KUR-ISOL

不安定核ビームを生成する装置として、我々はガス・ジェット移送方式のオンライン同位体分離装置 (KUR-ISOL)を開発して利用しています。

オンライン同位体分離装置(KUR-ISOL)の説明は、共同利用実験装置のページ内、貫通孔(T-1)にも掲載されています。

原子炉の炉心
20%濃縮ウランの板状燃料要素と黒鉛反射体要素とからなり、軽水を減速・冷却材とした熱出力 5 MW、平均熱中性子束3×1013n/cm2/s の原子炉です。
原子炉についてより詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。
ターゲット
235UF450 mgが蒸着されたフォイルがアルミ製の容器(内側容器外側容器)に納められています。
実験中は炉心近傍に置かれ、原子炉で発生した中性子を照射して235Uの核分裂を起こします。この時に発生する核分裂生成片は様々な不安定核を含んでいます。

Heガスジェット
ターゲットには外部からヘリウムガスが送り込まれ、生成された不安定核はこのガスとともに取出されます。不安定核の収集効率をあげるため、ガス内には少量の窒素とPbI2のエアロゾルが混入されています。
イオン源
ターゲットからガスジェットに乗ってきた不安定核をイオン化します。表面電離型イオン源が使われており、主にアルカリ金属をイオン化する事ができます。その他の元素のビームが必要な場合、あらかじめガス中に酸素を混ぜておき不安定核の酸化物としてイオン化する酸化法なども用いられます。イオン源には30 kVの加速電圧が掛かっており、イオン化された不安定核は30 keVのビームとして取出されます。
電磁石
イオン源を出た段階では、まだ様々な原子核が混ざった状態です。これを分離するために電磁石が用意されています。加速エネルギーが30 keVと決まっているため、適切な磁場を選ぶ事で目的の原子核だけ後段のスリットを通過できるようにできます。
スリット
電磁石で特定の方向に曲げられた原子核だけを選ぶために用います。

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