チェルノブイリ新聞切り抜き帖(2001年)


 

 
01/02/24 毎日
ロシア南部のロストフ原発1号炉が23日運転を開始した。チェルノブイリ事故以来、ロシアの新たな原発の運転開始ははじめて。

01/03/15 原産
ドイツの原子力サービス企業であるニューケム・ニュークリア社は6日、チェルノブイリ原発の放射性固体廃棄物管理施設を3330万ユーロ(約37億円)で建設する契約を獲得したと発表した。「放射性固体廃棄物管理コンビナート計画」と名付けられた同プロジェクトではECの竿生支援により、1?3号機が操業当時に排出した放射性廃棄物および今後の廃止措置にともなうすべての廃棄物を処分に適した状態に処理することになっている。

01/04/25 毎日
チェルノブイリ原発事故から26日で15周年になる。ロシア保健省のオニシャエンコ第1次官によると、ロシア国内では現在も約170万人が汚染地域に住んでおり、住民の病気にかかる率は、全国平均より、大人で20?30%、子供で50%大きい。

01/04/26 RFERL
ベラルーシのルカシェンコ大統領は26日、チェルノブイリ事故15周年の式に参加するためゴメリ州の汚染地を訪問した。ウクライナのクチマ大統領、Yushchenko首相、Plyushch議長は、事故処理で働いた軍人羅のモニュメントと墓に花束を捧げた。ベラルーシ反対派も同日、追悼式典を予定している。

01/04/27 RFERL
ミンスクで26日、反対派が組織したチェルノブイリ15周年のデモに5000から7000が参加した。Nikitchankaアカデミー会員は、184万人がベラルーシの汚染地域に住んでいる、政府がチェルノブイリ対策のために支出している額は、「チェルノブイリ税」として集められている額より13%少ない、と述べた。

01/05/07 RFERL
ウクライナ・ドネツク州のKirov炭坑で5日、メタン爆発事故により8人が死亡し2人が行方不明。ウクライナの炭坑では昨年事故により306人が死亡しており、世界で最も危険な炭坑である。

01/05/18 RFERL
ウクライナは17日、核兵器搭載可能な長距離戦略爆撃機TU-95MSの最後の1機を解体した。ウクライナは旧ソ連から受け継いだ38機の戦略爆撃機すべてを解体したことになる。米国・ウクライナ協定に従って。米国は解体費用7700万ドルを提供した。

01/06/01 毎日
モスクワの国際会議で5月31日、長崎大学医学部の柴田教授が、チェルノブイリ原発周辺の子供の甲状腺ガンについて、ガン患者はほぼ全員が事故前の生まれで、事故の翌年以降に生まれた子供には甲状腺ガンは出ていないと報告した。

01/06/07 毎日
ロシア下院は6月6日、外国からの使用済み燃料の輸入と貯蔵など「核ビジネス」を認める一連の法案を賛成多数で可決した。法案は上院の審議を経て、大統領が署名して成立する。原子力省によると、今後10年間で外国から約2万トンの使用済み燃料を受け入れ、約200億ドルの収入を見込んでいる。

01/06/19 RFERL
ベラルーシ最高裁の軍事パネルは18日、前ゴメリ医科大学学長Bandazheuskiと副学長Raukouに対し、大学への入学と引き替えに賄賂を受け取った罪で、禁固8年の刑を下した。Bahdazheuskiは、放射線に関する高名な専門家で、チェルノブイリ事故に対する政府の政策を批判してきた。

01/06/28 原産
ロシア政府はこのほど、「チェルノブイリ事故:86年から2001年までのロシアにおける影響排除に関する結果および問題点」と題する46ページの報告書をまとめ、マスメディアの報道が同事故の悪影響をことさら誇張していると結論している、

