放射化学的中性子放射化分析法による堆積岩標準試料中の微量ハロゲン元素の精密な定量

2013年7月24日 更新

関本俊 助教(京都大学原子炉実験所・京都大学大学院工学研究科)、海老原充 首都大学東京教授(日本放射化学会 会長)は、従来の放射化学的中性子放射化分析法(Radiochemical Neutron Activation Analysis, RNAA)を改良し、それを用いて堆積岩標準試料中の微量ハロゲン元素(塩素、臭素、ヨウ素)を精密に定量しました。

 

ratio-of-icp-ms-to-rnaa本研究で得られた堆積岩標準試料中の臭素、ヨウ素の定量値と、現在、一般的な元素分析法として汎用的に用いられる誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS) により得られた定量値を比較すると、後者が系統的に低くなる傾向が示され(右図)、ICP-MSの際の試料の前処理の段階で、臭素、ヨウ素が定量的に回収されていない可能性を示唆しました。
今後、本研究で用いられたRNAAが宇宙・地球化学分野において、微量ハロゲン濃度が重要である試料(隕石試料、マントル起源岩石など)に適用されることが期待されます。

 

本成果は、京都大学原子炉実験所の研究用原子炉及びホットラボラトリを用いて得られた結果であり、2013年5月27日にアメリカ化学会誌 ”Analytical Chemistry” に掲載されました。また当実験所が推進している共同利用研究の中でも、本実験所の特長を最大限に生かした研究の成果でもあります。

 

書誌情報

[DOI]  10.1021/ac400637d

“Accurate Determination of Chlorine, Bromine, and Iodine in Sedimentary Rock Reference  Samples by Radiochemical Neutron Activation Analysis and a Detailed Comparison with  Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry Literature Data”

Shun Sekimoto and Mitsuru Ebihara Analytical Chemistry, 2013, 85 (13), pp 6336–6341