粒子線医学物理学研究分野
教授 |
田中 浩基 |
tanaka.hiroki.3e*kyoto-u.ac.jp |
准教授 |
櫻井 良憲 |
sakurai.yoshinori.8n*kyoto-u.ac.jp |
助教 |
高田 卓志 |
takata.takushi.6x*kyoto-u.ac.jp |
助教 |
松林 錦 |
matsubayashi.nishiki.3d*kyoto-u.ac.jp |
※メールアドレスは * を @に置き換えてください
医学物理学とは、医療、特に、放射線医療・粒子線医療を支える物理および工学の総称である。その内容は多岐にわたるが、重要な使命は「放射線治療法の高度化の促進」と「品質保証」である。本研究分野では、粒子線治療法の一つである「硼素中性子捕捉療法(BNCT)」に重点を置き、粒子線腫瘍学研究分野と協力して、この療法の最適化および高度化のために、以下の課題を中心に研究を行っている。
- 1)BNCT照射システムの高度化:
- KUR重水中性子照射設備における臨床経験を通じて、BNCT照射システムの高度化について検討を行っている。また、研究用原子炉を用いた照射システムよりも運用面で優れている加速器を用いた照射場についても、シミュレーション計算および基礎実験を主体に設計検討を行っている。
- 2)中性子およびγ線混在場における線量評価システムの開発:
- BNCTに利用される中性子照射場では、中性子のエネルギーは数meV~数十MeVと広範囲にわたっており、γ線の混在が避けられない。本研究分野では、熱(<0.5eV)、熱外(0.5eV~10keV)、高速中性子(>10keV)ならびにγ線の4成分の分離評価手法の開発に取り組んでいる。最終目標は、二次元あるいは三次元のリアルタイム線量評価システムの構築である。
- 3)BNCTにおける品質保証の確立:
- 現在のBNCTでは、従来の脳腫瘍および悪性皮膚黒色腫に加え、難治性頭頸部腫瘍、多発性肝腫瘍等の体幹部腫瘍も臨床の対象となっている。適応拡大の結果、BNCTの認知度は上がり、一般的な放射線療法になる可能性が高まっている。このことを背景に、BNCTにおける品質保証の確立を目指して、照射場の標準測定、事前および事後の治療線量評価、患者の外部および内部被曝評価等に関して検討を行っている。
|
|
KUR重水中性子照射設備
|
加速器ベース照射システムの概念
|
|
|
線量評価統合システム |
多重電離箱システム |