京都大学原子炉実験所     技術室



 <技術室長挨拶>

 196341日に原子炉実験所は「原子炉による実験及びこれに関連する研究」を行うことを目的に、全国大学の共同利用研究所の役割をもつ京都大学附置研究所として設立されました。研究・運営のための組織に技術室があり、技術職員は、安全管理のための組織である管理部(研究炉部、臨界装置部、実験設備管理部、放射線管理部、放射性廃棄物処理部など)に属して、原子炉・放射線施設を安全に保守・管理することを主たる業務としながら共同利用者・研究者の研究支援を遂行しています。

 現在、技術室の総勢は、再雇用職員を含む36名で構成されています。近年、団塊世代の定年退職による急激な世代交代が起こっており、その経験豊かな世代がまだ再雇用職員として在職している間に、彼らからの業務や技術の継承をしていく必要があります。技術的、技能的なことはマニュアル化しにくい部分もあり、それが技術・技能の継承の難しいところです。ただ、若い技術職員も先輩たちの技術・技能をそのまま受け継ぐだけでなく、自分たちなりに知見を広め、自分たちなりにさらに改良を加え、先輩たちの行ってきた以上のものを築いていくという気概が必要です。その次世代を担う技術職員のため、個別研修として、スキルアップのための講習会、他大学・研究機関などで開催される技術研究会への参加、技術発表や研修会・見学会など、経費の許す範囲で積極的な運営を行っています。

また、技術職員が主体となった安全講習会実施や地域広報活動の一環としてのアトムサイエンスフェアーでは、科学実験教室などへも積極的に参加しています。また、放射線に関する基本知識の習得や放射線取扱主任者試験の勉強会を教員の協力も得て取り組んでいます。

 原子炉実験所のような職場においては、原子炉・放射線施設の保守・安全管理業務は社会的影響の大きい業務であり、現場で主たる業務に携わる技術職員の役割は重要です。技術室が果たすべき役割を認識し、技術室の機能・情報の共有を図りつつ、管理部との連携を強化して技術力を高め、安全管理、研究の技術支援に貢献していきたいと考えています。詳しくは、技術室のホームページに業務紹介や技術室研修会などを掲載していますので是非ご覧になって下さい。

20096月 技術室長 池川龍照