放射線マッピング研究会

東電福島第1原子力発電所の事故以降、原子炉から飛散した放射性物質による地理的な汚染状況を詳細に把握するため、様々な放射線量マッピングシステムが開発され、実際に運用されてきましたが、現在これらのシステムは、単なる放射線量の2次元的なプロッティングにとどまらず、時間経過に伴う変化やスペクトル解析、空間分布の推定、測定可能線量率範囲の拡大など新たな技術的展開が生まれており、より詳細かつ効率的な汚染状況の把握のためのツールとして進化を遂げています。 事故から約1年後の2012年4月、京都大学原子炉実験所が開発したKURAMAの開発や運用に関わる関係者が参加してKURAMAワークショップという放射線量マッピングシステムに関する研究会が開催されました。その後、この研究会は名称を変えながら会議を重ね、放射線量マッピングシステムの開発や運用を行う大学、研究機関、企業、行政組織の参加者が一堂に会して、装置の作製技術や検出器の特性解析、運用のノウハウ等に関するさまざまな事例紹介と意見交換を行って参りました。 その結果、放射線量マッピングシステムについての技術的な課題や望まれる改良点、今後の展開などについて、情報と認識の共有が進められています。 2018年度以降さらなる展開と議論の深化を目指してこの研究会とシンポジウムを 合同で開催しており、今年も「福島県への支援取り組み及び放射線マッピング研究会」を行います。 福島震災や原発事故からの復興のための研究開発に関心のある皆様の参加をお待ちしております。