杉山研究室

京都大学 複合原子力科学研究所

粒子線物性学研究室

Sugiyma Lab. Radiation Material Science, Kyoto University

2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011

2023

佐藤助教お別れBBQ大会

杉山研究室は、2011年5月に杉山さんと私(佐藤)の2人のメンバーでスタートを切りましたが、ちょうど干支が一回りする2023年5月に、私は杉山研を卒業することになりました。 これを記念して、杉山研の皆さんに盛大に送別のバーベキューパーティを開いていただきました。感謝!
杉山研の皆さんだけではなく、ちょうど共同利用で来所していた かつての同僚である豊橋技科大の大場先生とその学生さん、 それから茶竹先生や高田先生とその学生さんなど、色々な方に参加していただき 大変楽しい時間を過ごすことができました。
コロナ禍でこのような会はしばらくご無沙汰でしたが、久しぶりにやってみると 親睦を深めるためには、やはり顔を突き合わせていろいろ話をするのが大事だと痛感しますね。
改めて、この12年間の杉山さんのご指導に感謝するとともに、 貴重な時間をともに過ごした杉山研究室の現役・OB/OGメンバーの皆さんにお礼を申し上げます。 どうもありがとうございました。
研究室は別になりますが、これからも仲良くしてね。(佐藤)

送別記念品の授与

にわか雨、着火剤が働かない、買い出し部隊が戻らないの幾多のトラブルを乗り越えた笑顔

おいし~

大場研の学生さんも参加

記念品は岩塩でできたランプ

ILL滞在記

奥田さんと共に、フランスILLに1ヶ月滞在させていただく機会を頂きました。 中性子小角散乱装置D22の担当者であるDr. PorcarとDr. Martelのご厚意でSAXS/SANS同時測定とSEC-SANS測定のビームタイムを頂き、世界最高の装置で最先端の実験をする夢のような時間を過ごせました。可能な限りユーザー支援の助手をさせてもらいながら、装置の細かな点を勉強できたことは何事にも代えがたい収穫です。日本でもSEC-SANSを!そして最先端のバイオ研究をしっかりできる小角散乱装置にしていくのだ!と強く決意をしました。 また、ILL、ESRF、ibs、EMBLのバイオ研究についてのパートナーシップも大変勉強になり、integrative structural biologyのあるべき形を肌で感じられました。 大変貴重な経験をさせていただいたDr. Porcar、Dr. Martelはじめ現地の皆様、そして、研究棟移転のタイミングにも関わらず快く送り出してくださった研究室の皆様に心から感謝申し上げます。(移転作業に参加できなかった分はこれからしっかり働いて返しますので許してください。) (守島)

新しい研究室に引っ越ししました。

隣の棟に引っ越すだけなのにこんなにたいへんとは!腰痛を発症しながら頑張りました。新しいって気持ちいい!

奥田綾助教の研究成果が掲載されました。

奥田綾助教の研究成果が読売新聞オンラインに掲載されました。
- Newspaper article (The Yomiuri Shimbun) 2023/02/23
創造への多様性 京大の多彩な最先端 京大附置研シンポ
<6>体内機能との関係解く

奥田綾助教の研究成果が読売新聞に掲載されました。

2022

2022年慰労会

大掃除の後はおいしいケーキと紅茶で恒例のWEB家庭訪問会(GoogleMapでメンバーの実家を見学して盛り上げる会)が開催されました。

福井県立若狭高校の実験を行いました。

福井県立若狭高校HP

中性子散乱実験(SANS-U@JRR-3)

JRR-3(茨城県東海村)で実験を行いました。我々のグループが装置担当者として加わっているSANS-Uでの装置開発・高度化課題のマシンタイムです。 11年ぶりに再稼働した昨年の段階ではさらなる高度化が急務となっていましたが、今回のマシンタイムで生体高分子溶液の測定に最適なチューニングを行ったことで、海外実験施設とも十分戦えるクオリティのデータが得られるようになってきました。
色々とワガママを受け入れてくださりご協力いただいている東大物性研の眞弓先生、小田先生、及び技術職員の皆様に深く御礼申し上げます。どのようなサイエンスをやるのかという目的意識をもったうえで、それに沿った装置の高度化・測定の最適化を行うことがとても重要だと感じながら、地魚料理で満腹になる日々を送ったのでした。(守島)

J-PARC (DNA)実験

東海村のJ-PARCにて中性子準弾性散乱(QENS)実験を行いました。コロナ禍によりなかなか現地で実験が行えない日々が続いていたこともあり、貴重な機会でしたので非常に気合 が入っておりました。中性子の実験には比較的タンパク質量が多く必要ですので、事前のタンパク質調製ではサンプルロスと純度のせめぎ合いで胃が痛くなる日々でしたが、きれ いなデータを取るためならなんのその、といったところです。私自身は初めて使わせていただく装置ということもあり、丁寧に教えていただきながらド キドキしつつもサンプルを装置にセットし、測定をスタート!さて、苦労した実験の結果は如何に……? (奥田)

2019

ANSTO(Quokka)実験

オーストラリアのANSTOでSANS実験を行いました。以前うまくいかなかった測定のリベンジということもあり、これまでの知見を元にサンプル精製、輸送、調製に関する計画を綿密にたて、さらにSANSと全く同じ手順で実験室SAXSでの予備実験を行い、万全の準備で実験に臨みました。しかし!!!事前に発送したサンプルの配送が大幅に遅れるというアクシデントにより不安に満ちた実験の幕開けとなってしまいました。結果的には良好な実験結果が得られましたが、海外実験ではアクシデントはつきもので、それに現場でどのように対応するかということが非常に重要であると痛感させられました。現場での咄嗟の対応がなんとかとれたのも、事前の計画と準備を綿密に行っておいたからこそだと思います。杉山研の大事にする「現場力」を磨くためにも今回の教訓と反省点をしっかりと胸に刻み込みたいと思います。 もうひとつの教訓。海外の中華料理店で "long soup" を頼んでも、水餃子はでてきません。(守島)

AOCNS2019 at 台湾・墾丁

アジア-オセアニア地区の中性子散乱に関わる研究者が4年に1度集まる国際会議 AOCNS(Asia-Oceania Conference on Neutron Scattering)2019に、杉山・井上・佐藤の3名が参加してまいりました。開催地は、台湾島の最南端のリゾート地 墾丁で、11月中旬にも関わらず半袖で十分過ごせる温暖な土地でした(関西でいうと串本の位置に白浜がある感覚でしょうか)。磁性やハードマターから中性子装置関連、はたまた、我々に関連の深いソフトマターや構造生物学まで、多岐にわたる分野の最先端の研究成果が発表されていて、中性子科学の対象領域の広がりを改めて実感いたしました。うれしいニュースとして、以前当研究室に在籍していたJAEAの大場洋次郎さんが中性子科学会奨励賞を受賞され、当地で開催された日本中性子科学会の総会において受賞講演の発表および表彰式が行われました。大場さん、おめでとうございます!(佐藤)

総会で報告をする佐藤

至るところに旗が立っていました。

KISSではありません。

大場さんの晴れ舞台。

Dr. Nicolas De Souza講演会

ANSTOのneutron backscattering (EMU) の装置責任者のDr. Nicolas De Souza に来所頂きEMUの現状及び研究成果をご講演頂きました。彼とは11年ほど前にJuelichで 同じくPDだったのでこのような形で再会し、未だに交流があることに驚きです。 今後も国際交流を是非続けていきたいです。(井上)

J-PARC Symposium 2019に参加しました。

PF研究会から2週間ぶりにつくばに戻ってきました。 直前に台風が直撃する恐れもありましたが、特に問題なくSymposiumは進行しました。 直前までプログラムの詳細が分からなかったのですが、ふたを空けてみると我々の研究分野の大御所Prof. Dieter Richter, Dr. Bela Farago, 私のNSEの師匠 (NSE Meister) のDr. Ralf Biehlまで参加することが判明し楽しいながらも、なかなか気の引き締まる四日間でした。 杉山さんが座長をつとめ且つ私が発表するBiologyのsessionは最終日の最後で、上述した大御所が勢揃いで珍しくかなり緊張しました (NSEの発表で無くて良かった...)。 発表の方はだだ滑りの面もありましたが、大きな失態も無く終えられたと(個人的には)思っております。また、Juelichにしばらく行きたくなりましたがだめだろうなあ...(井上)

Mariage of computational and experimental techniques for solution small-angle scattering

最近の小角散乱法はめざましく、今までではあきらめていた試料に対しても凝集物が無いきれいな散乱プロファイルを得ることができるようになってきました。 ただ、その一方で得られた散乱プロファイルからどれだけの情報を引き出すかが一番重要なプロセスかと思っております。 最近、計算科学との融合がどの研究分野でも盛んに行われており、小角散乱の分野でも例外ではありません。 そこで、計算科学の専門家、実験手法の専門家による最先端の話題が聞きたいと思い、PF研究会のサテライト研究会と言うことで Mariage of computational and experimental techniques for solution small-angle scatteringと 言う研究会を開催致しました。 PF研究会の直後と言うことで少し体力的には疲れましたが、非常にハイレベルな最近の研究成果を拝聴することができて楽しい時間を過ごすことができました。 また、定期的にこのような研究会を開催していきたく思います。(今度はダイナミクスが良いな...) 最後になりますが、本研究会の開催のきっかけを頂きましたPFの清水先生に深く御礼申し上げます。(井上)

PF研究会

今回はPFで行われたBioSAXS(Bio Small Angle X-ray Scattering)、いわゆるバイオ系の物質をX線小角散乱技術を使って解析する分野の研究会に参加してきました。 我々杉山研のメイン中のメインの分野です。 X線小角散乱技術のみだと凝集物がある系や異種物質が混在した系の測定は困難であり、その問題を如何に取り除くかがBioSAXSの今のホットな話題であり今回の研究会でも熱く議論がされていました。 この学問を始めて1年未満の私は「そういう方法があるのか」や「確かにその手法にはそういう課題がまだあるな」といった議論には入れず学ぶことしかありませんでした。 今回学ばせて頂いた手法は自分が今している研究に還元できる内容もあり収穫はかなり大きかったです。 ただ英語は難しいですね。勉強します。(宮本)

北海道で学会

今年の夏の締めくくりに、北海道での学会2つに参加してきました。1つは日本食品科学工学会、もう1つは食品物性に関するシンポジウム。どちらも私の現在の研究である食品の構造や物性に関する深く関連する学会です。今年はどちらの学会でも量子ビームを用いた構造研究の話題があり、非常に興味深く聴講いたしました。そして北海道と言えばおいしい飲み物食べ物。学会が終わったら、ビールにラーメンにスープカレーにジンギスカンに・・・と連日飲み食いしまくり、新しい知見と新しい贅肉を身に着けて帰ってまいりました。贅肉はいらないんだけどな。(佐藤)

札幌の藤女子大で開催されました。中島みゆきの母校ですね。

開学当時のレトロな建物がすばらしい

シンポジウムが行われた酪農学園大学。これぞ北海道の大学!

