25 愛知92 小原村 4637 102.7 0^14:16 .221 1.473 0 2732

% 26 愛知92 豊田市 328313 103.3 0^14:21 .219 1.458 0 191509

% 27 愛知92 安城市 142516 104.9 0^14:34 .213 1.423 0 81144

% 28 愛知92 藤岡町 12493 106.4 0^14:46 .208 1.392 0 6957

& 29 愛知92 知立市 55413 107.7 0^14:57 .203 1.365 0 30260

 

 

& 42 岐阜92 土岐市 65231 118.0 0^16:24 .173 1.178 0 30727

& 43 名古屋92 緑区 181582 119.7 0^16:37 .168 1.152 0 83653

& 44 愛知92 尾張旭市 66239 120.0 0^16:40 .168 1.147 0 30381

& 45 岐阜92 多治見市 97425 120.3 0^16:42 .167 1.143 0 44528

& 46 名古屋92 名東区 147814 120.7 0^16:46 .166 1.136 0 67193

& 47 名古屋92 天白区 130276 120.7 0^16:46 .166 1.136 0 59220

& 48 愛知92 東海市 96851 121.8 0^16:55 .163 1.120 0 43393

& 49 名古屋92 南区 154291 121.9 0^16:55 .163 1.119 0 69047

& 50 愛知92 知多市 77326 123.3 0^17:08 .160 1.097 0 33933

& 51 名古屋92 瑞穂区 107911 123.4 0^17:09 .159 1.096 0 47289

& 52 名古屋92 昭和区 99568 124.3 0^17:16 .157 1.084 0 43165

& 53 名古屋92 千種区 147287 125.1 0^17:23 .155 1.072 0 63151

& 54 名古屋92 守山区 142539 125.1 0^17:23 .155 1.072 0 61108

& 55 名古屋92 熱田区 63800 126.1 0^17:31 .153 1.058 0 26997

& 56 名古屋92 港区 145811 126.8 0^17:36 .152 1.050 0 61215

& 57 愛知92 春日井市 265736 127.1 0^17:39 .151 1.046 0 111142

& 58 名古屋92 東区 66498 127.3 0^17:41 .151 1.043 0 27735

& 59 名古屋92 中区 64472 127.8 0^17:45 .150 1.036 0 26716

& 60 名古屋92 北区 170026 129.5 0^17:59 .146 1.014 0 68942

& 61 名古屋92 西区 137879 130.0 0^18:03 .145 1.007 0 55560

& 62 名古屋92 中村区 140144 130.5 0^18:07 .144 1.002 0 56154

& 63 名古屋92 中川区 198124 131.0 0^18:12 .143 .995 0 78818

& 64 愛知92 豊山町 13310 132.3 0^18:22 .141 .980 0 5217

 

 

@ 189 福井92 敦賀市 65497 221.2 1^06:43 .054 .418 0 10948

@ 190 福井92 南条町 5715 222.3 1^06:52 .053 .414 0 947

@ 191 福井92 美山町 6039 222.3 1^06:53 .053 .414 0 1001

@ 192 福井92 今立町 14907 223.1 1^06:59 .053 .412 0 2455

@ 193 福井92 美浜町 12905 227.8 1^07:38 .051 .397 0 2052

 

 

> 240 島根92 知夫村 853 488.4 2^19:50 .010 .100 0 34

> 241 島根92 西ノ島町 4414 495.4 2^20:48 .010 .097 0 172

 

合計 9423980 62062 3803557

 

-------------------------------

都道府県別の死者の合計

 

都道府県市 急性死者 ガン死者

 

静岡92 62062 344318

愛知92 0 1718285

名古屋92 0 895963

岐阜92 0 518458

福井92 0 96833

滋賀92 0 117668

三重92 0 73182

京都92 0 25464

兵庫92 0 11162

鳥取92 0 1090

島根92 0 1134

-------------------------------------------------------------------------------------

 

第3ステップ:結果の整理と図示(DMAP1 etc)

第1ステップと第2ステップで、災害評価計算は完了している。あとは、厖大な数表として出力された結果を、主として視覚的に理解しやすいようにまとめるためのいくつかのプログラム群がある。

 

A.急性死者数のまとめ(ACUSUM.EXE)

AJAC-kmは風向別に24個の表を出力しているが、その24個の表から急性死者の発生した市町村のみ、リストアップし、ひとつの表にまとめるのが「ACUSUM.EXE」である。そのフローチャートをFigure 7に、出力結果の一例をTable 11に示す。この表は、「原発事故…その時あなたは」の図@に示された地図と同様の図を描くために役に立つ。

 

Figure 7 Flow-Chart of ACUSUM.EXE

 

Table 11 ACUSUMによる出力の例

 

Hm3.SUM

-------------------------------------------------------------------------------

事故原発= 浜岡3 (BWR) 1100.0 MWe(緯度 34.6211、経度 138.1438)

 

計算モデル b2d25y 炉出力/MWe= 1000.0 実効面積/m2= 2000.0

事故型= BWR-2 放出時刻/h= 30.0 放出継続時間/h= 3.0

放出高/m= .0 大気安定度= D 雲の広がり角度= 27.47

風速(m/s)= 2.0 遮蔽係数= 1.0000 避難日= 1825.0

風向/度= .0 (線量の単位はシーベルト)

急性影響:短期線量 4.0 Sv で 50 %、 6.0 Sv で 90.0 % 急性死

ガン死線量= 2.5 Sv

 

風下角度 都道府県 市町村区 人口 距離 時刻 線量 (Sv) 急性死

_ _ _ _ _ 短期 長期

 

