放射性廃棄物管理研究分野 (Radioactive Waste Management)
原子力利用システムを安全に活用するためには放射性廃棄物管理の研究が必須である。本研究分野では原子力施設から放出される放出放射能の低減をめざし、以下の研究課題に重点的に取り組んでいる。
1)放射性廃液処理に関する工学的諸問題の研究
放射性廃水は、その放射性物質濃度や、化学的、物理的性状が多種、多様であり、放射性廃棄物処理部で処理される際にも多くの問題が生ずる。これらの問題解決のための研究、実験を行ってきた。得られた成果は現実の処理運転に有効に活用すると同時に貴重なノウハウとして蓄積している。近年はいっそうの高度な管理を目的として新しい処理法の開発をめざして現象論的および装置工学的な両面から研究を進めている。
2)環境中における放射性物質の挙動に関する研究
現在、放射性物質の地中での挙動については、一般的な条件下では理論的な推定が可能であるが、近年は酸性雨などによる影響等の外的な影響因子が多様化しているので、カラム実験等でさらに研究を進めている。併せて、地中のみならず一般環境中の微量放射性物質の挙動についても研究を進めている。
3)デコミッショニングに関する研究
将来必ず生じるKURの廃止に伴い、発生するデコミッショニング(原子炉の解体)の問題に対応すべく工学的見地から研究を開始している。
放射性各種の土壌カラム通水実験