阪大内山研を訪問させていただきました

Native MSを教えていただくため、大阪大学大学院工学研究科の内山先生の研究室にお邪魔いたしました。 当研究室でもNative MSの機械を所有しておりますが、なかなか使いこなすことができず、お力を貸していただくために参った次第です。 質量分析は本当に奥が深く、技術的な習熟と経験、勉強もまだまだ必要であると痛感いたしました。 直接ご指導いただきました石井博士、そして内山先生と研究室の皆さまには大変お世話になりました。 教えていただいたことをもとにNative MSをきちんと飛ばせるよう頑張ります!(奥田)

ビアガーデン

夏真っ盛りです、今年も暑いですね。杉山研では毎年この時期に前期お疲れ様を兼ねてビアガーデンにお酒を飲みに行くそうです。今年から私宮本も参戦です。 タイトルのビアガーデンは後半で前半は研究室の掃除です。実験室と居室の掃除をしましたがここで我々は失敗しました。初めにエアコンのフィルターを掃除し、ゴミを落とし床を掃除するというプランを立てました。プランは良かったです。ただ全部屋のエアコンを止め、フィルターを外したのが問題でした。床の掃除中涼しい部屋がなくなってしまいました。暑い暑い言いながら掃除をしてました。 その甲斐あってビアガーデンで飲むビールが本当に美味しかったです。 まだ日が落ちる前に行ったので景色もよく見えて全てのコンディションが良かったです。話も弾み謎のプランが浮かび上がってきましたね。決行されると面白そうなものですよ。(宮本)

NMR若手夏の学校@蒲郡

某研究室の魔女っ子2名から「杉山せんせ、色々の手法を学びたいのでNMRの若手の夏の学校で溶液散乱の話をしてください!」と頼まれ、2つ返事で引き受けると、やってきたプログラムには「夏のNMR 五番勝負!」、「二番勝負:京都大学 杉山正明先生×京都大学 星野大先生」なんて文字が躍っているのではありませんか。「勝負とは何?」「しかも相手はあの大先生」「騙された」でも、断ると魔女の呪いが怖いので、頑張る事にしました。 それはさておき、若手の熱気と、各講演のクオリティと運営その良さで、非常に良い会で勉強になりました。我々も頑張らなければ!(杉山)

真面目にしゃべってます。

大先生と仲良く質問にも答えました。

ANSTO (Quokka)実験

今年の2月に行ったANSTO実験では検出器の不調と言うことで結局、データも得られずに帰国しました。 五月頃に問題が解決したと言うことでしたので、今年2回目のANSTOに行って参りました。蒸し暑い夏から初冬へと季節が逆転して気候的には大変過ごしやすかったです。 肝心の実験の方ですが、特に実験最終日にばたばたしましたが何とか無事思い通りのデータが取れてほっといたしました。 次回は12月の予定です。(井上)

J-PARC(TAIKAN)実験

中性子生物溶液散乱のStandard dataを確立すべく、J-PARCの中性子小角散乱装置TAIKANで実験をさせて頂きました。今回に合わせて高純度試料を精製して持ち込みました。さて、結果は如何に? 別件ですが、J-PARCも折しもほぼ1MWの試験運転の中でしたが、全く問題なく非常に安定してビーム供給されました。関係者のご努力に感謝いたします。これまで杉山とビームの安定性に関してあらぬ噂がありましたが、これで一掃されるでしょう。ふ、ふ、ふ。(杉山)

新世代中性子構造生物学 meeting@神戸

蛋白質科学会の年会に合わせて、神戸にてdinner meetingを行いました。 お店は井上大先生の行きつけで、三宮から少し歩きましたが、その苦労を補ってあまりある美味しい食事を頂きました。と言う訳で、美味しい中華を楽しみながら、今回も活発な議論を行う事ができました。 特に、ライゲーションに関して各グループの進展具合が良かったです。(杉山)

蛋白質科学会(神戸)に参加しました

一口に蛋白質といっても様々なバックグラウンドをもつ研究者が居ます。蛋白質の溶液中の構造解析を専門とする筆者ですが、専門が異なる発表を拝聴すると、「こんな世界があるのか!」「こんなことが分かるのか!」と驚嘆します。 逆に、私達の研究も専門外の研究者から同様に思ってもらえるような仕事にしていきたいと思います。 (守島)

AUCのローター+セルの輪切り(Beckman Coulterのブースにて)

クロマチン領域会議

愛知県蒲郡市にて開催されました新学術領域研究「クロマチン潜在能」第2回 領域会議に参加してまいりました。 一口に「クロマチン」と言っても研究対象となる生物種も様々で、個人的に馴染みの深い生命科学的手法を始めとし、計算科学的手法、今流行りの(?)クライオ電顕など多岐にわたるアプローチからの研究成果、そして今後の展望を聴くことができ大変刺激になりました。 このように複数の研究者が協力し、複数の手法を組み合わせ、協奏的・相乗的に研究を進めていくのが理想的であると心から思います。 もちろん、我々が用いている溶液散乱の手法も大いに活躍できると確信しております。 これから色々なことが明らかになっていく(する!)のがとても楽しみです。(奥田)

PF実験

今回はPhoton Factory(つくばにあります高エネルギー加速器研究機構の施設の1つです)に行きSAXS(Small-Angle X-ray Scattering)とSEC-SAXS(Size-Exslusion Chromatography SAXS)の2つの実験を行ってきました。 ここPFは研究室のSAXSとはそもそもビーム強度が違うので同じ回数の実験を行ってもかなり短い時間で精度の良い計測ができます。ラボのSAXSでの測定も何度かさせてもらっていますがPFでは精度の良いデータが早く取れます。 今回のメインはSEC-SAXSでした。我々は溶液中の分子の散乱を研究していますが溶液中の分子は凝集することがあります。当たり前の話ではありますが凝集していると単分子の情報が得られないのでSECを用います。英語の意味の通りです。 今回のビームタイムは「何故かデータが上手く取れない」、「そもそも加速器のビーム強度が落ちている」といった理由から6時間ほどロスをしてしまいましたが大事なサンプルは無駄になることがなく期待通りの綺麗なデータを取ることができたのでSEC-SAXSの結果には満足しております。実際かなり精度よくデータが取れました。すごいです。 その後SAXSを取ったのですがこちらは綺麗なデータが取れなかったのでラボで取り直すこととなりました。こういった時にラボにSAXSがあるのは素晴らしいですね。 今回Fraction collectorを持って行ったのですが結構大きくて怪しい人になってました。必要な物は持っていく、これは実験には必須なのです。例え怪しい人になってもです。(宮本)

不二たん白質研究振興財団報告会

2016年度に続き、2018年度も研究助成を頂いていた不二たん白質研究振興財団の研究報告会に出席してまいりました。 この財団は不二製油株式会社が母体となって設立された財団で、大豆たん白質や大豆関連成分の研究に対して助成をされております。前身から数えると今年がちょうど40年の節目の年ということで、このように歴史ある財団より研究助成をいただけることは大変光栄なことだと実感しました。 当然、研究報告は全て大豆に関する話になるわけですが、特に今回は、大豆の生理活性に着目した研究が目立ったように思います。やはり、近年の健康意識の向上とともに、大豆の持つ生理学的な有用性を如何に引き出して利用していくかということが求められているのかもしれませんね。実際、大豆たん白製品の売上も向上しているらしいですよ。私も、たん白質の構造や物性という観点から「大豆の科学」に少しでも貢献できればと思います。(佐藤)

NIST (NSE)実験

去年の10月に300 mg (50 mg/mLx6 mL)できますよ!と言う力強いお言葉を分子研の矢木先生に頂いたのでそれなら中性子スピンエコー (NSE) 実験もできるなとこちらものんびり構えていたのですが、今年の3月頃から段々と雲行きが怪しくなり結局、分子研、原研、京大複合研の3拠点で手分けをしてサンプル調整を行い、最終的に出発前日で50 mgのサンプルを作成しました。 実験が長期間と言うことで先発隊は分子研の矢木先生、メイさん、原研の中川さん、私、後発隊は杉山さん、守島君の2チームに分かれました。通常なら後は実験と言うことですが、やはりそんな単純な道のりではありませんでした。
1. 乗り継ぎ時間が1時間半しかないのに飛行機が50分遅れ、ダラス・フォートワース国際空港でダッシュ
2. 私の荷物だけlost buggage (文句言ったら、おばはんに怒られた)
3. 違う車をレンタカーする
4. WBで入国するべきが、2名はWTで入国した
5. 雷で原子炉がスクラム
6. フレネルコイルのpolarityが反転
7. 誰かがPCをホテルに忘れる
などと色々とありました。実験は軌道に乗ると後は順調で、予想以上にきれいなデータを 取れて一同一安心しました。あと、うまい肉も食べました。(井上)



大田ゆかり先生 講演会

群馬大学 食健康科学教育研究センターより大田ゆかり先生をお迎えし、講演会を開催いたしました。
深海に生息する有用な代謝を行う微生物に関してご講演いただきました。
質疑応答・議論も活発に行われ、とても有意義な時間だったのではないでしょうか。
微生物のスクリーニングや有用な代謝産物を探索する過程はご苦労も多いのではと感じましたが、これぞ!という微生物や物質を探し当てた時にはとてつもない感動があるのではないかと想像します。
深海にはまだまだ未知の有用な微生物がたくさんいると思うとワクワクしますね。(奥田)

片岡幹雄先生講演会

高エネルギー加速器研究機構・ダイヤモンドフェローの片岡幹雄先生に当研究所までご来所頂き、 中性子生物物理学の展開というタイトルでご講演頂きました。
我々が、特に注目しています中性子準弾性散乱による蛋白質のダイナミクス研究の話題は、 非常に興味深く示唆に富んでおりました。
今後、我々が進めていく研究の方向性が非常に明確になりました。
また、このような機会にて先生と議論させて頂きたく思います。
よろしくお願いいたします。 (井上)

夜桜お七

初めまして、4月から杉山研所属となりましたM1の宮本と申します。以後度々diary更新にも参加させて頂くこととなります。よろしくお願いします。
今回はPDの奥田さんと私の歓迎会をして頂きました。実はこの会の名前は「夜桜お七」というものだそうですが私には残念ながら元ネタが分かりません。まあ、つまり、そういうことでしょう。(割愛)
今回は美味しい海鮮物とお酒を頂きとても楽しい時間を過ごしました。かなりわいわいとしておりやっぱりこの雰囲気が好きだと改めて感じました。
美味しいものを食べて研究やお勉強を頑張っていきたいと思います。
井上先生の伝家の宝刀であるししゃもはまた別の機会に頂きたいです。(宮本)

日本農芸化学会@東京

毎年参加している日本農芸化学会で今年も発表してまいりました。
私以外に、裏出先生と4月から新たに杉山研のメンバーとなった奥田さんも参加したこの学会、今年は東京農業大学世田谷キャンパスが会場でしたが、 ちょうどタイミングよく東京の桜の開花時期と重なり、毎朝、美しい桜並木を眺めながら会場まで通うという幸運に恵まれました。
日本農芸化学会では高校生の研究発表の場として「ジュニア農芸化学会」という企画が毎年開催されており、今回はポスター発表をじっくり見て回ることが出来たのですが、どの発表もレベルが高く、まさに「後生畏るべし」。ちなみに私の母校、福島県立福島高校も発表がありましたよ!(発表時間ではなかったので直接お話を聞けなかったのが残念!)(佐藤)

バイオインタラクション研究会で講演しました。

京都府立大学の織田昌幸先生が主宰されているバイオインタラクション研究会(Biomolecular Interaction Research Association:BIRA)にご招待いただき、講演をして参りました。
https://www2.kpu.ac.jp/life_environ/biophys_chem/index_BIRA.html この研究会は生体分子間相互作用研究の進展状況を把握するとともに、この分野の発展を目指されています、主として、抗体関係を扱っている先生方が多く参加されており、初心者の杉山は非常に勉強になります。また、企業の方のご発表も多くこちらも非常に価値があります。
今回は、イギリスのシンクロトン施設(Diamond)から井上博士とRambo博士がSAXS関係のご講演をされたこともあり、away感は少なく深い理解も出来ました。このような素晴らしい研究会で発表の気秋をくださった織田先生、更に研究会を紹介してくださった大阪大学の内山先生に感謝いたします。(杉山)

矢木先生、柚木さん来訪

名古屋市立大学の矢木先生と柚木さんが共同研究打ち合わせのため来所されました。矢木先生、柚木さんとは普段から非常に緊密に情報交換を行っており、今回のmeetingでも熱く深い議論を交わすことができました。たくさんの実験結果を並べて複雑な現象の解釈を試みる、まるでパズルを解くような時間が研究の醍醐味です。
頭を使った後はお鍋で温まりました。柚木さんの安定の食べっぷりにほっこりとした気分になった一同でした。(守島)

ANSTO実験

今年初めての海外中性子実験はオーストラリアのANSTOでした。いつも以上に事前に注意深くサンプル調整を行ったので、 良い結果が得られるのではと期待したのですが。装置側の検出器の不具合によりまともに測定できる状態では無かったので、貴重なサンプルを無駄にすべきではないと判断し測定を断念しました。
さすがにへこみましたが、代替のビームタイムを12月にもらえることになったので気を取り直して頑張りたく思います。(井上)

真穂先生&メイさん登場

共同研究者であり我々の大事な姉御さまである岡崎分子研・生命創成探求センターの矢木真穂先生と学生のメイさんがSAXS実験で来所されました。研究のDiscussionの後は、早速測定です。(自慢の?)Lab-SEC-SAXSで凝集のないデータを取ります!実験のセットアップが終わったら、寒い日はやっぱり「チーズフォンデュ」。ほっこりしながら研究談議が続きます。(杉山)

新年会

あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 忘年会を行う余裕もなく慌ただしく年末を過ごした杉山研ですが、2019年のさらなる飛躍を誓うべく決起集会(新年会)を行いました。
大阪在住歴計10年以上にもかかわらず関西風のすき焼きを食べたことのない守島の希望もあり、心斎橋のお店にて上等なお肉を堪能しました。忙しくとも、サイエンスへの真摯な姿勢と「わくわく」する心を忘れずに研究に取り組み、1年後には良い年だったと言えるように過ごして参りたいと思います。(守島)

2018

クリスマス飲み会

共同利用実験にいらっしゃった京大薬学研究科の星野大先生、 他の研究室の有志の先生方を交えてクリスマス飲み会を行いました。 クリスマスには似つかわしくない、大変濃密な時間を過ごさせて頂きました。(井上)