0 静岡92 島田市 74914 21.9 0^03:02 2.970 16.860 12450

0 静岡92 金谷町 22278 21.9 0^03:02 2.963 16.818 3660

0 静岡92 !川根町 7325 35.4 0^04:55 1.343 7.893 20

0 静岡92 "中川根町 7247 46.2 0^06:25 .866 5.210 2

15 静岡92 榛原町 25014 14.2 0^01:58 6.047 33.512 22606

15 静岡92 島田市 74914 21.9 0^03:02 2.970 16.860 12450

15 静岡92 藤枝市 122374 27.2 0^03:47 2.069 11.919 3346

15 静岡92 !岡部町 13663 33.0 0^04:35 1.510 8.822 69

30 静岡92 榛原町 25014 14.2 0^01:58 6.047 33.512 22606

30 静岡92 吉田町 25820 18.9 0^02:37 3.774 21.237 10892

30 静岡92 大井川町 22806 23.6 0^03:17 2.616 14.922 2076

30 静岡92 藤枝市 122374 27.2 0^03:47 2.069 11.919 3346

30 静岡92 焼津市 114385 30.0 0^04:10 1.768 10.256 1355

30 静岡92 !岡部町 13663 33.0 0^04:35 1.510 8.822 69

30 静岡92 "静岡市 471168 44.2 0^06:08 .931 5.578 174

30 静岡92 #清水市 241440 52.3 0^07:16 .703 4.285 20

30 静岡92 $富士市 225787 75.7 0^10:31 .375 2.390 1

45 静岡92 相良町 27132 7.2 0^01:00 18.307 98.703 27125

45 静岡92 大井川町 22806 23.6 0^03:17 2.616 14.922 2076

45 静岡92 焼津市 114385 30.0 0^04:10 1.768 10.256 1355

45 静岡92 #清水市 241440 52.3 0^07:16 .703 4.285 20

45 静岡92 $富士市 225787 75.7 0^10:31 .375 2.390 1

105 静岡92 御前崎町 11653 5.7 0^00:47 27.454146.907 11653

120 静岡92 御前崎町 11653 5.7 0^00:47 27.454146.907 11653

270 静岡92 福田町 19020 24.4 0^03:23 2.481 14.181 1329

270 静岡92 竜洋町 18579 30.3 0^04:13 1.735 10.071 199

270 静岡92 "浜松市 545863 40.0 0^05:33 1.098 6.520 494

270 静岡92 "雄踏町 13873 47.2 0^06:34 .833 5.027 3

270 静岡92 "舞阪町 11617 50.2 0^06:59 .752 4.566 1

270 静岡92 #新井町 16909 54.8 0^07:36 .651 3.986 1

270 静岡92 #湖西市 42449 56.5 0^07:51 .616 3.789 2

270 愛知92 $豊橋市 338278 71.0 0^09:52 .419 2.645 2

285 静岡92 大東町 20118 9.2 0^01:16 12.357 67.197 20074

285 静岡92 大須賀町 12401 15.6 0^02:10 5.180 28.845 9950

285 静岡92 浅羽町 16580 21.2 0^02:57 3.126 17.708 3450

285 静岡92 福田町 19020 24.4 0^03:23 2.481 14.181 1329

285 静岡92 磐田市 84069 28.3 0^03:56 1.947 11.245 1665

285 静岡92 竜洋町 18579 30.3 0^04:13 1.735 10.071 199

285 静岡92 !豊田町 25734 31.7 0^04:24 1.611 9.382 185

285 静岡92 !浜北市 82320 37.6 0^05:13 1.217 7.188 130

285 静岡92 "浜松市 545863 40.0 0^05:33 1.098 6.520 494

285 静岡92 "雄踏町 13873 47.2 0^06:34 .833 5.027 3

285 静岡92 "引佐町 15405 48.7 0^06:46 .792 4.791 2

285 静岡92 "細江町 20182 49.3 0^06:51 .775 4.696 3

285 静岡92 "舞阪町 11617 50.2 0^06:59 .752 4.566 1

285 静岡92 #新井町 16909 54.8 0^07:36 .651 3.986 1

285 静岡92 #湖西市 42449 56.5 0^07:51 .616 3.789 2

285 静岡92 #三ヶ日町 16353 57.2 0^07:57 .604 3.721 1

285 愛知92 $豊橋市 338278 71.0 0^09:52 .419 2.645 2

300 静岡92 浜岡町 22502 2.8 0^00:23 88.263465.288 22502

300 静岡92 大東町 20118 9.2 0^01:16 12.357 67.197 20074

300 静岡92 大須賀町 12401 15.6 0^02:10 5.180 28.845 9950

300 静岡92 浅羽町 16580 21.2 0^02:57 3.126 17.708 3450

300 静岡92 袋井市 54485 24.2 0^03:22 2.513 14.355 4058

300 静岡92 磐田市 84069 28.3 0^03:56 1.947 11.245 1665

300 静岡92 !豊田町 25734 31.7 0^04:24 1.611 9.382 185

300 静岡92 !豊岡村 11725 36.9 0^05:08 1.253 7.393 22

300 静岡92 !浜北市 82320 37.6 0^05:13 1.217 7.188 130

300 静岡92 "天竜市 24506 40.5 0^05:37 1.077 6.405 20

300 静岡92 "引佐町 15405 48.7 0^06:46 .792 4.791 2

300 静岡92 "細江町 20182 49.3 0^06:51 .775 4.696 3

300 静岡92 #三ヶ日町 16353 57.2 0^07:57 .604 3.721 1

315 静岡92 小笠町 14262 8.9 0^01:14 13.026 70.749 14238

315 静岡92 掛川市 74434 19.9 0^02:46 3.458 19.521 23261

315 静岡92 森町 21435 30.0 0^04:10 1.761 10.217 249

315 静岡92 !豊岡村 11725 36.9 0^05:08 1.253 7.393 22

315 静岡92 "天竜市 24506 40.5 0^05:37 1.077 6.405 20

330 静岡92 小笠町 14262 8.9 0^01:14 13.026 70.749 14238

330 静岡92 菊川町 29849 15.4 0^02:08 5.283 29.401 24439

330 静岡92 掛川市 74434 19.9 0^02:46 3.458 19.521 23261

330 静岡92 森町 21435 30.0 0^04:10 1.761 10.217 249

330 静岡92 "春野町 7407 44.4 0^06:10 .923 5.537 3

345 静岡92 菊川町 29849 15.4 0^02:08 5.283 29.401 24439

345 静岡92 金谷町 22278 21.9 0^03:02 2.963 16.818 3660

345 静岡92 !川根町 7325 35.4 0^04:55 1.343 7.893 20

345 静岡92 "中川根町 7247 46.2 0^06:25 .866 5.210 2

-------------------------------------------------------------------------------

 

 

B.急性死者と晩発性ガン死者の発生数について都道府県別、風向別に一覧表を作る(NUCSUM.EXE)

ACUSUMと同様、AJAC−Kmが出力した24個の表から急性死者と晩発性死者の発生数を、都道府県別、風向別に一覧表として出力するプログラムが「NUCSUM.EXE」であり、そのフローチャートをFigure 8に示す。データは、一例をTable12に示すように、64行×25列という巨大な表を含んでいるが、この表はEXCELなど表計算ソフトで読み込むことができるように工夫されている。そのため、表計算ソフトを使うことができれば、「原発事故…その時あなたは」の図Aに示されたような、風向別のガン死者のレーダーチャートを描いたりすることができる。

