2008年岩手・宮城内陸地震(Mj7.2)の震源のモデル化(暫定版)
経験的グリーン関数法を用いたフォーワードモデリングにより2008年岩手・宮城内陸地震(Mj7.2)の震源モデルの評価を行った。経験的グリーン関数として2008年6月14日23時42分に発生した余震(Mj4.8)の記録を用いた。記録は0.2〜10Hzのバンドパスフィルターをかけて用いた。ここでは防災科学技術研究所のKiK-net(地中)及びK-NETの地震波形記録を用いた。
断層面は、メカニズムはF-netのモーメントテンソル解を、破壊開始点はHi-netの再検測による震源位置(39.03158N, 140.88362E,
深さ8.13km)とした。断層の破壊伝播速度は2.7km/s、基盤のS波速度は3.5km/sとした。
結果
解析の結果、震源の北と南にそれぞれ1つずつアスペリティを配置する震源モデルとなった。震源より北側の観測点では、震源の南側のアスペリティ(Asp1)のみでは波形の再現性が悪く、震源の北側にアスペリティ(Asp2)を配置することにより波形の再現性が良くなった。2つのアスペリティの応力降下量はこれまでの内陸地殻内地震の平均値に近い値となった。

図1 2008年岩手・宮城内陸地震(Mj7.2)、経験的グリーン関数として用いた地震(Mj4.8)の震央位置、KiK-net及びK-NET観測点位置、ならびに2008年岩手・宮城内陸地震の2つのアスペリティからなる震源モデル(アスペリティのみ)
の位置
表1 経験的グリーン関数として用いた地震の諸元

図2 2008年岩手・宮城内陸地震の2つのアスペリティからなる震源モデル(アスペリティのみ)
表2 2008年岩手・宮城内陸地震の震源パラメータ














図3 合成波形と観測波形の比較(0.2Hz〜10Hz)


図4 擬似速度応答スペクトルの比較減衰:5%
謝辞:独立行政法人防災科学技術研究所のKiK-net及びK-NET強震記録、並びにF-netのメカニズム解を使用させて頂きました。関係者の皆様に感謝いたします。
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