新嘗祭

裏出先生が京大農場産の新米を持ってきてくださり、炊きたてのごはんで昼食会を行いました。
当研究室自慢の(?)無煙ロースターで焼き上げたアジの開きをはじめ、メンバー各々が持ち寄ったご飯のお供とともに、心ゆくまで新米を堪能しました。
裏出先生がつくってくださった松茸の炊き込みご飯、お味噌汁も絶品で、お腹も心も満たされて、年末に向けての英気を養った杉山研でした。(守島)

ILLでの初実験

世界各国の中性子施設で実験を行っている我々ですが、その中で世界最高のパフォーマンスを誇るのがフランスのLaue-Langevin研究所、通称ILLです。 杉山さんを始めLabのメンバーは何度も行っているILLですが、私佐藤もようやく機会を得てILLの小角散乱ビームラインD22で実験を行うことができました。 今回は、総合科学研究機構の富永さんと名古屋市立大学の與語さん、そして杉山さんと私の4人で、秋のグルノーブルに行ってまいりました。 噂には聞いていましたが、やはりILL-D22の性能は素晴らしく、まさに「SAXSのようにSANSが取れる」というのが実感です。 今回我々はSEC-SANS(Size-Exclusion Chromatography SANSの略)という最先端の実験を行ってきました。 SAXSでは最近メジャーになりつつある手法ですが、SANSでこれができるのは、今のところ恐らくここだけではないかと思います。 いろいろトラブルにも見舞われましたが、凝集物が取り除かれたきれいなタンパク質の散乱プロファイルを見て、その威力をまざまざと見せつけられた感じがしました。 もちろん装置の性能だけではなくスタッフのサポートや試料準備の環境も充実しており、食事や景色に至るまで非の付け所がない素晴らしい施設でした。 若い頃にこんなところで過ごしてみたかった! それにしても、さすがはフランス。英語なしでフランス語しか書いていないところがところどころにあって困る困る。 次回来るときは、もう少しフランス語を覚えてこなくては!(佐藤)

御本尊の研究用原子炉。今回は訳あって、普段の6割程度の出力でした

フランス語。なんとなくわかるようなわからないような

研究所のすぐ傍にこんなに堂々とした山が!

国際小角散乱会議 SAS2018, アメリカ、ミシガン

3年に1回開かれる小角散乱の国際会議に参加しました。小角散乱は試料に対する制限が少なくかつナノ構造を測定する手法であるため、この国際会議は固体物理から生命科学にまで幅広い分野の発表が行われ、バラエティーに富んだ学会です。生命科学というか関連する測定技術で目に付いたのはなんといってもSEC-SAXSで、これに関しては各放射光施設のSEC-SAXSの品評会の様相を呈していました。その中で我々もLab-SEC-SAXS System (LaSSS)の紹介をランチセミナー(杉山)とポスター(井上)で行いました。放射光でなくても出来るんだ!という事で多少は関心を持って頂けたかと思います。また、小角の解析ソフトも百花繚乱と言う感じで、サイエンステーマ-測定手法―解析と今後の研究発展の息吹があちこちに感じられる会でした。また、世界各地の友人たちと会えて、情報交換ができるのも楽しみで、国際共同研究の始まりも感じられた意義のある会でした。(杉山)

おたんじょうかい

9月19日は井上さんの誕生日。というわけで、研究室のメンバー皆でケーキを食べて誕生日のお祝いをしました。しかし、後から考えるとロウソクもHappy Birthdayの歌も忘れていましたね。ケーキを食うのだけが目的か! 「時間があったら何をしたいか?」との問に、ついつい研究の話が出てしまう井上さん。Workaholicにならないように気をつけてくださいよ!(佐藤)

いくつになったのかは、ないしょです。

すこしおとなになりました

みんなでぱちり

溶液タンパク質構造研究会

今年は、9/15-9/17の日程で生物物理学会の年会が岡山で開催されたため、 関東の共同研究者が比較的関西にアクセスしやすいタイミングでした。 そこで、生物物理学会と連続して群馬大学平井先生Gr., 複合原子力科学研究所の客員准教授も兼任されているJAEA中川先生、 慶応大学苙口先生、横浜市大小田先生をお招きしまして 溶液タンパク質構造研究会を行いました。 今回も各々の講演者が熱く (暑苦しく)ご自身の講演をされ、 更にそれに触発されて会場からも好き勝手に議論が飛び交ったので 予定通りに進行しなかったのですが 非常に楽しい時間を過ごせました。 次回からは一人一時間が必須でしょうか。 なお、写真は研究会前日の懇親会後に撮りましたが、既に暴走しておりました。 10年後、20年後に改めてみると貴重な思い出になりそうです。 (井上)

格付けコンテスト!味がわかるのは誰だ?

令子姐さんが夏の味覚、素晴らしい梨を2種類(豊水・菊水)持ってきてくださいました。そこで、研究室で本物の高級品の味がわかるのは誰か?格付けコンテストが開催しました。さて、どちらが豊水でどちらが菊水でしょうか???? 杉山の味覚では、どちらもおいしいのですが、A:ジューシー、甘酸っぱい、B:しっかりした食感、となりました。さて、私は一流か?(杉山)

Aが黄土色系、Bは緑系の皮です

格付けに挑む一流から三流(?)科学者たち

納涼ビアガーデン

あっという間に8月も終わりを迎え、我が杉山研では時々恒例の納涼ビアガーデンに行ってまいりました。 今回はいつものメンバーに加え、分析超遠心測定に来られていた農学研究科の奥田さんもゲストに招き、皆で楽しく行く夏の思い出を語らいました。このビアガーデン、りんくうゲートタワービルという日本で三番目の高さを誇るビルの28階にあり、周囲の眺望が大変すばらしいところです。みなさんも機会がありましたら是非!(佐藤)

予約時間より早く到着し、開店を待ち構える面々

ビールがうまい!

素晴らしい夜景

日本食品科学工学会大会に参加しました

例年になく暑い今夏ですが、お盆明けに(少しは涼しいことを期待して)仙台の東北大学で開催された日本食品科学工学会の第65回大会に参加してきました。 数年来、小麦や大豆タンパク質の研究をしてきましたが、食品科学系の学会で話をするのは今回が初めてです。 仙台は思ったより暑かったのですが、普段とは違う分野の学会に参加したことは大変刺激になりました。 企業からの発表者も多く、研究もより実践的なものが多い印象です。 普段何気なく口にしている様々な食物の背景に数多くの研究の成果と知見が隠れていることを改めて認識したところです。 それにしても、東北大学のキャンパスは大変便利になりましたね。 東京から仙台まで新幹線で1時間半、仙台からキャンパスまで地下鉄で10分弱、降りたらそこがキャンパスで、東京駅から2時間かからずに行けるんじゃないでしょうか。京大の吉田から熊取に来るより早いかも。(佐藤)

BMIAフォーラム

東京のベックマン・コールター本社にて開催された生体分子相互作用解析(BMIA)フォーラムに参加しました。 1日目に超遠心分析(AUC)の解析講習会、2日目に研究講演会が行われました。本研究室には1年半ほど前にAUCを導入しましたが、きちんとしたデータを得るためにはそれなりの経験とコツが必要であり、熟練の先生方に細かい点まで教えを請うことができる貴重な機会となりました。非常に有り難いことに、講演会ではAUCと中性子散乱を用いた研究についての講演の機会を頂きました。私達の得意とする小角散乱実験では溶液の平均情報が得られ、AUCでは溶液中の成分の沈降係数(分子量)分布がわかりますので、小角散乱とAUCは相性抜群です!効果的な相補利用を行っていきたいと思います。(守島)

ANSTO

今年もANSTOで実験してきました。 地獄のような大阪の暑さから逃げてきてまさに避暑地のような感じでした。 実験の方は色々と下準備をした割には.. な感じで更なる予備実験の重要性を痛感致しました。 ただ、実験最終日にWood博士のすてきなお家にご招待頂いたりと楽しいこともありました。 来年の二月にはもっと良い結果を得られるように精進したく思います。(井上)

「新世代中性子構造生物学」Kick off meeting

今年度より始めるプロジェクト「新世代中性子構造生物学の開拓」(基盤S)のKick off meetingを7月12日に京大楽友会館にて開催いたしました。 このプロジェクトには中性子科学・生命科学・計算機科学の各分野から量子ビーム散乱測定・NMR・生化学・装置開発・MD計算等専門家が集い「生命科学のフロンテア=ナノ秒からマイクロ秒の生体分子のダイナミクス」を解き明かそうと言うものです。そうです!新たな手法を開発し「今まで誰も見たことない世界を見る」野心的な計画です。 会は非常に盛況で、様々な意見が飛び交い、これ以上にない活発な研究会でした(主催者の時間割は全く失敗に終わりました。。。ごめんなさい。次回はもっとじっくり時間を取ります。。。)やはり複数の異なるバックボーンを持つ研究者が忌憚の無い意見を言い合えるって言うのは素晴らしいです!きっと、本プロジェクトは予想もしない方向へ展開していくのではと期待しています。 研究会の懇親会は少し優雅に京大時計台でフレンチを頂きました。大変おいしゅうございました。(そのあと、鴨川の川床Bar→・・・と長い夜は続きました。) 皆さん、5年間よろしくお願いいたします。(杉山)

ILL実験記

フランスのInstitut Laue-Langevin (ILL)で実験を行いました 利用した小角散乱実験装置D22は世界一のビーム強度を誇り、非常に短時間の測定で美しい結果を得ることができました。(もちろん、美しいサンプルを調製した共同研究者の汗と涙の賜物でもあります。)私は初めてILLでの実験に参加させていただきましたが、あまりのデータの質の高さに大興奮でした。 ILLと同じ敷地内には欧州最大の放射光実験施設(ESRF)と、構造生物学および分子生物学の研究所(iBS, EMBL)が併設しています。このような機関に所属する研究者や、様々な分野のビジター研究者が交流し、昼食後には必ずカフェで雑談を行います。実際私達も、装置担当者の計らいで計算を専門とする研究者との交流の機会を得て、有意義なディスカッションを行うことができました。ユニークで最先端なサイエンスは、このような場所で生まれるのだなと感動しきりの数日間でした。(守島)

Dr. Kathleenn Woodセミナー

我々の研究室では、積極的にANSTOの小角中性子散乱装置QUokkaを使用しております。 そのQuokkaの装置責任者であるKathleenn Wood博士に我が研究所を訪問頂き、中性子散乱を用いたリン脂質の 構造及びダイナミクスに関する講演をして頂きました。 将来的にはサンプルの重水素化も組み合わせた研究を計画しているとのことで、今後の研究の進展も非常に興味があります。 講演後は我々の研究室を見学して頂きました。 日豪の益々の共同研究体制を進めれるように、我々自身も(研究の)基礎体力を養っていくべきかと思います。 Wood博士また来てくださいね。(井上)

ÄKTA pure 25納品

念願のÄKTA pureが納品されました。タンパク質の精製を行っていると、低圧カラムで無く中高圧カラムを使えればと思う機会がどんどん増えてきました。同時に絶賛稼働中のKumasakuの測定サンプルの半分以上がタンパク質の溶液散乱であることを加味すると (再精製が要される場合もある)、新しいHPLCがどうしても必要とのことで2018/5に杉山研でも導入されることになりました。MethodもUnicorn systemによりかなり直感的に組めそうで、精製作業も今までより効率的に行えそうで楽しみです。これからは多い日も安心です!(井上)

ローレンツ祭

物理学・宇宙物理学専攻のオープンラボ「ローレンツ祭」にて、研究室紹介を行いました。 今年も、目玉企画「Live! K2K (Kumatori to Kyoto)」にて、X線小角散乱装置(NanoPix)をリモートオペレーションにて操作し、学生さんたちにタンパク質溶液構造解析を実際に体験してもらいました. 学内外のたくさんの学生さんたちが訪問してくれて、SAXSの威力やタンパク質研究の楽しさを感じてもらえたのではないかと思います。 実際に研究をおこなうと、もっと「わくわく」するようなことが待っていますよ! 是非いっしょに研究しましょう!熊取で待ってます!!(守島)

FT-IR "朱雀" 導入

2011年の発足以来、着々と実験装置の導入を進めている我が杉山研ですが、今年もいろいろな装置の導入を検討しています(取らぬ狸の皮算用?)。今年度は、まず、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を購入しました。杉山研の分光装置としては、これまで紫外可視分光光度計があったのですが、これに加えて赤外領域のスペクトル測定が可能となりました。重水素化試料の重水素化率の評価に活躍してくれるものと思います。 ちなみに、このFT-IR、杉山さんによって"朱雀"と命名されました。なぜ朱雀か、賢明な諸兄姉にはもうおわかりでしょう。紫外→青→青龍、 赤外→赤→朱雀 だそうですよ。雅ですね。次は白虎と玄武だな。(佐藤)