 

Figure 8 Flow-Chart of NUCSUM.EXE

 

 

 

 

Table 12 NUCSUMの出力の例

 

Hm3.CAN

 

事故原発= 浜岡3 (BWR) 1100.0 MWe(緯度 34.6211、経度 138.1438)

 

計算モデル b2d25y 炉出力/MWe= 1000.0 実効面積/m2= 2000.0

事故型= BWR-2 放出時刻/h= 30.0 放出継続時間/h= 3.0

放出高/m= .0 大気安定度= D 雲の広がり角度= 27.47

風速(m/s)= 2.0 遮蔽係数= 1.0000 避難日= 1825.0

風向/度= 345.0 (線量の単位はシーベルト)

急性影響:短期線量 4.0 Sv で 50 、 6.0 Sv で 90.0 急性死

ガン死線量= 2.5 Sv

 

ガン死者のまとめ

 

都道府県市, 南 , , , 南西 , , , 西 , , , 北西 , , , 北 , , , 北東 , , , 東 , , , 南東 , ,

* , 0, 15, 30, 45, 60, 75, 90, 105, 120, 135, 150, 165, 180, 195, 210, 225, 240, 255, 270, 285, 300, 315, 330, 345

 

北海道92, 2427, 32474, 22071, 486, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

札幌市92, 0, 15410, 12589, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

青森92 , 275, 27594, 25395, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

岩手92 , 0, 24765, 37011, 5062, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

秋田92 , 0, 33669, 29211, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

宮城92 , 0, 2713, 53250, 35216, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

仙台市92, 0, 0, 38928, 21374, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

山形92 , 0, 57266, 56701, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

福島92 , 0, 24774, 141314, 98690, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

新潟92 , 165486, 193633, 8089, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 6709

栃木92 , 0, 918, 251281, 238826, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

茨城92 , 0, 0, 67461, 364925, 222833, 4415, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

群馬92 , 4937, 290906, 342156, 31310, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

千葉92 , 0, 0, 0, 591594, 842845, 263586, 5750, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

千葉市92, 0, 0, 0, 113715, 151213, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

埼玉92 , 0, 39129, 817344, 1263081, 270042, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

東京92 , 0, 0, 308307, 2768993, 2103398, 5182, 5345, 4921, 2859, 1605, 1547, 21, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

神奈川92, 0, 0, 7311, 1034797, 1244207, 158347, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

横浜市92, 0, 0, 0, 875566, 935586, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

川崎市92, 0, 0, 0, 300853, 300853, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

山梨92 , 33163, 318344, 312165, 77323, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

長野92 , 448415, 128258, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 1662, 88075, 323490

静岡92 , 99488, 197494, 1429226, 1219962, 522081, 156700, 72012, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 666281, 923983, 344318, 117396, 98595, 43152

愛知92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 5131, 493966, 1857910, 1718285, 514671, 11969, 204

名古屋92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 698720, 895963, 0, 0, 0

岐阜92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 28919, 518458, 555717, 134073, 30275

富山92 , 6905, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 134848, 152895

石川92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 110299, 142087, 28505

福井92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 12723, 96833, 102612, 5337, 0

滋賀92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 119805, 250647, 117668, 0, 0, 0

三重92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 30803, 193371, 355618, 348429, 73182, 0, 0, 0

京都92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 129312, 168903, 25464, 0, 0, 0

京都市92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 230515, 230515, 0, 0, 0, 0

奈良92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 1150, 113899, 239376, 80053, 0, 0, 0, 0

大阪92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 333293, 884702, 433892, 0, 0, 0, 0

大阪市92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 360101, 143882, 0, 0, 0, 0

和歌山92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 37313, 124518, 89079, 0, 0, 0, 0, 0

兵庫92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 15481, 415770, 385997, 11162, 0, 0, 0

神戸市92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 167394, 73881, 0, 0, 0, 0

鳥取92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 22044, 35761, 1090, 0, 0, 0

岡山92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 11435, 117161, 32125, 0, 0, 0, 0

島根92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 447, 28751, 27628, 1134, 0, 0, 0

広島92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 61300, 74695, 5336, 0, 0, 0, 0

広島市92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 37563, 37563, 0, 0, 0, 0, 0

山口92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 39931, 40311, 0, 0, 0, 0, 0

香川92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 64720, 64720, 0, 0, 0, 0, 0

徳島92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 1907, 64350, 61118, 0, 0, 0, 0, 0

高知92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 12215, 39087, 1037, 0, 0, 0, 0, 0

愛媛92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 4458, 60199, 51656, 0, 0, 0, 0, 0

福岡92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 48860, 46185, 0, 0, 0, 0, 0

福岡市92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 21724, 21724, 0, 0, 0, 0, 0

北九州92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 21132, 21132, 0, 0, 0, 0, 0

佐賀92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 14701, 14497, 0, 0, 0, 0, 0

長崎92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 1230, 22944, 8426, 0, 0, 0, 0, 0

熊本92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 24592, 33342, 0, 0, 0, 0, 0, 0

大分92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 4590, 29976, 9399, 0, 0, 0, 0, 0

宮崎92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 23391, 23391, 0, 0, 0, 0, 0, 0

鹿児島92, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 1660, 26150, 24019, 0, 0, 0, 0, 0, 0

沖縄92 , 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 11, 4737, 4726, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0

 

合計 , 761096, 1387347, 3959810, 9041773, 6593058, 588230, 83107, 4921, 2859, 1605, 1547, 21, 0, 0, 11, 6397, 172525, 1404814, 4772338, 5739304, 3803557, 1402357, 614984, 585230

 

 

 

レーダーチャートを作成するアプリケーション(CANSUM.XLS)

NUCSUM.EXEの出力ファイルを用いて、風向別ガン死者の発生数のレーダーチャートを描くためにMS−EXCEL用に作られたのが、CANSUM.XLSである。瀬尾さんが作成したプログラムは、このCANSUM.XLS以外は、すべてMS-DOS上で動く。ただし、このCANSUM.XLSだけは、Windowsアプリケーションであり、Windowsが起動できないパソコンでは、取り扱えない。ユーザーがどのようなアプリケーションを作ってもよいが、これは単なる一例であり、その結果をFigure 9に示す。

 

 Figure9  The example of the radar chart drawn by CANSUM.XLS.

