放射能環境動態工学研究分野

准教授 藤川 陽子 fujikawa*
助教 窪田 卓見 t_kubota*

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環境中の放射性・非放射性汚染物質の動態と環境修復技術

本分野では、特に地水圏環境を中心に、放射性・非放射性の汚染物質の動態と環境修復の技術を研究してきた。(1)地質媒体・水・植物などの環境要素間での汚染物質の移行を解明する室内試験、(2)汚染物質の濃度や化学的存在形態の分析技術開発、(3)放射性セシウム、ウラン、プルトニウムの野外環境分布調査、(4)水や土壌の汚染の原位置除去技術開発、(5)汚染物質移行モデルや環境データの統計学的解析技術の開発、を国内外で展開している。

核廃棄物や福島事故由来の放射性セシウムで汚染された一般廃棄物等の安全な処分をめざして

2011年の福島第一原発事故の結果、一般環境の放射性セシウム汚染という、新次元の環境問題が発生した。結果として、除染作業で除去された土壌と放射性セシウムを含む自治体ごみが大量に発生する事態となった。我々はこのような廃棄物の除染と減容の研究を行ってきた(図1)。このような廃棄物を埋め立て処分するには、実際に放射性物質を日本の地下環境に埋設しても安全が確保できることを実フィールドで示すことが必要と考えた。そこで2018年度からは、福島第一原発事故以来、低濃度ながら放射性セシウムを含有するようになったゴミ焼却灰を実際に受け入れている最終処分場の浸出水及び周辺地下水の本格的な調査に着手した(図2)。調査でえられた地下水位や地質ボーリングデータの情報を整理して地下水流動の数値シミュレーションを実施してきた(図3)。さらに、浸出水や地下水試料の放射能分析及び化学的な成分分析から得られたビッグデータを機械学習によるパターン認識技術を援用して整理してきた。

また自然地質由来の地下水ヒ素汚染の原位置浄技術として鉄バクテリア生物ろ過法に注目、日越での現場試験を行い、ベトナムにおける農村水道実施設を建設した(図4)。

現在は、北欧及びウクライナにおける地下水の放射性セシウム汚染の調査を推進している。

現場試験の手順