歓迎!令子様

これまで食品タンパク質に関する研究を共に進めてきた京大院農学研究科の裏出令子先生が、本年4月より杉山研の特任教授として着任され、これまで以上に緊密にCollaborationを進めていくことになりました。物理・化学畑の出身者が多い杉山研究室でしたが、分子生物学の専門家である裏出先生に参画いただくことで今後より一層研究の幅が広がるものと思います。今後の展開が楽しみです。 さて、私達の研究室では、敬愛の念をこめて「令子様」とお呼びしておりましたが、その令子様歓迎会が杉山研御用達の「たかだ」(2週連続たかだ!)で賑やかに開かれました。いつものように旨い魚と酒を楽しみながら、令子様のこれまで知らなかった面白い話も伺うことができ、楽しい一夜となりました。(佐藤)

佐藤宗太先生・長田裕也先生来室

新進気鋭の若手有機化学者の東京大学工学部の佐藤宗太先生と京都大学工学部の長田裕也先生が、共同研究の打ち合わせで研究室に来てくださいました。先日、共同研究の成果の論文がJACSに掲載されたこともあり、「この次」に向けて熱い議論を交わすことができました。そして、夜は恒例の「たかだ」で美味しい魚を愛わいつつ、また、研究の話の花が咲きました。(杉山)

酒巻君追いコン

杉山研が始まって以来の初めての学生であった酒巻君が2018年3月に無事修士課程を修了されました。タイミングが合わなかったため海外実験に一緒に行けなかったことが心残りですが、つくばでの出張実験や日本各地での学会 (北は東海村から南は熊本まで) に一緒に参加して研究発表できたのは良い経験だったと思います。特に、年明けから修論、修論発表に向けての時期はこちらにとっても良い勉強となりました。 酒巻君はこの秋からドイツの大学で博士課程に進学されるので、是非杉山研で培った知識・経験が博士課程での研究の礎になればと思います。ドイツで是非頑張ってください! そして、ドイツで一緒にビールでも飲みましょう!(井上)

第8回日台X線・中性子散乱研究会 @国立中央大学(台北)

この研究会は2年に1回、日本と台湾で交互にX線と中性子散乱を用いたソフト・バイオマター研究者が集い、最新の成果を発表するとともに交流を深めるもので、本研究室からは杉山と井上が参加いたしました。前回は当研究室がホストとなり熊取で開かれたこともあり、今回の日本側の窓口は杉山が担当となりましたので、従来よりも日本側からの発表は生物系の研究が多くなりましたが、その分楽しませて頂きました。 台湾で現在第3世代の放射光、台湾放射光施設TPSを建設という事もあり、X線を用いた研究が盛んです。また、中性子はオーストラリアのANSTOに分光器を設置していることもあり、そちらを基軸にした研究が行われています。 台湾で本研究会が行われた場合の特長が、台湾側の熱い(?)ホスピタリティーで、今回も歓待して頂きました。研究(と胃袋)が充実した3日間でした。(杉山)

グループフォト!

会食場@おっさん席

会食場@若者席(倫ちゃん、はじけすぎ。。。)

中川先生講演会

2017年度に原子炉実験所で客員准教授をお引き受け頂いたJAEAの中川洋先生に来所頂きまして、「中性子散乱によるタンパク質のダイナミクス研究〜原子力科学が支える多様な学術研究〜」というタイトルでご講演頂きました。前半は我々が非常に注目している中性子散乱とMDシミュレーションを組み合わせた最先端の研究内容に関して丁寧且つ熱く語って頂きました。そのせいか、講演途中にも関わらず熱い議論も交わされました。後半は、タンパク質の水和の発展と言うことで干し芋の研究に関する大変興味深いお話もされました。食品科学と中性子は実は相性が良いので世界的にも少しずつ研究が展開されております、この波に乗り遅れないように我々の研究室も頑張りたく思います。最後になりますが、中川先生本当に刺激的且つ興味深いご講演を頂きありがとうございました。(井上)

ORNL実験

二月のオークリッジと言うことでさぞかし極寒の気候が待ち受けていると思ったのですが、実際に着いてみると寧ろ二月の日本よりも(気持ち悪いぐらい)暖かく面食らいました。実験自体は大きな問題無く進行しましたが、途中で別のユーザーにセルを取られると言う予想外のトラブルが起きました (結果的には大きな問題は無かったですが、色々と考えさせられました)。また、大きく変わったことは以前訪問したときのデータ処理はIgorベースだったのが、今回はMantidに変更していました。今までそれぞれの施設で独自のソフトやmacroを開発していたのが、そろそろ共通化していこうという流れの一環でしょうか。 実験以外では懐かしい方々にお目にかかれたのが大きな収穫でした。(井上)

修士論文発表会

理学研究科物理学第一教室の修士論文発表会が行われました。 当研究室の酒巻君が2年間の集大成として、混雑環境下における水晶体タンパク質の構造とダイナミクスに関する発表を行いました。研究成果を論文にまとめ口頭発表をするという一連のプロセスは、はじめての経験で大変だったと思いますが、これからの糧となる貴重な経験になったのではないかと思います。 おつかれさまでした!(守島)

解放された顔

2018年新年会

あけましておめでとうございます。  今年もよろしくお願いいたします。  本年最初は、1月4日の研究室新年会です。酒巻君も無事修論Abstractを提出し(ゴールはまだ遠い。。。) 全員で地元のバル風居酒屋で楽しみました。今年も「わくわく」する研究を楽しみましょう。(杉山)

2017

NISTよりButler博士、長尾博士、Kelley博士来室

アメリカのNISTから中性子グループのリーダーDr. Paul D. Butler, NSE装置の責任者Dr. Michihiro NagaoとDr. Elizabeth G. Kelleyが研究室を訪問してくれました。せっかくの機会ですので、「Lectures in Neutron Science」として、Dr. Kelleyに「The role of lipid composition in tuning collective membrane dynamics」として脂質膜の運動の中性子散乱(NSE)を用いた研究、Dr. Butlerに「Soft Matter Developments at the NCNR」として、NISTでの最新の中性子散乱分光器・研究について講演して頂きました。どちらの講演も我々にとってストライクな内容で、講演を終わっても議論は付きませんでした。講演概要 その講演後は、杉山のお気に入りの和食屋さんで大将の心のこもった「おもてなし」を受け、みな満足!となった一日となりました。 (杉山)

AUC workshop in 北京

北京の清華大学で開かれたAUC workshopに参加しました。AUCは超遠心分析(Analytical ultracentrifugation)の略で、試料溶液を高速回転して、目的の成分が遠心力により沈降していく様子を観測する測定法です。最近、本研究室にもBeckman Coulter社製のAUC装置XL-Iを導入し、タンパク質溶液を始めとした溶液中でのナノ構造解析手法の一つとして運用を開始しました。
このワークショップでは、解析ソフトSEDFITの開発者であるPeter Schuck氏を始めとする世界的権威数名の豪華な講師陣によって、AUC入門者向けの基礎的事項や解析法、応用例に関するレクチャーが行われました。 コツや注意点が多いAUCですが、測定・解析のやり方によっては得られる情報が非常に多く、ワークショップを通じてAUCの奥深さと魅力を味わうことができました。小角散乱法との相性も非常に良く、私達が常に意識するべき「Integrative structural biology」にも十分に寄与する測定手法です。
溶液中での試料の分子量、沈降係数分布、均一性、相互作用、化学量論比といった情報にアクセスできます。ご興味がお有りの方は是非お声かけください!! (守島)

中国の若手研究者の勢いも感じました

豪華講師陣との夕食会。すごく、良かったです

清華大学内の立派な庭園

歓迎!守島さん

すっかり遅くなってしまいましたが、6月に新たに杉山研の新戦力として加わった守島健さんの歓迎会が行われました。杉山研で宴会と言えばここ! いつもの「たかだ」(泉佐野市)が会場です。この日、ちょうど実験に来られていた京大工学研究科の長田裕也先生も交えて、楽しく賑やかなひとときを過ごしました。もちろん、格調高く気品あふれる杉山研ですから、酒が入っても話題は高尚、世界の先端科学の最新トピックと今後の杉山研の展望について熱く語りつつ、守島さんの今後の活躍を皆で応援したのでした。守島さん、こんな我々ですが、これから共にがんばりましょう!(佐藤)

期待の星

岩牡蠣を前に盛り上がるメンバー

新鮮な魚介が美味しいお勧めのお店です

新学術領域「動的秩序と機能」全体班会議

沖縄で開かれた新学術領域「動的秩序と機能(略称)」の全体班会議に参加してきました。私、守島は着任した次の日から早速連れていって頂きました。初日の沖縄科学技術大学院大学(OIST)の見学では、私たちには少々目に毒とさえ言える素晴らしい設備、教育環境、美しい建物を見せていただきました。公用語は英語で、約20倍の入試倍率を突破した大学院生(うち7, 8割が外国人)と、優秀な研究員、教員により、世界トップレベルの研究が数多く展開されています。
 二日目からは班員の先生方の成果報告を拝聴しました。これまで高分子科学の分野にいましたので、生物寄りの講演には慣れていなかったのですが、班員間での効果的な共同研究による素晴らしい成果発表の数々に非常にワクワクする時間を与えていただきました。生命現象のような複雑怪奇な事柄に対して、それぞれの専門分野を生かしたコラボレーションで立ち向かうことの重要性に気づかされましたし、私も散乱実験をベースとした自分なりの武器をもって行かねば!と決意を新たにいたしました。また連日の懇親会ではたくさんの研究者と濃密な交流を持つことができ、有意義で楽しい時間を過ごすことができました。(守島)

OIST内の立派な会場

全室オーシャンビュー

海の前での夕食会(加藤領域代表のご挨拶)

胡桃坂研御一行来室

早稲田大学の胡桃坂先生の研究室の皆さんが(胡桃坂先生、小山先生、有村先生、小林先生) 共同研究・共同利用実験でいらっしゃいました。 いくつかの新しいプロジェクトと研究の熱い議論で盛り上がりました。 更に、その後は、オーストラリアからの直輸入のワインとチーズ+研究室伝統のシシャモ焼で さらに楽しく夜は更けていきました。倫ちゃん、明日もの測定頑張ってね。(杉山)

不二たん白質研究振興財団成果報告会

2016年度、私佐藤は不二たん白質研究振興財団より助成を頂いておりましたが、先日、東京浜松町で開催された成果報告会に出席して参りました。この財団の母体である不二製油株式会社さんは、実は、京都大学原子炉実験所のとなりまち泉佐野市に本社を構える東証一部上場企業(今は持ち株会社制に移行してグループ本社は大阪市に所在)で、地元の大企業として以前からよく知っていたこともあり、今回助成をいただけることになったときは大変うれしかった次第です。報告会の会場は残念ながら地元ではありませんでしたが、東京タワーを真正面に望むビルの高層階で素晴らしい眺望を楽しみつつ講演を行って参りました。助成のテーマが大豆なので、報告も大豆の研究ばかりでしたが、大豆栽培における虫や病気の対策から、大豆にまつわる食生活の調査、大豆の成分を用いた有用な生理機能やそれを利用した医療など、大豆だけでこれだけ幅広い分野の面白い研究が進んでいることを知り、他分野ながら大変興味深く聴講しました。改めて、この場を借りて不二たん白質研究振興財団のご支援にお礼申し上げます。(佐藤)

ブラインドの向こうは素晴らしい眺望

スカイツリーがなんぼのもんじゃい

今話題の豊洲方面

ANSTO実験記

今回は井上、杉山でANSTOの小角中性子散乱装置QUOKKAを用いて実験を行ってきました。中々思ったとおりには進みませんでしたが、”実験は現場で起きている”の精神で最低限のデータはなんとかとれたかなと言うところでした。これからデータと格闘したく思います。  毎年一回以上訪問しているせいか現地での知り合いが徐々に増えてきました、そのせいか現地で二つほどうれしい出来事がありました。一つ目はKatyの計らいで我が研究室を代表して杉山が最近の研究成果に関するセミナーを行いました。発表後には鋭い質問が多数あり (中にはこれから計画している研究の一部に関する質問もありました)、楽しい一時を過ごしました。また呼んで貰えるように頑張りたく思います。もう一つは現地のDeuteration lab. (NDF) のバイオ系のleaderのDr. Anthony Duffの ラボを訪問して、重水素化に関するかなり有益な情報を得ることが出来ました。まだまだ細々ですが我々もKIDS Projectを進めているので、今後得た情報を活かして技術向上したく思います。 最後に、MLF DV長ありがとうございました。恩師の深い愛に感謝致します。(不肖の弟子井上)

今日もキレキレ杉山さん!

