生体分子構造研究分野    研究室のサイト

教授井上 倫太郎inoue.rintaro.5w*
准教授茶竹 俊行chatake.toshiyuki.6x*
助教喜田 昭子kita.akiko.4u*
助教川口 昭夫kawaguchi.akio.6s*

※メールアドレスは * は @kyoto-u.ac.jp に置き換えてください

生体高分子は生命を構成するナノマシンであり、その多様な構造と揺らぎ(ダイナミクス)は機能と密接に結びついている。本研究室では、X線や中性子線、各種分光手法、さらに計算機解析を相補的に組み合わせることで、生体高分子の構造およびダイナミクスの精密な解明に取り組んでいる。

1. 中性子散乱と計算機の統合解析によるマルチドメインタンパク質のドメイン運動の可視化
マルチドメインタンパク質におけるドメイン運動が機能に密接に関与することは広く知られているが、その運動を直接的に解析する手法は長らく確立されていなかった。我々は、低速中性子のエネルギーがタンパク質の熱揺らぎと同程度である点に着目し、中性子散乱を用いてマルチドメインタンパク質のドメイン運動の実測に成功した。さらに、計算機解析を組み合わせることでドメイン運動の可視化を実現し、これらの運動が機能に直結する本質的な運動モードであることを明らかにした。

図1. 中性子散乱と計算機の統合解析により可視化されたドメイン運動

2. D/Hコントラスト中性子結晶解析
中性子線の重水素と軽水素に対する散乱長は大きく違っており、軽水溶媒結晶と重水溶媒結晶の中性子フーリエ図の差分をとれば、蛋白質中のアミノ基や水酸基の水素原子と水分子の水素原子がコントラスト (重水素/軽水素コントラスト) して観測される 。D/Hコントラスト中性子結晶解析は、水素原子の解析の効率と精度を飛躍的に改善することが期待される。重水素と軽水素のコントラストを実空間差分から計算するアルゴリズムを開発して、蛋白質のD/Hコントラスト中性子結晶解析を進めている。

図2.中性子D/H コントラストマップで見る水分子。(a) 水分子の運動の違いで区別される二種類の水分子。(b) 通常の中性子マップとの重ね合わせ。

3. 新規または生物学的に興味深い蛋白質の構造研究
上記のような中性子線で水素を含んだ構造を知るためには、まず水素を含まない構造を知る必要がある。そのために、分子量の制限がないX線結晶解析法で構造解析を行っている。これまでに共同研究者とともに様々な新規構造をもつ蛋白質や生物学的に興味深い蛋白質の構造を明らかにしている。

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