Research topics

ADS開発に向けた研究

核破砕型中性子源とは加速粒子をTa,W等の重金属に当て、核破砕反応(Nuclear Spallation)により中性子を発生させる装置です。各国の原子力政策等により高中性子束を発生しうる大型研究炉の建設は困難になる中、加速器を用いた強力中性子源に期待がかけられており、近年では、高出力の核破砕中性子源の建設計画が世界中で注目されています。日本では高エネルギー加速器研究機構(KEK)と日本原子力研究所(JAERI)の共同プロジェクトによる核破砕中性子源の建設が計画されています。大量の熱が発生する核破砕型中性子源には冷却方式の異なるターゲット方式と液体金属ターゲット方式があります。固体ターゲット方式では平板上の重金属ターゲット間に冷却材を流し、ターゲットを冷やします。

沸騰熱伝達を利用した高密度熱輸送に関する研究

核融合炉や加速器駆動型未臨界炉、高出力電子回路、コンパクト熱交換器などの伝熱装置では高密度の熱流が大量に発生するため、安全な熱除去と効率的なエネルギー利用が重要な問題となっています。ここでは、技術的に最も経験が豊富で環境に優しい水を主な作動流体として、どこまで高密度のエネルギー輸送が可能か、分子運動論的限界にまで迫る除熱限界の向上と伝熱促進に関する基礎研究を進めています。また、これの応用として、次世代型核エネルギーシステムの熱水力設計研究を行っています。

中性子イメージング研究

中性子ラジオグラフィとは、物体内での中性子の減衰の差を利用して、物体の内部構造の透過像を得る技術です。これまで、通常の撮像速度のテレビカメラを用いた実時間法をはじめ、最高毎秒1000コマの撮像速度の高速度ビデオによる高速度撮像による流体可視化に成功し、また、ボイド率などの二相流の流動特性測定法を提案しました。これらの成果を利用し、気液二相流の可視化とボイド率計測、シビアアクシデント時の熱流動現象研究などを行っています。また、工業利用を目指して、透過力の強い高速中性子によるラジオグラフィ技術の開発も行っています。

二相流計測手法の開発

4センサプローブ、電磁流速計、ワイヤーメッシュセンサ、PIVなどの計測手法の高度化を行うとともに、それらを組み合わせることで、二相流動構造に関する新たな知見の蓄積を行っています。