生体エネルギー変換研究分野    研究室のサイト

准教授慈幸 千真理jiko.chimari.4s*kyoto-u.ac.jp

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ATP合成酵素オリゴマー状態は、生体エネルギー変換の最終段階において、その効率を左右する機能単位であると考えています。

本研究室では、生体におけるエネルギー変換機構を分子レベルで理解し、その制御を通じて新たな医療応用へと展開する研究を行っています。エネルギー変換という共通概念のもと、物理・化学系のエネルギー研究を背景とする複合原子力科学研究所において、生命システムにおけるエネルギー変換に着目し、その分子基盤の解明に取り組んでいます。

生体内のエネルギー変換は、ミトコンドリア内膜におけるプロトン駆動力を利用したATP産生によって担われています。本研究室では、このエネルギー変換の核であるATP合成酵素に着目し、そのオリゴマー状態と膜構造(クリステ)との関係を解析しています。

特に、生体に近い状態を保持したままATP合成酵素オリゴマーを解析する独自の手法を基盤とし、その構造多様性を捉えることに取り組んでいます。この基盤のもと、ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いてエネルギー変換機構の成熟過程や変化を捉えるとともに、in vivo系も取り入れることで、生体レベルでのエネルギー変換機構との対応関係を検証しています。さらに、構造、脂質環境、機能を統合的に解析することで、ATP合成酵素オリゴマー状態がエネルギー変換効率を左右する機能単位としてどのように働くのかを明らかにすることを目指しています。

本研究は、複合原子力科学フロンティア研究プロジェクトの一環として、生体エネルギー変換研究分野の創出・発展にも貢献していきます。

将来的には、エネルギー変換の制御を標的とした新たな創薬戦略を確立し、ミトコンドリア機能異常に起因する疾患に対する治療法の開発へとつなげていきます。