01/06/28 RFERL
ヨーロッパ議会評議会(PACE)に参加しているウクライナ代表団は27日、EBRD(ヨーロッパ復興開発銀行)がウクライナ2原発の完成資金を提供する約束を守っていないと述べた。代表団によると、EBRDはチェルノブイリの閉鎖とロブノとフメリニツキ原発完成のため15億ドルを提供することになっているが、まだほんの一部しか払われていない。Lemierre EBRD総裁によると、EBRDは、IMFとウクライナの協力関係が復活するのを待っている。一方、Khristenkoロシア副首相は、核燃料の購入と原発完成のためロシアは2億ドルをウクライナに提供する用意があると述べた。

01/07/05 原産
ウクライナの電力会社であるエネルゴアトム社とフラマトムANP社の率いる企業連合は6月22日、ロブノ4号機とフメリニツキ2号機の完成計画(R4/K2)で第2段階の設備近代化協力協定を結んだ。1億2500万ユーロ(約135億円)のこのオプション協定は両炉の操業時の性能向上を目的としたもので、両炉が運転開始してから最初の3回の停止期間中に作業が実施される。

01/07/12 毎日
ロシアのプーチン大統領は11日、外国からの使用済み核燃料の輸入を解禁し、再処理と貯蔵を行うことで外貨獲得をめざす関連法案に署名、同法は成立した。

01/08/20 RFERL
ウクライナ・ドネツク州Zashydkoの炭坑で19日、メタン爆発が発生し少なくとも36人が死亡した。少なくとも10人が行方不明で、39人が重傷。生存者の救出活動は、地下1300mでの火災のため中断された。Zasyadko炭坑では1999年にもメタン爆発で50人が死亡している。

01/09/11 毎日
9日の選挙で再選されたベラルーシのルカシェンコ大統領は10日、「ベラルーシ国民は外部からの圧力に屈しなかった」と今後の政権維持に強い自信を示した。一方、全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団も10日、「選挙は非民主的」と指摘し、公平さに疑問を投げかけた。

01/09/25 RFERL
ジトーミル市の近郊で24日、放置された核廃棄物置き場が発見された。コンクリート製ピットの中に木製の箱が投げ込まれており、箱の中には、放射能マークの入った鉄製ブロックが収納されていた。ブロックの放射線量は毎時0.017から1.2ミリレントゲンであった。ソビエト時代に核弾頭を装備した部隊が展開していた場所で、ウクライナ安全当局は地方当局に対し、早急に放射線源を隔離しておくよう指示した。

01/10/11 原産
欧州復興開発銀行(EBRD)は今月からフメリニツキ2号・ロブノ4号の完成計画(K2/R4)に2億1500万ドル(268億8000万円)の融資を開始する。これは一週間前、IMFの拡大信用供与によるウクライナへの融資更新手続きが完了したことを受けて発表されたもの。計画全体で必要と見積もられている経費は14億8000万ドル。

01/10/16 RFERL
チェルノブイリ問題に関する国連使節団の団長Mizseiはキエフで15日、国際社会がチェルノブイリ周辺の経済活動に投資するよう勧告すると述べた。使節団は7?8月に30km圏を視察し、10月末に国連総会に勧告を行う。

01/10/19 RFERL
ベラルーシのルカシェンコ大統領は18日、科学アカデミーの総裁とアカデミー幹事会メンバーを共和国大統領が指名するという命令を公布した。これまで、科学アカデミー総裁はアカデミー会員の総会で選出されていた。19日、ルカシェンコ大統領は、前大統領府長官Myasnikovichを科学アカデミー総裁に指名した。

01/10/26 RFERL
ロシアの5つの環境団体が25日、ブルガリア・コズロドゥイ原発からロシアへの使用済み核燃料のウクライナ通過を中止するよう、ウクライナ議会とクチマ大統領に訴えた。環境団体によると、核燃料事故の半数は輸送中に生じており、核燃料の輸送にはテロの可能性がある。

01/10/31 RFERL
ニコラエフ州ペルボマイスク地区で30日、SS-24大陸間弾道ミサイルの最後のサイロ46基が破壊された。同日、米国との間で、SS-19とSS-24ミサイル製造インフラ施設解体のため3000万ドル援助の調印が行われた。