(Hm3-CAN.XLS)

 

C.風向別ガン死者の鳥瞰図を描く(DMAP.BAT)

「原発事故…その時あなたは」の図Aに示された、日本列島の鳥瞰図の上にガン死者の発生数を立体的に表示するためのプログラムがDMAP1.EXEである。ただし、このプログラムを動かすためには、あらかじめ、CANANG1.EXEを動かして、AJAC-kmが出力したファイルからDMAP1.EXE用の入力ファイルを準備する必要がある。CANANG1.EXEのフローチャートをFigure 10に示す。

 

 

Figure 10 Flow-chart of CANANG1.EXE

 

 

 

 

また、DMAP1.EXEはグラフィックサポートソフトであるHGXをあらかじめ組み込んでおかないと動作しない。そのため、DMAP1.EXEを直接起動してはならず、DMAP.BATを起動して、まずHGXを組み込んだ上で、DMAP1.EXEを動かす。DMAP.BATのフローチャートをFigure 11に示す。

 

 

 

D.特定の急性死確率と地表汚染密度を与える距離を示す

                      (D−EVAL.EXE)

「D-EVAL.EXE」は、事故タイプと原子力発電所の出力を与えることにより、特定の急性死確率(5%, 10%, 50% and 99%)について風下距離を計算する。この時、「D-EVAL.EXE」はACC40kの出力ファイル(*.A40)を参照する。また、セシウム137の汚染面密度が特定の値(1, 5, 10, 15 and 40 Ci/km2)になる風下距離を計算する。この時、ACC40kの出力ファイル(*.C40)を参照するが、その中にはセシウム137についての計算結果が含まれていなければならない。すなわち、ACC40Kを動かすときに、打ち出す核種として、セシウム137だけは選択しておく必要がある。D-EVAL.EXEのフローチャートをFigure 12に、出力の例をTable 13に示す。

 

Table 13 D-EVAL.EXEの出力の例

 

-----------------------------------------------------------------------------

Electric Power [MWe] 1100

Acute Death

Death Probability [%] 99 90 50 10 5

Whole Body Dose [Sv] 9.339 6.000 4.000 2.667 2.324

Distance [km] 10.86 14.23 18.22 23.33 25.38

Cs-137 Concentration

Density [Ci/km2] 40 15 10 5 1

Density [Bq/m2] 1480000.0 555000.0 370000.0 185000.0 37000.0

Distance [km] 153.10 278.66 352.67 515.18 1096.22

-----------------------------------------------------------------------------

 

W.おわりに

本報告は、瀬尾健さんが生前に作成した、原発事故災害評価用の計算コードを多くの人に利用してもらえるようにすることを目的に書かれた。瀬尾さん自身が書いた使用説明書は、この後のAppendixとして一部、添付するが、その他の部分は小出の責任で書いたものである。コードについての理解が足りない部分なども未だに残っており、十分な解説にしえたとは思わないし、ひょっとすると記述の誤りもあるのではないかと思う。その点は、ひとえに小出の責任であり、誤りなどご指摘いただければありがたい。

また、本文中にも書いたように、AJACで利用する日本全国の市町村データは、京大工学部原子核工学科の河野益近氏の労作であり、改めて、感謝します。

なお、この一連のプログラムは、NEC社製のPC-9800系の計算機用にコンパイルされており、現在のところ、他社製の計算機での動作は確認していない。DOS/V機用にコンパイルするあるいは、その他の言語に移植するなどして下さる方がいれば、おそらく瀬尾さんも喜ぶと思うので、ご連絡下さい。

 

                        大阪府泉南郡熊取町

                         京都大学 原子炉実験所

                                 小出 裕章

                        Tel: 0724-51-2458 (dial-in)

                        Fax: 0724-52-8193

                        e-mail: koide@rri.kyoto-u.ac.jp

 

 

APPENDIX

 

 今回配布するディスクには、瀬尾さんが残してたくさんのプログラムのうち、約80のファイルが含まれています。ただ、その内の多くのファイルは、ユーザーが実行させたプログラムが自動的に呼び出して利用するようになっています。ユーザーが、MS−DOSのプロンプト(例えば、「A:\>」のようなマーク)から入力しなければならないのは、以下の7つのプログラムの名前です。

 

1.原子力発電所事故の標準計算を行う。−−−−−−−−−−−−−−−ACC40k

2.標準計算の結果を日本各地の原子力発電所に適用する−−−−−−−−AJAC-km

3.急性死者の一覧表を作る−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ACUSUM

4.急性死者と晩発性ガン死者の風向別、県別の一覧表を作る−−−−−−NUCSUM-k

5.風向別ガン死者の鳥瞰図を作る準備−−−−−−−−−−−−−−−−CANANG1

6.日本列島上に風向別ガン死者の鳥瞰図を描く−−−−−−−−−−−−DMAP.bat

7.急性死発生確率、セシウム-137汚染密度の距離との関係表を作る−−−D-EVAL

 

ACC40kとAJAC-kmの操作については、このディスクと同時に配布した「(Source Text and Manual)」と書かれたディスクの中の、「ACC40k.jxw」、「AJAC.jxw」(それぞれ、「一太郎」の文書ですが、ASCII形式のプレーンテキストですので、単純なエディタでも読むことができます)を参照して下さい。その他のプログラムについては、原子力安全ゼミの場で配布するレジメを参照して下さい。

また、CANSUM.XLSはMS-EXCELで動きますので、Windows上から、EXCELを立ち上げた上で、利用して下さい。

 

 なお、配布したプログラムをハードディスクに移す場合には、適当な名前(例えば、ACCIDENTとかSEOとか)のサブディレクトリを作り、その中に全部を移して下さい。そして、プログラムを動かす前に、まずそのサブディレクトリに移った上で、上記のプログラム名を入力して下さい。

では、成功を祈ります。

 

 

<<ACCDNT40>>の使用法

                             19.11.1992, 瀬尾 健

 

 

●概要

 

 計算コード "ACC40" は、原子炉の大事故による影響を WASH-1400 草案の手法に従って計算するもので、旧版 "ACCIDNT3"、"ACCDNT31"、"ACCDNT32" の改訂版である。

 

"ACCIDNT3" から "ACCDNT31" への改訂点

 

@ FBR の事故にも対応できるように、Pu の放出率を別に設定するようにした。

A 地面からの線量換算係数を筆者独自の計算結果で置き換えた。以前はアメリカ物理学会の勧告に従って WASH-1400 DRAFT に与えられているものを2倍して用いていたが、今回の改訂値はこれの 50-70% 程度となった。実測値から見て屋外での線量評価には、遮蔽係数を1とするのがよいと思われる(以前は 0.5 を推奨した)。

