院生募集

当研究室では大学院生(修士・博士後期課程)を広く募集しています。

5MW研究用原子炉(低濃縮ウラン燃料)を用いた不安定核ビームの生成と、これを使った原子核物理と物性物理分野にまたがる学際研究を行っています。

不安定核を作る

原子炉で大量に発生する中性子をウランに照射すると核分裂を起こすことができます。重い原子核ほど中性子を過剰に持っているため、加速器からのビームでは生成が困難な中性子が過剰な不安定核を容易に得ることができます。

ウラン核分裂により質量90と140近傍の中性子過剰核が大量に精製される→

不安定核をビームにする

KUR-ISOLの概念図

得られた中性子過剰な不安定核をオンライン質量分離器(KUR-ISOL:Kyoto University Reactor Isotope Separator On-Line)で目的の原子核のみ分離したビームとして取り出します。通常30keV、後段加速器と組み合わせて最大150keVまで加速可能です。

不安定核を研究する・利用する

KUR-ISOLビームラインと実験装置

ビームとなった不安定核を実験装置まで輸送し、未知のアイソトープの探索や、β線・γ線の精密測定と電磁気モーメント測定を通じた核構造の研究を行います。さらに、電磁気モーメントのよく判った不安定な原子核を様々な物質(超伝導体、強磁性体、強誘電体など)に注入し、物質の電子構造の解明を行います。

最近の研究室の仕事

原子核構造の研究 中性子核過剰である132lの第一励起准位の半減期と磁気モーメントについて、高純度の核ビームを得る技術と高時間分解能の計測技術を組み合わせた測定に成功しました(東北大グループとの共同研究)。また、不安定核ミュオン原子の実現に向けてKEKグループと共同でイギリスのラザフォードアップルトン研究所で基礎実験を進め、J-PARCでの更なる展開を計画しています。
物性研究 不純物をドープすることによって興味ある物性を示す半導体ZnOに第13属の元素(Al、lnなど)を不純物として導入し、それらの不純物の存在状態を、放射性原子核プローブを用いて研究しています。Ne-Fe-B系磁石の磁性発現や中性子による減磁の研究を進め、それを基に中性子による減磁を利用した 新たな中性子検出法を開発しました(特許出願済)。
その他 実験で必要になる加速器や計測器の制御に関する研究開発を進めており、その技術をもとにKURAMA(Kyoto University RAdiation MApping System)の開発を行いました。

複合原子力科学研究所のおもしろさ

複合原子力科学研究所は関西空港の近く、大阪府熊取町にあります。原子炉を研究・利用する医学・生物学・工学・物理学・科学・材料物性・建築・地震学他様々な分野の研究者が集まっており、さながら小さな理系総合大学です。そこで分野を超えて協力しながら原子炉を維持・運用して自分たちの研究を進めることで、思いもよらなかった新たな研究が生まれています。そんな既存の物理の枠にとらわれない場所で研究してみたい人にはお勧めの環境です。東電福島第一原発の事故では、複合原子力科学研究所の様々な分野の研究者が協力して事故対応に貢献しています。KURAMAにも我々の計測技術を基に様々な研究者の専門知識を活かされています。

※KURAMA・・・詳しくはこちら

☆研究室見学申し込み受け付け中☆

当研究室を訪問されたい方は、 谷口までご連絡ください。
(*mailアドレスに@rri.kyoto-u.ac.jpを入力の上、お送りください。)

院生募集についての募集要項は、こちら↓から
http://www.scphys.kyoto-u.ac.jp/education/inshi/

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今年のLorentz Festival 2022 ローレンツ祭は、5月13日(金)に開催されました。
参加いただいた皆様、ありがとうございました。