NDFの入り口付近でワニに襲われるS氏

ローレンツ祭2017

今年度もローレンツ祭に参加してきました。 例年はポスター発表だけなのですが、今年度からの取り組みとして京都と原子炉実験所をインターネットでつないで、実験室の装置(kumasaku)を京都から遠隔操作して、 タンパク質のSAXSを計測・解析するというリモートラボを実施しました。 とても好評で後の懇親会でも杉山研のブースに来てくださる方もたくさんいました。来てくださった方々ありがとうございました!
知らなかった、来れなかったという方は来年度もやるので(おそらく・・・)楽しみにしていてください!
今年度大学院受験の方、熊取でお会いできるのを楽しみにしています!!大変だと思いますが院試勉強がんばってください。 (酒巻)

リモートラボの様子(プロジェクターに写っているのがkumasakuの制御画面です。)

新見先生ご講演会

杉山さんのミネソタ大学留学時代の知り合いで現在ヘルシンキ大学にてPIを務めていらっしゃる 新見(しんみ)修先生による分子生物学 (ターゲットは蠅です) に関するご講演して頂きました。 触覚の変わりに足が生えた蠅の変異体などと少なからずバイオに関わっている者としてはぞくぞくするご講演でした。 その中で興味深かったのは蠅がかかる病気の七割近くは人間でも起こりうるとのことです。 遺伝子配列のレベルまでさかのぼると相同性が高いのかもしれませんが、 素人視点では蠅と人間はあまりにも違っているとの先入観があるのでいい意味で予想を裏切られました。  ご講演の最後の方で最新の蛍光顕微鏡技術でのチューブリンのリアルタイム観察の様子は圧巻でした。 方法は違えどもdynamicalであることが生物の神髄であると思います、 我々の手法が今後in-vivoの複雑系にも多少お手伝いが出来るといいなと、 また新たな野望に燃えながら知的好奇心をくすぐられた楽しい一時でした。(井上)

新見先生の迫力満点のご講演

熱心な聴衆

今年も吉例!夜桜お七

年度も改まり、目覚ましい成果を上げるべく一層仕事に励む杉山研一同です。我が京都大学原子炉実験所は構内に桜がたくさん植えられており、ちょうどこの時季は至る所に桜が咲き誇り我々の目を楽しませてくれます。過酷な研究の日々を支える健全な心身を養うため、杉山研では、桜を愛でて鋭気を養う毎年恒例の行事「夜桜お七の会」を杉山教授室にて開催しました。今年は桜の開花のタイミングもちょうど良い絶好のお花見日和となり、近隣の研究室からのゲストやその家族も交えて、室内で楽しいひとときを過ごしました。ディスプレイに映る満開の桜を眺めながら食べるししゃもは格別ですよ。それでは、みなさん、今年度も怪我などしないよう気をつけて1年間がんばりましょう。(佐藤)

盛り上がる会場(屋内)

Neutron Biology for Next Generation

個人的なことから始めさせて頂き恐縮ですが、2008年3月に学位を取った後に 2008年5月からユーリッヒ研究センター (FZJ)で1年2ヶ月の期間PDとして研究致しました。 その時に直接お世話になったいわば師匠であるDr. Ralf Biehlを一度日本に呼びたいと思っていたのですが、 中々機会に恵まれなかったのですが分子研の秋山先生とJ-PARCのご尽力でRalfを日本にinviteする機会を得ました。 岡崎の研究会から続いて東海村でもDr. Frank Gabelとともに講演をして頂きました。 PD時代は本当に使い物にならず (今もですが…) に毎日Ralfの部屋を訪れては懇切丁寧にlectureをして頂いたおかげで ドイツで苦しくも有意義な時間を過ごせたと今も思っています。 そのせいか今回、すごくdeepなNSEの解析に関する議論を展開できて懐かしくも非常に楽しい一時を過ごせました。 (S山教授から上から目線で質問していたとのご指摘もありますが、ただ緊張していただけです...) ただ、私の発表はいつもの以上に緊張してかなりダメダメでした... まだまだNeutron+Biologyは日本ではすごくマイナーで欧米に比べると確実に発展途上国です、それが故にAll Japanで頑張っていかないとは思う次第です。皆様にはまだまだご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、そのうちRalfやFrankから"Good Work! (面白いことしてるね!)"と言って貰えるように精進したく思います。 Ralf und Frank, Vielen Danke!! (井上)

緊張感の漂う質問タイム

round table discussion

集合写真

Okazaki Conferenceに参加してきました

3/19~3/20にかけて岡崎で開催されたGrand challenge in small-angle scattering に参加、 ポスター発表をしてきました。英語での発表ということもあって、思うように説明できなかったり、 聞いている方のおっしゃられたことがわからないということもありましたが、 さまざまな国の先生の方に聞いていただけて、有用な意見をいただけ今後の研究の励みになりました。 また、非常に有名な方々の講演を多く聴くことができました。 どのスピーカーの方もSAXSやSANSのみを測定するだけではもう不十分で、 他の手法と組み合わせていかないといけないとおっしゃられていて、やはりひとつの手法、 一つの分野に閉じこもっているのは良くないことだとあらためて思いました。 "Integrated Quantum Biology"を心がけて生きたいと思います! 会議の後は講演してくださった先生方とともにおいしいてんぷらをいただきました。(酒巻)

岡崎城

やり切った笑顔

(再現図)

さよなら洋次郎、、、お茶入れてね

研究室創設2年目から在籍し活躍してくれた大場洋次郎助教がとうとう研究室を卒業となりました。これまでの活躍を謝して、いつもの店で歓送の小宴を開きました。 さて、せっかくですので会ではお祝いの品を渡したい。ただし、我々らしくひねりが無ければいけない。と言う例によって凝らなくても良いことを一生懸命考えた結果、
1.大場洋次郎氏は研究において「鉄」を愛する男である
2.大場洋次郎氏は「焼き物」を愛する詫びさびを心得た男である
3.日本原子力研究開発機構は新人教育で「お茶の入れ方」教育がある(ほんまか?)
と言う諸条件を考慮した結果、(超高級?)「南部鉄器急須(桐箱入り)」に決定。(必要以上に重い品物にしたのはR.I.の悪だくみか。。。) 当夜は、贈呈式もあり、例によって楽しく更けていきました。 洋次郎、JAEAでもがんばれ!(今度そっちに行ったらお茶入れてね) (杉山)

初体験:SEC-SAXS

噛むと危ない実験手法SEC-SAXSをKEK-PFで行ってきました。 この手法、正確にはSize-Exclusion Chromatography Small-Angle X-ray Scatteringの略で、 通常の精製過程では最後にタンパク質を分離抽出するためにHPLCを通し、 目的のタンパク質をFraction collectorに集めますが、 SEC-SAXSではHPLCから出てきた抽出液をそのままSAXSの測定セルに流し込み、散乱を時分割で測定してしまいます。 このため凝集しやすいタンパク質も凝集前に、解離会合系も特定のコンポーネントを測定することが可能な手法です。 実験は、岡崎の統合バイオの加藤研から矢木真穂先生、当研究室から杉山・井上・酒巻が参加しました。 目的タンパクの質の抽出とともに散乱強度が上がり、 そしてそれが凝集の無いきれいな散乱である事がわかって活気満ちた夜が更けていきました。 SEC-SAXS、すごい!(杉山) ゲル濾過カラムから出たばかりの一番新鮮なサンプルをSAXSで測るというsiz-exclsuion chromatography SAXS (SEC-SAXS)測定を岡崎統合バイオの矢木真穂先生と一緒に行いました。 実際に行ってみると今までどんなに頑張っても凝集物の影響が消えきれない試料からの 綺麗な散乱パターンが確認された時には軽く感動しました。データが多いのが 難点ですが、解析しがいがあります。うちのSAXSでも出来ないかなと、例の如く また馬鹿なことを考え始めた杉山研です。 (井上)

SEC-SAXS@BL15A2(KEK-PF)

清水先生の懇切丁寧な説明とSettingのおかげです

カラムを入れないといけません

おー出ている、出ている

データが出ていると夜中でもみなさんご機嫌

中川洋博士来室

当研究室と共同研究を進めてくださっている日本原子力研究開発機構の中川洋博士が 共同研究の打ち合わせ及びSAXS実験のため来室されました。中川博士は 中性子を用いた生物学のホープであり(中性子だけではありませんが!)、 今後の研究方向について非常に有意義な議論が行えました。 また、議論とともにSAXS実験も行いこちらも非常にきれいなデータを取ることができました。 ちょうど節分という事もあり、夜は海苔巻きを食べ、その後、一緒になべをつついて 頭もお腹も満たされた夜を過ごしたのでした。(杉山)

ICMAGMA-2017に参加しました

2017/1/31-2/3にインドのハイデラバードで開催された国際会議International Conference on Magnetic Materials and Applications (ICMAGMA-2017) に参加しました。2回目のインド来訪ですが、やはり体調を崩すこともなく、インドの方々の温かいおもてなしやおいしいカレーを満喫してきました。また、帰りがけに前の職場でお世話になった先輩(インド人)の勤める研究所に立ち寄り、xenocs社の素晴らしいSAXS装置等を見学させて頂きました。(大場)

2017年新年会はクエを食え

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もギャグの冴え渡る杉山研一同をよろしくお願いいたします。
さて、先日、私ども杉山研では毎年恒例の新年会が行われました。杉山さんが以前からご所望のクエを味わおうということで、 大阪の高級飲食店街・北新地まで足を伸ばしてきました。新地でクエなど頼んだ日には、目玉が飛び出るような請求書が 回ってきそうですが、我々でも手の届く庶民的なお店で安心しておいしくクエ鍋を味わうことができたのは、これ全て井上さんのリサーチ力のたまものです。
私はクエを食べたのは初めてでしたが、濃厚なこってり脂ののった魚かと想像していたところ、思いの外あっさりしていて、 繊細な味わいが印象的ですね。締めに食べたクエのだしが利いた雑炊がこれまた最高でした。雑炊の余韻を味わいつつ1次会は終了、そのまま2次会へ。 杉山教授のおごりで新地の高級クラブへ連れて行っていただきました。
……はい嘘ですよ、そんな夢のような話はありません。とはいいつつも、杉山さん行きつけ?の老舗のオーセンティックバーに連れて行っていただき、熟練マスターが出してくれた美味しいお酒を飲みながら、今年の研究の展望と抱負について語りあい、2017年のスタートを切った杉山研なのでした。(佐藤)

鍋奉行

雑炊奉行

北新地の夜は更けてゆく

大人の階段上る酒巻君

2016

高田さん壮行会!

先日、今月末で産休に入られる高田さんの壮行会を研究所近く(日根野)の居酒屋(?)でしました。とても学生同士で行けるようなところではなく少し緊張しましたが、魚料理がとてもおいしく、いい会になったのではと思います。みんなで生まれてくる子供の名前を考えてみたり、記念品贈呈(写真)をしました。ぜひ元気なお子さんを産んで帰ってきてください!いない間、実験、洗い物頑張ります、器具も壊さないように気を付けます!(酒巻)

東京農工大 養王田正文先生ご来訪

東京農工大学 養王田正文教授と大学院生の岩政菜津紀さんが我々の研究室においでくださいました。養王田先生はシャペロニンをはじめとするHeat Shock Protein研究の第一人者であり、我々との共同研究のKickoff meetingのために、わざわざ大阪まで足を伸ばしてくださいました。夕刻始まったミーティングでは、これまでの研究の経緯と今後の研究の展望について熱い議論を交わし、夜は場を変えて、真面目な話からくだけた話までお酒も入って大いに盛り上がり、大変楽しい時間を過ごしました。これからの共同研究が大変楽しみです。ところで皆さん、養王田先生のお名前をなんと読むかご存じでですか?(業界の方には今更だと思いますが)「よおだ」先生とお読みします。日本に数十人しかいない珍しい姓だそうですよ。May the Force be with us!(佐藤)

発足5周年記念研究室旅行記

おかげさまを持ちまして、本研究室も無事発足5年を迎えることができました。そこで、これを記念して研究室旅行が企画されました。例によって直前に様々な困難が降りかかりましたが、長年培った「現場力」で前日夜に目的地変更・宿予約を完了させ、予定とは全く反対方向の道後温泉を目的地として旅行は敢行することとなりました。 レンタカーに乗り込んだ我々はまず瀬戸大橋を渡り、四国萌隊に歓迎されつつ、うどん県に上陸したのでした。山下うどんにて本場ものを味わった後、目的地の松山の道後温泉に向かいました。松山には思ったより早く着いたので、「じゃあ、松山城だ」(適当)と言いう事で、城攻め?に向かう事としました。天守まで征服した後は、城を背景にやさしいおじさん(昔の制服)にシャッターを押してもらい記念撮影。そして念願の道後温泉に到着。早速、有名な道後温泉本館に向かいます。外観は風情があります。(ただし、中身は普通の銭湯だったような。。。) 周をり散策後は、ホテルに戻り料理に舌鼓、そして締めは研究室発足年の2011年もののワインで酔っ払って夜は更けました。 翌日は、これも研究室恒例の「大場先生ご案内の焼物見学ツアー」として、地元の砥部焼を見学に行きました。現代風の感覚もあり面白い焼物ですね。その後は、しまなみハイウェーを通って、景色を楽しみながら本土へ!途中、買い込んだCDに某准教授がしみじみするなどと言う事もありましたが、無事、尾道に到着。尾道と言えば映画のロケ地としても有名な文化の香りある土地ですが、我々は尾道ラーメンを食べるだけで帰途にしました(文化レベルが分かります)。 出発はドタバタしたし、途中の行動もほとんどその場の思い付きでしたが、それでも(それだからこそ)非常に楽しめた旅行でした。このところ研究活動に走りっぱなしでしたので、こんな日もあるといいなぁと思える2日間でした。さあ、次の5年に向けてまた走り出しましょうか?(杉山)

四国連絡橋をバックにパチリ

四国萌隊

大場先生の萌鉄

おいしかった山下うどん。どうやら有名店らしい。。。

道後温泉本館にて

かんぱーい!