  さらに、Te-132 に関する係数には娘核の I-132 のものを加えた。

B 肺吸入の線量換算係数を ICRP77 の値で置き換えた。(但し、プルトニウムについてはゴフマンを援用したため ICRP77 より1桁大きい)

C 新単位、ベクレルとシーベルトを採用した。

 

"ACCDNT31" から "ACCDNT32" への改訂点

 

@ パラメータの入力を一画面だけでできるようにした。これによって煩わしかったパラメータ入力作業が大幅に楽になった。

A 高さ方向の広がりσzは、従来の簡単な式を用いるのをやめて、日本の「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針について」に従い、数表から読み取った数値に内挿法を適用することにした。

B 放射能雲からの線量換算係数を抜本的に改善した。従来のサブマージョン近似では、雲のセンターラインとの距離がσzより大きくなると、全く信頼できない結果を与えた。つまり、放出高さが0より大きい場合、放出点近傍では何十桁も小さな値となった。今回の改良では、適当な関数で近似をするようにしたため、飛躍的によい結果が得られるようになったが、かわりに計算時間が大幅に伸びることになった。

 

"ACCDNT32" から "ACC40" への改訂点

 

@ 出力ファイルの拡張子を ".*32" から ".*40" に変えた。

A 急性障害を考慮に入れるために、短期線量のカテゴリを追加した。短期線量としては、最初の7日間の線量と引き続く23日間の線量の半分を加えたものとする。

B 短期線量については、体内被曝の換算係数として当面利用できるものが無いので、次のようにして換算係数を割だした。WASH-1400(Final)に骨髄線量についての、7日、30日、50年についての換算係数が与えられているので、ICRP77 の全身線量換算係数(50年)にこれらの比をかける。Pu については WASH-1400(Final)の肺線量換算係数の各期間についての比を、ICRP77 の全身線量換算係数(50年)に Gofman 修正を加えたものにかける。Pm-147、149 については、WASH-1400(Final)に値が無いので、Nd-147 の比を援用した。

C 出力ファイル "***.A40" を一つ追加した。これは別のプログラム、"AJAC" の入力データとして用いるものである。

D パラメータ入力画面の応答速度を大幅に上げた。

E 計算の進行状況がわかるように画面を改良した。

 

 計算の手続きは、まず PWR の事故を9種、BWR の事故を6種(RSS-Finalに基づき、現在は5種類:小出)、FBR の事故(今のところは1種だけ)考え、それぞれの事故について、原子炉停止から放射能の環境放出までの時間と、放出継続時間を仮定し、さらに45種の放射能の環境放出割合を仮定する。環境に出た放射能は風に運ばれるが、風下距離xに対する放射能雲の広がりは横方向はくさび型、高さ方向はσzのガウス型とし、広がりの量は大気安定度A‐Fそれぞれについて標準的な値を採用し、これを放出継続時間に応じて修正したもの使用する。放射性核種の中には娘核も放射性の場合があるがこれの寄与は重要なものだけ部分的に(Te-132 の地面からの線量換算係数に、I-132 のものを加えた)考慮する。放射能の地面沈着は希ガス、無機沃素、その他の粒子の3種に分けて沈着速度を仮定する。肺への吸入は平均の呼吸速度1つを仮定する。大気中の放射能は原子核崩壊と地面沈着のみによって減衰すると仮定する。

 

 風下距離35点に対して被曝量を計算するが、その経路は次の3種である。

 

 1.大気中の放射能からの体外被曝、

 2.地面に沈着した放射能からの体外被曝、

 3.吸入した放射能からの体内被曝。

 

これらの被曝量は45の放射能に対してそれぞれ被曝量換算係数を仮定して行う。

 上記の計算に必要なパラメーターの値はすべて "ACC40.DAT" という名のファイルに用意されている。この内容は Appendix (一太郎ファイル ACCX)に示してある(これについては、すでに本レジメの本文に移して、記述してある)。

 計算結果は次の7つのファイルとして出力される。

 

 1. "********.O40" : Source term

2. "********.S40" : Short summary

3. "********.C40" : Concentrations

4. "********.E40" : External exposures and population doses

5. "********.I40" : Internal exposures

6. "********.M40" : Source data for "JAC40.MP3" (Multiplan)

   (現在のバージョンでは "********.J40" となっている。1995/7/7 小出)

7. "********.A40" : Source data for "AJAC.EXE"

 

 

●計算方法の設定変更

 

 計算上必要なデータや細かなパラメータは ACC40.DAT という名のファイルに与えられているが、これを予め変更することによって計算条件を変えることができる。例えば面倒な近似式による線量換算係数の計算は時間がかかりすぎるので、これをやめてサブマージョンモデルで計算したい場合は、ACC40.DAT の135行目

 

A A=Approximation, S=Submersion

 

の最初の文字 "A" を "S" に書き換える。(注意:このようにこのファイルの内容を書き換える場合は、各数値や文字の位置(頭の位置)が変わらないように注意すること。

計算をサブマージョンモデルに変えても、放出高さがゼロで距離が1キロ以遠ではあまり結果は変わらない。

 その他、例えば入力パラメータに間違いが合った場合に画面に出るメッセージの提示時間は、133行目

 

3 PAUSE TIME

 

に3秒と与えられている。この3を2に書き換えれば、メッセージ提示時間は2秒に短縮される。

 

●プログラムの起動と計算の実行

 

 まずコンピュータを起動する際のシステムディスケットに "CONFIG.SYS" があるかどうかを確かめる。ある場合はその内容を見て FILES が 20 以上に設定されているか調べる。もしなっていなければ、例えば次の例のように設定する。

 

     FILES=20

     BUFFERS=15

     DEVICE=PRINT.SYS

 

もし "CONFIG.SYS" そのものがなければ、やはり上記のように新しく作ればよい。こうしてコンピュータ起動時に初期設定を自動的にするようにしておくと便利である。ユーザーに供給される "ACC40.EXE" と "ACC40.DAT" が入っているディスケットには、 "CONFIG.SYS" と "PRINT.SYS" が既に組み込まれている。

 

 このディスケットをドライブA:に、また必要ならばドライブB:に計算結果を書き込むユーザーディスケットを挿入する。

 MS-DOS のプロンプト A> のうしろに

 

A>ACC40

 

を入力すると、プログラムが起動して次の画面が現れる。

 