01/11/06 RFERL
EUのTACIS事務局は5日、チェルノブイリ事故の影響について、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアの人々を啓蒙するための計画に、これまでに120万ドルを使ったと述べた。TACIS計画では、事故影響に関する科学的知見をあつめ、汚染地域で生活するための勧告を、本、パンフレット、ビデオ、CDにまとめて配布した。「CDによって汚染食品をクリーンにすることはできないが、ウクライナの食品の90%がクリーンであることを学ぶことができる」と計画関係者は述べている。

01/11/08 原産
ウクライナの原子力発電公社はこのほど、国内の原発の運転寿命を延長する計画を公表した。ウクライナでは4つのサイトで13基の原子炉が稼働中で、電力の約45%を供給しているが。設計上の運転寿命が30年であるため、現時点での余寿命は12?20年になっており、これらの延長には関連法規の改正が必要になる。

01/11/14 毎日
大津市で開かれている第9回世界湖沼会議で14日、ウクライナ水圏生物学研究所のグドコフ研究員が、チェルノブイリ原発周辺で湖水の流出防止措置がとられている湖沼において、富栄養化のため植物の生態に影響が出ているとの調査結果を報告した。もっとも放射能汚染のひどかった湖沼周辺は、キエフ市民の飲料水の水源であるドニエプル川の上流にあるため、放射性物質が拡散しないよう周辺にダムが建設された。

01/11/19 RFERL
ウクライナ西部のロブノ原発で17日、原子炉の変圧器からの油漏れがStyr川を汚染した。20kg以上の油が、下水からStyr川へ流れ込んだ。

01/11/22 原産
欧州復興開発銀行(EBRD)のルミエール総裁は7日、ウクライナのK2R4計画への融資条件が満たされたとして、2億1500万ドルを融資するよう同行の理事会に勧告した。EBRDは来月の理事会で貸付を承認する協定に署名するかどうかを決定する。

01/11/30 RFERL
ロブノ原発とフメリニツキ原発の2つの原発に対する完成資金15億ドルの西側援助プログラムは29日、破綻に至った。ウクライナ政府は、EBRD(欧州復興開発銀行)とEURATOMに対し、予定されている12月7日までには調印しないし、融資条件についてEBRDとEURATOMと再交渉すると伝えた。

01/12/04 RFERL
クチマ大統領は3日、ロブノ・フメリニツキ原発完成資金のEBRD(ヨーロッパ復興開発銀行)からの援助を完全に拒否したわけではない、と語った。大統領によると、西側専門家が見積もったコストは大きすぎるし、電力代金を引き上げろという条件を受け入れるわけには行かない。

01/12/13 RFERL
クチマ大統領は12日、チェルノブイリ原発とその職員たちが住むスラブチッチ市を訪問した。昨年12月の発電所閉鎖以来、チェルノブイリ原発の従業員は1万人から4200人に減少した。クチマ大統領は、原発閉鎖資金の濫用を理由に、Tolstonohov所長を解任し、Nerestinを新所長に任命した。

01/12/17 RFERL
クチマ大統領とプーチン大統領はハリコフ市で14日、フメリニツキとロブノの2原発完成に関する協定に調印した。クチマ大統領は15日、ウクライナは依然としてEBRDの援助にも期待しているが、「原発はロシアの設計であり、ロシアを排除することはできない」と述べた。

01/12/19 RFERL
クチマ大統領は、いずれ電気代を上げる必要があるが、この冬には行わないと述べた。また、2基の原発完成についてロシアと調印した協定では、2002年にロシア側から1億5000万ドルのクレジットが提供される。

01/12/20 原産
ウクライナのK2/R4完成計画にロシアが財政支援を提供することで両国が政府間協定を締結したことが17日付けで明らかになった。協定の調印にはプーチン・ロシア大統領とクチマ・ウクライナ大統領も出席した。K2/R4にはEBRDから2億1500万ドルの融資を受けることになっていたが、ウクライナのキーナフ首相は融資を拒否する意向を11月末に示していた。ロシアからの融資総額は正式には公表されていないが、5億ドル(625億円)程度になると予想されている。