2011年ワインと幸せな男。

松山城征服に向かう人々。征服後記念撮影

最後の締めは尾道ラーメン

快晴!しまなみハイウェイ!

sans-u駆動試験

うちの研究室は良く海外で実験しているように見えるようですが、 ただ海外に行きたいだけじゃないの?と誤解されます。 勿論、強度や技術的な制約上で海外の施設に応募しますが、 国内の装置がより使える或いは使い易い環境下にあれば そちらの装置も使うべきだと思っております。 その布石となるのが東大物性研中性子科学施設が管理する小角散乱装置 (sans-u)でして、 (何故か?)杉山、井上が装置管理グループに加わることが出来ましたので 9/5-9/6の日程でJRR-3 (東海村) にてsans-u駆動試験に参加してきました。 まだまだ時間はかかりそうですが、じっくりと装置に携われる中々無い機会でもあるので この機会を将来の運用にも是非feedback出来ればと思います。 いずれにせよ、三号炉のいち早い再稼働を切に願います。 更に再稼働後には是非申請をご検討いただきますようお願いします。(井上)

Dr. Porcar(Institut Laue Langevin)来室!

世界最高強度を誇る中性子小角散乱装置Institut Laue LangevinのD22の装置責任者である共同研究者のDr. Lionel Porcarが研究室を訪問してくれました。普段(?)フランスで小角散乱データについて議論をしていますが、今回は当研究室でD22の今後の計画(SEC-SANS、SAXS-SANS同時測定)や最近のILLでの研究動向などの情報交換や議論ができました。夜はなじみの和食の店で懐石料理に舌鼓を打ちましたが、さすが食通のにフランス人、全ての料理を喜んで食べ、その姿にお店の板さんも感動し、特別のお土産までゲットしておりました。(杉山)

ILL実験記

二年越しの実験が遂に実現しました。二年前に受理された研究課題でしたが、装置のupgrade, commissioningなどなどで遅れに遅れて今年の七月に漸く! 今回は最近、よく実験させて頂いている小角散乱装置 (D22)のお隣の中性子スピンエコー装置 (IN15) を用いてタンパク質の内部運動を見るというのが目的でした。この研究は私がドイツでのポスドク時代に携わったテーマでしたが、もっと深く追求したいということで横浜市大の佐藤衛先生のグループとの共同研究で始めることが出来ました。高濃度、大量且つ測定中にサンプルの単分散性が担持されなくてはならないと言う、実験的にもハードなサンプル調製が要求されましたが、同行していて頂いた横浜市大の小田隆先生の神がかり的なサンプル調製で一週間のビームタイム中で安定な測定を無事終えることが出来ました。これから、シミュレーションの結果との比較から興味深い結果を出すように頑張りたく思います。実験中はドイツでお世話になったDr. Biehlや前回の実験でお世話になったDr. Faragoなどの懐かしい方々と色々と議論できて、実験以外にも非常に楽しい時間を過ごすことが出来ました。また、NSEの実験後にはD22の装置責任者のDr. Porcarのご厚意によりSANS実験の機会も頂きました。年末の実験の弾みになる興味深い結果が得られました (また、年末も頑張るぞ!)。なお、実験以外では色々とトラブルが続いて悲惨でした (クレジットカードがATMに吸い込まれるなどなど)。(井上)

本当に大きな装置です

みんな仲良く? (左から、小田先生、杉山、Dr. Farago, 井上)

胡桃坂先生(早稲田大学)ご来所!

客員教授をお願いしている早稲田大学の胡桃坂仁志先生にご講演と研究打合せのため来所して頂きました。胡桃坂先生は遺伝子の格納庫であるクロマチン研究の第一人者であり、今回は「クロマチン構造による細胞核でのDNA機能制御機構」と言うタイトルでお話して頂きました。クロマチンの専門家でない人の向けの導入から最先端の取れたてのデータまで使ってのご講演は大変面白く、先生の熱演に影響され講演後の質問はいつ終わるかと心配になるくらい活発でした(内容に関しては要旨をご覧ください)。講演後は先生を囲んでいつもの店へ。胡桃坂先生の現在に至るまでの波乱万丈の人生をお聞きして大いに盛り上がりました。翌日は、これまでの研究成果と今後の研究についての熱い議論を行いました。先生の熱意により種々のアイデアが浮かび大変貴重な時間となりました。(杉山)

ANSTO実験記

今年も性懲りも無く、オーストラリア原子力科学技術機構 (ANSTO)に行って、Quokkaを用いた小角中性子散乱実験を行ってきました。前半は井上、杉山でタンパク質の溶液散乱、後半は京都大学工学研究科長田先生、杉山で有機溶媒中での合成高分子のconformationに関する研究を行ってきました。今回もDr. K. Woodのサポートのお陰で実りのあるデータは得られました。ただし、特に前半の6/3-6/6の期間においては生憎の悪天候で、サンプル交換するだけでも覚悟を決めてから行かなくてはいけないほどの惨状でした (ちなみに道は川へと化しておりました)。また、あまりにも凄まじい雨 (newsではHyper-stormとの見出しすら出ていた) でguide-hallに多々雨漏りが見られました。これもある種の文化の違いでしょうか (いわゆるオージー気質でしょうか)。色々とありましたが、今度は好天の時に平和な気分で実験したいものです。なお、6月後半の実験は平和に進んだようです、これも日頃の行いのせいでしょうか。(井上)

オーストリアで開催されたTHERMEC2016に参加しました

2016/5/29-6/3にオーストリアのグラーツで開催された国際会議International Conference on PROCESSING & MANUFACTURING OF ADVANCED MATERIALS Processing, Fabrication, Properties, Applications (THERMEC 2016)に参加しました。名前を見ると熱処理の会議のようですが、実際には材料研究全般を扱う、日本金属学会の国際版という感じの会議でした。今回はNeutron Scattering & X-ray Studiesというセッションが企画され、私の研究分野に近い講演が聞けるまたとない機会でした。当実験所の小野寺陽平先生の招待講演もありました。 グラーツは中世ヨーロッパの街並みが残るきれいな所でした。ウィーンからグラーツまで鉄道で移動しましたが、途中のゼメリングを走る山岳鉄道は世界遺産に登録されているということで、思いがけず貴重な体験をしました。(大場)

吉例、夜桜お七観桜会

今年も夜桜観桜会を開催しました。今年は「そんなに食べたいんですか!?」(By N.S) と言う冷たい声にも負けずこのため無煙ロースター購入してシシャモを焼きました。シシャモを食べながらの桜は最高です。今年から熊取にやってきたN子氏(仮名)も参加して楽しい夜は更けていきました。誰かちゃんと桜観た?(杉山)

ゲソに見えるシシャモ

第7回日台中性子X線散乱研究会を運営しました

丁度二年前台湾で開催された第6回日台中性子X線散乱研究会 (私がKURに異動する直前) で “次は、京大炉で開催されるから頑張ってなあ~“と現MLF DV.長から有り難いお言葉を頂いた後に 一年ほど忘れたふりをしていたのですが、去年の四月頃からぼつぼつと活動を始めました。 ある程度勝手を知っていたつもりでしたがいざ始めると予算、日程、締め切りなど 色々と困難に直面しましたが、実行委員のパワーと勢いで何とか乗り切ることが出来ました。 会期中も色々と不安でしたが、最後のイベントのexcursion後に台湾・日本の参加者から 楽しかった、良かったとのお褒めの言葉を頂きほっと致しました。きっと我々のおもてなしの精神が 伝わったかと思います。(井上)

SAXSが導入されました

念願のSAXSが納入されました!向かって左がMo-SAXS(Nano-Viewer)、右がCu-SAXS(NANOPIX)です。所内外、RIGAKUの方にお世話になりました。特にS先生、K先生、A先生、色々とご助言ありがとうございました。これから、がんばって結果を出していきたいと思います。また、線源が2つありますので、金属、有機溶媒、高分子、タンパク質とどのような試料にも対応していきたいと思っています。ご興味のある方はぜひ使いに来てください。(杉山)

機器設置作業を終えたRIGAKUの皆さんと記念撮影

2016年新年会!

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。我が杉山研究室では恒例の新年会を行いました。2016年も元気に研究活動に励むため、今年は近所の焼肉屋で鋭気を養います。チェーンの焼肉屋も良さがありますが今回は個人的にやってらっしゃるこぢんまりとしたお店で、アットホームな雰囲気の中いつものように馬鹿話をしながら(ちょっとは真面目な話もしたかな?)楽しい時を過ごしました。写真をご覧いただければその雰囲気を少しは感じ取っていただけるでしょう。今年も1年ガンバルぞ。(佐藤)

2015

ハワイ島コナで開かれた国際水晶体学会 ICL2015 に参加しました

フランスから帰国後、時差ボケも治らないうちにハワイ島コナで開かれた国際水晶体学会(International Conference on the Lens 2015)に参加しました。なぜ水晶体?かと申しますと、当研究室で行っている水晶体内タンパク質のクリスタリン研究成果の発表でお誘いを受けたからです。会議はお医者さん・薬学者から生化学者・生物物理学者まで幅広い分野の発表がある学際的な研究会でした。特に最近白内障の進行を抑える物質の発見が伝えられ、これに関するセッションは会場に人があふれていました。 場所がハワイとは言えホノルルのような都会ではなくハワイ島のコナでしたので、野趣の溢れるのんびりとしたところです。(杉山)

フランスILLで実験

2015/11/29-12/5にフランスのInstitut Laue-Langevin (ILL)で行われた実験に参加しました。私は初めてILLに行きましたが、周囲には日本と違う風景が広がっていてとてもきれいでした。利用したのはD22という装置で、ビーム強度世界一との評判に違わず凄いスピードで測定が進み、(井上さんが)忙しい実験になりました。あまりの強度に中性子実験に対する認識が変わり、中性子ビームは弱いものだという固定観念に捕らわれていたことに気がつきました。フランスということで、本場のおいしいフランス料理も色々体験しましたが、海老のスープとすりおろしたビーツが印象的でした。(大場)

オーストラリアANSTOでSANS測定

10月23日から11月1日にかけて、シドニー近郊にあるオーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)ブラッグ研究所に井上・佐藤が赴き、小角中性子散乱ビームラインQUOKKAを用いた実験を行ってきました。2人とも2回目のANSTO実験です。我々の研究室としては、5月(杉山・井上)、10月中旬(大場)に引き続き、今年で既に3回目の実験となり、ここのところ大変お世話になっている研究施設です。  期間の前半は京大院農学研究科の裏出令子先生にご同行いただき、温度変化に伴う小麦タンパク質グリアジンのwide q-range SANS測定を行いました。裏出先生にはお忙しいところ無理を言って一緒においでいただいたのですが、おかげで非常に興味深い結果が得られ大変有意義な実験となりました。今回は、装置担当者のDr. Jitendra Mataや、Dr. Liliana de Campoのご厚意により、Bonse-Hart型の超小角中性子散乱ビームラインKOOKABURRAも使わせていただくことができ、非常に広いq-rangeでの測定を行うことができました。後半は、東工大フロンティア研究機構の野島達也先生とともにタンパク質-界面活性剤系に関する測定を行いました。こちらも非常に面白い結果が出ており、今後の話の展開が楽しみです。  ところで、QUOKKAとか、KOOKABURRAとか、ビームラインに聞き慣れない名前がついていることに気付かれたかと思います。実は、ANSTOブラッグ研究所のビームラインの名称は、基本的にオーストラリアの動物の名前にちなんでつけられているのです。KOALAとか、PELICANとか、SIKA(鹿!)なんてのもあるんですよ。(佐藤)

Welcome to ANSTO!

