ガンマ線照射装置の紹介

 この装置は、床下の線源容器内に格納された60Co γ線源を遠隔操作で床上まで押し上げることによってγ線の照射を行う、いわゆる押上式のγ線照射装置です。

この装置には最大放射能強度は414 TBqの線源を設置することができ、このとき最高で約30 kGy/hの線量率での照射が可能となります。

照射室は15 m2程度の広さがあり、広範囲の線量率で、多様な種類、大きさ、形状の対象物に対してγ線の照射を行うことができます。また、種々の寒剤を利用した低温での照射や、実験の目的に応じた装置を搬入した上での特殊な照射を行うことも可能です。

 照射室に隣接して電子スピン共鳴測定装置及び自記分光光度計が設置された測定室がありますので、測定直後の試料に対する各種の測定を行うことができます。また、照射室と測定室の間には湾曲した貫通孔があり、各種のケーブルを通すことで、実験データの収集や照射中の実験装置のコントロールを行うことも可能です。

線源の遠隔操作を行う操作室と照射室の間には鉛ガラス製の窓が設けられており、照射の様子を目視で確認することができます。また、必要に応じてCCDカメラによる観察も可能です。

本装置を利用して、物理学、化学、生物学、地学、工学、医学など幅広い分野における研究が行われており、純粋なγ線の照射を行う実験設備として複合原子力科学研究所の他の実験設備を補完する役割を担っています。

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