放射能環境動態工学研究分野

准教授 藤川 陽子 fujikawa*
助教 窪田 卓見 t_kubota*

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環境中の放射性・非放射性汚染物質の動態と環境修復技術

この分野では、特に地水圏環境を中心に、放射性・非放射性の汚染物質の動態と環境修復の技術を研究してきた。研究範囲は多岐にわたっており、地質媒体・水・植物などの環境要素間での汚染物質の分布状況を知るための室内試験、汚染物質の濃度や化学的存在形態を明らかにするための分析技術の開発、開発した分析技術の応用、放射性セシウムおよびウランやプルトニウムの同位体についての野外環境調査、水や土壌の汚染除去技術の開発、汚染物質の移行モデルの開発、放射性廃棄物最終処分の安全評価、を実施している。

核廃棄物や福島事故由来の放射性セシウムで汚染された一般廃棄物等の安全な処分をめざして

人間活動からは発生した様々な廃棄物は適切な前処理の後に処分しなければならないが、処分場の立地は常に問題である。特に放射性物質を含む廃棄物については問題が大きい。放射性廃棄物の安全な処分に資するために、我々は発電所廃棄物中の重要核種(I-129、Se-79、Cs-135、 Co-60、U同位体や超ウラン元素)の地圏中での移行や分布挙動について基礎的な研究を実施してきた。

2011年の福島第一原発事故の結果、一般環境の放射性セシウム汚染という、新次元の環境問題が発生した。 この汚染により、除染作業で除去された土壌と放射性セシウムを含むごみが大量に発生する事態となり我々はこのような廃棄物の減容処理の研究に着手した。放射性セシウムを8,000 Bq/kg以上含む、いわゆる指定廃棄物を、水などの溶媒で洗浄して放射性セシウムを抽出、このセシウムをフェロシアン化物共沈法で処理する。放射性セシウムは少量の沈殿物に濃縮、洗浄後の廃棄物は除染されて指定廃棄物の範疇を外れる。この手法の有効性を実証するために、廃棄物発生地での現地試験(下図)を行ってきた。今後は放射性セシウムの地下環境中移行速度を野外調査により明らかにしていく。

現場試験の手順