QUOKKAのキャビンで裏出先生、野島先生と一緒に撮影

シドニー空港で買ってきたKOOKABURRAのぬいぐるみ

上久保先生講演会

9月25日に、今年度当実験所の客員准教授をつとめて頂いている奈良先端科学技術大学院大学 上久保裕生先生の講演会を開催しました。生憎、学会の時期と重なったので少し参加者は少なかったのですが、代わりに上久保先生のご学友であられる京都大学大学院薬学研究科の星野先生をスペシャルゲストとしてお呼びしました。機能性を生み出す複雑系分子システムの動作機構と構築と言うタイトルでご講演頂きましたが、最先端の研究動向を我々のような素人にも非常に分かりやすく説明して頂きました。今回は小角散乱の話題では無かったのですが、上久保先生の迫力のあるご講演をまた拝聴したく思います。(井上)

上久保先生のキレのあるご講演

猫のえさを何故か持ち歩くご学友

ドイツ・ベルリンで開催された小角散乱の国際会議 SAS2015 に参加しました

2015/9/13-18にベルリンで催された国際会議16th International Conference on Small-Angle Scattering (SAS2015)に杉山・佐藤・大場が参加しました。SASは3年に一度開かれる小角散乱をテーマにした国際会議です。X線も中性子も各国からたくさんの人が集まりました。普段はなかなかわからないヨーロッパやアメリカの研究の動向や、装置開発の現状が分かり、とても有意義な会議でした。主要なSAXS装置メーカーの展示も充実していました。夜はドイツらしくビールとジャガイモと肉をいっぱい食べました。(大場)

会場となったベルリン工科大学

Otto Glatter教授の講演

ビール

ビール、そして巨大なアイスバイン(豚のすね肉)!

格調の高いポスター会場

ILL again!

暑さが真っ盛りの7月の終わりにフランスはグルノーブルにあるInsitut Laue langevin (ILL)に中性子小角散乱実験に行って参りました。昨年の10月からおよそ9か月ぶりですが、前回は第2ビームホールが改装中いつも使わせてもらっているD22分光器が使えず、中性子小角散乱業界ではレジェンド(?)であるD11分光器での実験でした。ただ、検出器の関係で入射ビーム強度があまり上がらなかったためか、予想より散乱強度が弱くかなりの苦戦となりました(一応、結果は論文とはなりました)。そんなこともあり、今回は満を持してのNew D22 (写真1)での実験で期待してのILL入りでした。  実験は3プロジェクトでそれぞれの試料を持ち込み行いました。実験チームは、日本からは岡崎分子研・名古屋市大の加藤先生のグループから矢木さんと学生の柚木君、京大院工化学の杉野目研から長田さんそして杉山とD22のビームライン担当者で共同研究者のPorcarさんとMartelさんの7名です(写真2A,B)。現地で出てきたデータをDiscussionしながら、次の実験の計画を立て(正確には立ててきた計画に修正を加え)、マシンタイムを無駄にしないようにそれに合わせた次の実験の準備も進めていくという風に進んでいきます。熱く緊張しかつ楽しい時間が流れていきます。もちろんの杉山もちゃんと働きました(写真3)。  言うまでもなく実験での楽しみの一つは「食べる事」。それがフランスとなればなおさらです。実験準備が終わった初日は翌日からの実験の成功を祈って、皆で晩餐(写真4)。このワインが美味しくて同じものをもう1本頼んでしまいました。でも、別の日に食べたタルタルにはお腹が負けました。そして、実験終了後の夜はILLのスタッフ・学生さんたちと楽しく多国籍文化交流(写真5A,B)。これも世界中から研究所が集まるILLならではです。  今回は3つのプロジェクトとも非常に良いデータが得られたと思います。近いうちに学会・論文等で公表できるように現在鋭意解析中です。(杉山)

AOCNS-2015に参加しました。

2nd Asia-Oceania Conference on Neutron Scattering (AOCNS2015)に参加するために今月もオーストラリアに (1人で) 行ってきました。学会会場はシドニーの中心から電車とフェリーを乗り継いで1時間ほど離れたManlyと言う町で開催されました、冬で無ければさぞかし良いリゾート地だろうなと思いながら学会に参加しました。さて、本題の学会ではANSTOでの重水素化ラボの現況及びそのテクニックを使った結果に興味を持ちました。一刻も早く日本でも重水素化ラボを立ち上げなくては! 後は中々会えない知り合いとも再会できたことが個人的に大きな収穫でした。 次回は台湾で開催されるようなのでご興味をもたれた方は是非参加しましょう! (井上)

Dr.日野・倫太郎

J-PARCブースのポスターで大場さん発見!

ANSTO SANS実験

日本はそろそろ暑くなってくるなと言う時期にオーストラリアにあるANSTOでSANS実験を井上、杉山の2人で行ってきました。 今回はlost baggageにも見舞われず思いの外順調にANSTOまでたどり着くことが出来たのでそろそろ”杉山研の出張=何かが必ず起きる”と言う認識を改めなくてはと思いました。小角散乱装置Quokkaは既に佐藤、大場が使用しており既に使い勝手がよいとの評判を聞いていたのですが、予想以上に綺麗なqualityのデータが (家族が寝静まる時間を利用して調整した) 蛋白質の溶液散乱からも取れたのでこれからも継続的に利用できればと思いました。また、装置責任者のKatyさんのご厚意でlabo. SAXSも並行して使わせて頂いたのですが予想以上に使い勝手が良く効率の良い実験スケジュールを組むことが出来たので、SAXS/SANSの相補利用ができる環境を今後日本の中性子散乱施設でも整備していく必要性を痛感させられました。 実験の合間に南十字星も堪能できたのは良かったですが、レンタカーの暖房が全く効かない (外気温が9℃なのに)、カーナビが全然違う場所に連れて行くという軽微なトラブルはやはり回避出来ませんでした、前言撤回。(井上)

サンプル交換中に猫パンチをくらう筆者

Quokkaと一緒に記念撮影

綺麗な星空

高エネ研 Photon FactoryでSAXS測定

茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構の放射光施設Photon factoryにおいて、小麦タンパク質の構造解析に関する共同研究を行っている京大農学研究科の裏出令子研究室の皆さんと一緒にX線小角散乱測定の実験を行ってきました。 裏出研からは裏出先生ご自身をはじめとして総勢5人もの方に実験に参加していただき、作業を分担して大変スムーズに実験を進めることができました。我々、杉山研からは、杉山、井上、佐藤の3人が参加したのですが、体育会出身の学生を含むチーム裏出の若いパワーに元気をもらって、24時間の実験もあっという間に終わった感じがします。とはいいつつ、翌日まで疲労を引きずるところが中年の悲しさですね・・・。 実験終了後の朝の筑波山がきれいでした。(佐藤)

ローレンツ祭に参加しました

今年度もローレンツ祭に杉山・井上・大場の3名で参加いたしました。(佐藤は、なんとKEK-PFの実験がぶつかりお休み。) 協力講座で熊取ですので普段は目立ちませんが、今回は「Labは熊取だけど実験・研究の舞台は世界中!」をスローガンに張り切ってCMをして参りました。 予想以上に多くの学生さんが聞きに来てくれました。ありがとうございます。 ローレンツ祭は前述の通り学生さんへの研究室のCMという事もありますが、昨今重要となっているアウトリーチ活動の(練習)場としても重要かと思っております。 来年度はより面白い展示ができないか?研究室一同案を練っていきたいと思っております。(杉山)

語る大場助教(ちょっと、やらせくさい)

学生さんにNSEを語るDr.倫太郎

熱くなる杉山教授

JST-ERATO彌田超集積材料プロジェクト主催のミニシンポジウム「中性子溶液散乱によるタンパク質の静的・動的構造解析」にて杉山教授・井上准教授が招待講演をしました。

共同研究を進めさせて頂いている東京工業大学の彌田智一先生が主催されている「ERATO彌田超集積材料プロジェクト」にお呼ばれして表記のミニシンポジウムでの講演(杉山・井上)及び研究打ち合わせを2日間行ってきました。 初日はそれぞれの研究紹介がメインでした。我々のCV-SANSを使った静的構造解析・H-D交換を利用したKinetics観測・NSEによるダイナミクス解析を紹介した後、ERATOグループの方の研究紹介を拝聴しました。特に、共同研究でお手伝いをさせて頂いている野島先生のタンパク質を用いた新規構造体の開発に関する研究の発展は素晴らしく、近いうちに成果が発表できるものと確信いたしまた。 このような異分野の方との交流により非常に刺激を受けます。また、逆に我々の散乱解析手法に興味にも持っていただきお互いにとって大変意義のある共同研究ができておりうれしい限りです。今回、特に心に残ったのは彌田先生の材料研究に対する心構えに関するお言葉でした:
理学的研究は現象を解析することに事に意義があるし、そのことはもちろんrespectしている。しかし、工学的研究、特に材料研究はそれに加えてその物質が何に使えるのか?を示さなければいけない。
です。理学的視点で研究を進めている私にとっては工学研究者の「熱さ」を感じさせてくれるお言葉でした。(杉山)

講演プログラム(初日)

熱演する倫太郎先生

講演後に皆さんと(左より彌田先生、杉山、井上、野島先生、秋本先生、吉田先生(首都大よりお越し頂きました。))

日野先生「中性子科学会技術賞」受賞お祝い会兼恒例夜桜鑑賞会(通称「夜桜お七会」)

われらの愛すべき共同研究者日野正裕先生が昨年度の「日本中性子科学会技術賞」を受賞されました。そのお祝いを是非われらの研究室でもしたいと言う思いと恒例の夜桜お七会を今年も!と言う思いが重なって、この会となりました。 まずは日野先生に研究室一同からのお祝の品と花束の贈呈。お祝は「技術賞」に相応しい物として、豪華(?)本革製工具ホルダーです。これをベルトにさしてJ-PARCを闊歩している日野先生が目に浮かぶようです! この後は瀬戸研のお二人(増田さん、斎藤さん)も加わっての恒例の夜桜会です。研究室の英知を結集して開発したガスコンロハイブリット網焼き器でシシャモも焼きつつ楽しい夜は更けて行きました。(杉山)

Dr.日野 Dr.倫太郎 業界一××を病んでいる男

TAIKAN@J-PARCでとうとう実験!

なぜか?なかなか実験ができなかったJ-PARCですが、久しぶりにSANS測定ができました。今回は日本が誇るT社との共同研究で未来に向けた材料開発の一環として新素材の構造測定を行いました。前回はその成果の一部が特許になりましたので、今回も良い結果を出し成果(未来)に結び付けたいと思います。 試料の詳細は申し上げられませんが、さすがT社です。これまでの経験を踏まえ、きっちりと作りこんだ1つ*万円のセルを十数個持ち込み、準備万端で実験に臨みました。測定試料の背景にある厳しい開発競争の話を聞くと測定・データ解釈にも身が引きしまり、心地よい緊張感(も)ある中での実験です。 緊張だけでは体が持ちません。実験の合間の昼食は最近恒例となっている那珂湊で楽しみました。美味しいものを食べ、美味しい成果を挙げる実験でした。(杉山)

佐藤さん4?歳おめでとうパーティー

皆様明けましておめでとうございます、本年も杉山研をよろしくお願いいたします。 さて研究室内で誕生日を祝うことがすっかり恒例となりましたが (多分、各々の家庭で冷遇されているからと言う訳ではないと信じていますが…)、 1/30に一週間遅れで佐藤さんのお誕生日パーティーを行いました。 今回は佐藤さんだけに”サトウ”の切り餅を買ってきて スタッフみんなで網の上で焼いて食べました。 途中炎上したり、中々焼けなかったりとありましたがみんなで珍しくしんみりとした雰囲気の中 美味しく頂きました。今年も餅のように粘り強く研究を進めていければと思います。 さて、次回の更新はお花見辺りの更新でしょうか。(井上)

2014

米豪お土産対決!!

