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お知らせ。


  大学院生募集!

 タンパク質について研究してみませんか?
 
 
例えば、

タミフルはどのようにインフルエンザウイルスに結合し、効果を発揮する
 のでしょうか?
蛍はどのように光を発しているのでしょう?? 
好熱菌と呼ばれる菌類は、どのようにして100℃近い環境に生息できているの
 でしょうか???

 そんなことも明らかになる学問です。
 
 以下にタンパク質の構造解析について簡単に説明します。 
 興味を持たれた方は気軽にご連絡ください。


タンパク質について
 タンパク質とは、アミノ酸がペプチド結合によって、ひも状に連なったものが、それぞれのタンパク質に
特有の立体構造に折れたたまれたものです。 この立体構造をとることによって、相互作用する相手分子(他のタンパク質や低分子など)を数Åのオーダーで判別することが可能となります。
  

    

フォールディングについて
 タンパク質が、特定の立体構造に折りたたまれることをタンパク質のフォールディングといいます。 数百~数千連なったアミノ酸が、折りたたまれる場合の数は無数に存在するため、現在でもシミュレーションなどを用いて、タンパク質の立体構造を明らかにすることはできていません。 しかし、生体内では、このフォールディングが数秒で正確に行われてしまうのです。 このフォールディングの機構は未だ、完全には解明されておらず、Levinthalのパラドクスといわれています。


タンパク質の構造解析
 では、タンパク質の構造解析はどのように行われるのでしょうか。
 現在、タンパク質の構造解析の手法として、NMRと
結晶構造解析の2つが主流となっています。森本研究室では後者の結晶構造解析を行っています。 結晶構造解析はその名の通り、タンパク質の結晶を作製し、結晶に放射線をあて、構造解析を行います。 タンパク質の結晶方法には決まった方法が確立されておらず、結晶作製には苦労しますが、その分、結晶が出たときの感動は大きいです。 下に結晶の写真を載せておきます。 きれいでしょ☆
    


構造解析の必要性
 タンパク質の構造解析を行う目的は、タンパク質の機能を原子レベルで明らかにすることにあります。
 例えば、血液中の酸素を運搬することで知られるヘモグロビンは、ヒトの場合、肺から送られた酸素と結合し、血液中の酸素濃度が低いポイントにくると、その構造を変化させ、酸素を離すという仕事をしています。 この酸素をつかみ、必要な所で離すという機能はどのようにして行われているか、ご存知ですか? 
 また、このような立体構造を原子レベルで明らかにする事は、薬剤の設計や、工業的利用への応用につながります。


この分野の面白さ
 上であげた、フォールディングの機構や結晶化の方法などの様に、この分野にはまだまだ明らかになっていないこと、改良すべきことが多く存在しています。 また、未だ多くのタンパク質の立体構造が明らかになっておらず、実際に生体内で巧みに機能しているタンパク質の立体構造を、世界で最初に見ることができる事も、この分野の面白い点でしょう。 
 最後に、以下にこの分野ですることのできる実験の例をあげておきます。 どれも物理学専攻としては、めずらしく、興味深いものだと思います。

・ 大腸菌の培養 →大腸菌を培養し、目的のタンパク質を作らせる。
・ 遺伝子組み換え →タンパク質の長さなどを変える必要があるときは、遺伝子組み換えを行う。
・ タンパク質の結晶化 →この分野の基本。様々な条件を変えて、質のいい結晶を作ることが重要!
・ 放射光施設の利用 →結晶が得られたら、Spring8(兵庫県)や、高エネルギー加速器研究機構(茨
                 城県)に出張し、放射光を用いて回折実験を行う。

森本研究室

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