       ACCDNT40、パラメータを設定して下さい

 
 

電気出力 (MWe): 1000.0

 

 

 出力したい核種(A/N: N  

^Q: 計算終了

 

事故の分類: PWR2

 

大気安定度: D

 

風速 (m/): 1.0

 

放出高さ (m): .0

 

滞在期間(日): 7.0

 

地面遮蔽係数: 1.0000

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KR-85

KR-85*

KR-87

KR-88

SR-89

SR-90

SR-91

Y-90

Y-91

ZR-95

ZR-97

NB-95

MO-99

TC-99*

RU-105

RU-106

RH-105

TE-129

TE-129*

TE-131*

TE-132

I-131

MI-131

I-132

I-133

I-134

I-135

MI-135

XE-135

CS-134

CS-136

CS-137

BA-140

LA-140

CE-141

CE-143

CE-144

PR-143

ND-147

PM-147

PM-149

PU-238

 

ESC: 設定終了

 

CR: 設定

 

←→↑↓: 移動

(設定)

HOME: 面移動

 

SHFT+↑↓: ジャンプ

 

 

RU-103 XE-133 PU-239
 

 

 上記左右の枠をそれぞれ面と呼ぶことにする。左面でパラメータの設定をする。右面は計算結果を出力する核種を個別に指定する欄で、カーソルマークを所定の項目に移動した後、CR キーで設定あるいは設定解除をする。右面の最上段はこれらの設定を一括して行うところで、A を入力すると全核種の出力を設定、N を入力すると全核種の設定解除を一挙に行うことができる。

 

^Q: CTRL キーを押しながら Q を押す。これによって計算を終了する。

ESC: パラメータの設定を終り、次の段階に移る。

CR:     左面では各パラメータの設定、右面では核種の設定あるいは設定解除をする。

←→↑↓: カーソルマークの移動。

HOME:    左右の面間でカーソルマークを移動する。

SHFT+↑↓: 右面において最上段と各核種欄の間でカーソルマークをジャンプする。

 

設定を完了して ESC キーを押すと、画面下に次のメッセージ

 

上の設定を訂正したいときは、改行キーだけを押して下さい

出力ファイルの名前(半角8文字以内)→ A:******

が現れるので、全体で半角8文字以内になるように名前を考えて入力する。もし上の設定を再度変更したければ、何も入力しないで CR キーだけを押せばパラメータ設定画面に戻れる。

 ここではファイル名として、事故タイプがPWR2、大気安定度D、風速 1m/s、滞在7日と仮定して、P2D17D と名付けてみた。計算結果をドライブBに出力する場合は

 

B:P2D17D

 

と入力する。出力するのがカレントドライブの場合はドライブ名を省いてもよい。

 このあと計算が始まる。このとき画面に計算の進行状況が表示される。最後に計算結果を出力して、計算の終了はベルで知らせるようにしてある。

 計算結果として P2D17D.O40, P2D17D.S40, P2D17D.C40, P2D17D.E40, P2D17D.I40,

P2D17D.M40, P2D17D.A40 の計7つのファイルが生成され、画面は最初の状態に戻って次の計算の入力待ちになる。

 

 これら7つのファイルはアスキー仕様で書かれているので、適当なエディターを用いて、直接画面上でみることやプリンターに出力することができる。MS-DOS のコマンドを用いる最も簡単な方法は例えば

 

  A>TYPE P2D17D.S40・ 画面出力

A>TYPE P2D17D.S40 >PRN・ プリンター出力

 

とする。

 

●出力ファイルの内容

 

1.<*****.O40>: Source term

CORRECTED Q: 放出時間と放出継続時間の補正をした放射能量

REL.FRACTION: 放出割合

RELEASED Q: 放出量(上の2つをかけ合わせたもの)

2.<*****.S40>: Short summary

GROUND CONC.(Bq/m2): 地面汚染濃度

GROUND DOSE (Sv/h): 地面汚染による地表1メートルでの線量

GROUND DOSE (Sv): 地面汚染による地表1メートルでの積算線量

CLOUD DOSE (Sv) : 放射能雲からの積算線量

WBD COM INTERNAL (Sv): 体内全身預託線量当量(50年)

TOTAL WBD COM (Sv) CLOUD DOSE+GROUND DOSE+体内全身預託線量当量

3.<*****.C40>: Concentrations

PLUME RISE (m): 放射能雲の上昇量

SIGMA-Z (m): 放射能雲の垂直方向の広がり

SOURCE(Q) (Bq): 放射能雲内の放射能量

CLOUD CONC. AT SURFACE (Bq*s/m3): 地表での空気中放射能濃度

GROUND CONC. (Bq/M2): 地面汚染濃度

TOTAL WBD COM (Sv): CLOUD DOSE+GROUND DOSE+体内全身預託線量当量

4.<*****.E40>: External exposures and population doses

FROM GROUND (Sv/h): 地面汚染による地表1メートルでの線量

FROM CLOUD (Sv): 放射能雲からの積算線量

POPULATION DOSE FOR 1 man/km2: 人口密度(1 person/km2)にたいする集団線量

LUNG(30d) (L*Sv): 30日分の肺被曝(要改訂)

THYR(50y) (T*Sv): 50年分の甲状腺被曝(要改訂)

GI-T(50y) (GI*Sv): 50年分の胃腸被曝(要改訂)

WBD COM (man*Sv) 体内外全身預託線量当量

5.<*****.I40>: Internal exposures

WHOLE BODY DOSE (Sv) (ST): 体内放射能からの全身短期線量

(COM): 体内放射能からの全身預託線量当量

LUNG DOSE (Sv) (30d): 30日分の肺被曝(要改訂)

(50y): 50年分の肺被曝(要改訂)

THYROID DOSE(Sv) (50y): 50年分の甲状腺被曝(要改訂)

GI-TRACT DOSE(Sv) (50y): 50年分の胃腸被曝(要改訂)

_

 

 
  AJAC.EXE の使用法  
 

 

       21.6.1993,   瀬尾 健

 

 本プログラムは原発事故の災害評価を、日本全国にわたって一度にやるためのものである。災害評価に関しては、表計算ソフトを用いるJAC40.MP3がもともと用意されているが、メモリーサイズの制限から一度にせいぜい一都道府県についてしかできなかった。これを補うために別途FORTRANで書いたのがこのプログラムである。

 

 使用手順を以下に説明する。

 

@まず DOS プロンプト、例えば A> の後ろに AJAC (今回の配布ものでは、AJAC-km : 小出)と入力する。するとつぎのメッセージがでる。

 

  *************** AJAC OPERATION ***************

 

   短期線量と急性死の関係についてのデータを入力

  して下さい。

(必ず小数点を付けて下さい)

+++ 50 % 急性死する線量(Sv)は? (入力例: 4.0 )-->

 

これに対して線量値を入力するが、もし入力例の数値でよいなら何も入力せず改行だけする。

 

A次に

 

   +++ もう一つデータが要ります。ある線量とその線量での急性死%は?