2014年11月、杉山・井上隊は大寒波の押し寄せる厳寒の米国オークリッジ国立研究所へ、大場・佐藤隊は初夏の爽やかな陽光が照らすオーストラリア原子力科学技術機構へとそれぞれ旅立った。その目的は・・・そう、お土産対決である。如何に優れたお土産を見つけ出し、敵をして眼前にひれ伏さしめるか、その一点にこそ我々の使命は存在していたのである。さて、その結末や如何。

【米】アナ雪のキャンディースティック。食品にはありえないビビッドカラー(青)が美しい。堂々と"Artificially flavored"と書いてあるのも潔い。

米】だるま型ボトルに入ったのコカコーラ・・・・の写真があったのだが、ある大人の事情により写真は割愛。代わりに大場助教の笑顔をお楽しみください。

【豪】LEDがまぶしい電光掲示板ベルトバックル。オーストラリア土産の定番といえば、やはりこれしかない。

【豪】もちろん、流れる文字はユーザーが変更可。赤ではなくピンクのLEDなので、当然青色LEDの技術が含まれている。ノーベル賞の技術をさりげなく盛り込むところが豪州隊の奥ゆかしさである。

【米】しかし、米国隊は最終兵器を持ち出してきた。得体の知れないこの果物、ヒカマというメキシコの果物らしい。味は…甘くない梨だと思っていただいて間違いない。より戦闘力を増すためか、表面が腐りかけた状態で対決に持ち込むあたり、侮れない。

このように、明確な勝敗のつかないまま終わった土産対決。読者はどちらに軍配を上げられるだろうか? ……しかし、後日、豪州隊は、米国隊がアナ雪のキャンディースティックに密かに盛り込んでいた恐るべき深謀遠慮に気づかされることとなった。 ※とある親子の会話
父:「はい、お土産。」
娘(8歳):「どうしたん、これ?」
父:「杉山さんたちがアメリカに出張したから、そのお土産だよ。」
娘:「・・・」 娘:(数秒の沈黙の後)「あー、アメリカだから飴買ってきたのね。」
アメリカだから飴・・・
かくして、初の米豪お土産対決は、米国隊の高度な策略によって豪州隊の惨敗に終わったのである(佐藤)。

ORNLで実験しました

実験直前に全米を寒波が襲い、ハワイでも氷点下を記録した と言う悪条件の中、今年2回目のORNLでのSANS実験を井上、杉山で行ってきました。 実際にKnoxvilleに到着してみると日本とそれほど気温も変わらずに 余裕じゃん!と高をくくっていたのですが、そこは数多のトラブルを経験した 杉山研やっぱりすんなりとはいきませんでした。 2人とも荷物が出てきません... でもそこは旅慣れた杉山さん、こなれた様子でlost baggageの手続きを行って おりました。さすが教授ともなると違うなあと研究と全く関係ないところで感心して ました。 実験の方ですが初めて自分が作成した生体試料の測定のためかなりピリピリしていま したが、 予想以上に綺麗なスペクトルを得ることが出来て概ね満足できました。 これからもっとBioとSANSを組み合わせたユニークな研究を進めれればと思います。 実験の合間の楽しみと言えば、やはり食事です。今回一番衝撃を受けたのは wasabiと言う鉄板焼き屋 (どうも派手なパフォーマンスが売りなようです) に行った際に目の前で見たまさに炎上したタマネギでしょうか、味はなかなかおいし かったです。 是非皆様Oak Ridgeに行かれた際にはお試し下さい。(井上)

ANSTOで実験してきました

2014/11/24-12/6にシドニー郊外にあるオーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO, Australian Nuclear Science and Technology Organisation)で中性子小角散乱実験をしてきました。使った装置はQuokkaという名前で、オーストラリア特有の動物から命名したらしいです。 おみやげにQuokkaグッズを探してみましたが、店員さんすらQuokkaを知らない始末で、とてもマイナーな動物のようでした。メンバーは首都大の諸岡先生と豊橋技科大の足立さん、杉山研から佐藤、大場です。ビザ等の手続きが非常に面倒だという前評判を聞いていたのですが、急速に改善が進んでいるようで予想以上にスムーズに手続きできました。装置は新しくて中性子強度も強く、担当者の方々も親切で、バックが高い等やや気になる所はあったものの、順調に実験できました。ANSTO構内ではユーザーは写真撮影禁止だったのですが、担当者のJitendra Mataさんが記念撮影して下さいました。ANSTO近辺は夏で気候がよく、とりわけ朝は晴れることが多く、怪鳥の鳴き声が聞こえて清々しい気分になりました。 物価が高いのが難点でしょうか。(大場)

杉山正明教授 生誕五十年祭を大々的に挙行

杉山正明教授の50歳の誕生日を祝って生誕五十年祭が研究室で大々的に挙行されました。東海道新幹線開業、かっぱえびせん発売、テレビ東京開局、東京モノレール開業…今年2014年はさまざまな大事業が50周年を迎えましたが、我々の研究室ではそれに匹敵するビッグイベントです。この日にそなえて準備したラベンダーろうそくと高級かっぱえびせんを贈呈し、みんなでケーキを食べました。 もちろん夜は、美味しい料理を楽しみながら祝杯を挙げたのは言うまでもありません。(佐藤)

Photon Factoryで裏出研のみなさんと実験

11月8日、つくば市にある高エネルギー加速器研究機構の放射光施設Photon Factoryで、京都大学大学院農学研究科の裏出令子先生の研究グループと一緒に小麦たんぱくグリアジンの構造解析に関するX線小角散乱実験を行ってきました。裏出研からは裏出先生、東野さん、船木君、北尾君の4人が、杉山研からは杉山、井上、佐藤の3人が参加し、大人数で賑やかに実験してきました。割り当てられた時間の中でできるだけたくさんの試料を測定するため、いつも徹夜で行う苛酷な実験なのですが、分業体制を敷いて効率よく測定を行うことができました。 今はまだ人数の少ない杉山研究室ですので、このように他の研究グループと一緒に行う実験をいつも楽しみにしています。(佐藤)

ILLで実験しました

10/5-10/11の日程でフランス・グルノーブルのラウエ・ランジュバン研究所(ILL)に中性子小角散乱実験に行って参りました。 ILLの研究炉HFRは世界最高性能を誇るもので、そこに設置されている分光器も同様に世界最高で一度味わうと逃れられない。。。。 今回のメンバーは杉山・井上と早稲田の胡桃坂研から堀越先生が参加していただきました。 分光器はいつも使わしていただいているD22がアップグレード中で使えないのでD11の方を使わせていただきました。 D11は世界のSANSをひっぱてきたレジェンド分光器で、これを用いた結果の論文をいくつも読んでいるだけに感慨もひとしおです。 実験の合間にはLionel博士、Zaccai先生に晩御飯を連れて行っていただき、実験結果だけでなくお腹もいっぱいになる3日間でした。(杉山)

並んだサンプル

D11(と堀越先生)。30mは長い

D22はアップグレード中

仲良く解析中(Dr.Martelと倫)

NISTで実験してきました!

2014/9/7-9/12に、ワシントンDC近くのGaithersburgにあるアメリカ 国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST)の研究用原子炉に設置されている中性子小角散乱装置(NG7)を用いた実験をして参りました。今回のメンバーは左から杉山、井上、大場、そして産総研の平野博士です。 楽しくかつ真剣に実験を満喫してきました。(杉山)

井上倫太郎准教授がパパになりました!

井上倫太郎准教授がパパになりました!

オークリッジ国立研究所で中性子小角散乱実験をしました

2014/5/20~5/23の期間オークリッジ国立研究所(ORNL)の原子炉(HFIR)で小角中性子散乱実験をBio-SANS (CG-3) を 用いて行いました。実験は名古屋市大の矢木先生、杉山、井上の三名で行いました。私自身ORNLでの初めての実験でしたのですが入庫許可証が実験の 一週間前になっても発行されず、いよいよ実験が出来ないかと諦めていたところ(杉山先生に全てをお任せしなくてはと思っていましたが...) 漸く三日前に許可証をgetして何とか入構できました。ORNLは我々が実験したHFIRとspallation source (SNS) の二つの中性子源があり我々にとっては非常に 羨ましい環境でした、いずれSNSでも実験する機会を是非設けたいと思います。実験自体は溶液散乱ならでは難しさを痛感しましたが色々と 良い経験になりました、是非自信の実験にfeedback出来ればと思います。最後に実験とは関係ないですがORNL近辺で聞くoak ridge boysは異常に しっくりしました。ご興味をもたれた方はyoutubeかItune storeでご確認下さい。(井上)

2013

2013年12月16-20日 インド・バンガロールで開催された国際会議 IUMRS-ICA 2013 に参加しました

インドのバンガロールで開催された国際会議 IUMRS-ICA 2013 に大場・佐藤の2人が参加発表してきました。この会議は、材料科学に関する国際学会IUMRSのアジア支部が開催する会議で、毎年アジアの学会加盟国が持ち回りで開催しているものです。2人ともインド訪問は初めてで、周囲からは「おなかを壊すんじゃないか」、「何かトラブルに巻き込まれるんじゃないか」といろいろ期待(?)されていたようですが、何事もなく平穏無事に発表を終えて帰国しました。とはいうものの、日本との文化の違いを感じさせられた滞在でもありました。(インドの方は、人の話を聞いて相づちを打つときに首を横に振るのです!! 知っていましたか?)毎食カレーが出てきたのが、さすがインドという感じですね。それから、ティータイムにマサラティーが提供されたのですが、これも大変美味でした。(佐藤)

ロスアラモス国立研究所で中性子散乱実験

アメリカのロスアラモス国立研究所で中性子散乱実験をしてきました。折しもアメリカ議会の予算決議をめぐって10月1日より政府機関が業務を停止しており、今回の実験は直前まで先方と連絡が取れず気を揉みました。到着時間の関係でシカゴ経由の飛行機を利用しましたが、特に問題もなくスムーズにロスアラモスに着きました. ロスアラモスは標高2000m以上とのことで、熊取や関東よりも寒く、少しですが雪も降りました。 ロスアラモス国立研究所は、入構のために非常に煩わしい試験を受けさせられ、構内にはカメラやパソコンを持ち込むことができず、厳しい施設という印象を受けました。利用したのは小角散乱装置LQDで、鉄鋼材料の測定をしました。案の定、金属材料向けの測定環境は充実しておらず、サンプルチェンジャー等もなく疲れる実験でした。しかし、中性子実験用としては小規模と聞いていたのですが、思いもよらぬ立派な施設で、大きな装置がいくつも並んでいました。得られたデータはとてもきれいで、予想以上に短時間で測定することができました。パルス中性子なのでデータ処理が大変だろうと腹を括っていたのですが、装置がきちんと管理されているのに加え、高性能なデータ処理ソフトが用意されており、飛行時間のややこしい処理等をほとんど気にすることなくデータを得ることができました。 48時間のビームタイムで、人数も少なかったので辛い実験でしたが、良いデータが得られ、杉山先生の案内で怪しげなメキシコ料理やステーキを食べたりできて良い経験でした。研究所内では写真が許されなかったので、写真は帰りがけに立ち寄ったホワイトロックという集落の風景です。アメリカらしい広大さで、よくこんな所まで来て研究する気になるなと思いました。(大場)

2012

散る桜 残る桜も 散る桜

今年の四月から着任された大場洋次郎先生の歓迎会と称して、大阪造幣局の桜の通り抜けに行って来ました。 大川(淀川の河口)に浮かぶ屋形船を貸しきって川側からお酒を飲みつつ、ゆっくりと水都の雰囲気を楽しもう、という贅沢な夜でした。 屋形船は十人以上でなければ借りられないということで、今日の会は学生や他の研究室の先生方も誘った大所帯です。
天満橋をくぐり、大阪城を横目に見ながら川を遡り、天神橋をくぐり梅田の帝国ホテルを見てJR環状線 の下をくぐったあたりでUターンして元いた場所に帰って来ました。約二時間の船旅です。 船の中ではお鍋や刺身、お酒と川から吹く風をゆっくりと楽しみました。写真は天神橋をくぐった時の様子です。
食事の後は上陸し、今度は内側から桜を楽しみました。訪れたこの日は通りぬけの最終日でしたが、 まだまだ桜の美しさは健在でした。 写真は「小手毬」という種類の桜で、”今年の桜”に選ばれています。一つのふさに複数の桜の花が 付いている面白い形をしており、確かに周りと比べても一際艶やかでした 。次は天神祭の頃に行きたいですね。(上木)

2011

動き出せTAIKAN!

3月22日夜に東海に到着し、23日の朝から大強度陽子加速器施設/物質・生命科学実験施設(J-PARC/MLF)に新しく設置された大強度型中性子小中角散乱装置・大観(TAIKAN)で測定を行う予定でした。 しかしながら、22日の早朝にビームラインが停止し、実験は一時的に停止。 復旧まで1週間から10日ということで、TAIKANや実験施設の見学をしてきました。 J-PARCの宿泊施設は、他の実験施設の宿泊施設と比べて質が高いです。 部屋はビジネスホテルのようで、冷蔵庫が備え付けられており、ユニット型の風呂はかなり大きいです。 ロビーや廊下もかなり綺麗です。初日の夜はロビーで、杉山教授と京都大学化学研究所助教の井上先生、東京大学工学研究科講師の佐藤先生と、今後についてのミーティングをしました。 ただ、J-PARC自体が非常に広いため、実験施設から距離がかなり遠い(徒歩で20分以上)ため、実験を効率的に行うには自転車を借りる必要が有りそうです・・・。 東海ではめひかりという魚が有名らしく、唐揚げが出されましたがとても美味しそうでした。(上木)

TAIKAN(15番)の外観です。ビームが出ているときは、赤いランプが点灯します。

TAIKAN内部の試料台です。試料のステージは外部から操作することができ、上下左右傾きを調整することができます。TAIKANの検出器は非常に大きく、また室内は狭いため、検出器の全体像を撮影することはできませんでした。

写真の真ん中上部にある斜めを向いた鉄板のようなものは小角散乱の中でも広角用の検出器で、細長い管のような検出器が並んだものです。この検出器により、これまでは十分な精度が得られなかった部分のデータを得ることが出来る様になり、高分子の微細な構造をより正確に解析することができます。最終的には写真上部全てをこの検出器が埋め尽くすことになります。