核放射物理学研究分野     研究室のサイト

教授 瀬戸 誠 seto*
准教授 北尾 真司 kitao*
助教 小林 康浩 ykoba*
助教 齋藤 真器名 msaito*

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当研究室では、原子核の共鳴励起現象に関する基礎的研究、ならびにこれを用いた凝縮系科学の研究を行っている。また、このような現象を用いた先進的分光法の研究も行っている。特に、核共鳴励起現象を用いた分光法としてMössbauer(メスバウアー)分光法を利用した研究を進めている。この分光法では、中性子照射等により生成した放射性同位体(RI)線源からのγ線をドップラー効果によりエネルギー変調を起こさせ、共鳴核で無反跳核共鳴吸収させることによって原子核のエネルギー準位の変化を観測する。このとき、核のエネルギー準位は周囲の電子系の状態を超微細相互作用を通して鋭敏に反映するため、局所的な電子構造・磁性の精密な測定が可能となる。また、neVオーダーの極めて小さな揺らぎの観測も可能となる。γ線源としては、長寿命RIの57Co、 125mTe、119mSnの他に短寿命RIの 129Te、 193Os、197Pt等を用いて、57Fe、125Te、 119Sn、129I、193Ir、197Au等のMössbauer効果測定を行っている。これにより、高温超伝導物質の電子構造・磁性に関する研究、導電性高分子における電気伝導度に関する研究、低次元物質における電荷密度波に関する研究を実施している。さらに、放射光X線を光源とした核共鳴非弾性・準弾性散乱法による凝縮体のダイナミクスに関する研究も行っている。放射光核共鳴非弾性散乱法は当研究室が世界で初めて測定を行ったものであり、核的手法による物質科学研究分野で先端的な研究を推進している。

また、加速器を用いて相対論的荷電粒子と結晶との相互作用によるパラメトリックX線放射やコヒーレント制動放射等とその応用に関する研究も行っている。

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Fe系高温超伝導体母物質LaFeAsOの57Feメスバウアースペクトル。
Pc_fig2
電荷分離Fe酸化物CaFeO3の温度変化核共鳴非弾性散乱スペクトル(左)とこれから求めたFeフォノン状態密度(右)。