京都大学原子炉実験所創立40周年記念オープンキャンパス

2011年2月14日 更新

京都大学原子炉実験所は、昭和38年(1963年)4月1日に設置され、平成15年(2003年)4月1日をもって創立40周年を迎えます。これを記念し、今年の「一般公開」は少し規模を拡大し、創立40周年記念「オープンキャンパス」として開催することにいたしました。
恒例の施設公開や科学実験体験コーナー等に加え、当実験所教授による講演会も企画しております。当所で行われている研究の内容を、皆様方に分かりやすく紹介し理解を深めていただくと共に少しでも身近に感じていただけるような機会にしたいと考えております。

ポスター (PDF)

日時

平成15年4月2日(水)~平成15年4月6日(日)

場所

京都大学原子炉実験所 事務棟会議室等

内容

記念講演会

4月2日(水) 14:00~15:30  京都大学原子炉実験所 事務棟会議室

「21世紀のがん放射線治療 ~ホウ素中性子捕捉療法はがん細胞を選択的に破壊する~」

講師:京都大学原子炉実験所  教授  小野 公二(おの こうじ)

がん細胞にホウ素-10化合物を選択的に集め、原子炉中性子を照射するとがん細胞のみ破壊できる。これがホウ素中性子捕捉療法(BNCT)である。脳腫瘍や悪性黒色腫は抵抗性でX線による治療が難かしい。BNCTは脳や皮膚を傷めずにがんを壊す。また、頭頸部のがんでも選択的にがんが壊せる。基礎研究では肝腫瘍にもBNCTが有用であり、臨床応用へ進む日も近い。BNCTような細胞選択的照射療法が真の21世紀型のがん放射線治療である。

4月3日(木) 14:00~15:30  京都大学原子炉実験所 事務棟会議室

「原子炉実験所の新しい研究プロジェクト ~加速器駆動未臨界炉の基礎研究~」

講師:京都大学原子炉実験所  教授 三島 嘉一郎(みしま かいちろう)

京都大学原子炉実験所では、加速器駆動未臨界炉の基礎研究を行っています。これは、ノーベル物理学者のルビア博士が、臨界事故の心配のない安全性の高いエネルギー増倍システムとして提唱したもので、加速器と臨界未満の核燃料体系を結合させた画期的なエネルギーシステムです。この研究では、我が国独自の開発による固定磁場強収束型シンクロトロンを導入し、既設の臨界集合体実験装置と結合させて、加速器駆動未臨界炉の基本的な特性を調べます。また、これに並行して、材料や除熱などの工学的な問題も研究することにしています。

4月4日(金) 14:00~15:30  京都大学原子炉実験所 事務棟会議室

「電気を通すプラスチック ~現代の錬金術~」

講師:京都大学原子炉実験所  教授 松山 奉史(まつやま ともちか)

プラスチック(高分子)は通常は絶縁体であるが、簡単な方法で良導体となるものがある。その典型例がポリアセチレンで、ヨウ素蒸気にさらすと銅に匹敵する電気伝導度を示す。ポリアセチレンは白川英樹先生(2000年度ノーベル化学賞受賞)が膜状に合成する方法を発見された高分子である。当時原子炉実験所では白川先生と共同で、放射性同位体を用いるユニークな手法により導電性が現れるメカニズムの研究が行われた。講演では当時の研究を平易に紹介したい。

展示コーナー

4月2日(水)~4日(金) 13:30~17:00

京都大学原子炉実験所 図書棟会議室

原子炉実験所の歴史を振り返る展示物、原子炉実験所で行っている研究に関連するパネル等を展示します。

施設公開

4月5日(土)

科学実験体験コーナー 10:00~16:00

京都大学原子炉実験所 図書棟会議室

日本原子力学会関西支部・原子力オープンスクールワーキンググループによる、分かりやすくて楽しい実験コーナー、体験コーナーをご用意します。

施設見学 13:00~16:00(見学の受付は15:30で終了します。)

研究炉(KUR)、臨界実験装置(KUCA)、廃棄物処理棟などの施設をツアー形式で見学していただきます。

ビデオ上映コーナー  10:00~16:00

京都大学原子炉実験所 事務棟会議室

科学に関するビデオを上映します。

桜公開

実験所敷地内には100本以上の桜があります。この機会にぜひご覧ください。

  • 4月2日(火)~4日(金) 13:00~17:00
  • 4月5日(土)~6日(日) 10:00~17:00