京都大学研究用原子炉(KUR)の運転再開について

2017年8月25日 更新

 

京都大学研究用原子炉(KUR)は、平成26年5月26日から施設定期検査期間中となり運転を停止し、その期間中に新規制基準(原子力規制委員会により平成25年12月18日付けで施行された試験研究炉用等原子炉施設の新規制基準。以下同じ)への対応を行って参りました。昨年の9月21日付けで原子炉設置変更承認申請書が承認され、その後、保安規定の改定、各種改造工事等を実施し、使用前検査及び施設定期検査が行われ、本日(8月25日(金))、施設定期検査合格証が交付されました。これを受けて、8月29日(火)よりKURを用いた共同利用研究を開始できることになりました。

新規制基準の施行後では、高中出力の研究用原子炉としては国内で最初の運転再開ということで、関連の研究者コミュニティからも大きな期待が寄せられています。

運転再開後は、放射化分析、中性子ラジオグラフィ、短寿命RIの製造、物質の構造解析など、KUR及びその周辺設備を利用したさまざまな共同利用研究が年間200件以上、行われることになります。また、癌治療法の一つであるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)による医療照射については、週一回の実施を予定しています。

 

※ 京都大学研究用原子炉(KUR (Kyoto University research Reactor))

最大熱出力5,000kWでスイミングプール型の研究用原子炉。

全国大学の共同利用研究施設として物理学、化学、医学、生物学、工学、農学

など広範囲の分野で利用。

 

◎ 運転再開にあたって【川端所長からの抱負】

新規制対応のために研究用原子炉が長期停止し、学術基盤を支えるという役割が果たせず、また、人材育成にも深刻な影響が出たことなど、利用者の皆様には多大なご迷惑をおかけしました。特にBNCTの治療研究の再開を心待ちにされていたがん患者やご家族の皆様には、特段のご心労をおかけしたことをお詫びします。

ここにKURの利用運転再開が果たせ、臨界集合体実験装置のKUCAとあわせて研究教育利用の再開をご報告できることは、大きな喜びです。

しかしながら、福島の原発事故が発端となって今回の長期停止に至ったことを、我々は深く心に刻み、住民の皆様の安全・安心を確保するとともに、安定・確実な利用運転による研究・教育への着実な貢献を果たして行きたいと考えています。