2010年6月16日更新

(旧)150MeV-FFAG加速器複合体(KURRI-FFAGs Complex)

 当研究室で開発した、加速器駆動未臨界炉のための固定磁場強収束加速器複合系を紹介します。この加速器は、2005年度より京都大学熊取キャンパスにおいて建設が開始され、2007年夏に一応の完成を見ました(今日にいたるまで随時改良が行なわれています)。右図がその全体像で、外側の大きな青いリングは直径約10メートルになります。(1)イオン源で作られた陽子(=水素イオン)の集団が、薄紫色の線に沿って進み 三段の円形加速器、図の(2)入射器(3)ブースター(4)主リングを多重周回しながら加速されます。 例えば主リングでは約25ミリ秒かけて50000周以上し、最終的に光の速度の40%を超える速度に到達します。

 

(1)イオン源と (2)入射器
 初段に用いられる加速器で、最終エネルギーの1%までの加速を担います。誘導加速やスパイラル(渦巻き)FFAG磁石によるビーム収束を用いた、世界でも珍しい加速器です。この加速器では出力ビームエネルギーが0.1〜2.5MeVまで自由に選ぶことができる設計となっています。"イオンベータ"の愛称で呼ばれています。


(3)ブースター
 目的エネルギーの10%までの加速を担う、二段目の加速器です。約24000周。

 

 

 

 

 

(4)主リング
 約55000周。