世界初の加速器駆動未臨界炉実験が始まりました

2009年3月15日 更新

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/press/2009/0304.html
去る2月26日(木)~27日(金)、京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)において、 加速器駆動未臨界炉の開発に向けた実験研究を行うために申請して承認された原子炉設置変更に係る使用前検査が行われ、3月4 日(水)に合格証が交付されました。これを受けて、同日より陽子加速器を用いた世界初の加速器駆動未臨界炉実験を開始することになりました。
 この研究は、平成14 年度の文部科学省の革新的原子力システム技術開発公募事業で採択された課題「FFAG加速器を用いた加速器駆動未臨界炉に関する技術開発」の仕上げとして行われるものです。実験では、固定磁場強集束型(FFAG)加速器からの高エネルギー陽子ビームをKUCAに設置した重金属の標的に導いて核破砕反応を起こし、それに伴って発生する中性子を未臨界状態の原子炉中に打ち込み、核分裂連鎖反応を持続させて、その特性を調べ、加速器駆動未臨界炉の開発の基礎を築くことを目的としています。
 なお、加速器駆動未臨界炉は、未臨界状態の原子炉、すなわち停止中の原子炉を稼動させるもので、加速器の電源を切れば原子炉は停止することになり、原理的に臨界超過事象が生じない安全なシステムで、核変換特性に優れていることから燃料増殖や超ウラン元素の核変換処理に有効で、発電も行える夢の原子炉になる可能性を秘めています。

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