  (小数点必要。また2つの数値はコンマで区切って下さい)

  (入力例: 6.0,90.0 )--->

 

というメッセージが出るので、適当な数値を2つ入力する。入力例のままでよければ改行だけする。

 

B次に

 

   ガン線量(1人のガン死者を発生させる線量)を入力して下さい。

(入力例: 2.5 ) --->

 

というメッセージが出るので、適当な数値を入力する。入力例のままでよければ改行だけする。

 

C次に

 

   距離と線量に関するデータファイル名を入力して下さい。

    (入力例: P2D25Y.A40 ) --->

 

というメッセージが出るので、あらかじめ ACC40.EXE で計算しておいた結果の ***.A40 というファイル名を省略せずに入力する。

 

Dすると日本の原発の一覧が番号付きで表示され

 

   事故を起こす原発の番号を入力して下さい。

  (入力例:大飯1号の場合、6 ) --->

 

と入力を要求してくるので、目的の原発の番号を入力する。

 

E入力後、全国の市町村と原発との位置関係が計算される。これには若干の時間がかかる。計算が済むと

 

   風向きを入力して下さい。(小数点必要)

  (入力例:北西の風の場合、135.0 ) --->

 

と入力を要求してくるので、風向きの角度を入力する。南から北に吹いている風の角度を0度、それから右回りに角度をとる。

(AJAC-kmでは、省略)

 

F次に

 

   計算結果を出力するためのファイル名を入力して下さい。

  (ドライブ名(を付ける場合)は2文字以内。)

  (全体で半角10文字以内。例えば B:OHI.ANG など) --->

 

と入力を要求してくるので、適当なファイル名を入力する。ドライブ名を省いた場合はルートディレクトリに出力される。拡張子を省いた場合は、Eで入力した角度が自動的に拡張子として付けられる。例えば、Eで 75.0 と入力し、Fで B:OHI と入力した場合は、Bドライブに OHI.075 という名で出力される。同時に画面にも結果が表示される。

(AJAC-kmでは、上の例に沿っていえば、単に「B:OHI」とだけ、入力する。)

 

G計算Fが終了するとE、Fの入力要求が繰り返されるので、同じ事故タイプ、同じ原発について、いろんな風向について連続して計算ができる。この場合出力ファイル名の本体(拡張子を除いた部分)を前と同じにしたければ、Eの入力要求に対して改行だけをする。するとそれぞれの風向に対応する拡張子だけが変化して出力ファイルが作られる。

(AJAC-kmでは、この操作は不要。また、次のHも自動的のプログラムが終了するので不要。)

H計算を終了したい場合は、CTRL キーを押しながら C を押す。これはどの段階の入力要求に対しても可能である。

I計算結果の表は適当なエディターで見ることができる。この中で時刻というのは、放射能雲の到着する時間(記号 ^ は日を意味する)のことである。

 

 

 

「ACUSUM」の使用法

 

 このプログラムは、AJAC-kmが作る24の出力ファイルから、急性死者の出る市町村だけを選び出して、一つのファイルを作るものです。

 

@ MSDOS のプロンプトから、「ACUSUM」と入力すると、プログラムが動き始めます。

 

Aはじめに、

「Dir name for input ? ?

と表示されて、AJAC-k が作成したファイルのあるパス(ドライブとディレクトリ)を聞いてきますので、フルパス(ドライブ名とディレクトリ名の両方。例えば、「B:\DATA\」など。最後の「\」マークは必ずいれて下さい。)を入力します。

 

B次に、

「Dir name for output ? ? 」として、作成したファイルの格納先のパスを聞いてきますので、上と同じように答えます。

 

C最後に、

「File name (bold only) ? ? 」と表示されて、読み込むファイルの名前を聞いてきます。そこで、例えば、「HM4」、「OHI3」、「TRG2」など、AJAC-k で出力ファイル名として入力した名前を入力します。AJAC-km は同じ名前がつき、拡張子が、「.000」、「.015」から「.330」、「.345」にいたる24個のファイルを作りますが、この場合、拡張子の入力はしてはいけません。

 

  1. 入力操作は以上で終わりです。あとは、ACUSUM プログラムが仕事をし、結果を、例えば、「HM3.SUM」、「OHI3.SUM」、「TRG2.SUM」のようなファイルに出力します。
 

Eこのあと、ACUSUMは、再度Cに戻ってファイル名を聞いてきますので、別のファイルについて同様の操作をしたい場合には、同様に操作します。これ以上の操作が実用無い場合には、CTRLキーと「C」キーを同時に押せば、プログラムは終了します。

 

FACUSUMが出力するファイルは単純な ASCII テキストですので、MSDOS の「TYPE」コマンドで読むことができますし、簡単なエディタ(「(Source Text and Manual)」と書いたディスクには「SEDIT」をいれてあります)が利用できれば、それで読むこともできます。(たとえば、HM3.SUMを読みたい場合、MSDOSプロンプト、たとえば、「A:\>」の後に、SEDIT HM3.SUM と入力する。)

 

 

 

「NUCSUM−k」の使用法

 

 このプログラムは AJAC-km の24個の出力ファイルから急性死者と、晩発性ガン死者の数を風向別、都道府県別に整理して一覧表を作ります。この表は、風向に関して24列、各都道府県と政令指定都市および全国合計に対して60行の巨大な表となりますが、各データはスペースで区切られており、例えば、「MS-EXCEL」、「三四郎」などの表計算ソフトで読み込むことができます。あとは、ユーザーの工夫次第で、好きなように利用して下さい。

 

 @MSDOS のプロンプトから、「NUCSUM-k」と入力すると、プログラムが動き始めます。

 

 Aあとの入力は「ACUSUM」とまったく同じです。

 すなわち、はじめに、AJAC-km が作成したファイルのあるパス(ドライブとディレクトリ)を聞いてきますので、フルパス(ドライブ名とディレクトリ名の両方。例えば、「B:\DATA\」など。最後の「\」マークは必ずいれて下さい。)を入力します。

 

B次に、作ったファイルの格納先のパスを聞いてきますので、上と同じように答えます。

 

 C最後に、読み込むファイルの名前を聞いてきますので、例えば、「HM4」、「OHI3」、「TRG2」など、AJAC-km で出力ファイル名として入力した名前を入力します。AJAC-km は同じ名前がつき、拡張子が、「.000」、「.015」から「.330」、「.345」にいたる24個のファイルを作りますが、この場合、拡張子の入力はしてはいけません。

 

  1. 入力操作は以上で終わりです。あとは、NUCSUM-k プログラムが仕事をし、結果を、例えば、「HM3.ACU」,「HM3.CAN」、「OHI3.ACU」,「OHI3.CAN」、「TRG2.ACU」,「TRG2.CAN」のようなファイルに出力します。
 

Eこのあと、NUCSUMは、再度Cに戻ってファイル名を聞いてきますので、別のファイルについて同様の操作をしたい場合には、同様に操作します。これ以上の操作が実用無い場合には、CTRLキーと「C」キーを同時に押せば、プログラムは終了します。

 

FNUCSUMが出力するファイルは巨大ではありますが、単純な ASCII テキストですので、MSDOS の「TYPE」コマンドで読むことができます。また、簡単なエディタ(「(Source Text and Manual)」と書いたディスクには「SEDIT」をいれてあります)が利用できれば、それで読むこともできます。ただ、いかんせん巨大すぎて、読みにくいと思います。やはり、表計算ソフトに取り込んで利用するのがいいでしょう。

 

 

 

「CANANG1」の使用法

 

 このプログラムは AJAC-km の出力ファイルから DMAP1 が使うためのデータファイルを作るためのインターフェイスプログラムです。

 

 @まず、MSDOS のプロンプトから「CANANG1」と入力してプログラムを起動します。

 

 Aすると、

「Step size of the distance/km (INT) ? 」と聞いてきます。DMAP1プログラムは、日本列島の鳥瞰図の上にガン死者の発生数を棒の高さで表現しますが、その棒を何kmの区間毎に表示するかを聞いています。たとえば、50kmを一つの区間として表示させたい場合には、「50」と入力します。

 

  1. 次に、「Dir name for input ? 」と聞かれますので、今までと同じように、AJAC-kの出力ファイルがあるディレクトリをフルパスで指定します。
  2.  

  3. その後、同じように、「Dir name for output ? 」と聞かれますので、やはり同じように、出力ファイルを格納したいディレクトリをフルパスで指定します。
  4.  

  5. すると、「File name (with extension) ? 」と聞かれますので、DMAP1を使って日本列島上に表示したいデータを含むファイルの名前を拡張子付きで指定します。この拡張子は、北向きを「0」として、15度おきにAJAC-kmが計算して自動的に作成していますので、たとえば、北に向かう風の場合のデータを表示したければ「HM3.000」、南東向きに吹く風の場合を表示したければ、「HM3.135」というように指定します。
  6.  

  7. すると、すぐに、Aで指定した距離区間毎のガン死者数のデータが画面に表示され、Dに戻ります。また、この時に、「HM3_000.50」、「HM3_135.50」というように、まず原発を指定する文字、次にアンダーバー(「_」)、そしてピリオドのあとに、表示する区間の距離数を拡張子としてつけたファイルが出力されています。これ以上、新しくファイルを作る必要が無くなったら、CTRL+「C」を押せば、プログラムは終了して、MSDOSプロンプトに戻ります。
  8.  

  9. 以上の操作でCANANG1が作ったファイルもまた、完全なASCIIテキストですので、MSDODOSの「TYPE」コマンド、あるいは簡単なエディタで読むことができます。
 

 

 

DMAP1の使用法

 

 このプログラムは日本列島上に、晩発性のガン死者数を棒の高さで示すためのプログラムです。

 

  1. まず、MSDOSのプロンプトから「DMAP」と入力して「DMAP.BAT」バッチファイルを開始させます。
  2.  

  3. すると、DMAP.BATプログラムは、まず、拡張グラフィックライブラリである「HGX」を組み込みます。
 
  1. 次に、「File name of map data ? 」と聞いてきますが、これは、地図データを指定することを求めるメッセージで、現在は日本列島の地図データである「tjap1.dat」しか用意されていません。そのため、ここでは必ず「tjap1.dat」と入力します。
 

C続いて、「File name of cancer data ? 」と聞かれますが、これには、CANANG1が作成したファイル名をフルパスで指定します。たとえば、浜岡3号炉についての計算結果が「HM3_285.50」というファイル名で「B」ドライブの「\DATA」ディレクトリにあるのであれば、「B:\DATA\HM3_285.50」と入力します。

 

  1. 次々と、Cが繰り返されますが、もうこれ以上の棒をたてる必要がなければ、ファンクションキーの10番(f・10)を押す、あるいはCTRLキーと一緒に「Z」キーを押せば、次のステップに移ります。
 
  1. ここまでの入力が済むと、DMAP1は日本列島の鳥瞰図を書き、その上に指定したファイルに含まれる晩発性ガン死者の数を棒グラフとして3次元的に表示します。
 
  1. その後の操作は、地図を拡大したり縮小したり、鳥瞰する位置を指定したりします。
操作を指示するキーと、実行される操作内容の関係は以下の通りです。

 

Up ydisp+      地図が全体に上に動く

Down ystep-            下

> xdisp+            右

< xdisp-            左

P phid+      地図が右に回転する

p phid-         左

T thetad+     地図を見る視点を真上方向に移す

t thetad-             水平

D distance+            地表から遠ざける

d distance-              に 近づ

E amp*       地図を拡大する

e amp/          縮小

H expand(ch)    棒の高さを高くする

h expand(ch)         低く

W width(ch)     棒の幅を広くする

w width(ch)         狭く

A a_step()     拡大・縮小率の変更

a a_step()      上と同じ

F f_step()      地図の左右の回転角度のステップを変更

f f_step()       上と同じ

S s_step()     視点の真上<>水平の変化ステップを変更

s s_step()        上と同じ

X x_step()     地図の上下左右方向の移動幅を変更

x x_step()       上と同じ

Y y_step()        上と同じ

y y_step()        上と同じ

C copy(3)       画面をプリンタで印刷する

 

  1. すでに上に示したとおり、満足のいく図ができた時点で「C」キーを押せば、場面のハードコピーがプリンタに出力できます。
  2.  

  3. プログラムは、いつもと同様CTRL+「C」で終了します。